「シロウおかわりです」
「はいはい」
そういってエミヤの作った料理を口いっぱいに頬張る金髪碧眼の美女。
顔立ちを見るとうちの家族と血縁関係があるのでは?と思ってしまう。
とくに似ているのはネロだ。二人並べば本当に姉妹にしか見えない。
そんな彼女の名前はアルトリア・ペンドラゴン。
彼女が何故ここにいるのかというと時間は約一時間ほど前まで遡る。
学校から帰る途中にたまたま見つけた骨董屋にはいったことがすべての始まりだった。
なにを思ったのか俺はそこに入り、中にあるアンティークなものを見ていた。
懐中時計や家具、絵画などもあった。
そして、俺は一つの石に意識を集中させた。
「おっちゃぁーん、この石ってマジもんか?」
「さぁな、いつからこの店にあったのかはしらん。もしかすると儂の爺さんが店をしてた時からあったかもしれんのう」
「うさんくせぇな、でも、何でだ。こんなにビリビリと毛穴が広がる感覚になるのは」
俺が見ていた石の名札を見る。
「円卓の木片」
これはfate/apocryphaにて赤のセイバーモードレットを召喚する際に使われた聖遺物だ。
円卓の木片を使えば俺の特典の一つ、英霊召喚で円卓の騎士の誰かを召喚できる。
ほんものならだ。ただ、値段は500円と実に安価である。
胡散臭いと思い、みんな買わないからだろう。
しかし、俺は思った。
これは聖遺物だと。たとえ、円卓の木片ではなくても本物の聖遺物だ。
これがあれば触媒として英霊召喚ができるだろう。
「おっちゃん、これ買うわ」
「物好きだねぇ、まぁ、店としてもガラクタが売れるから助かるけどね」
こうして、俺は聖遺物を入手したのである。
そんな俺は家に即効帰り、いつの間にかBBちゃんとネロが地下に創った工房に向かい英霊召喚を始めた。
この特典を貰ってもう、五年ちょっとになるのだが一度も使った事が無かった。
まぁ、理由は分かるだ?溶岩水泳部のせいだ。
これ以上、虫が増えるのは嫌ですだとよ。いやぁ、怖いねぇというか愛されてるのかな?そう考えると嬉しいような・・・
そして英霊召喚を行った。
家には俺しかおらず、みんなは外に出ていた。
きっと、家に誰かいたのなら異常な魔力反応によりすぐさまここに来ただろう。
「サーヴァントセイバー召喚に応じ参上した。問おう。あなたが私のマスターか?」
「騎士王きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「どうかしたのですか?それとなんで私のことを・・・」
「あっ、すまないセイバー。俺は逆廻十六夜。十六夜と呼んでくれ」
「はい、わかりました。十六夜」
「それと、この世界には聖杯がないから聖杯戦争はないよ」
「では、何故私は召喚されたのでしょう」
「まぁまぁ、シロウ君もいるから。イチャイチャしたらいいじゃないか」
「シ・・・ロウ?シロウとは私の知っているシロウなのですかッ」
「うん、そのシロウだよ。アーチャーとしているけどね。毎日シロウのご飯が食べられるよ」
「十六夜・・・ありがとう」
騎士王の可憐な姿は一気に散り行く桜のように儚いものとなった。
しかし、その表情は嬉しそうだ。
「いいのいいの、セイバーが来てくれて嬉しいよ(アルトリアだったら溶岩水泳部のみんなも怒らないだろう)」
そして、始めに戻る。
「まぁすたぁ、何故サーヴァントが増えているのですかぁ?」
しかし、勝手にサーヴァントを召喚したのが気に食わなかったらしくきよひーが腕を絡めながら瞳のハイライトを消す。
「だって、聖遺物が手に入ったんだよ。だったら召喚するしか「私がいますよね」あっ、はい。すみません」
更に絡めてくる腕の力を強くするきよひー痛くはないのだがなんかそのね・・・あれだよ。
いわせんなよ恥ずかしい。
そんな俺だったがきよひーを更に力強く抱き返す。
「そんな怒るなよ。俺はいつもお世話になってるエミヤのお嫁さんを呼んだんだ」
「お嫁さんなど・・・キャ」
俺の言葉で顔を赤くする騎士王とエミヤ。ほんとラブラブだな。
「それにだ、きよひーのことを最近は家族として見れないんだ」
「それは、私のことが嫌いなのですか?」
絶望した表情をするきよひー。
「違う違う。家族としてじゃなくて女の子として見ちゃってるんだよ。だからさ、そのゴニョゴニョ」
「本当ですかッ、是非お願いします」
表情は先ほどと打って変わり子犬のように頭を胸元にこすり付ける。
「いいのか、だったら・・・チュ」
きよひーのおでこに軽く唇を触れさせる。
「はう・・・えへへ、旦那様が口づけぉ、ぐへへ」
笑い方はとんでもないが今はそれすら愛おしい。
とにかく愛でることにした。幸い、他のサーヴァントはまだ帰ってきていない。
「きよひー部屋行こうか」
「は、はいッ。少し、待っていてください。体を洗って来ます」
「なっ、ち、違う。変な事はしないぞ」
「そ、そうですか」
勘違いさせてしまいアッチ方面だと思われたようだ。しかし、違うぞ。いや、確かにそれっぽいことはしたのだがきよひーとイチャイチャしたいだけなんだ。エッチなことじゃなくてピュアな甘々なことをしたいのだ。
そして、部屋に向かい俺ときよひーは寝転がっている。
「なぁ、きよひー」
「なんですか旦那様」
「抱き枕にしていいか?」
「喜んでッ」
きよひーの許可も取ったことだし、俺はきよひーに抱き着く。
きよひーの顔は見えないが耳まで赤くなっているのを見ると顔も赤いのだろう。
きよひーの身長は低く、対する俺はすでに原作の十六夜と同じくらいなので頭一個と半分くらい違う。
そのため抱き着くには丁度いい感じだ。
「きよひーは暖かいな」
「幸せです。旦那様ぁ」
何度か体がピクッと痙攣しているのだが大丈夫だろうか?
しかし、大丈夫か?と聞いたらものすごい返事が返ってきそうなのでやめておく。
ついでにきよひーの頭を撫でる。
柔らかい髪は指がスゥーっと通り枝毛もない、綺麗な髪をしている。
「だ、旦那様ッ」
「はぁ、マジ可愛すぎ」
「そ、そんなぁ」
「キスしていいか?」
「は、はい」
背中を向けていたきよひーはこちら側を向き、顔を見合わせる状態になった。
「ちゅ・・・うむ」
先ほどはおでこだったが今度は唇にした。
「はぁ、はぁ、旦那様ぁ♡」
「・・・ちゅ、クチャ・・・レロォ・・・プハッ」
「あぁ・・・ん・・・チュ・・・はぁ、はぁ」
今度は舌を絡める。さきほどのディープキスとは違い、息が荒くなってしまう。
「はぁ、はぁきよひー」
「旦那様、もっとしてください」
「ッ」
俺はその言葉に理性が壊れる。
彼女を押し倒し再び、小さな唇に自分の唇を付けようとすると
「たっだいまぁマスター・・・お、おじゃましましたぁぁぁぁぁ」
運が悪い事にアストルフォがはいってきて見られる。
きよひーを押し倒している俺。死んだな。
「だ、旦那様?ヒャッ」
頭が冷えていくのと同時に、最後にきよひーに口づけした。今度は触れ合うだけのキスだ。
「きよひー、生きてるかな俺?」
「だ、旦那様ぁぁぁぁ」
俺は帰ってきたみんな(エミヤ、アルトリア、アストルフォ、きよひーを除く)に正座させられる。
きよひーと十六夜のイチャイチャはどうでしたか?
書いている最中にきよひーが可愛すぎて頭おかしくなりそうになった作者です。
何故十六夜君がこのようなことになったのかは次回明らかになります。
次回、十六夜死す・・・
なんちゃって、次回、十六夜暴走する、必ず見てくれよな
見なかったらどうなるか・・・ワカッテルヨネ?