ちなみに翻訳は出しませんよ?想像にお任せします。
クロコダインはダイ達を追おうとする自らの身体を犠牲にし、ヒュンケルを止めようとした…
「人間は強い!そして人間は優しい生き物だ。共に力を合わせ、喜びと悲しみを分かち合うことが出来るんだ。ただ強いだけの俺たちモンスターとは違う…!」
「黙れ!」
ヒュンケルはクロコダインの言葉に耳を貸さずにクロコダインに刺さっている剣を更に奥にやる。
「戯言は良さんか!!」
「ヒュンケル、人間であるお前に人間の素晴らしさがわからぬはずが無い…」
ヒュンケルに人間の素晴らしさを教えたが…
ヒュンケルは剣をクロコダインごと壁まで押す。
しかし、クロコダインはまだ話し続ける。
「ヒュンケル…お前は見て見ぬ振りをしているだけだ…!」
その言葉でヒュンケルは一瞬図星をつかれた顔をし怒った。
「黙らんかーっ!」
そして、ヒュンケルの剣がクロコダインを突き抜けて壁を破壊する。
「ぐあぁぁぁぁぁーーーっ!!!」
クロコダインは断末魔にも似たような叫びをあげ…血も一気に吹いた。
だが、そのとき血とは別のものがヒュンケルの手にかかった…
「涙…?!」
涙を流しながら、クロコダインは身体にある力を使い、ヒュンケルの肩に手を置いた。
「ヒュンケルいいぞ…人間は…今度生まれ変わる時は俺も人間に…ぐふっ…!」
そしてクロコダインは後ろに倒れた。クロコダインが最後に言った言葉は…
「無念…!」
マァムを逃がすことに失敗した事に対しての無念なのか、ヒュンケルに人間の素晴らしさを教えられなかったことに対してかは、不明だがとにかく言える事はクロコダインが気絶した事だ。
「…流石ね、ヒュンケル。」
そこへ現れたのは魔軍司令親衛隊隊長のジゼルだ。
「お前か…」
「クロコダインはどうする?」
ジゼルはクロコダインをどうするかをヒュンケルに尋ねた、
「手当てをしてやろうと思う。」
ヒュンケルは治療をすることに決めて、背中を向けた。
「…そう言うことなら私も手伝うわ。ベホマ…」
ジゼルが呪文を唱えるとクロコダインの身体は完全に回復し、それまでの苦しい表情が安らかな表情となった。
「すまない。」
ヒュンケルがそう言うと剣を頭の兜につける。
「それより…この娘どうする?」
そこへゴメちゃんがジゼルの元へと向かう。
「ピピィ!」
ゴメちゃんはジゼルに警戒しておらず、むしろ助けてくれた恩人に対していきなり無礼なことはしない。
「あれ?この子は…?」
ジゼルは少し前にダイとゴメちゃんに会っている。そのため立場以外は互いに認識はある。
「そう言えばいたのか?」
ヒュンケルが意外そうな顔でゴメちゃんを見た。だがその顔には全くと言っていいほど警戒している顔ではなかった。
「ピー!ピー!」
しかし、ヒュンケルに対しては、やはりと言うべきか警戒しており睨みつけていた。
「まあ、落ち着きなさい。ゴメちゃん。この銀髪のお兄さんは女の子に対しては優しいわ…」
「ピピィ?」
「そのくらいわかるわよ。私の仕事仲間だし。」
「ピー!?」
「だからと言って私は、今ダイ君には手を出せないし、何より…ついでに顔を出した程度だからその娘には手を出さないわよ。」
「ピ?」
「本当よ…」
「ジゼル…暇なら地底魔城までその娘を運ぶのを手伝ってくれ。」
ヒュンケルがジゼルにマァムを運ぶを手伝うように促した。
「はいはい…よいしょっと。じゃあ地底魔城まで運ぶからついて来なさい。」
ジゼルはそれだけ言うとマァムをおぶって歩いて地底魔城まで向かった。
~地底魔城~
「でね…ゴメちゃん。」
ジゼルはゴメちゃんに愚痴っていた。
「ピィピィ。」
「わかる?でも私の願いは…やっぱりハドラー様との子供を作って幸せに暮らすことかな。」
その言葉が後々本当になるとは誰一人予想がつかなかった。
「ピピッ!」
「うん…ありがと。それじゃ、仕事だからまた会えたらいいわね。リレミト!」
ジゼルはゴメちゃんに別れの挨拶を入れて地底魔城から出て行った。
一方…ヒュンケルはハドラーと会っていた。
「これは魔軍司令閣下…何か私に御用で?」
ここで前のハドラーなら嫌味の一つを入れてダイ抹殺を急かすだろう…が今のハドラーは違った。
「何、少しジゼルが不安になって見にきただけだ。お前なんぞに興味は無い。」
ハドラーはパプニカにジゼルに向かわせたことに罪悪感を感じているせいか…ダイ抹殺の件がハドラーの中ではどうでも良くなっていた。
「何…?」
これにヒュンケルは目を開く。何しろ、この挑発方法ならばハドラーを怒らせ、冷静さを失わせるとアバンに教わったからだ。ところが当の本人は至極冷静に返事を返してきた。
「ところで…ジゼルはどこにいる?」
「とりあえずここにはいない…とでもご答えしましょう。では…閣下もお気をつけて。」
そう言ってハドラーは立ち去ろうとするが立ち止まり…
「…そうそう、クロコダインの奴がこの大陸に来たみたいだが…知らないか?」
「知りませんな。」
「ならば良い。」
「(俺には興味がないだど…ふざけるな!ハドラー…俺には歯牙にも掛けない存在だと言うのか!!)」
ヒュンケルはハドラーを見下す悪い癖がある。そのため、挑発をしていたのだが…ハドラーには全く通じずに会話は終わってしまった。
ヒュンケルはこの鬱憤を晴らすためにダイを徹底的にいたぶることに決めた。ダイから見れば迷惑な話である。
その頃…ジゼルはというと…
「そう言えばバルジ塔にでも行ってみようかな…ルーラ!」
ルーラでジゼルはバルジ塔へと向かっていた。
「チッ…面倒なことをしてくれるもんだ。ルーラ!」
それを見た魔道士らしき老人もルーラでバルジ塔へと向かった。
~バルジ塔~
バルジ塔ではパプニカ王国の姫レオナ、三賢者の3人、後その他の兵士が話し合っていた。
「ご機嫌よう…パプニカ王国の皆さん。」
ジゼルがそう言うとパプニカ王国側の人間は全員ジゼルの方へと向いた。
「だ、誰だ!?」
三賢者の一人であるアポロがジゼルに聞く。
「魔王軍、魔軍司令親衛隊隊長ジゼル。と…そんなことよりもレオナ姫を渡して貰えない?」
ジゼルは律儀に答えるとレオナを渡す様に要求する。
「誰が魔王軍なんかに!」
アポロがそう言うとパプニカ側全員がその意見に頷く。それもそのはず。ここでYesといってしまったらパプニカを裏切ることになるからだ。
最も、かつてダイ諸共レオナを暗殺しようとしたパプニカの司教テムジンと三賢者の四人目の賢者バロンは裏切ったがそんなことはどうでも良い。
「残念ね…それじゃ…っ!」
その時、ジゼルは後ろから魔法が飛んでくるのを感じ、横に飛んだ。
「チッ…」
男はジゼルがよけたことに舌打ちをするがすぐに魔法の準備をする。
「まさか…マトリフさん!?」
その男はかつて、アバン達の仲間であり、魔法に関しては右に出るものはいないと言われるマトリフだった。
「久しぶりだな、てめえら。」
マトリフはニヤリと笑った。
「マトリフさん、何故ここに…!?」
三賢者の一人エイミがマトリフにそう尋ねる。
「何故も糞もねーよ。そこの魔族の女がやばそうな感じがしたから来ただけだ。」
マトリフは魔王ハドラーに対してですらそんなことは言わない。むしろ三流魔王と陰口を叩く位だ。それだけジゼルが強いことを認識していた。
「マトリフさんにそこまで言わせるほど…!?」
マトリフとエイミが会話していると…
「ここでやっても…面白くないわね。どう?下に降りてやらない?」
ジゼルがマトリフにバルジ塔の下で提案した。
「いいだろう。」
マトリフはこれ以上ない激戦を予想し、周りに被害を与えない様にそれを呑んだ。
「じゃあ、ついて来なさい。」
そう言ってジゼルはバルジ塔の下へと向かった。
作「それにしても…ジゼルとハドラーの会話が少ない…」
ジ「逆にヒュンケルとの会話は多いんだけどねー。」
ヒ「もしや…作者、サブとして俺もいれているのか?」
ハ「確かに考えているようだが、俺が…とこれ以上はネタバレになるから言えんな。それでは質問あるいは感想があれば感想で、気に入ったならば即お気に入り登録へ!」
作「あと矛盾点があったら感想にてお待ちしています!」