皆様、おひさしゅうございます。
今回は静謐ちゃんとのデート回となっております。
文字数はやや少ないですが、静謐ちゃんと十六夜のデートをお楽しみください。
オッス!オラ、逆廻十六夜。転生者だ。
転生特典はfateのサーヴァント(家族)と問題児たちが異世界から来るそうですよの逆廻十六夜の能力と容姿なのだが、転生した世界はなんと、ガールズ&パンツァーだった!?
とまぁ、ここまでが、俺のプロフィールなのだが、問題はこれからだ。
いつぞや、家族たちと共に旅行に出かけたのだが、そのときに家族みんなとデートするという約束をした。
今日は、静謐のハサンとデートすることになっている。
「十六夜、行こ」
俺が自室でデートに出かける準備をしていると、準備を終わらせた静謐ちゃんが入ってきた。
静謐ちゃんの服装は白いワンピースに首元に青いバラのついた、黒いチョーカーを付けている。
白いワンピースのおかげで、静謐ちゃんの黒い肌がよく映える。
青いバラも静謐ちゃんの髪の毛と合っており、清楚ながらも、毒の娘の名の通り、エキゾチックなコーデだ。
うん、非常に素晴らしい。
かくいう俺は、ネロに頼んで容姿を大人にしてもらっている。
服はエミヤの服を借りることにした。
白いスラックスに、デニムシャツ、足元は革靴を履いて、涼し気ながらも、大人風なコーデとなっている。
「よし、行くか」
そういって、俺は静謐ちゃんの手を握って出かけた。
静謐ちゃんと向かったところは、最寄り駅から四駅ほど進んだ場所にある、大きめの駅。
そこには大型のショッピングモールがある。
今日のデートはそこでのお買い物デート。
ちなみに、ずっと手を繋いでいる。
静謐のハサンとは、暗殺組織の長である歴代のハサンの中でも「毒の娘」と呼ばれている。
その理由は、全身が毒であるからだ。そのため、手を繋ぐこともできない。
しかし、この世界に来てからというもの、静謐ちゃんの毒はオン、オフの切り替えができるようになったため、こうして、出掛けたりするときは、いつも手を繋いでいる。
「・・・」
隣を歩いている静謐ちゃんは無言だが、表情を見るとご機嫌だった。
そんな静謐ちゃんの表情を見て、俺も表情が緩む。
「十六夜」
「どうした?」
「ううん、なんでもない」
「なんだよ、そこまでいわれたら気になるだろ」
「ううん、気にしないで」
そういって、静謐ちゃんは何もいわなかった。
大型ショッピングモールを散策していると、あちらこちらで見かけるのは、やはり戦車だ。
九州ということもあり、西住流が主流だ。
チラホラ、しほさんのポスターなんかもあったりする。
「・・・十六夜は、どんな女性がタイプ?」
俺がしほさんのポスターを眺めていると、突然、静謐ちゃんが聞いてきた。
「いや、だから、特にないって」
「・・・十六夜は熟女好き?」
「ブフォッ」
いつものトーンでとんでもないことを口走る静謐ちゃん。
思わず、噴き出してしまった。
「な、なにいってるんだ」
「十六夜、スカサハと仲いい。熟女好き?」
「・・・それ、絶対に師匠の前でいうなよ。確かに師匠のことは好きだけど」
「むっ」
すると、頬を膨らませて、俺の腕にピッタリとくっ付いてくる。
「十六夜がみんなのことを好きなのは知ってる。でも、今は私だけ見てて」
上目遣いでいう。可愛いすぎんか!?
「そうだな。悪かった。じゃあ、気を取り直して、行こうぜ」
その後、俺と静謐ちゃんは雑貨屋さんを中心に女の子が好きそうな場所を回った。
アサシンの静謐ちゃんにとっては、やっぱり新鮮なのだろう。口には出さないが、キラキラとした目で可愛い小物を見つめるあたり、やっぱり女の子だと実感させられる。
「可愛い」
静謐ちゃんがそういって、手に取ったものは、黒いポーチ、青い蝶の柄がプリントされている。
この世界に転生してからというもの、静謐ちゃんはBBと一緒に化粧の勉強をしていることが多々ある。
「そっか、なら俺からのプレゼントはこれにするか」
「いいの?」
「勿論。静謐ちゃんにはお世話になってるからな。弟分からのプレゼントだ。ヤハハ」
「ありがとう。大切にする」
レジで綺麗に包装もしてもらったあと、静謐ちゃんに渡すとギュッと抱きしめていた。
お昼時になり、俺と静謐ちゃんは喫茶店で昼食を取ることにした。
「十六夜、これ」
といって、とあるメニューを指差す。
そこには、カップル限定メニューと書かれていた。
「なになに、カップル限定メニューを頼んでツーショット写真を撮ろう?いいんじゃないか」
「うん、私はこれにする」
「じゃあ、俺はこっちな。ドリンクは・・・これでいいか?」
「うん」
静謐ちゃんが頼んだメニューはサンドウィッチ。俺が頼んだのはパスタだった。
ドリンクはカップル限定のラブラブ♡ジュースというもの。アニメなどでよく見る、二人用のストローになっており、真ん中でハート形になっている。
ちなみに、ジュースはピーチソーダだ。
頼んだものが届くと、店にいた人たちから、ちょくちょく視線を感じる。
中にはカップルもいたが、カップル限定メニューは頼んでいなかった。
「・・・なんか嫌な予感がしてきた」
「どうしたの?」
「いや、周りの人の反応が気になってな。俺達以外にもカップルがいるにも関わらず、カップル限定メニューを頼んでいないところがおかしいなと思って」
「・・・確かに」
静謐ちゃんも周りの人の反応の異変に気付いたようだ。
すると、一人の女性の店員がやってきた。
「お待たせいたしました。カップル限定メニューを頼んだお客様がたには、ツーショット写真を撮らせていただくことになっていますが、大丈夫ですか?」
「あぁ」
「では、キスしてくださいッ」
「あぁ・・・えっ?」
「ですから、キスをしてください。ツーショット写真はキスをしているところを撮らせていただきます。
ちなみに、その写真は現像したあとに、レジでお渡しします」
「分かった。十六夜、キスしよ」
「キスする場所はどこでもいいですよ」
どうやら、他のカップルはこのことをしっていたようだ。
なるほど、人前でキスするのか、確かに少し恥ずかしいような気もする。
「さぁさぁ、キスしちゃってください」
そういって急かす店員は黒い笑みを浮かべている。
「十六夜早く、キスする」
静謐ちゃんも静謐ちゃんで、身を乗り出して、キスをしようとしてくる。
普段は静謐ちゃんからキスをされているため、ここは俺が男を見せるか。
そう思い、静謐ちゃんの頬に優しく手を添えて、キスをした。場所は勿論、唇だ。
「ッ」
静謐ちゃんも、この反応には驚いたようだ。しかし、すぐに嬉しそうな表情をしてくれた。
「おおおおおおおッ」
店員はというと、顔を真っ赤にしながらも、カメラで写真をパシャパシャ撮っている。
キスは三十秒ほどだろうか?いや、もしかしたら一分以上経っているかもしれない。
周りにいた他の客も俺達のキスを見て、顔を赤くしている。
しかし、俺と静謐ちゃんは、そんなこと気にせずにキスをしていた。
「ん・・・十六夜、ありがとう」
「ヤハハ、やっぱり静謐ちゃんの唇は柔らかいな」
「んッ」
俺がキスの感想を述べると、静謐ちゃんの黒い肌は真っ赤に染まった。
「さて、これでいいのか?」
「勿論ですッ!むしろ、ごちそうさまですッ!メニューに書かれていると思いますが、お会計は半額にさせていただきますね」
「そんなこと書いてたか?」とメニューを再び確認すると、小さく端っこの方に書かれていた。
「おっ、ラッキー。それじゃあ、いただくとしますか」
「うん」
こうして、俺と静謐ちゃんのデートは終わった。
「十六夜、今日は楽しかった。ほんとうにありがとう」
「俺も楽しかったぜ。ヤハハ」
帰りも手を繋いで帰った。
ずっと胸がドクドク鳴っていた俺なのだが、静謐ちゃんにはバレていないだろうか?
まぁ、いいや。
どうやら、プラウダ編の話の投稿を間違っていたようなので、そちらもあとで修正しておきます。