今回は十六夜の宝物がちょびっと出てきます。
それと後半は・・・
さて、前回までの話なのだが俺の幼馴染みが俺の家族によって変な知識を植え付けられていた。
それでなのだが、見つかってしまいました。
みほが壁をコンコンと叩き不自然な音がするといって俺のコレクションが見つかりました。
「さて、これはどういうことだ?」
「十六夜君、なんでこんなにA賞もってるのかな?」
「あんたどんだけ金使ったのよ」
「これはすごいわね」
「・・・ちゃうねん、たまたま当たっただけやねん」
もう、何を言い返せばいいのかわからない。
にしても、幼馴染みと幼馴染みの友人と先生に俺のコレクションを見られるというこの絵面はなんといえばいいのだろうか。
「はぁ、まぁいい」
まほは許してくれたようだ。流石ッ
「私も飾られているようだしな」
「お姉ちゃんッ、わ、私のはないか・・・」
「にしてもあんた、よくこんなに当てることができたわね」
「ま、まぁ、この学園艦は戦車道がなかったからな。買う人が少なかったんだろうな。それで、俺はたまたま見つけて引いただけだ」
ほんと、あのときは運が良かったな。
「ねぇ、十六夜君」
「なんだ」
「あの箱ってなに?」
みほは俺のベッドの近くに置いてあった大きな箱に指を差している。
「あ、あれはだな・・・ヒ・ミ・ツ」
「エリカあれを開けろ」
「はい」
「ちょ、やめ、やめろって」
すぐに立ち上がりエリカを止めようとしたが、正座させられていたせいで足が痺れており再び転んでしまう。
「どうせ変なものでも入ってるんで・・・しょ?」
「み、見るなッ」
「これって・・・」
「懐かしいものを見たな」
「ねぇ、十六夜君あれって誰のサイン?」
俺の箱に入っていたものは三つのサインと色々なものだ。
シャーペンやロケット、毛糸が解れてしまっているマフラーや二冊のアルバムその他にも色々なものが入っている。
「懐かしいね。これって確かはじめて十六夜君が家に来たときに書いたやつだよね」
「あぁ、未来の軍神と西住流家元のはじめてのサインだったか?」
「えっ、これって隊長の書いたサインなんですか?」
そう、なかに入ってあった三つのサインは俺がみほとまほに書いてもらったサインとしほさんに書いてもらったサインである。
つまり、この箱は俺にとっての宝箱というわけだ。
「あら、このアルバムは小学校の卒業アルバム?」
コンコン
「料理が完成したのだが・・・おっと、すまない・・・」
そんなときにエミヤが俺の部屋に入ってきて料理の完成を教えてくれた。
「さ、さぁ、料理ができたみたいだし早く降りようぜッ」
足の痺れから解放された俺は四人をこの部屋から追い出す。
「はぁ~、疲れた」
とりあえず、下に降りると四人がすごい勢いでエミヤの作った料理を食べている。
「やはりエミヤさんの作った料理はうまいな」
「あっ、お姉ちゃん、それは私が食べようとしていたのに」
「ほんと、エミヤさんって料理がお上手ですね。女として負けた気分です」
「モグモグモグモグモグモグ」
エリカに至っては一言も話さず一心不乱にハンバーグを頬張っている。
「すまない十六夜、客が増えてきたようだ。すこし手伝ってもらっていいか?」
「はいはい、了解しました」
厨房に入りエプロンをつけて俺も店の手伝いをする。といっても料理の手伝いではなく注文をとったりするだけなのだが・・・
「坊主ー野菜炒め定食」
「はいよー」
「十六夜君生ビール二つ、刺身盛り合わせひとつと本日のオススメ定食二つ」
「生×2刺身盛り1、オススメ2はいりやしたー」
この手伝いも手慣れたものだ。
最近は戦車道や自動車部の手伝いが忙しくこうして手伝いをしていなかったが。
「旦那様、私も手伝います」
「沖田さんも手伝いますよー」
「お姉ちゃんもします」
きよひー、沖田さん、ジャンヌも手伝いに入る。
この三人が出てきたおかげで男性の客は盛り上がる。
「あっ、十六夜君、先生も生ビールお願い」
「はいはい、あんまり酔いすぎんなよ」
「分かってるって」
「坊主試合見てたぞ。おめでとうなッ」
「おう、たりめぇだって」
「きよひーちゃんカッコよかったぜ」
「沖田姉もいい仕事してた」
「にしてもサンダースって強豪だったんだろう。すげぇな」
どうやらここに来た客のほとんどが今日の試合を見ていたそうだ。
「これも全部、みほのおかげだな。俺はただみほのいう通りに動いただけだしな」
こうして、店はどんどん盛り上がっていった。
手伝いを始めて一時間がたった頃に俺はマシュと交代して風呂に入った。
風呂に入ったあとは夕飯を急いで食べてちょっくらコンビニに行ってちょっとした軽食を買う。
軽食を買ってどうするかだって?
今日の試合で撃破されてしまった戦車を整備してくれている自動車部へと足を運ぶ。
エミヤや母さん、みほ、まほ、エリカ、先生には一応伝えてある。
「ちぃ~っす」
「あれ、十六夜じゃん。何できたの?」
「今日くらい来なくてもいいのに」
「一回戦突破おめでとう」
「カッコよかった」
やはりいつも通りかの如く戦車を整備している四人がいた。
「ほら、差し入れだ。コンビニのだけど」
「いやぁ、助かるよ」
「俺らの方こそ戦車整備してもらってるから助かってるよ」
彼女らが居なければ大洗学園は廃校だっただろう。
彼女らがいてくれたおかげでアニメでは戦車道の試合を続けられたのだ。
つまり、彼女らは大洗女学園の影の支配者だった。
まぁ、要するに家の学園の自動車部はすごいってことだ。
「ゆっくりしてくれてて良かったのに」
ホシノが俺の横に座り俺が買ってきたおにぎりを食べている。
「俺はお前らとここにいるのが好きなんだよ」
「ブフッ」
「えっ」
「あらら」
「十六夜がデレたぁぁぁぁぁぁぁ」
「なんちゃって、冗談冗談」
ちょっとした悪ノリでいったはずなのに全員唖然としている。というかホシノさん、お茶飲んで早くッ死ぬよ。
「ゴホッ、ゴホッ・・・はぁ、死ぬかとおもった」
「悪い悪い、じゃあな」
「えっ、もう帰るのか?」
ナカジマがいつもとは違いすぐに帰ろうとする俺を呼び止める。
「ちょっとな、行く場所があるんだ」
「へぇ~、また女のところとか?」
ツチヤがニヤリと笑いからかってくる。
「まぁ、女っていったら女だが」
「えっ」
ホシノの瞳からハイライトが消える。
「ねぇ、誰に会いに行くの?」
ヤバいヤバい、ホシノがジリジリと俺の近くに寄ってくる。
「ちょ、待て。冷泉の所だから」
「冷泉ってあの眠たそうな子だよねナンデ」
もっと怖くなるホシノさん。
「色々と事情があるんだよ。いっとくがお前らが想像しているようなことはないからな」
「ふ~ん、嘘だったら・・・フフフ」
もうやだこの人。怖い。ただただ怖い。
「ということでじゃあな。あと、整備してくれてありがとうな」
そういって自動車部の部室から退出する。
「さて、大洗港まで海の上を走るか」
いつぞやのみほに会いにいったときと同じく海上を走って冷泉と武部の元へと向かう。
「はぁ~結構冷えるな」
海上は潮風が強く吹いており音速で走っている俺は体が冷えてきた。
大洗港に着いたのは走り始めて十五分ほどしたときだ。
「よし、無事ついたことだし、病院まで行くか」
現在の時刻は七時過ぎ。まだ病院には入れるだろう。
病院に着き看護婦さんに案内してもらい冷泉のばあさんがいる病室に着いた。
コンコンとノックをして中に入る。
「よう、ばあさんは大丈夫か?」
「なっ、十六夜」
「逆廻君ッどうやってここに?」
「海の上を走ってきた」
「冗談だよね?」
「さぁな、それよりほら軽食持ってきた。どうせ冷泉のことだしなんも喰ってないんだろ。甘いもの買って来たから食べろ」
「・・・ありがとう」
「ちゃんとお礼がいえて偉いですねぇ~」
いつもより幼い雰囲気の冷泉にあてられ俺もつい冷泉のことを幼い少女に接するように対応する。
「私は高校生なんだが・・・」
「よかったな、ばあさんが無事で」
「あぁ、おばあは無理をするからな」
「お前もな・・・いや、なんでもない」
コンビニで買ったスイーツをひとしきり食べた冷泉は椅子に座ったまま寝てしまう。
にしても器用だな。背もたれが付いていないっていうのに綺麗に椅子に座りながら寝ている。
「武部、毛布をとってやってくれねぇか」
「あ、あぁ、うん」
病室の端に置いてあった毛布を手に取り冷泉の肩へと掛けてやる。
ついでにテーブルを用意してそこへ寝そべるようにしてやる。
「ねぇ、十六夜君どうやってきたの?」
「だから海の上を走って来たっていってるだろ」
「冗談じゃなかったんだ」
「ヤハハ、男ってやつはな女の為なら海の上くらい走ってここまでこれるんだよ」
「そうなんだ~って騙されないからね」
普段の雰囲気とは違いどこか暗い武部。
やはり、冷泉のことが心配なのだろう。幼馴染ということもあり尚更だろうが。
「武部も寝てろよ」
「まだ大丈夫だよ。十六夜君こそ寝て良いよ」
「俺も大丈夫だ。第一、俺が寝てしまったらお前らの寝顔を見れないだろう」
「ふぇっ」
突然の言葉に顔を真っ赤にさせる武部。武部は表情がコロコロと変わるので本当にからかいがある。
やってることは完全にクズ男のそれなんだがな。ヤハハ・・・
「冗談、そこまで本気にするな」
「そ、そうだねよぇ、アハハ」
次回は麻子ちゃんと沙織が十六夜君に堕とされるのかな・・・二ヤリ