前回までのあらすじ ドッヂボール大会が開催されるなか、俺の担任 みゃー先生は俺が馬鹿にされたことを怒り蛇先生とドッヂボール大会で決着をつけることになった。
みゃー先生が勝てば俺を馬鹿にしたことを取り消す。といっても、俺が直接いわれたわけじゃないが
みゃー先生が負ければ蛇先生と結婚しなければならない。
正直、ただの口約束なのだが、こういう輩は徹底的にぶちのめすのが俺流だ。
まぁ、生徒たちには内緒らしいが。俺も聞いたのは偶然だったし。
そして、現在の状況はどうなのかというと
俺のクラス残り俺ときよひーだけ対する蛇先生率いる一組勢は十五人。
何故ここまで差ができたかというと一組には外野球というかリトルチームに所属している子が五人いたのだ。
そいつらがたちまちうちのクラスのメンバーをたおしていく。
俺もキャッチしようかと思ったがここは先生には悪いが俺ときよひーが最後まで残りボコってやることに決めた。一組に所属している生徒たちには悪いが恨むなら担任を恨め。
「さて、きよひーよ」
「なんでしょうか旦那様」
「ここからは二人で倒そうと思う」
「はい、そうですね」
「でだ、きよひーには俺のサポートをしてもらいたい」
「はい、喜んで。それで、どのようなサポートを?」
「きよひーには外野に行ってもらう。それで俺ときよひーが速攻を使って敵を倒す。きよひーは俺に全力でパスをしてくれ、敵は俺が倒す。きよひーが当てたら中に入らないといけないからな」
「はい。かしこまりましたわ」
「ありがと、愛してるぜ。パスしてくるボールにきよひーの愛を込めてくれ・・・なんちゃって」
「ふふふ・・・分かりましたわぁ」
きよひーの背後に青い炎が見える。ヤバい、転身火生三昧が来る。
ちなみにだが、今までの会話は相手のボールを避けながら行っていた。
「どうしたの?逃げてばかりじゃ勝てないよ」
噂ではピッチャーを務めていたという少年が基本となり細かいパスを繋げて攻撃してくる。
ぶっちゃけ遅すぎる。いや、普段からサーヴァントのみんなを見ているせいだと思うが遅すぎる。
「じゃあ、いくか」
「はい」
きよひーがボールに当たる。というかキャッチしたのに落とした。
「よっしゃ、残り一人だぞ」
「ハハハ、これで先生は私と・・・」
のんきに喜んでいる少年だが、それが普通なのだ。
ただ、蛇先生が勝手なことをしているだけなのだ。しかも、生徒には知らせていないため、ごく普通に卒業前の
ドッヂボール大会を楽しんでいるだけなのだ。にも拘わらず、俺にやられるのだがな・・・ごめんな。ほんとごめん。
「い、十六夜君頑張って」
外野のみほから応援が来る。
「ヤハハ、頑張るも何も、この程度、頑張らなくても余裕だぜ」
足元にはきよひーが落としたボールがある。
それを掴み敵を見ると蛇先生をいれた十五人、そのなかでリトルチーム所属しているメンバーは三人だが・・・
俺には関係ねぇ。
「きよひーパス」
「はい」
軽く山なりに投げたボールはきよひーの元へと向かい、抱きしめられるようにキャッチされる。
「いきますよ。旦那様ぁ♡私の気持ち受け取ってくださいッ」
きよひーが投げたボールはコートの真ん中を通る、見た感じ時速300キロちょっとだ。
「おう、悪く思うなよ 必殺
きよひーのボールを完璧にキャッチした俺はコートの端に固まっていた集団目がけて10000分の1の力で
投げる。
ボールは面白いように反射して1、2、3、4、・・・10人を同時に当てた。
「「「「「・・・・・・・えっ・・・・・・」」」」」
これを見ていた全員が変な声を出す。いや、だしたというより漏らした。
見ていた人とはこの試合をしているほかにも既に自分たちの試合が終わったところもあり、俺達の試合を観戦していたらしいのだが、これを見て若干引いてる。
「おっ、十人も当たったかラッキー、よぉしきよひー次行くぞ」
「はい、旦那様ぁ」
先ほどと同じく続ける。
これで1、2、3、4人が当たり残りは蛇先生だけだ。
「よぉし、あと一人だな。サンキューきよひー助かった」
「そ、そんな旦那様ぁ・・・ふふふ」
きよひーに礼をいうと一人の世界にトリップしてしまった。
「さて、どうする蛇先生?一人だけど」
「ふ、ふん、私は学生時代ハンドボール部だったのだよ。こんな子供の遊びで負けるわけがない」
「あっそ、どうでもいいけど。きよひーいくぞ。今度は少し早いから気を付けろ」
「はい。旦那様からの愛のパス・・・ふふふ、落とすわけがありません」
再びきよひーにパスをするが今度のパスは音を置き去りにしてきよひーのもとに向かう。
ボールは先生の顔の横を通りスパっと蛇先生の頬が切れて血が流れる。
「ふふふ、激しいですわ。でも、そこがいい」
「きよひーパス」
「はい、私からの愛も受け取ってください」
「おう、任せろ」
ビュン、シュン、キュイーン、チュドンなどの音が校庭に響く。
周りの人から見ると俺達の投げるボールはイ〇ローさんのレーザービームを超えて
どこかの電撃ビリビリお嬢様の放つ
まぁ、実際は少し速度を落としているので周りには被害がいかないようにしているが・・・
パスは続きボールの残像が生まれ始めた頃に一度先生を見る。
「な、なんなんだ貴様は・・・化け物」
「おいおい、教師が生徒を化け物呼ばわりとはひでぇじゃねえか。てめぇの面の方がよっぽど化け物みたいだがな。ヤハハ」
「さて、そろそろとどめを刺すか」
「き、貴様ッ教師をなんだと思ってるんだ」
「うっせぇ!爬虫類は爬虫類らしく冬眠してやがれッ」
今度は9000分の1に力を抑えてボールを鳩尾目掛けて投げる。
メジャーの第二シーズンで初めて主人公が放ったジャイロボールよりも土煙を巻き上げて綺麗に蛇先生の
鳩尾に入ったボールは勢いが止まらず蛇先生ごと後方十数メートル離れた木に衝突した。
先生は泡を吹きボールはようやく回転が収まったと思えば驚くことに木が折れる。
「俺らの担任困らせてんじゃねぇよ。もう一遍みゃー先生に言い寄ってみろ。今度は顔面吹き飛ばす。
文字通りなぁッ」
周りはシーンとしており誰も声を発せない。
そして、その静寂を打ち破るかのように俺達のクラスが勝利したことを伝える審判の判定がでた。
「よっしゃ」とクラス委員の佐藤が喜ぶ。
それにつられて他のみんなも喜んでいる。それと同時に引いているが。
「いったろ先生、勝つって」
「うん、ありがとう十六夜君」
「気にすんな。というか俺の方こそありがとうな。正直、俺がなんと言われようがゴミがいってることだから無視するんだが、その、みゃー先生が俺の先生で良かったよ」
「・・・いじゃよいくぅぅぅん」
顔をぐしゃぐしゃにして泣いている先生を見るとどうしてそこまで嫌なのにあんなこといったんだよと笑ってしまう。でも、先生は俺の為にやってくれたんだと心の底から実感できた。
「グスッ・・・つ、次は決勝だね。この調子で頑張ってね・・・ってどうしたの?」
「やばいやばいやばい・・・オワッタ」
「い、十六夜君?」
「師匠ら相手にどうやって戦うんだよぉぉぉぉ」
この日の叫びは海上に浮かぶ黒森峰の学園艦まで聞こえたそうだ。
さて、圧倒的な力を見せた十六夜君ときよひーちゃん。
しかし、次の相手はCチーム。
エミヤ、師匠、ジャンヌ姉妹、BBちゃん、アストルフォ、静謐ちゃん、頼光ママ
十六夜たちは勝てるのか?
次回、