多分すぐエタるから忘れて
そして誰かこの続き書け(威圧)
テンプレ転生…これだけで賢い人は察せると思うので死因だとか特典だとかは省かせてもらう
今考えなければならないのはここがfateの世界だということだけ
生前アニメを見ていた身としては物騒なことこの上ない。詳しく語ってと言われると
だが、考えてみれば別にこれだけなら別に問題はない。
要はこの七人に入らなければ良いのだ。
基本この七人は全員が正当な魔術師であって、そこに一般人が介入する余地はない。
だがそもそも英雄同士が戦う過程で、そこは現代であり法治国家日本である。
そんな訳で真っ昼間から殺し合いをするわけにもいかないので基本は深夜に密かに行われている。
だがこれらは全て基本の話
何事にも想定外は存在するものである。確か主人公もたまたま英雄同士の戦闘を目撃してしまい、そこから物語に巻き込まれていった筈だ。
「さ、サーヴァント、
皆さんはFGOというスマホゲームをご存知であろうか?
fate/grand order
万人から認められた神ゲーでありその人気ぶりは、長年Appleランキング上位に居座り続けるほどである。
FGOは神ゲー
100人に聞けば3人はそう答えるだろう。
FGOは神ゲー
大事なことなので繰り返して言ったぞ。
そしてもちろんこの転生者も類にもれなくFGOをプレイしていた。
ヘラクレスで無双した1章から5章
急に難易度が上がりガヴェインで2ヶ月ほど詰んだ6章
牛若丸が大活躍()し、ギル様復活からの特殊セリフで震えた7章
ずっと黒幕だと思われていたロマンがマジ浪漫な終局特異点
ダブルオルタが舞った新宿
ちぃ覚えたアガルタ
武蔵と小次郎が熱い剣豪
不気味な雰囲気漂うセイレム
どれも素晴らしいストーリーで俺達ユーザーを楽しませてくれた。
「ええっと、あ、貴方が私の」
この世界がfateな世界である、とは知っていてもそれがstay/nightなのかApocryphaなのか、はたまた全く知らない別ルートなのか、この世界に来てから数十年が過ぎ去り、ついぞ分かることはなかったがたった今確信した。
この世界は
「マスター…ですか?」
この世界はFGOの世界であり、そして自分はこの世界の主人公
藤丸立香である!?
同日
人理継続保証機関フェニス・カルデア
七つの特異点、そして終局特異点を攻略し終えたカルデアは人理修復を終えた後にもかかわらず変わらず忙しなく稼働していた。
というのも、人理焼却の弊害によって人理修復を果たした後に全世界に一年の空白期間が生まれてしまったのだ。
これには勿論、カルデアの援助を行っていたアトラス院や時計塔から連絡が殺到し、あっという間にカルデアスの情報処理をオーバーしてしまったのである。
それからというもの、ダ・ヴィンチちゃんや技術スタッフを始めとして英霊まで、各部署でボロ雑巾になるまで扱われた。
慣れない事務仕事に悪戦苦闘するのは、「元」人類最後のマスター
「日頃の無理が祟ったのです。いくら私でも治す気のない患者は治せません」
「いや〜面目無い…にしても特異点でもこんなことなかったのになぁ」
「特異点では、あらゆる法則が不安定になっていると聞きました。それが貴方の感性を狂わせていたのでしょう。貴方はこれまでも充分にカルデアに尽くしているのです。いい機会ですのでそのまましばらく寝ていなさい」
「はぁ〜い」
「それでは私は次の患者の検診に行きますので、くれぐれも安静にしていて下さい」
フローレンス・ナイチンゲール
奉仕と献身を信条とし、たった一人の軍隊ともいうべき不屈の精神を持った女性
第5特異点での最初の出会いでは、その精神性とクラススキル「狂化EX」が相まって(恐らく)生前とは違い「人の話を全然聞かない」状態になってしまっていて、危うく立花も砲弾を食らって負傷した手足を切断されてしまうところだった。
第5特異点を修復し終え、すぐにカルデアに召喚された彼女は、カルデアの医療体制に不安を感じ、バーサーカーのクラスを体現したような凄まじい姿勢でカルデアの医療体制の強化を行った。おかげで今のカルデアは、世界的に有名な病院もかくやというほどの医療待遇が受けられるようになった。
そして今はその医療体制を存分に発揮している時である。過労によって倒れてしまったのは当然立花だけではなく、他の職員も次々と医療室に出たり入ったりしている。
昔のカルデアはいざ知らず、現在のカルデアでは人材の補充が困難なためどうしても個々人の技量に依存してしまいがちであり、今もその状態は続いている。
「さて、と」
そして、その「技量」に依存している大部分であるのがこの藤丸立花である。
100を超えるサーヴァントと絆を結んだ「凡人」
確かにサーヴァントを使役するためにマスターの魔力量が関係ないカルデアでは、ほんの僅かな魔力回路と、レイシフトに耐えうるマスター適正さえあれば誰でもサーヴァントを使役することが理論上では可能だ。
しかし当然ながら、そんなカルデア式英霊召喚にも欠点がいくつか存在する。
まず1つ目として、通常、聖杯戦争などでサーヴァント召喚の際に魔術師ならば必ずと言っていいほど使用する「触媒」が使用できないこと。
これのせいで魔術師達は、不安定な要素が多く確実ではない自分の「縁」を頼りにサーヴァントを召喚することしかできないこと。
2つ目に、なぜか召喚の際にサーヴァント以外の物質「魔術礼装」が出現すること。
それもたまに、という頻度ではなく10回召喚したら7回は魔術礼装だった、なんてこともざらにある。技術者達曰く、人理崩壊の際の影響だそうだが詳しい原因は分かっていない。魔術師にとっては有益なこの礼装も一般人だった藤丸立花にとっては無用の長物であり、仕方なくサーヴァント達に着けさせている。
そして最後に、例えそれがどんなに優れた魔術師だろうと、否、
基本的に魔術師はサーヴァントを「道具」としてしか見ていない。
いかに強大な英霊であろうとも、彼らにとっては精々「ボードゲームの強い駒」程度のものでしかなく、そんな態度で歴史に名を残した英霊達に接すればどうなるかなど一般人であれば誰しも気づくものであるが、残念ながら魔術師とは「根源」に至るために人道など捨てたものが大半である。
でなければ歴史に名を残した英霊達に
「婦長には悪いけど動いてないと落ち着かないし」
もしカルデアに残ったマスターが藤丸立花では無かったら。
そのことをカルデア職員ならば誰しもが1度は考えたことがある。
しかし、その答えを職員達は明確に出したことは無い。
当初、人理崩壊への対応を予定されていたマスター適正のある優秀な魔術師達の誰かでは?
あるいは、その優秀な魔術師達の中からさらに選ばれ、時計塔のロード顔負けと言われたAチームのマスター達では?
「…とりあえず」
声にこそ出さないが、皆、こう思っていることだろう
「人類最後のマスター」の称号は彼女にこそ相応しいと
「マシュのところにでも行くか!」