絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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水族館 一人の少女との遭遇

 中華街で軽く昼飯を済ませたあとは水族館にきた。

 

 なかなか有名な水族館らしく、夏休みということもあり、人が多かった。

 

 そんな人混みだらけのなかで俺たちは視線を集めていた。

理由は単純、俺の回りに美少女が多すぎるからだ。

 

 エミヤも渋カッコいい男なので回りの女性の視線を集めている。

えっ、俺はどうかって?十六夜の容姿ということもあり、それなりの美少年ではあるのだろうがみんなの容姿の方が目立っている。

 

 なんたって、沖田さん、沖田ちゃん、スカサハ師匠、ネロちゃま、静謐ちゃん、きよひー、アストルフォちゃんくん、ジャンヌ、邪ンヌ、BBちゃん、お栄ちゃん、マシュ、エミヤだぞ。

 

 美男美女勢揃いだぞ、こんな面子で視線を集めないわけがなく、ひたすら目立っている。

まぁ、でも、これでナンパなんてするような命知らずがいたら優しい俺ちゃんが痛い目を見る前に

忠告するから安心しろよ。

 

 ということで、なんとか水族館ないに入場できた俺たちは一番最初からゆっくりと海の生物を観察することにした。

 

 どこの水族館も入り口付近は大きな水槽があり、そこに何種類もの海の生物が泳いでいる。

考えてみれば最初にインパクトを得た方が客にとってはワクワクするだろう。

 

 前世の中学三年生で修学旅行にいったときは沖縄だった。

そのときにいった美ら海水族館はあまり、印象に残っていない。

 

 理由は班長が直前にバスで酔いリバースし、俺たちの班は班長なしで行動したためだ。

当時の俺の班は個性的なやつが多かった。

 

 完璧超人ともいえるバスケ部のエースをしていた女子に、ムッツリスケベな女子、自己中で仕事もろくにやらないすぐ泣くうざい女に、幼稚園からの幼馴染みで若干マッドサイエンティスト気質があった男子。

それに、バスで酔った班長の女子。

 

 見事男子と女子で別れて行動するため、俺がストッパーとなり、あちらこちらにいくみんなを引き留めていた。そのせいで、もともと一時間もなかった見学時間がなくなり、ゆっくりと見ることができなかった。

 

 あっ、でも帰りのバスのなかでやったカラオケ大会は面白かったよ。

歌ったのはクラス全体の半分もいなかったけど、俺も歌ったよ。

 

 えっ、何を歌ったかって?残酷な天使のアレよ。

回りの評価は意外とうまいだった。失礼じゃない意外とって。

 

 

 まぁ、そんなこともあり、今回はゆっくりと見ることを決断したのだが、いかんせんにも人が多すぎる。

ちょっと目を離すとすぐにはなれてしまうため、俺の手はジャンヌと邪ンヌに掴まれていた。

 

 「ちゃんと手を繋いでいてくださいね」

 

 「フフフ、本当にただの子供ね。可愛い」

 

 邪ンヌはなんかヤバイけど、ジャンヌが基本しっかりとしているので頼りになる。

他のみんなも手を繋いでいる、というより、俺の背負っているリュックをつかんだりしている。

 

 多少重いがこの程度ならどうということもない。

さて、一番最初に見えた大きな水槽を越えると次は小さな水槽がならび、比較的小さな魚や貝、蟹やクラゲなどが展示されている薄暗い空間にでた。

 

 「綺麗ですねぇ」

 

 ジャンヌは初めて見る光景にうっとりしている。

横からみた彼女の表情はとても魅力的でつい、見惚れてしまった。

 

 「はぁ~」

 

 邪ンヌも同じく見とれている。

とても竜の魔女と呼ばれていた少女には見えない。

彼女の白銀の髪の毛が薄暗いライトに反射され、いつもより輝いて見える。

サラサラな髪はまるでシルクのようだ。

 

 「海の世界ってこんなにもきれいな世界が広がっているのね」

 

 「そうだな、邪ンヌたちが知らない世界はまだまだあるってことだな。俺もこの世界でまだ知らないところがあるだろうし」

 

 そこで、俺はジャンヌと邪ンヌの顔を見る。

 

 「この世界はさ特異点とか人類焼却とかないから、俺がもう少し大きくなったらみんなで世界を旅しないか?はじめは最初の特異点でいったフランスにいこうよ」

 

 「はい、楽しみにしてますね」

 

 「ふ、ふーん、じゃあ、そのときは私がフランスを支配するわ」

 

 二人とも反応は違えど喜んでくれている。

 

 「先輩、先輩、あれはなんですか?」

 

 マシュもカルデアからでたことがなかったせいかはしゃいでいる。楽しそうなのはいいけど、眼鏡が落ちそうになってるよ。

 

 

 「まぁすぅたぁ、私とも手を繋いでください」

 

 「あ、あぁ、いいよ」

 

 「マ、マスター、だ、大丈夫なんだよね?」

 

 「何が?」

 

 「何がってあんなに大きな鮫がいるのに水槽が耐えられるのかなって」

 

 「さあね、もしかしたら水槽を割って沖田ちゃんを食べちゃうかもね‼️沖田ちゃん美味しそうだし」

 

 水族館ではそれなりに楽しむことができた。

師匠はずっとダイオウイカの模型を眺めていたが・・・

 

 あとで理由を聞いたのだが、なんでもあのダイオウイカがクラーケンに似ていたらしく、昔のことを思い出していたそうだ。

 

 

 「ごめん!俺ちょっとトイレいってくるから」

 

 「あぁ、わかった。私たちはここにいるから」

 

 エミヤにそう伝えて今いる場所を少し戻ったところにあるトイレに向かう。

 

 

 トイレを済ませた俺だったのだが目の前で足を挫いてしまった少女を見つけた。

 

 

 色素の薄い金髪に若干ウェーブのかかったストレートヘアの少女

 

 「大丈夫、立てる?」

 

 「へっ、あ、はい。大丈夫です・・・痛いッ」

 

 「ほら、無理しないで、俺の家族が近くにいるから、一旦そこまでいこう」

 

 

 彼女の足をみると赤く腫れており捻挫まではいかないがそれでも結構な重症に見えた。

 

 「家族の人は?」

 

 「家族はきてない。私の家がこの近くだったから夏休みの自由研究にしようと思ってきたの」

 

 「へぇ、小学生?」

 

 「うん、小学校五年生よ」

 

 「じゃあ、俺の一つ上だね、俺の名前は逆廻十六夜」

 

 「私は橘朱里、朱に里ってかいてあかり」

 

 お互いに軽く自己紹介的なことをしていると、エミヤを見つけた。手を振るとすぐにこちらに来た。

 

 

 「マ、十六夜どうしたんだその子は?」

 

 「足挫いちゃったらしくて、結構腫れてるけど捻挫ではないと思う」

 

 「なるほど、君のご両親はどこかな?」

 

 「私の家はすぐ近くにあるから一人できたの」

 

 「危なくはないか?」

 

 エミヤは予想外の答えが返ってきたことにより戸惑っている。小学五年生の少女が一人で水族館に来るのは確かに危ないかもしれない。それをいっているのだろう。

 

 「でも、私の両親は仕事で家にほとんどいないの、だから夏休みの宿題をするためにきたの」

 

 「はぁ、ジャンヌ、少し来てくれ」

 

 「どうかしましたか?ってその子はどうしたのですか」

 

 「実は斯く斯く然々でして」

 

 「わかりました、えっと朱里ちゃんでいいのですよね。少し足を見せてください」

 

 おんぶしていた朱里ちゃんを降ろして、ジャンヌに足を見せる。ジャンヌは下級だが治癒魔法を使えるようになっていた。

 

 「ふぅ、これはおまじないです。今は痛みがないでしょうけど、帰ったらちゃんと病院にいってくださいね」

 

 「すごい、ほんとに痛みがない」

 

 

 「そうだ、このまま君一人というのも危ないから一緒に回らない?」

 

 

 





 皆さん、朱里が誰だかわかりましたか?
ヒントは本名がわからない人物です。


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