絶対に死んではいけないACfa   作:2ndQB

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さっそく感想来ててうんこ漏らした。
いや本当にありがとうございます。


第4話

主人公視点

 

PAの準備……OK!

これでどうですかね。スミちゃん御一行が少しでも落ち着いてくれると助かるのですが。

 

《まさか、本当に出来るとはな……》

 

落ち着いたみたいだね。いやいや良かった。もうすぐ問答無用のデスマッチになるとこだった。

とりあえず会話会話……

 

《言っただろう、PAの展開は「してない」だけだ》

《……どうやらそのようだ。今日の所は退いておくとしよう》

 

YES!! 諦めてくれた!ホント一時はどうなる事かと思ったけど……

 

《だが、撤退する前に……貴様に幾つか聞く事がある》

《まあ、答えられる範囲なら良いだろう。何だ?》

《貴様と遭遇した時の行動から察するに、ラインアークとは深い関わりがない事は分かっている》

《ああ、実際に「今」の俺はラインアーク側とは無関係だ》

 

まあ今はね……実はちょっと「ラインアークに住もう!」作戦を考えてるんだけど。

だって行く所無いし……それより、え?どの辺の行動で分かったんですか?

 

やっぱりスミちゃんの洞察力は半端じゃないですね……

 

《関わる関わらない、関係なく、普通はネクスト機を確認した時点で自機のPAを展開する……貴様、何故PAを展開しなかった?》

 

いや、そんな事言われましても。

 

《迷惑だろう》

《……は?》

《ラインアークに迷惑が掛かるからと言っている》

《正気か?貴様?》

 

いや正気も正気。むしろ平和な日本から来ていきなり暴れる奴の方がオカシイです。

 

《なら、貴様が……おそらくだが、ほぼ無関係MT部隊の盾になってたのは》

《可哀想だからな》

 

いや、MTvsネクストって流石にね。無理があるからね。

 

《……》

《……》

 

そしてこの静寂である。俺何か変な事言った?言ってないよね?

 

《はぁ~~……》

 

そんな大きなため息つかないでください。泣きそうになるので。

 

《ちなみに今、MT部隊を排除しようとしたらどうする》

《そちらと戦闘になるだろうな》

《……》

《……》

 

再び静寂。なんだコレ。誰か俺を助けてくれ。っていうかもう帰って下さい……

 

《もういい、ストレイド。帰還しろ。やる気が削がれた》

 

くるりと機体を反転させるストレイド。やる気が削がれたって……や、むしろ良いんだけどさ。

でもちょっとは言い方考えて欲しいです。俺の精神APがマッハで削られてますから。

 

《ああ、そうだ……貴様、機体名は?》

 

え?名前じゃなくて機体名?どうしよう、昔のACキャラから取った名前だけど笑われ無いかな。

いや、ここは物語でいう大事な部分のはず。自信を持って答えよう。

 

《【ネームレス】だ》

 

名前はまだない。(ある)

 

《【ネームレス】……〝名無し〟か。貴様、覚えたぞ。その正体、必ず突き止めてやるから覚悟しているんだな》

 

怖すぎます!

 

いやだから何ですぐ熱くなるの?松岡○造の血族か何かですか?

ってストレイドはOB(オーバードブースト)使って速攻で居なくなるし……それにしても速い。さすがは〝アリーヤ〟燃費悪いけど。

  

《ふぅ……》

 

何とか凌いだ。さて、PAを切ってと…… 

これからどうしようか。まぁ、とりあえずさっきのMT部隊の所行きますかぁ。

 

 

*********************

 

霞・スミカ視点

 

スミカは8割方、PAの展開は出来ないだろうと踏んでいた。しかし。

 

《まさか、本当に出来るとはな……》

《言っただろう、PAの展開は「してない」だけだ》

 

この男は展開して見せた。

つまり、不明機がPAを展開した以上今のストレイドの勝ち目は限りなく低いと言う事だ。

スミカは渋々、悔しがるようにして言葉を発した。

 

《……どうやらそのようだ。今日の所は退いておくとしよう》

 

だが、手ぶらで帰るのは彼女のプライドが許さない。

 

《だが、撤退する前に……貴様に幾つか聞く事がある》

《まあ、答えられる範囲なら良いだろう。何だ?》

 

「答えられる範囲」つまり、この男自身の事は限りなく聞き出せないという事だ。

とは言え、そんな事は言われなくても分かっている。

それ以外で、セレンにはどうしても聞きたいことがあったのだ。

 

《貴様と遭遇した時の行動から察するに、ラインアークとは深い関わりがない事は分かっている》

《ああ、実際に「今」の俺はラインアーク側とは無関係だ》

 

やはりそうだろう。では何故。

 

《関わる関わらない、関係なく、普通はネクスト機を確認した時点で自機のPAを展開する……貴様、何故PAを展開しなかった?》

 

ずっと疑問に思っていた事だ。

この男はリンクスとして、それこそ、熟練者こそ「ありえない」行動を取っていたのだから。

さて……この質問にどう答えるのか。彼女の予想としては、「新米相手にそんなモノわざわざ展開するまでもない」と、ふざけた事を言うつもりだと踏んでいるのだが……

 

《迷惑だろう》

 

……。

 

《……は?》

 

スミカは耳を疑った。この男、今何と……

 

《ラインアークに迷惑が掛かるからと言っている》

 

それは彼女の予想を遥かに上回る返答であった。

 

《正気か?貴様?》

 

故に、純粋な気持ちで聞き返してしまう。

ラインアーク所属でもないのに、この男は自分の身を危険な状況に晒していたという事である。

 

《なら、貴様が……おそらくだが、ほぼ無関係MT部隊の盾になってたのは》

《可哀想だからな》

 

スミカは呆気に取られていた。

 

何せこの男がPAを展開しなかった……MT部隊を庇った理由が、本当に見ず知らずの他人の為に起こした行動だったからだ。

先程から何度も言うように、PAを展開しない状態というのは自殺行為だ。

自分が盾になっているMT部隊に攻撃されたらどうするつもりだったのか。

 

《はぁ~~……》

 

長い溜息をつく最中、スミカは思う。何なんだ、コイツはと。

 

《ちなみに今、MT部隊を排除しようとしたらどうする》

《そちらと戦闘になるだろうな》

 

限りなく面倒なタイプであろう男の言葉に、スミカは少しの間黙ると、呆れるようにして再び口を開いた。

 

《もういい、ストレイド。帰還しろ。やる気が削がれた》

 

……今回は無駄足に終わったが、しかし。このままでは終わらない。

 

《ああ、そうだ……貴様、機体名は?》

 

本人の名前など聞いても無駄だと分かっている。偽名であろうし、聞くのは機体名だけで十分。

 

《【ネームレス】だ》

 

その名を聞いて、何故かは知らないが『何ともそれらしい』とスミカは感じてしまう。

故にその機体は、彼女の危険物リストに光の速さで登録された。

 

《【ネームレス】……〝名無し〟か。貴様、覚えたぞ》

 

セレンも様々なリンクスを見てきたが……ここまで他人に優しい者は居なかった。

戦場の他人に対して「可哀想だろう」とは、お人よしなのか何なのかは分からないが、少なくとも普通の人間の感覚ではない。しかし、この男は。

 

極一部の者しか知らないはずの情報を握っていた。

 

そしてこの幾多もの死線をくぐり抜けて来た者特有の〝威圧感〟。

それがただの「お人よし」であるはずも無いだろう。

 

 

《その正体、必ず突き止めてやるから覚悟しているんだな》

 

 

セレンは、そう最後にこの男。『名無し』に宣言した。

 


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