絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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 今回は番外編と言うことで本編の七話で静謐ちゃんがデートをしたいということで
師匠とのデート?回を書いてみました。

 えっ、なんで師匠が最初なのかって?

 師匠が嫌いな人はいないでしょ(笑)


番外編
師匠とのデートと言う名の鍛錬


 「ではマスターよ。行くぞ」

 

 「よし、こいッ」

 

 俺は今、師匠と鍛錬をしている。

 

 師匠の手には某朱い槍ではなくごく普通の槍を持ってもらっている。

 

 (この話は十六夜君が小学四年生のときの話です。この頃の十六夜君はまだ能力が完全ではないため、普通の槍で鍛錬をしてもらっております)

 

 「ハッ」

 

 俺が先に飛び出し、師匠の裏に回る。

 

 この俺の体は十六夜の能力と言うこともありそれなりの敏捷性を誇っている。

これなら師匠の裏を取れるはずだ。

 

 「甘いぞ」

 

 しかし、それは甘く。師匠はすんなりと反応する。

 

 「ヤァッ」

 

 俺を突き刺す形で槍を放つ。

 

 「ぶねッ」

 

 鋭い一突きをギリギリで回避する。

 

 「これでも喰らえッ。即席の必殺 魔法カード地割れ」

 

 有名な遊戯王カードの名前を使わせてもらう。

 

 この技は俺が全力で地面を殴り師匠の周りを崩すというものだ。

 

 (ちなみにこの鍛錬は特殊な空間で行っておりますので現実世界には被害は起こりません。

あれです。精神と時の間的な奴である)

 

 「ほう、いい拳だ。しかし、この程度どうということはないぞ」

 

 師匠はランサーということもあり流石の敏捷を誇っている。

俺も速さでは負けていなと思っている。むしろ俺の方が速いとまで思っている。(このときの十六夜君は自分の特典に不具合があると思っていません。原作もあまり知らないので単純に自分の力不足だと思っています)

 

 「脇の防御が甘いぞ」

 

 師匠の突きが俺の脇腹を掠る。

 

 脇を切り裂かれた俺は痛みに顔を少し歪め一度距離を取る。

 

 「どうした?これで終わりか」

 

 「まだまだッ」

 

 息を整えたあと、再び師匠の元へ飛び込む。

 

 「飛び込むばかりでは私に勝てないぞ」

 

 「はッ、飛び込むだけのイノシシじゃないんだぜ」

 

 師匠の槍が俺に刺さる直前にバックステップで回避し、右に動くようにフェイントをいれて、左から回り込む。

これは某アメフト漫画の光速の足を持つ男のデビルでバットなゴーストを真似したものだ。

 

 十六夜の身体能力があわさり、本家よりキレのある技となっている。

 

 「面白い。だが、まだ甘いな」

 

 完全に隙をついたと思ったのだが師匠には効かず、槍の柄で思いっきり鳩尾を突かれる。

 

 「ガハッ」

 

 完璧に決まった師匠の一撃で俺の意識は闇に沈んだ。

 

 「まだまだだな。だが、既に五回も組手をした後だったのだ、仕方ないか」

 

 (ここからは師匠視点移ります)

 

 私は愛しい我が弟子を抱えてこの空間から出る。

 

 空間から出る際、どこに出るかは自由に選択できる。(家の中に限ります)

 

 私は自分の部屋を選択し、十六夜を私のベッドに寝かせて風呂に入る。

 

 あの空間内で汗を掻いたとしても現実に戻れば何もなかったことになっているので風呂に入らなくてもいいのだが、気持ち的に風呂には入っておきたい。

 

 シャワーを浴びながら私は考える。

 

 私の弟子であり、マスターであり、家族であり、思い人である逆廻十六夜という少年のことを。

 

 彼と出会ったのはカルデアと呼ばれる施設の英霊召喚システムで召喚されたときだった。

当時の彼は人理を救うための旅をしており、複数のサーヴァントと契約していたマスターだった。

 

 そのときの彼のサーヴァントはマシュ、エミヤ、私の弟子のひとりであるクーフーリン、そして清姫だった。

いくら複数のサーヴァントがいたとしても人理焼却の旅は厳しく、私が召喚されたことを心の底から喜んでいた。

 

 私も彼の力となるために全身全霊を尽くした。

 

 ただ、私を使い過ぎて少々私が社畜?というものになっていたのだが。

 

 だが、突然彼は姿を消した。

 

 私達カルデアの英霊たちは大慌てで彼を捜索したが、次の瞬間、私を含む複数のサーヴァントは女神に呼ばれた。かといって、ゴルゴーン三姉妹のような女神ではなく、異世界の女神らしい。

 

 彼女はマスターがどのような状況にあるのか説明してくれた。

 

 マスターが抜けたことによる人理はどうなるのか?という問題も解決されるらしく、喜んでマスターの元に向かった。

 

 私達が初めて見たマスターは幼く一部、私達の中からも幼くなったものがいた。

 

 女神からのメッセージを受け取ると、これからは一時的に受肉した状態になるらしく、私達はマスターと共に

人としての生を楽しんでもよいらしい。

 

 私は微妙だったのだがマスターの寝顔が可愛く、すぐにどうでも良くなった。

 

 この世界は平和だ。

 

 私達が人理を救う旅をしていたのがウソのようだ。

それも仕方ない。この世界はあの世界とは違い、魔術なんてものはない。

 

 龍脈などは感じ取れたのだが、それも微々たるものだ。

 

 そして私達はとりあえず、この世界で過ごすことを決めた。

 

 

 

 

 

 マスターが記憶を取り戻したのは小学校に入学する直前だった。

 

 突然熱をだして、倒れたマスターを見たときは大騒ぎだった。

 

 まぁ、すぐに女神からのメッセージが届いたのだがな。

 

 記憶を取り戻してからのマスターも変わらず私達を家族として接してくれた。

 

 私のことを師匠として、姉として慕う彼は可愛くて可愛くて仕方がなかった。

 

 だが、最近は師匠呼びが多く、昔のようにお姉ちゃんと呼んでくれることが少なくなってしまったのは少々寂しかったりする。

 

 そして、なんといっても西住姉妹と安斎千代美という存在だ。

 

 西住姉妹はマスターの通う学校に通っている少女たちで、姉はアストルフォと同い年だ。

姉は置いておいてもいいだろう。しかし、問題は妹の西住みほだ。

 

 彼女は西住流という戦車道の流派の家元の娘でマスターの趣味である戦車道の家元の娘と言うこともあり

マスターと仲良くしているらしい。それだけなら私もとやかく言ったりはしない。

 

 彼女はマスターに恋心を抱いているようで、マスターを見る目が完全に乙女のそれだ。

 

 小娘如きにマスターは、十六夜はやらん。

 

 

 

 

 汗を流し終えた私は部屋に戻ったのだがまだ十六夜は気絶していた。

 

 私も力加減を少し失敗してしまったかもしれないとは思ったが、十六夜なので大丈夫だろう。

 

 ここは姉として、師として膝枕というもので十六夜の回復を待つとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた俺の視界に映ったものは二つの大きな山だった。

いや、山というにはいささか柔らかそうでいい匂いがした。

 

 「目が覚めたか?」

 

 師匠の声がする。ということは・・・

 

 

 「膝枕ッ」

 

 「なんだ、気にいらなかったか?」

 

 「いえ、ありがとうございます」

 

 師匠の膝枕を受けた俺は先ほどのダメージから一瞬で回復する。というより現実世界に戻ればダメージはなかったことになるようだが、そこは気分だ。

 

 「あの、なんで膝枕を?」

 

 「なに、姉として弟の回復を待っていただけだ」

 

 「なるほど」

 

 師匠の膝枕は一言でいうと神だ。

 

 ほどよくむっちりとした感触が俺の後頭部に当たっているというだけで幸せなのに目の前にはおっぱいタイツ師匠たらしめるたわわと実った二つの果実。

 

 しかも服装は部屋の中と言うこともあり半袖のTシャツとラフな格好だ。

シャツの柄は師匠と書かれており、あきらかにおふざけ感が満載である。

 

 ちなみにこのTシャツは過去に俺がふざけて買ったシャツで師匠に丁度いいと思ってあげたのだ。

流石に外に来ていくのは恥ずかしいらしく、部屋の中などで来てくれているらしい。

 

 まぁ、実際にているところを見るのは初めてなのだが。

 

 さて、師匠の膝の感覚について戻ろうか。

 

 師匠の素足はすべすべで思わず頬ずりをしたくなるが変態なことはNGにしておきたいためやめておく。

すべすべでむっちりしており、ほどよく弾力のあるまさに神の生んだ枕。

 

 この脚があのパッツパツスーツに包まれていたと思うと・・・ゴクリ

 

 はっ、つい思考が変態となってしまった。

 

 「さて、意識も戻ったようだし膝枕はここまでだ」

 

 「えっ」

 

 「どうした、まさかまだしてほしいのか?」

 

 「えと・・・その、は、はい」

 

 「ふふふ、可愛い奴だな。いいだろ、私は姉だ。弟の願いを聞くのも普通だろう。ほら、もう少しこの膝を

堪能するがいい」

 

 そういって師匠は俺の頭を撫でる。

 

 優しい撫で方でどんどん眠気が襲ってくる。

 

 そういえば、前世で母さんに昔してもらったことを思い出す。

 

 母さんに親孝行できなかった。それが今となっては少し心残りだな。

 

 「そのまま寝てしまってもよいぞ」

 

 師匠の優しい声が更に俺の眠気を強める。

 

 今日はお言葉に甘えて眠らせてもらおう。

 

 

 

 

 「ふふふ、こうしてみるとただの子供だな。安心しろ。お主は私がケルトの英雄に負けぬ男にしてみせるからな。だから、今はこうして私の膝で休むがいい」

 

 私はすやすやと赤子のように眠る十六夜の髪を撫でる。

 

 すると十六夜は少し笑う。

 

 「ほんとうに愛い奴だ」

 

 これが、私と十六夜の日常のひとときだ。

 

 戦いに溺れる毎日もいいが、こうしてゆっくりと過ごす毎日もいいかもしれないな。

少なくとも私はこの生活が長く続けばいいと思っている。

 

 少し前までの私なら考えられないな、あんなにも死を求めていたというのに・・・

 

 





 デートというより日常ですね。

 しかし、彼女にとってはデートとなったようです。

 師匠の様子もここから変わっていたのかもしれませんね。

 番外編はこれからも本編と並行して書いて行きたいと思います。

 次のデート回は誰がいいですか?

 

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