鎮守府憲兵隊の事件簿   作:文月蛇

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お待たせしました。

これは主人公である憲兵隊の軍曹が艦娘に会う話となっております。まだ、鎮守府にいる提督は出てきませんが、それなりの雰囲気を掴んで頂ければww











第二話 幕間

下着盗難事件の二か月前・・・・・。

 

 

 

 

冬が過ぎ春。

 

 

 

雪解けの水が川に流れだすこの季節。

 

 

 

 

学校では卒業ムードで桜が舞い上がり、学校生活で培った友人たちとの別れを惜しむ涙。新たな旅路へと送り出す後輩達。日本の殆どでそのような光景が見られた。多くはその後、新たな学校や職場に向かっていく。そんな中、卒業証書を片手に祝う生徒が歩く歩道の横を一人の下士官が通りすぎる。第二種軍装である紺の軍服に身を包み軍曹の階級章を付けた男は卒業したばかりの生徒の横を通り過ぎた。

 

「今の見たか!?超カッケー!」

 

「今のは軍曹・・・しかも海軍とか!」

 

「俺も入隊しようかな?」

 

三人組の卒業生は通り過ぎた男を見て黄色い声を出す。誰しも少年の頃には軍人のような職に憧れる。純白の軍服に身を包んだ男は桜が舞い散る道を歩いた。目的地はもう少し歩いた先にあり、バス停が幾つかあるものの男の経験からしてその程度の道程でへこたれるものでもない。早めに出たため目的地に到着するのは早くなりそうだった。男は革のカバンを提げて歩き続けた。

 

微かに薫る潮風。潮の香りが男の記憶を呼び覚ます。入隊の記憶、きつい訓練とそれに耐え抜いた友人たちの笑顔。そして、海岸を血に染めた上陸作戦とその戦闘。砲撃と硝煙、仲間たちの断末魔。重く湿った戦闘服と相棒の小銃を片手に遮蔽物まで走る。しかし、また一人と仲間は凶弾で死に逝く。男は何名かの親しい仲間の顔を思い浮かべるが、すぐに頭を切り替えようとした。

 

陸戦隊の任を解かれ、運よく内地の憲兵隊の一員として本土に戻ることができた。これだけでもかなりの運に恵まれている。男は軍帽を被り直すと、登っている途中であった坂道を再び上り始めた。

 

「あれが・・・横須賀鎮守府か・・・」

 

男は坂を上り切り、鎮守府を一望できる丘の上に立っていた。大日本帝国の国旗と海軍旗が潮風ではためいた。数多くのドックと多くの軍事施設が立ち並び、湾には何隻かの軍艦が航行する。航行しているのは日本海軍所属DDG-175「みょうこう」やDDG-178「あしがら」などだ。他にも何隻もの軍艦が停泊している。そしてここが男の仕事場になる基地だった。

 

坂を歩きながら、司令部から送られた書類を思い浮かべる。

 

『横須賀鎮守府特殊兵器区憲兵隊へノ異動ヺ命ズ』

 

特殊兵器区というのは一体何だ?大体、なんで憲兵隊として行くことになったのか。そもそも、どうして俺が?

 

男は様々な疑問を浮かべながら、横須賀鎮守府のゲートを通って配属先の憲兵隊の本部へと進んでいく。横須賀鎮守府はかなり大規模な基地となっており、横須賀が軍港として建造されてから増築と改修が行われている場所である。本部のある建物に男は入り、受付に座っていた兵士に声を掛けようとしてみた。

 

「お疲れ様です」

 

「え?」

 

そこには海軍の第一種軍装に身を包んだ女性下士官がいたからである。もう一度言おう。女性下士官である。

 

「どのようなご用件で?」

 

「あ、すいません。女性だったんで驚きました」

 

歴史を紐解くと、軍に所属する殆どが男である。女性は一割にも満たない。帝国軍の門戸は開かれているのだが、戦闘に参加する部隊ではなく後方支援に回ったりすることが多い。情報士官や高級将校の秘書をやることもあるのだが、粗暴な軍人を取り締まる憲兵に女性がいるのはあまりない。

 

 

彼女は髪を後ろでまとめてポニーテールにしており、彼女の艶やかな黒髪や項が見えるたびにドキリとしてしまう。軍の中でも中々お目にかかれない清楚系の美人であった。

 

「まあ、任務が特殊ですからね・・・・」

 

「特殊?」

 

「一応、書類を見せて頂けますか?」

 

男は言われたとおりにバックから書類を取り出した。その書類をみた彼女はもう一度男の顔を見る。

 

「あなたが今度来ると言っていた人ですか。良さそうな感じですし、今からでも行きましょう」

 

行くってどこへ?

 

男の頭の中では、普通に憲兵としての職務に就くと思っていたのだが、それは違ったようだった。

 

「私は如月 美佳曹長です」

 

「自分は剣崎 宏士軍曹です」

 

自身よりも階級が上だとは知らなかったため、焦りのあまり陸軍式の敬礼をする剣崎。それを見た如月は穏和そうな笑みを浮かべて立ち上がる。

 

「では行きますか。ついてきて下さい」

 

如月曹長はまるで友達の家にいくかのような足取りでデスクを出ると、そのまま憲兵本部の外へと歩き出す。剣崎は持っていたダッフルバックを持ち直しつつ、後ろに付いていく。

 

「前はどこにいらっしゃったので?」

 

「自分は南方の前線に」

 

「そうですか、大変でしたね」

 

剣崎は深く訊こうとしない彼女に幾ばくかの感謝の念を抱いた。陸戦隊の憲兵など、話すことなど何もない。多くは援助を求める同盟国や発展途上の国に赴いて治安維持を行う。その中でストレスの溜まった兵士達の悪行を止めて士気の低下や規律を守らねばならなかった。あるときは友軍の兵士を逮捕し、敵の捕虜に対しては友軍の兵士が暴力を振るわないようにしなければならない。そして、敵の攻撃を阻止するために小銃を手にとって戦うこともしばしばあった。

 

彼女は施設の合間の通りを抜けて、警備の厳しい場所にたどり着いた。基地の周りにはフェンスや鉄条網などがあるが、二人が来た区域はさらに警備の厳しい物だった。

 

高圧電流が流されている鉄条網に完全装備の警備兵。警備兵のストラップの先には軍用犬など。さらには、監視カメラも設置されている。明らかに鎮守府のなかにあるものではない。

 

敵の捕虜がいるのでは?

 

幾人もの敵性兵力の鎮圧や捕虜の引き渡しをやってきたこともあって、剣崎はゴクリとつばを飲み込む。彼らは常に脱出できるよう考えていると教わっている。憲兵はそのことを念頭に置いて彼らを監視しなければならない。ゲリラやテロリストなどなら粘り強い抵抗をするため手に負えない。

 

立ち止まった剣崎を如月曹長は微笑んだ。

 

「大丈夫ですよ。私も最初は驚きましたが、危険ではありませんよ」

 

「この区画は何を取り扱っているのですか?」

 

彼は恐る恐る彼女に質問した。

 

すると、彼女は彼の脇に立って耳元まで顔を寄せる。女性経験が豊富とは言えない彼にとってそれは胸が高鳴った。

 

「ここで言うのは危険ですが、ある種の動物兵器です」

 

動物兵器!?

 

剣崎は目を見開いた。

 

古来より人類の歴史を紐解けば、動物を利用して戦争を行っていた。騎馬隊や伝書鳩が典型的だろう。それらは軍需物資の運搬や動物自体が戦うことは少ない。しかし、近年訓練されている軍用犬などは対象をかみ殺すことも出来る。古代では像を使用して敵の軍勢を蹂躙したとして知られる。

 

しかし、現在は科学技術が発展し、動物兵器は比較的に少ない。軍需物資を運ぶトラックや敵を蹂躙できる戦車が出来たからだ。だが、遺伝子を組み替えた生物はどうだろうか。現在では、遺伝子改造や品種改造が進んでいる。映画をみれば不気味な皮膚の化け物が人を襲うなど、パニックホラーでよくある。例えば某ウィルスで変異した生物などどうだろう。それらは、敵を識別し、容赦なく敵を食い殺す。

 

だが、それは創作の産物である。現実ではない。しかし一昔前に空想と思われていた物が実用化されている。自由に空を飛ぶ乗り物、どこでも誰でも話せる機械。たった一回のボタンを押せば、目標に爆弾が飛んでいき、数万もの人を奪う兵器。現在の科学技術など魔法と同じような物であり、過去からすれば現在の兵器群など化け物に等しい。創作や想像は数百年、いや数十年経てば現実になるのだ。

 

その区画にはその想像の産物が密かに生み出されているのだとしたら?

 

剣崎は背中から冷や汗をかき、今まで以上に焦っていた。

 

「ほら、いきましょう」

 

上司でもあり、自分のタイプである女性に手を引かれて厳重な区域に入る。彼女はまるで友達の家にでも来たかのような様子で中に入る。彼女がけろりとしているのに自分はなんでこんなに恐れているんだ?

 

剣崎は自身の情けなさに泣きたくなる。ふと、右手には女性独特の柔らかい手が握られている。上官とまるで青春ドラマのように手をつなぐ行為は軍人としてどうだろう?

 

彼はそう思い、スキップしかけていた如月曹長を止めた。

 

「曹長、自分は・・・・」

 

剣崎はそう言いかけようとして、ふと如月の行く先の廊下で歩いている人影を見つけてしまった。

 

その人物は海兵が着るようなセーラー服ではなく、女子学生が着るようなスカートのある制服を着ていた。そして異質だったのはその身長や姿である。その人物、いやその少女は小学校にいてもおかしくない可愛らしい女の子であった。少し茶髪の掛かった髪の色で後ろで髪をまとめ、纏っている雰囲気は大人しいいう感じが相応しい。

 

「あ、電ちゃんだ!元気してる!?」

 

「あ、如月さんなのです!」

 

トコトコと擬音語がでてもおかしくない歩き方で彼女は如月曹長に近づいた。そして、如月曹長と言えば、まるで食虫植物のようにぱくりと両腕で少女に抱きついた。

 

「あ~!可愛い!!!お持ち帰りぃ~♪」

 

どこの雛見沢の竜宮レナだと、突っ込みたいのを抑え剣崎は質問しようとする。

 

「曹長、その子は・・・・」

 

とすると、どこから現れたのか右目に眼帯をした柄の悪い女子高生っぽい少女が廊下を走ってきたではないか。頭にはまるで、パトレイバーのアンテナのようなもの(古典的に言うのなら鬼の角?)が着いていてランプのような物が紅く点滅していた。

 

「おい!如月ぃ!電にまたお菓子をあげたろ!こいつは夜中に食べて昨日虫歯の治療したばっかなんだよぉ!」

 

「あら、可愛い子にはお菓子をあげろって言うじゃない?」

 

不良っぽい少女は如月に怒鳴る。怒る理由は正当であるが、不良っぽい少女は意外にも面倒見というか、子供好きなんだな。と剣崎は好感を覚えた。

 

「如月、それは『旅をさせろ』じゃないかな」

 

他にも、白く長い髪が煌びやかに風で靡く、海軍の略帽を被った大人びた雰囲気を持つ少女は如月の間違いを訂正する。

 

「いいじゃない!可愛い子にはあげたくなる物よ。はい、響ちゃんにはこれ」

 

如月が渡したのは、大正製菓の庶民に愛される板チョコである。響は渡されると頬を少し赤く染め、ロシア語で「Спасибо(ありがとう)」という。

 

「雷は?」

 

「あなたにはさっきパン屋で買ってきたメロンパンがあるわ!」

 

「わ~い!」

 

電と見た目そっくりな少女の雷は如月の背中から出した紙の包みを渡されて、うれしいのか両手を高く上げて喜んでいる。子供らしさといえば彼女が一番しっくり来るだろう。

 

「それと、暁ちゃんには・・・」

 

「ふん!子供扱いしないでよ」

 

と暁と呼ばれた黒髪と言うよりも青みがかった艶やかな長髪が印象的な少女は如月の芝居がかった台詞に言い返す。そう言われるのを見越してか、如月は女性には決してやって欲しくない、いやらしい笑みを浮かべた。

 

「・・・なによ」

 

暁は怪しさと気色悪さ満点な如月の笑みに若干引いていた。つーか、こんな笑みも出来るんだと、剣崎も暁以上に引いていた。

 

「あなたにはこれよ!」

 

と如月が取り出したのはペンギンがイメージキャラクターのお菓子である。キャラメルをチョコで包み込んだ、子供に人気のチョコレート菓子だった。それを見た暁はふくれっ面になる。

 

「私だけそんな子供扱いして!」

 

「暁はまだ子供なのです」

 

「う、五月蝿いわね!あなただって天龍の言いつけ守らなかった癖に!」

 

電は如月と言い合い、周りの二人の少女は笑い、如月は保護者のような笑みでその言い合いを見ている。

 

なんと心休まる一時だろう。昔はこんなことして・・・・・・・いや待て!なんで日本海軍の中枢の基地の警備の厳重な区域に少女に餌付けする下士官がいるんだ!?どう考えてもなんでこんな所に子供がいるんだよ!

 

剣崎は状況がよく分からず、壁に手をついてもう片手で顔を押さえた。剣崎の混乱を増長するかのように如月と少女達の戯れはエスカレートしていく。

 

「おい、あんた。如月の同僚か?」

 

「ああ、ここに配属になったらしい、憲兵隊所属の剣崎軍曹だ。そちらは?」

 

眼帯をつけた不良そうな少女はにやりと微笑み、親指で自分を指して自己紹介をした。

 

「天龍型軽巡洋艦『天龍』だ。駆逐艦を率いて水雷戦隊を率いているんだ。どうだ、怖いだろ?」

 

その台詞はまるで暴走族のヤンキーが自分の族を率いていると自慢しているようにしか聞こえてならない。その率いているのが可愛らしい少女達だと思うと剣崎は笑いがこみ上げてきた。

 

しかし、軽巡洋艦?駆逐艦?自分の事をそのように読んでいたが一体どういう事なのか。もしかして、新手の厨二病の症状なのかも知れない。それなら、あたまのアンテナもそういうことになる。これは所謂コスプレなのだ。天龍型駆逐艦など既に80年も前に退役してしまっている。それを名乗る女子高生もどうかと思うのだが、やっぱりこれはあの病気の一部なのだろう。

 

「そうか、うん。ちゃんと現実を見るんだぞ」

 

と剣崎は身長差があるためか頭を撫でる。つい、アンテナがどうなっているか知りたくて触ってしまう。

 

「んぅ!・・馬鹿ぁ!お前何処触っているんだよ!」

 

「え?頭だけど。それにしても、これどうやって取り付けたんだ?」

 

ついつい、パトレイバーのようなアンテナなのでどう取り付けているのか知りたくなった剣崎は根本やランプの部分を触ってみる。

 

「ひやっ・・ちょっ、だめだって、んぅ・・」

 

ん、これやばい。なんというか接着剤で取り付けているのか、付け根の部分がなく引っこ抜けばいいのかと剣崎は思う。だが、触られている天龍はほほを真っ赤に染め、なにやら艶めかしい声を出すように至っていた。それを気がついた如月が焦った様子で駆けつける。

 

「え、剣崎さん。何を?」

 

「いや、このコスプレ少女がどうやってパトレイバーのようなアンテナ取り付けているか気になって」

 

「こ、コスプレじゃねーし!つーかパトレイ?・・どうでもいいから頭を触るなぁ!!」

 

「あ、あれが女をオトすっていうことなのね!」

 

暁のませた発言は置いておき、コスプレでもなく、パトレイバーのアンテナでもないことを説明するため、如月は彼女たちの存在意義について話した。

 

 

 

 

太平洋上に現れた第二次大戦時の旧米軍の艦艇を模したような所属不明船舶。それは地上の何処の国の所属でもなく、深海から現れた軍勢の者だった。近くを航行していた船舶を無差別に攻撃し、海軍の駆逐艦ですら撃沈せしめた。日本海軍は謎の軍勢の事を深海から来ることから深海棲艦と呼称した。

 

ほどなくして、日本の海岸に数十人の少女が流れ着いていた。彼女たちは自身の事を「艦娘」と呼び、かつて日本の為に戦った軍艦の生まれ変わりだという。彼女たちは自分の軍艦の生い立ちを正確に覚え、現在でも明かすことの出来ない軍事機密さえ正確に覚えていた。そして、特殊能力など様々な技能があることが分かった。彼女達は『提督』と呼ばれる契約者を定め、六人から12人までの艦隊を組んで任務に当たる。

 

彼女たちの任務は打ち果てた船舶の亡霊である深海棲艦の撃退だった。彼女らは昔の故郷であった海軍に協力を頼み、今に至っていた。

 

 

 

「どうだ、わかったか?」

 

如月の説明が終わり、天龍が剣崎の理解度を訊くために彼の顔を見る。その顔はどう見ても帝国海軍時代の軽巡洋艦の面影は感じられない。こんな子が兵器なのかと疑問に思う。だから、彼の答えは決まっていた。

 

「分かるわけないだろ!」

 

「なんでだよ!あんだけ、如月が説明したのに!」

 

如月の説明で納得するのは頭のネジが幾つかなくなっているのだろう。まっとうな人間ならそれを真実だと思うわけがない。思えるのは、彼女がその敵である深海棲艦の撃退をしているのをはっきり見れば認めざるおえないだろう。

 

「ったく、あたまでっかちの野郎だぜ」

 

「天龍、そういうことは言わないの!」

 

「だってよ~、こいつ如月の言ってること信じちゃいないんだ。こんな奴にここが守れるのかよ。怪しいもんだぜ」

 

天龍は気分を悪くしたのかその場を立ち去ろうと背を向けた。すると、剣崎は口を開く。

 

「そりゃ、今まで知らなかった物に触れるんだ。今の話で納得する方がどうかしている。だがな、これは上からの命令だし。それに・・・・」

 

剣崎は少し言葉を濁しつつも言葉を続けた。

 

「こんな可愛い女の子を守らなければ男の恥だろう。どんな任務だろうと日本男児なら黙ってやるまでさ」

 

その言葉は男なら誰しも思うことだ。もし、彼女らが傷つくのなら男なら黙って盾になろう。女子供を見殺しにするぐらいなら命を捨てるなど造作もない。それが、日本海軍の軍人。いや日本男児としての責務であろう。

 

剣崎家は代々海軍軍人の家系である。軍人とはなんであるかを教え込まれた根っからの軍人である。そうした、家系からか剣崎の信念としては現代の価値観としては古めかしくも潔く素晴らしいものを受け継いでいた。

 

天龍は照れくさくて後頭部を掻く。

 

「ふふっ、お前のような奴がここに来てくれて助かったぜ。出来るなら、今からでもお前を提督にしたいぜ」

 

「だが、もういるんだろ」

 

「ああ、残念だがな」

 

天龍は残念そうに言うが、それでも今の提督を好きでいるに違いない。すると天龍は何かをひらめいたのか、近くにいた雷を呼んだ。

 

「天龍、どうしたの?」

 

「いつも提督が来たときにいう奴やってやれよ」

 

「“あれ”?」

 

「そう、少しアレンジしてやれ。」

 

お茶目っ気のある天龍は剣崎に背中を向けて雷に聞こえないよう耳打ちする。すると、雷は理解したのか、うなずいて剣崎の目の前に立った。

 

 

 

 

 

「軍曹が鎮守府に着任しました!これより憲兵隊の指揮を執ります!」

 

 

 




雷と電を間違えました。二人はかなり似ていますねwww

ミスをご指摘して頂き感謝ですww




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