絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

40 / 71
サンダース偵察 中編

 サンダースの歩兵が練習している施設に忍び込むことのできた俺なのだがちょっと引いていた。

 

 理由は施設が豪華すぎるからだ。

 

 なに、なんなの?ちょっとお金かけ過ぎじゃない。

 

 サンダースの歩兵はUSJ並みの施設内で練習している。

 

 だってあそこに山があるし、湖?もある、なんで森まであるんだよ。

しかもちょっとした市街地もあるしぃぃぃぃぃ、なんなのマジで何なの?

 

 君達ゲリラ戦まで練習するの?いらないよね。絶対こんな施設いらないよね。

自衛隊の施設だってこんな豪華じゃないと思うんだけど。

 

 皆様に分かりやすく説明するとなると某主人公が無個性でヒーローを目指す漫画のUSJ並みの施設である。

 

 流石に火山地帯は再現されていないがそれでもなかなかだぞ。

 

 「一列縦隊右向け右ッ」

 

 少し離れた場所に歩兵たちが練習しているのが見える。

 

 「匍匐前進始めッ」

 

 サンダースのパンツァージャケットとは少し違う迷彩柄の服を着た25人が背中に大きなリュックを背負って匍匐前進であちこちに這いずり回る。

 

 「人がゴミのようだ・・・ってそんなこと言ってる場合じゃない」

 

 ちょっと思考がムスカに汚染されてしまったようだ。しかし、それも仕方ない。あちこちを這いずり回るサンダースの歩兵たちはGのようにも見える。

 

 「すごいな。流石は戦車保有数全国一なだけはあるか」

 

 後に知ったのだが現在匍匐前進している25名は一軍、つまり試合にでる歩兵らしく他の二軍、三軍は少し離れた場所で練習しているようだ。

 

 約二時間程練習しているのを見学していたのだが、そろそろ優花里と合流することにする。

 

 秋山に電話を掛けた。

 

 prrrrrrガチャ

 

 「よう優花里こっちは大体終わったがそっちはどうだ?」

 

 「十六夜殿今少し追いかけられてまして電話してる場合じゃないんです」

 

 「はぁッ、追いかけられてるってどこにいるんだよ?」

 

 「それがあちこちに逃げてたらいつの間にか学園の屋上まで追い詰められてしまいまして」

 

 「ったく、待ってろすぐに行く。それまでなんとかして持ちこたえろ」

 

 通話を切った。

 

 アニメでこんなことってあったか?アニメではなんとかして優花里は逃げ出したみたいだが今は追い詰められてる、しかも屋上にだ。これも俺のせいか? 

 

 十六夜sideout

 

 ゆかりんside

 

 「すごいですすごいです、こんなに戦車が並んでいるだなんて。流石は全国で戦車の保有台数一位のサンダースです。ああっ、あれはファイアフライじゃないですか」

 

 私は現在、ビデオカメラを片手にズラッと並ぶ戦車(シャーマン軍団)に興奮していました。

どの戦車もシャーマンです。戦車好きな私にはたまりません。いや、戦車好きなら必ず興奮するはずです。

 

 それほどまでにサンダースの戦車は迫力があり浪漫があるのです。

 

 ああ、あちらにはM4A1型、向こうにはA4無印がッ

 

 ますますテンションが上がったところでようやくブリーフィングが始まるようです。

 

 「では、一回戦出場車両を発表する」

 

 「ファイアフライ一両、シャーマンA176ミリ砲搭載一両、75ミリ砲搭載八両」

 

 たった五機相手には容赦ないように思える。

 

 「次はフラッグ車を決めるよ。オーケー?」

 

 「「「「「イェーイッ」」」」」

 

 ノリがいいというよりは団結力があるのでしょうか?

これもあの隊長さんのカリスマのおかげなのですかね。

 

 フラッグ車が決まり、質問タイムに入る。

 

 「はい!小隊編成はどうしますか?」

 

 「良い質問ね。今回は完全な二個中隊は組めないから三両で一小隊の一個中隊で行くわ」

 

 「フラッグ車のディフェンスは?」

 

 「ナッシング」

 

 よし、有力な情報を手に入れましたよ。

 

 「敵にはⅢ突がいると思うんですけど?」

 

 「大丈夫一両でも全滅させられるわ」

 

 舐められているのでしょうか?それともそれほどまでに自身があるのでしょうか?

どちらにせよ、油断してくれているのはチャンスです。

 

 「そういえば、見慣れない顔ね?所属と階級は?」

 

 しまったぁ

 

 「えっ、あのー、第六機甲師団オッドボール三等軍曹であります」

 

 「プっ」

 

 「はッ!」

 

 「偽物だぁぁァァァ」

 

 「捕まえろぉぉぉぉぉ」

 

 急いでこの場から脱出することにします。

 

 

 

 

 

 

 とまぁ、逃げていたのは良いのですがあちらこちらに人が待っていて結局上に逃げることになってしまう。

結論をいうと追い込まれてしまいました。

 

 Prrrrrrガチャ

 

 「よう優花里こっちは大体終わったがそっちはどうだ?」

 

 「十六夜殿今少し追いかけられてまして電話してる場合じゃないんです」

 

 「はぁッ、追いかけられてるってどこにいるんだよ?」

 

 「それがあちこちに逃げてたらいつの間にか学園の屋上まで追い詰められてしまいまして」

 

 「ったく、待ってろすぐに行く。それまでなんとかして持ちこたえろ」

 

 そういうと電話は切れました。

 

 私もなんとか逃げ続けていたのですがとうとう逃げ場がなくなってしまいました。

目の前には軽く100は超える生徒に包囲されてしまい後ろは金網、完全に囲まれました。

 

 「大洗の偵察か?戦車道のルールの中には偵察に来た生徒を捕虜にできるというものがある。

今大人しくこちらに来れば危険なことはしないぞ。さぁ、早く諦めて捕虜になれ」

 

 サンダースの生徒の一人がメガホンを持って言います。

 

 「オッドボール三等軍曹さん、あなた面白いからいい待遇しちゃうわよ」

 

 敵の隊長さん優しい人ですね。しかし、つかまるわけには行けません。

 

 そのときでした。黒い影が私の目の前に落ちてきたのです。

 

 「ったくギリギリセーフってか?」

 

 その黒い影の正体は・・・

 

 「十六夜殿ッ」

 

 「おう、見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので

用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよななんちゃって」

 

 「あ、あなたどこから出てきたの?」

 

 ふざけている十六夜殿にサンダースの生徒が聞きます。

 

 「どこって、そこからだぜ」

 

 十六夜殿が指さしたのは離れにあるもう一つの校舎の屋上でした。ってどう見ても五十メートルは離れてますよねぇ。

 

 「う、ウソおっしゃい」

 

 「残念だが本当なんだよなこれがぁ」

 

 「イェーイ、あなたも面白いわね。あなた名前は?」

 

 「名前か?さっき軽く自己紹介したはずなんだがな、まぁいいや。

よく聞けよ。大洗で誰もが知る問題児、逆廻十六夜様だぜ。コードネームは正体不明(コード・アンノウン)ってところか?」

 

 「オーケー、イザヨイね。気に行ったわ。でも残念、ここからは逃がしてあげないわよ」

 

 「そうかい、だったら勝手に逃げるだけだぜ」

 

 「で、でも十六夜殿どうやって逃げるんですか?」

 

 十六夜殿は挑発を混ぜながらあちらこちらをチラチラと見ています。

どこを見てもサンダースの生徒がおり、むしろ包囲網は縮まっていく一方です。

 

 「じゃあ優花里、しっかり掴まっとけよ。離したら死ぬぞ」

 

 十六夜殿は私をお、お、お姫様抱っこして耳元で呟きました。

 

 「ヒューカッコいいわね。囚われのお姫様を救いにきた騎士様ってところかしら」

 

 「だったらお前らは魔王の手下ってところか?ところがどっこい。魔王なんて俺の相手に足りないんだよ。

じゃあな。試合、楽しみにしてるぜ、あと、俺は騎士じゃない。ただの問題児だッ」

 

 十六夜殿はそう言って大きくジャンプしました。

 

 「ってどんだけ跳んでるんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 下をチラッと見たのですが地面から十五メートルは超えています。

 

 「キャアァァァッ、ファンタスティック」

 

 下から叫び声のような声が聞こえます。

 

 「死にます死にます絶対に・・・死にますよぉぉぉぉぉぉ」

 

 私も珍しく大声をあげてしまします。

 

 「ヤハハ、安心しろ」

 

 ですが、十六夜殿の声を聞くと何故か安心してしまいます。

 

 十六夜殿は無事に隣の校舎へと飛び移りそこから逃げました。

 

 その後なんとかコンビニの輸送船に着いたのですがもう色々と疲れちゃいました。

 

 「ヤハハ、なかなかスリリングだったな」

 

 「あ、はい・・・『人間ってあんなに跳べたっけ?』」

 

 十六夜殿の化け物じみた身体能力を感じた日となりました。

 

  





 やったねゆかりん。お姫様抱っこで救出されたよ。

 次回、サンダース偵察 後編

 感想待ってまーす。

 せーの!パンツァーフォー

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。