インフィニット・ストラトス ファントム   作:OLAP

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戦闘描写は筆が進むのが速い


市街戦闘 1

 

「カタパルト、発信準備完了。ゼロ、カタパルトに乗って」

 

「了解。行くぞ、ゼロ」

 

 俺は自分の右腕につけたブレスレットを触りながら自らの相棒の名を呼ぶ。そしてその瞬間、ブレスレットが光り、俺の体を包み込む。

 

 そして直ぐに光りは収まると、そこには鉄の兵士が現れる、

 

 灰色を基本色とした全身装甲、ライダと比較すると貧相な鎧、武装の数も少なくハンドガンとナイフのみ。この機体の名前は『ウルテナ』、亡国機業によるISでの戦闘の新たな可能性を示す機体。おれとスコールさん、そしてシルヴィアさんの三人に与えられた機体。

 

「アサルトアームズ展開」

 

 ウルテナの周りに蛍火のような粒が現れた。それはやがて形になる。

 

 灰色の装甲に新たに赤色の装甲が装着された。薄い装甲に新たな装甲を足すことにより、防御力と速度をあげることに成功した。

 

 これこそ新たな可能性。一つの機体による装備換装をする事で、ライダの万能性とは異なる特化型の性能を発揮させるもの。装備を変えることにより近距離や遠距離への対応を可能にする。

 

 俺の装備は接近戦用のアサルトアームズ。長剣や大剣はもちろんのこと、ナックルガード、ショットガンなどもある。

 

 カタパルトに足を乗せ両膝を曲げる。ハッチが開いて外の景色を確認することができる。

 

「ゼロ、ウルテナ・アサルト。出撃します!」

 

 カタパルトが前方に動きだし、身体に不可がかかる。一瞬にしてカタパルトの外に飛ばされた。眼下に広がるのは普通の街、アスファルトの道路に鉄筋コンクリートの建物。俺たちはこれからこの街で戦う。

 

 今回の任務は内戦の鎮圧、政府軍と革命軍との戦い。とは言っても俺たちは政府軍ではなく革命軍に手を貸すことになる。

 

 なんでも政府軍はネオとつながっており、革命軍は俺たち亡国機業とつながっているらしい。そこで勢力を拡大するために革命軍に力を貸すらしい。そしてもしかしたらネオの方からもIS部隊がくるかもしれないらしい。

 

 だがこれは前代未聞だ。市街地でのISの戦闘など今まで行われたことがない。一般人の避難はすでに完了しているために一般人に被害が及ぶ心配はしなくて良いらしい。

 

 それに今回の任務は俺にとっても大事なものだ。今回の任務はマドカとティファが初参加する。マドカにはエムと言うコードネームが与えられた。なんでも兄妹の情を出さないようにするためらしい。二人とも後方支援型だが、何が起きるのかわからない。あれから俺は色んな人に鍛えて貰った。たくさんの任務を経験した。最初の頃とは違う。

 

『ゼロ、聞こえる』

 

 スコールさんからの通信。

 

「聞こえます」

 

『今回の任務は敵の掃討、私達とは別の部隊も動いているから気をつけなさい。それとネオのISを確認できたらしいから注意して』

 

 今回の任務は普段より規模が大きく、二つの部隊による合同任務になっている。因みにだがあの時手に入れたコアは量産することに成功しており、それぞれの部隊に配られており、今回の任務のような作戦をできるようになった。

 

「大丈夫です。それでは市街地に降下します」

 

 地上戦闘用のランドホイールを倒す。地上までの距離は百メートルを切っている。二台の戦車、政府軍の兵士の姿を確認できる。

 

 こちらにはまだ気づいていない。攻めるならば今、左肩に装備された片刃の赤い大剣を肩から外して手に持つ。

 

 一台の戦車に向けて瞬時加速。強襲(アサルト)の名前の通り、この機体は直線での最高速度が今までのものよりも速い。

 

 重力による自由落下を合わせたその移動は瞬く間に戦車との距離を詰めてしまう。

 

 戦車の上に着地、金属と金属がぶつかり激しい音を立てる。兵士が此方を振り返る。ゴーグルやマスクのせいで顔が見えないがわかる、相手は驚いている。ならばここで潰そう。

 

「ハアッ!」

 

    大剣を甲板の上から操縦席に向けて突き刺した。大剣は甲板苦戦しながらも貫通し、操縦席まで届いた。

 

    兵士たちが怯えている。此方に向ける銃口が下がってきている。

 

《CAUTION!!》

 

   警告、ハイパーセンサーを使い、周囲の確認。後方から戦車の主砲が此方に狙いをつけている。ISに絶対防御があると言えど直撃はただではすまない。

 

   素早く大剣を抜き取り、横方向に跳躍。僅かに遅れて戦車の弾丸が今までいた場所を通過。

 

    コンクリートの建物の壁をランドホイールで走りながら、戦車に向けて接近。戦車も此方を狙うために砲塔を回転させるが俺の動きに間に合わない。ISの武器はこの小回りの良さと言える。

 

    壁を蹴って接近、砲塔の上に着地して砲塔に凹みをいれる。そしてもう一度跳んで甲板に着地。そして大剣に体重を乗せて、思いっきり振り抜いた。

 

    美しい断面を作り上げられ、砲塔は二つに別れた。戦車の中から兵士が飛び出し、銃を構えていた奴らと一緒に逃げ出した。追撃はしない。俺は兵士がいなくなった操縦席に手榴弾を入れて蓋をして、飛び降りる。

 

    くぐもった爆発音が聞こえた。

 

「次は……」

 

    センサーを確認、既に数機のISが政府軍と交戦をしているみたいだ。基本的にツーマンセルで行動してるらしいな。

 

    敵機発見、此方に近づいてくる。大剣を構える。敵の姿が見えた。俺らと同じ全身装甲タイプ、顔つきから見てあの施設にいた『ガスマスク』と同じだろう。ガスマスクは俺らが読んでる通称で正式名称はわからない。

 

    どうやらネオの奴らも出てきたみたいだな。

 

     大剣とランスのぶつかり合い、峰の部分に備え付けられた取っ手を駆使しながら素早く攻撃を繰り出していく。

 

    横薙ぎに払われたランスを大剣で受け止める。鍔迫り合いの形になる。今の俺なら力で押し返すことができるだろ。だがそれでは攻撃に繋がらない。

 

    鍔迫り合いを繰り広げていない方の足を振り上げてハイキック、空いていた頭にぶつかり敵は飛ばされる。

 

     追撃は至ってシンプル転がる敵に向かって、軽く跳躍して両脚で踏み潰す。その際に瞬時加速を行い、威力を上げる。

 

    音がした。装甲に罅を入れ、余った衝撃が敵に伝播していく音が。

 

「……うぉ……お」

 

    少しだけ呻き声を上げた敵は動かなくなった。動かなくなった敵を一方的に痛めつける。大剣で装甲を何度も切り裂き、ショットガンで敵を何度も撃ち、拳で顔面を何度も殴った。絶対防御が発動しようと関係ない。それが発動しなくなり、解除されるまでなぐった。

 

    ISを解除され、ISスーツを身につけた女性が現れた。俺はその女性の心臓にナイフを突き刺した。そしてすぐにナイフを抜き取り、女性のISスーツで血を拭き取り収納する。

 

    敵は殺さないといけない。殺さなければ仲間に被害が出てしまう。だから容赦はしない。こいつらにも事情があるかもしれないがそんなの知ったことではない。同情はしない、俺とこいつが敵だから。

 

「……ん、交戦中?場所は近い、行くか」

 

    交戦中の表示が出されているのは今いる道路の近く。ランドホイールを駆使すればすぐに到着できる。背中のスラスターとホイールを使い、移動する。

 

    視界の隅に表示されるレーダーを頼りに進んでいく。

 

    発見、二体一で互角のようだ。此方が二、相手が一。俺の存在に気づいてはいないようだ。

 

    一気に加速、背後から敵に近づく、味方は此方に気づいたようだ。少しでも相手の気を引くために闘っている。

 

    大剣を持ち替え、投擲。槍投げの様に真っ直ぐ跳んでいくそれは吸い込まれる様に相手の頭に直撃。

 

     敵が此方を振り向く。だが俺は止まらない。敵とはぶつからずに通り過ぎながら相手の腰に両手を回し、膝を曲げて後ろに跳躍。美しいアーチを描き、相手を頭から硬いアスファルトに叩きつけた。

 

    ジャーマンスープレックス

 

    プロレスの技ではあるが、叩きつけられる先はリング上ではなくアスファルト。通常とは比較にならないほどのダメージを与える。

 

    そしてこれは生身でのプロレスではなく機械であるISの戦闘。一撃で終わりはしない。

 

    スラスターを吹かせて強引に体制をかえ、相手ごと持ち上げる。そしてもう一撃のジャーマン。

 

    相手は動きを止めた。殺し合いにレフェリーはいない。ただ、相手を殺した方の勝利、他にルールはない。

    

    起き上がり、大剣を拾ってから味方に近づく。

 

「大丈夫?」

 

「「ありがとうございます」」

 

「次行くから、他の人と合流して 」

 

「「わかりました」」

 

    スラスターを点火、俺は空に飛び立った。




最近のキン肉マン面白いですよね。今のお気に入りはジャスティスマン。アシュラマンに圧勝は凄い。

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