絶対転生特典間違えただろ   作:ナカタカナ

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 今回は少々オリジナルです。

 いつもと違う自動車部の部員たちと十六夜君のちょっとしたお買い物回になっております。

 長くなりそうなので前編と後編に分けるつもりです(もしかすると中編もやるかも


自動車部と買い物 前編

 

 さて、戦略的撤退をした俺は自動車部のガレージに来ていた。

 

 自動車部のガレージにはあの車狂どもに魔改造されたスーパーマシンというよりモンスターマシンが眠っている。普段はここで収納されているらしく、年に一度行われる学園対抗の自動車レースに出るときだけ光を浴びるそうだ。

 

 ナカジマいわく「ふふふ、この子たちがエンジンを燃やすのはあの日だけで十分なのよ」

 

 ツチヤいわく 「封印って奴?この子たちはあまりにも早すぎるからね」

 

 ホシノいわく 「この子たちが自分から走り出したいっていう時まで待ってるのよ」

 

 スズキいわく 「前に一度走らせたんですけど、そのときにね・・・」

 

 なんか全員含みのある言い方だったがまぁ気にしてはいけないだろう。

 

 「「「「十六夜(君)には負けたけどね」」」」

 

 そうなのである。前に一度、俺が走るのとこいつらの魔改造を施したモンスターマシンでレースをしたのだが

俺が余裕で勝ってしまった。

 

 その日以来、こいつらは更に凶暴なモンスターマシンを生み出そうとしているのだ。

 

 もしかしたら、原作の自動車部より強化されてるんじゃ・・・

 

 「おーい、来たぞ」

 

 「十六夜ッ」

 

 入ると同時にホシノが抱き着いてくる。

 

 「うわっ、はぁ、またタンクトップでいるし」

 

 「嫌だったか?」

 

 「いや、全然、むしろ眼福です」

 

 「そうか、だったらいいじゃない」

 

 更に強く抱きしめてくる。

 

 「相変わらずホシノは十六夜好きっ子だね」

 

 ツチヤが車体の下から出てくる。

 

 「それで、なんのようだいきなり呼び出して?こちとら授業中だっつうの。というかお前らも授業中だろ」

 

 「まぁね、呼び出した理由なんだけどぉ、実は戦車を直すためのパーツを注文してたところの配達が遅れるらしくて、このままじゃパーツが届くのは一週間後くらいになりそうなのよ」

 

 ナカジマが事情を説明するが、こんなこと原作にはなかったよな。

 

 「ほうほう、それで俺に取りに行けと?」

 

 「そういうこと、まぁ正確には、荷物持ちね」

 

 「それこそ、お得意の自動車に乗ればいいじゃねぇか」

 

 「いや、私達ってまだちゃんとした免許持ってないじゃん。私達が持ってる免許って学園艦内だけの奴だから」

 

 そういえばそうだな。普通に考えるとこの世界の法律も大まかな所は前世と変わらんし、なんで今まで普通に乗ってたことを疑問に持たなかったんだ?

 

 「はいはい、それでどこにパーツを取りに行くんだ?」

 

 「その、港なんだけど」

 

 「ハッ、どうやって取りに行くんだよ?」

 

 「なんか理事長だかなんだかがヘリを用意してくれるみたいなんだよね」

 

 「なんともまぁ、贅沢なこった」

 

 「ということでもう少ししたら出るから準備してて」

 

 「はいよ、その前に連絡入れとかないとな」

 

 携帯から家に電話をマシュにメールを送っておく。

 

 「もしもしエミヤ?」

 

 「もしもし、十六夜ですか?シロウに何か御用ですか?」

 

 出たのはエミヤではなくアルトリアだった。

 

 「今日は帰りが遅くなるというかもしかしたら学校に残るかもしれないってエミヤに伝えといてくれ」

 

 「また自動車部ですか?」

 

 「あぁ、授業で使う戦車を直すパーツが届かなくてな。直接取りにいくことになったんだ」

 

 「わかりました。シロウの方には私から伝えておきます」

 

 「サンキュー。じゃあな」

 

 家の方には連絡をいれたことだし、次はマシュにメールを送ってと・・・よし、これで完了。

次はジャージから制服に着替えて、いつもの黄色いTシャツに学ランとあとはヘッドホンを付けて。

 

 「準備できたかぁ?」

 

 いつものツナギではなく大洗の制服に着替えたホシノたちが出てくる。

 

 「どうしたの?そんなジロジロと私達のことを見て?」

 

 「いや、そういえばツチヤ以外は先輩だったんだなぁって改めて」

 

 「今更ッ」

 

 いや、ほんと今更だよね。

でもさ、仕草とか行動とか先輩に思えなくて。

 

 「ふッ、ふッ、ふッ、年上のお姉さんの魅力にやられちゃったかなぁ?」

 

 ナカジマがいつものように悪ノリをしてくる。

どうもまぁ、原作では知らんかったがこういうところあるんだよな。

 

 「そうなの?」

 

 スズキはいつも通り天使だ。なんでこんな奴らと同級生なんだろうな。

あきらかに精神年齢が幼稚園児と高校生の差があるぞ。

 

 「へぇ」

 

 ホシノが珍しく悪い顔をする。

 

 「後輩って先輩のいうことをなんでも聞かないといけないよねぇ」

 

 「ッ」

 

 「ふふふ」

 

 口元を手で隠して笑う彼女がどうしようもなく悪女に見えるのは俺だけだろうか?

これが大洗一速いといわれた女なのかッ、俺は今軽く戦慄している。

 

 「それより早くしないと」

 

 ここでも珍しくツチヤがもっともなことをいう。

明日は空から槍どころかゲイ・ボルクでも降ってくるんじゃ・・・全員死ぬな(笑)

 

 

 

 

 学園の駐車場に向かうと既にヘリが着陸していた。

 

 「お世話になりまーす」と一言だけいって乗る。

 

 ヘリって初めて乗るけどプロペラ音がうるさくて耳が痛いのね。自前のヘッドホンのおかげで普通の人より何倍もいい聴覚もなんとかなっている。

 

 ヘリ内での座席を軽く説明しよう。

 

 

 ナカジマ・俺・ホシノ

 

   スズキ・ツチヤ

 

 

 なんか中心に座らせられてるんですけど。

 

 そしてホシノさんよ、そんなにジリジリと迫られたら狭いんですけど、なんかいい匂いするんですけど。

 

 大洗の学園艦はさほど港とは離れていなかったらしく、二十分ほどで到着した。

 

 ヘリは港に着陸し、再びどこかへ飛んでいく。

 

 なんでも一度燃料の補給をしに行くらしく、二時間ほどここをぶらつかないといけないようだ。

 

 「なぁ、戦車のパーツってどこにあるんだ?」

 

 「あそこに見える工場だけど」

 

 ホシノが指を指す方向を見ると約三十メートルほど離れた場所に工場が見えた。

 

 「って近くね?」

 

 「そうだね、ちなみにあそこが普段私達がバイトしてるところなんだけど」

 

 「今日もバイトするのか?」

 

 「うんうん、今日はしないよ」

 

 「じゃあ、あと最低でも一時間はどうやって時間を潰すんだよ?」

 

 「それは」

 

 「決まってるじゃん」

 

 「私達だって」

 

 「乙女だよぉ」

 

 「「「「ショッピングでしょ」」」」

 

 仲いいな。上からナカジマ、ホシノ、スズキ、ツチヤ。そして最後は全員ときた。

 

 ただの車狂かと思っていたがこういうところもあるんだな。失礼かもだが滅茶苦茶意外です。

 

 「じゃあ、ショッピングモールに行きましょう」

 

 「「「おー」」」

 

 スズキがいつにも増してハイテンションである。

こんな彼女は始めて見るがやはり明日はゲイ・ボルクが降ってくるんじゃ・・・

 

 

 





 彼女たちも乙女なんですね。

 普段から車を魔改造してばかりの車狂ではなかっただと・・・

 次回、自動車部と買い物 中編?後編?お楽しみにね!

 せーの!パンツァーフォー

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