プロローグ
その日IS学園は崩壊した。
完全なる敗北。
その日の始まりは今まで何百何千と起きていた何事もない日常であった。そしてその日は何事もなく平穏無事な日常がただすぎていくはずだった。
ただ平穏な時間が過ぎてくれれば良かったも誰もが思い、その思いが叶う事なく踏みにじられた。
そして平穏、平和という言葉が彼らの元に再び訪れるのはいつになるのだろうか。
ネオがIS学園に襲撃をかけた。
それは昼を少し過ぎたくらいの時間だった。
それが何気なく過ごし続けてきた平穏の終焉であった。
時が止まった。
圧倒的な力の前にIS学園は敗れ去った。勿論、IS学園も襲撃を仕掛けて来たネオに対して徹底抗戦を行った。
戦える人間は全員戦場になってしまったIS学園を駆け抜けた。戦えぬ生徒達を逃がす為、襲いかかるネオの猛者を倒す為にISを纏い戦った。
それは一般生徒や教員、そして用務員も含めて全力を尽くして戦った。
やがて来るであろう政府や組織からの援軍を待って戦い続けた。
だがそれでも、敗北した。
代表候補生でもなんでもないISに乗って戦っていた一般生徒は次々とネオの兵士に倒され逃げる一般生徒たちにもネオの毒牙が迫った。
そして代表候補生たちも次々にネオの幹部達に倒されていった。
国家代表や覚醒したコアの持ち主でさえネオの兵士のあまりの数の多さに苦戦をしいられた。
『最凶』の前にかつての『最強』は敗れ去った。
大空を飛ぶ為に再び手に入れた新たな大翼も、『最凶』の前に無惨にもがれた。
そもそも今回の作戦にネオが投入した戦力は明らかに過剰であった。
通常なら小国を落とせてしまうほどの戦力をこの一戦に投入した。
自分たちの存在を何も知らぬ一般市民に知らしめるように、今現在の世界の最高戦力IS──それの象徴とも言えるIS学園を壊滅させた。
その出来事はこれから起こるでおろう、地球全土を巻き込んだ歴史上類を見ないほどの規模の大戦争の始まりの出来事に過ぎなかった。
そして第三次世界大戦が勃発する。この戦争は今までの第一、第二次世界大戦の時とは様相がちがった。
『IS』が世界に登場してからの初めての世界大戦。戦場の中心は世界と同じように『IS』にかわる。
そして裏から世界を牛耳ってきた『亡国機業』と『ネオ』、二つの世界的組織の代理戦争。
この戦いはこれからの世界の命運を決める為の敗北を許されない戦い。
やがてこの戦争は、ISのコアの中に存在する意識──電脳妖精の名を用いてこう呼ばれるようになる。
妖精戦争
というわけで最終章ですね。