絶対に死んではいけないACfa   作:2ndQB

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そろそろチャプター1終了。



第27話

主人公視点

 

 

真改さん超やべぇ。

 

こっちのライフル一挺ぶった切られるし(実はコアもギリギリ傷ついているよ!)。

ウルスラグナにブレードで斬りかかったと思ったら、整波装置蹴って爆炎の中から現れるし。

蹴り入れるとかVACかよアンタは……そんなんやろうと思います? 一応AMSで接続されているだけあって、人間時の感覚・イメージで出来るんだろうけどさぁ……

 

挙句の果てには、俺が最後にテンション上がって「これも食らっとけやオラァ!」ってぶん投げた半分ライフルを狙い撃ちして、相手のPA弱らせるし。

 

《……さすがは『月光持ち』と言ったところか》

 

ハリウッド映画並みの活躍で目ん玉飛び出るわ!

 

本当、俺要らなかったんじゃね。真改さん全然太刀筋が寝ぼけて居なかったよオイ……

もしかしたら上位勢のリンクスって皆こんな感じなの? 

……考えてみればお互いOB中に相手のメインブースタを狙い撃ちする人も居るしな。

 

《……貴様、何故……》

 

褒め褒め作戦終了のお知らせ。うわー、やっぱり怒り心頭な感じですよね。

多分怒りの原因はライフル投げた時のWレーザーキャノン発射の件だろう。間違ってスプリットムーンの背中の方に一発直撃させちゃった……

 

《最後のアレか?……ああした方が良いと感じた。他意は無い》

 

本当にごめんなさい。悪意とかは全く無くて、ただ真改さんに何もかも任せっきりなのはどうかと思ってたんです。自分も働いてますよアピールをしたかったんです。

結果的に真改さんとこに一発当てると言う最悪の事態に陥りましたけれども。

 

《………》

 

無言。無言である。

 

普段から物静かな方らしいですが……あの頭部パーツ見てよ。AC4のオープニング機、シュープリスの如く『目を細めて』いるのが分かる。完全に睨まれてますねー。

さすがにAMS、そして複眼が採用されているだけあって人間的な部分も垣間見えます(逃避)。

 

《まあ、何だ。信じていたぞ》

《……》

 

うっし意味ないな。逃げよう。

 

《おっと、真改。後ろを見てみろ》

《……?》

 

此方の指示通りに後ろを振り向くスプリットムーン。くっく……今だ!OB機動!

 

《ハッハ!すまないが、帰らせてもらおう!仕事は元より無かったも同然なのでな!》

 

ほんとこれ。元々お仕事無かった訳だからね!

てか、結果的に言えば無かったどころか格段に仕事量が増加していたから。お給料が出るかどうかも分からない奴が。まったく、傭兵稼業はブラックも良いとこだぜ……

 

くやしい、でも受けちゃう!ピコンピコン!!(※ブザー音)

 

《しかしながら見事なブレード捌きだった。まるでオルレアを彷彿とさせる》

《……!待……》

《また、な》

 

そう言ってその場から超速で離脱する……はぁ。

真改さん強かったな。初めての室内戦でトンネルの壁に激突しないか注意散漫だったし、あのまま乱入無しで戦ってたらどうなってたことやら。

 

本当、AC4のオルレア戦を思い出したよ。まあそっちはゲーム中でしか戦って無いけども。

今回俺はトンネル内での戦闘だったから引き撃ちで何とか対応出来たけど、オルレア戦はこっちより超絶狭い倉庫での戦いだし……スライスされまくったなぁ。

 

初見で倒したアナトリアの傭兵さんマジイレギュラー。

 

《ゼン》

 

OBを使い、レーダーからスプリットムーンの反応が消えた頃、エドガーさんから通信が入った。おお、そう言えば

 

《すまな……》

《感謝する、エドガー》

《!》

《今回、そちらのお陰でスプリットムーンの一撃を回避する事が出来た。ハッキリ言って、あの指示が無ければ致命傷は免れなかっただろう》

 

あれは危なかった。ぶっちゃけ死にかけたよね。

「真改さん何か狙ってんなー」っては思っていたけど、まさか急勾配な坂を利用してくるとは夢にも思わなかったよ……実戦経験の差が出た場面だったね。咄嗟に二段QB出しても超ギリギリ……

 

と言うか殆ど偶然みたいなものだったし。正直、次あんな事されたらもう無理っす。

 

……アカン。思い出したら身体中が痛くなってきた。二段QBと普通のとじゃ身体にかかる負荷が全然違う。普段からQB慣れしていないってのもあるんだろうけど、そんなホイホイ使用出来る代物じゃないぞ。

 

《……そうか。役に立てていたのなら、それで良い》

《何を言っている。そちらにはいつも借りを作ってばかりで悪いと思っている程だぞ?》

《フッ……お前さん、少しばかり甘すぎるぞ》

《クック……それ程か?》

 

ゼンさんの半分は優しさで出来ています。嘘です。頭痛によく効くお薬作ってる会社に怒られそうなのでここまでにしよう。

 

《まあそれは良いとしてだ、エドガー。スプリットムーンの来た方向……少し妙だと思わないか?》

《それは此方も思っていたところだ。あの機体はお前さんとは『逆方向』から現れた。それこそ『待っていた』訳でも無くな》

 

そうなんだよなー。

 

俺狙いなら待ってれば済む話だ。真改さんが撤退しかけて、レーダーにこっちの機体が反応したから戻って来たとか?

でもわざわざ戻って来てまで俺(その時点ではまだ未確認機)と戦うかな……

 

《つまりお前さんは『スプリットムーンの現れる前に何者かが防衛部隊およびプロキオンを排除した』と考えている訳だな?》

 

え?あっ!そう言う事ねハイハイ!いやー実はそうなんだよ。俺も今同じことを思ってたんだよねー。いやマジマジ。

 

《むぅ……》

 

しっかしスプリットムーンの件もそうだけど、突然現れたウルスラグナの方も気になるな。

ゲーム中、ハードモードでは動かない固定砲台みたいなものだったし。

しかもよ?あれ、俺はともかく、スプリットムーン諸共破壊せんと猛突進してきた訳よ?

真改さんからしても予想外の出来事だったみたいだし、絶対『旅団』側じゃ無いよね。

 

てか全面中央に二枚目のPA隠し持ってるとか聞いてねぇ。何アレ新型?リンクス戦争からの十年間で改造でもしたんだろうか。

 

《クックック……成る程》

《……?》

 

わからん。もう謎めいている。誰か名探偵つれてきて。

そもそもの話として、依頼主がトーラスとか言う時点で怪しかったのかもしれない。

何やらラインアークはGA系列と仲良しらしいし。

 

…………。

 

おいおーい!今回きな臭さ半端じゃないぞ!

俺の知らないところで何かヤバい事起こってるんじゃないだろうな?いやでも、これ絶対幾つかの企業(組織)の思惑が絡んでるでしょ……

 

《全く、困りものだな》

 

ったくこれだからアーマードコアはよォ!

 

ゲーム中ならいざ知らず、実際に当事者になると裏の動きが全然分からぬぁ!

そう言う情勢を教えてくれるメールシステムやらナレーションやらも無いし……アレか?もしや、俺も例のアレなのか?

 

いつの間にか組織間のイザコザに巻き込まれていく、AC特有の『面倒な事』になるのか?

し、しかしそう言うのは別に担当が決まって……

 

……ハイヤメ!この話はやめよう!ぐちぐち気にするのは男らしくないし!

今日は疲れたし帰ったらゆっくり――――

 

《む……ゼン。突然だが先方からの連絡が入った。「報酬は倍振り込んだ」だと》

《そうか》

 

倍ってなんだよ倍って。

 

 

**************************

 

 

MT部隊隊長視点

 

 

戦闘終了後、ラインアークに戻ったエドガーは上層部への報告ついでにある人物を探していた。長い廊下を歩き、目的の人物が滞在していると聞いた部屋へと到着。

扉をノックし、するとそこから顔を出した者は……

 

「おやおや!珍しいねエドガー君。君が僕を訪ねて来るなんて」

「貴方に、少しお話を伺いたかったので」

 

アブ・マーシュ。言わずと知れた天才アーキテクトである。

エドガーの姿を確認しても特に驚いた表情は見られない。まさか来訪を予測していたとは思えないが、この男の場合「絶対に無い」と言い切れない辺りが何とも……

 

「立ち話も何だし、部屋にでも入りなよ」

「では、失礼します」

 

室内に入るとチラリと辺りを見渡す。まず目に付くのは木製のデスクに椅子。そしてベッドに加え、個人用のPC端末……何とも殺風景な部屋だ。

下手をするとゼンの部屋よりも何もないのではないだろうか。聞いた話によると大喜びで選んだらしいが。

 

マーシュはベッドに、エドガーは勧められるままに椅子へ座ると、観察もそこそこに本題に入る。

 

「それで、聞きたい事とはなんだい?」

「そうですね……まずは『スプリットムーン』と言うネクスト機について何かご存知で?」

「『スプリットムーン』……確か、旧レイレナードに所属していたリンクスの機体だねぇ。〝彼〟が本社を壊滅させた後のリンクスの消息は不明だったはずだけど……その様子だと」

「ええ、遭遇しました」

 

やはり旧レイレナード社出身か。機体構成を見る限りでは間違いないとは思っていたが。

しかしながらその様なネクスト機、リンクス戦争時を含め聞いた事が……

 

「そうだねぇ。申し訳ないけど、スプリットムーンのリンクスについては僕も詳しくは知らなくてね。知っている事と言えばリンクスネームは『真改』。十年前は確かまだ登録されたばかりのレイレナードの『被検体あがり』で、それゆえ戦場には出されなかった……と」

「なるほど」

「ああ、いや。とは言え僕らみたいな研究者だったりには『かなり優秀なリンクス』と噂では流れてきていたよ。まあ、あの頃は二人のリンクス、特に〝彼〟の話題で持ちきりだったからねぇ……」

 

戦場には出ていなかったとは……

 

確かに十年前、リンクス戦争時は〝彼〟ことアナトリアの傭兵。

そしてもう一人……ジョシュア・オブライエンの活躍の噂が毎日のように飛び交っていた。

そんな中では如何に優秀と言えども、自分達の様な一介の兵士にその名が伝わる事も無いか。

 

「お話、有難うございました」

「いやいや。あまり役に立てなくて申し訳ないねぇ」

「いえ、そんな事は」

 

十分有用な情報だ。元レイレナード社所属と言う事実の確認が取れただけでも良しとしよう。

 

「時に、ゼン君からは話を聞かなかったのかい?その様子だと彼、真改君の事は既に知っていたんだろう?」

「……タイミングを逃しました。ゼンは今回の件を少し『整理』している様子で、邪魔をするのもどうかと思ったので」

 

実際にはもう既に事の背景を理解しているように思えるが。戦闘終了後の「なるほど」との呟きからはそれこそ『全て』知っているかの如く……

まあ、根掘り葉掘り聞かれるのも嫌だろう。多少は自分で考えてみるべきだ。

 

「……」

 

ネクスト機、スプリットムーンを動かせる程の不明組織が背後にあったとして、ゼンのところと繋がっているのか、はたまた別か。

状況的には別の可能性が高いが、はたしてそれ程大規模な組織がそうそう存在するのか……

 

「……実は最近」

 

そこでマーシュが切り出す。

 

「公表は控えられているんだけど、世界各地で所属不明機がちょくちょく確認されていてね」

「!!……それは『別』機体で?」

「その通り。確認された機体それぞれのフレームは異なっているよ。明らかに組織的犯行と見るべきだねぇ……しかも、その全員が中々の実力者揃いと来たものだ。実際に量産型のAFも幾つかやられている様子だし」

「何と……」

 

何時もは柔和な笑みを浮かべているマーシュだが、この時は違った。

何かを思い出すかの様に天井を見上げ、瞼を閉じる。

 

「騒がしいねぇ……ゼン君が現れてからと言うもの、とても騒がしいよ」

「……」

「この感じ……『来る』かな?」

「……『一悶着』。で済みそうな話では無さそうですね。ゼンが切っ掛けとなるのか、はたまた別の要因なのか……ですがこのままでは確実に」

 

そう。確実に、起こる。

 

「だろうねぇ……まあ、ゼン君が現れた時点で『何か』が起こる事は明白だったんだけどさ。あれから約十年、僕的にはもう少しこの日常を謳歌したいところかな?」

「ククク……まだ謳歌し足りないので?」

 

傍目には中々謳歌している様に思えるのだが。しかし

 

「ふふふ、まだまださ」

「フ……実に貴方らしい」

 

全然、足りないらしい。

 

まあエドガー自身としても、決して平和とは言えないが、この日常が続いてほしいと願っている。何せリンクス戦争では戦いから遠く離れていた者達にまでその被害が及んでいたのだから。

 

今はクレイドルと言う新体制も出来上がっているだけに、その〝揺りかご〟が万が一にでも新たな戦火に巻き込まれでもしたら……考えるだけでも恐ろしい。

 

「そうそう。その、真改君。強かったかい?」

「ええ、ネームレスの装備が一つ破壊されました。しかし……あれは自分のミスが引き起こしたと言っても過言では――――」

「でも、ゼン君はそんな事思ってなかったんでしょ?」

「……貴方には、何でもお見通しの様子で」

 

全く。ゼンとはまた違った意味で敵に回したくはない男だ。

最近思うのだが、ラインアークにには曲者が集まってくる傾向でもあるのだろうか?

それらのお陰で企業と言う巨大な相手に立ち向かう事が出来ているのだろうが……

 

「えー。ではあと一つの質問を。『二段クイックブースト』という技術に聞き覚えは?」

「二段……いや、無いねぇ。全く……ふふ、もしかしてゼン君何か凄い事をしたのかい?例えば」

 

まさか、この男をして聞き覚えが無いとは。だがこの反応……

 

「QBの出力値が上昇したり?」

「! 流石です。ええ、今回の戦闘中において一度、QB時における出力が大幅に上昇しました」

 

やはり想定していた。それにこの反応、出力上昇の件については以前から知っている様子だ。

 

「僕の知る限り、それを可能にしているリンクスはこれまでに三人確認されているよ」

「これまでに三人とは……何と僅かな」

「うん。リンクスと言えどもその……『二段』だったかい?それを可能にするにはAMS適性以外の+αが必要だと僕は考えている。残念な事に研究対象が少なすぎて未だに解明するには至っていないんだけどねぇ」

 

これまでの、ネクスト機開発が行われてきての三人。余りにも少なすぎる……

つまりゼンは確認されているだけでも史上四人目の『二段QB』の使用を行える人物なのだ。

全く。何なんだあの男は。

 

「その三人とは?」

「まず一人は、ジョシュア・オブライエン」

「……!それはアスピナの……」

「ジョシュア君はAMS適性もさることながら、その『二段』を用いた高速戦闘もお手の物。更に頭脳・精神的な面から見ても最も理想的なリンクスだったんだ!」

 

目を輝かせ、興奮した様子でジョシュアの話をするマーシュは何というか……言うなれば、憧れの人物について語る無邪気な子供の様であった。

だが、エドガーは見逃さない。その最中に一瞬だが暗い表情をしたマーシュの事を。

 

「……」

 

アスピナの天才リンクス。ジョシュア・オブライエン。彼の最期について知る者は少ない。

かくゆうエドガー自身、『ジョシュア・オブライエンは作戦行動中の不慮の事故により行方不明』との公表しか耳にしていないのだ。

 

しかし少し考えれば分かる事だ……そんな事があるはずが無い。事の真相ははたして――――

 

「……ゴメンゴメン。少し熱くなりすぎたかな?」

「……お気になさらずに」

「えーっと。それで、ジョシュア君以外の二名は、かつて『砂漠の狼』の二つ名で知られたリンクス、アマジーグ。そしてもう一人は……」

「当てて見せましょう。『アナトリアの傭兵』、現ホワイト・グリントのリンクスでは?」

「ふふ、やるねぇ。正解。〝彼〟も使用していたよ」

 

やはり。何となくだが思った……リンクス戦争の英雄。あの男であろうと。しかし

 

「アマジーグにアナトリアの傭兵。両名は共にAMS適性は劣勢。それに使用『していた』とは」

「そう、〝彼〟はとある一戦でしか『二段』を使用しなかった。あるいは、出来なかったのか。アマジーグ君に関しては何とも言いきれないねぇ。彼は致命的な精神負荷と引き換えにネクスト機の戦闘力を引き上げていたらしいけど……」

「それと『二段』とは関係が無いと?」

「全く無いとは言い切れないね。ただ、精神的負荷を上げれば『二段』を使用できるなら、今までもっと使用可能なリンクスが出てきて居るはずなんだ。それこそ、戦場では死にもの狂い何て日常茶飯事なはずだからねぇ」

 

成る程、それでの『+α』か。AMS適性が劣勢でも良い……いや、AMS適性以外の〝何らか〟の才能?それははたしてAMS適性よりも更に希少な才能なのか……

 

 

もしくはAMS適性所持者。つまりはリンクスに著しく欠けている〝何か〟。

 

 

いや、まさかな。

 

「……貴方の、適性以外の+αに関する見解は?」

「ふふ……それは分からないなぁ?さっきも言った通り、研究対象が少なすぎて目星も付けられないよ」

 

嘘だ。このニヤケ顔……確実に何らかの目星はついている。

 

「クック……そうですか。それは残念です」

 

こうなっては仕方がない、ここはひとまず引いておくとしようか。

 

その後は、マーシュの『AMIDAちゃん観察日記』を見せつけられたり『浮く!ミニミニソルディオス砲制作計画!(〇秘)』を聞かされたりもしたがその話は割愛。

そもそも〇秘を人に教えても良いものなのか……

 

「……では、自分はこれで失礼します」

 

大分時間が経った頃、タイミングを見計らい部屋からの脱出に移る。

自分から訪れておいて何だが、マーシュはこのままだと一日中喋り続けそうなのだ。

 

「そうかい?まだまだ話し足りないけど……有意義な時間を過ごせたよ!また来たまえ!」

「ええ、また来ます」

 

危ない所だった。

エドガーは椅子から立ち上がると一礼をし、部屋から出て行こうと背を向けた。するとそこで何かを思い出したのだろう。

 

「おっと、エドガー君」

「? 何でしょう」

 

マーシュが非常に『ニヤニヤ』しながら語りだした。

 

「今度、ゼン君の戦っているところを皆で見よう!」

「……どう言う事でしょうか」

「その時のお楽しみさ!まあ、楽しみにしておいてくれたまえよ……あ!フィオナちゃんにはその時まで言わないでね。怒られちゃうからSA!」

「……ええ」

 

また何か企んでいる様子である。怒られちゃうから……とは、これまたフィオナ・イェルネフェルトも中々の苦労人だ。

 

ため息を吐きつつ部屋を後にする。

 

「……」

 

そして気が付いた。この場合、マーシュから計画を知らされた自身も所謂『共犯者』なのではと。しかし、今イェルネフェルトに告げ口をした場合マーシュの言う『お楽しみ』が阻止される可能性が高い。

 

エドガー自身としてはマーシュの企みが非常に気になる為に、密告と言う選択肢は無い訳で……

 

「ふー……やられたな」

 

長い廊下で一人呟く。今度は自分も『怒られちゃう』事になるやもしれない。

全く……まあ、マーシュが自分の関わりを話さなければ無事に済むか。

 

 

 

 


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