最近更新したのでは
ターニア、イタ転、TSタバサ、競馬、キルア、テニプリ、エリデビ、ラギハン
…次は何更新しましょうか?
まあそんなことはさておき本編どうぞ!今回はおまけ付きです!
その頃…バーン達はというと。
「まさかあの役立たずがあそこまで有能になると思いませんでしたね。バーン様?」
キルバーンが言葉にこそ出していないがバーンを責めていた。何故わざわざ敵を増やすような真似をしたのか?と。
『キル…!口を慎め!』
役立たずとはマキシアムのことを指しており、ミストバーンも鬱陶しく思っていた。何故なら当時のマキシアムは鉄壁の守りとか言っておきながら弱った獲物を横取りするような真似しかできなかったのだ。
「よいミスト。キルバーンの言っていることは事実だ。それに…ハドラーに与えたのはあくまで白の駒のみ。チェスとは白黒のセットで成り立つものだ。ミスト、お前が禁呪法を用いたところで面白くあるまい…あいつに任せてみようと思う。」
バーンは黒色のチェスの駒を手に持つとキルバーンが首を突っ込んだ。
「へぇ〜ハドラー君をライバル視している奴に殺らせるって事ですか?」
「あやつも余やミストの手で下すよりも自らの手で下したほうが良い。違うか?ミスト。」
『その通りです。』
「ならばこれを渡してこい。」
『承知しました…』
ミストバーンがその場から消え、部屋を出て行くとバーンとキルバーンのみが残った。
「しかし本当に良いんですか?ガルヴァスなんて小物で。」
豪魔軍師ガルヴァス
かつてハドラーの影武者であり、現在は六軍団長に代わって六将軍と共に地上を侵攻し、現在魔王軍内で活躍している男だ。しかしハドラーと同等かそれ以上の肉体を持っているにも関わらず精神面は卑劣故に脆く、ハドラーよりも格下扱いされていた。
「あれで勝てぬようならば軍師と名乗る資格はない。」
「でもミストって魔影参謀の肩書きがつくのに脳筋ですよ。」
キルバーンの言う事は正しく、ミストバーンの侵攻はどれもこれも数と魔影軍団特有のタフさによるものが大きく、ミストバーンの評価は魔影参謀(物理)となっていた。
「それは言うな…」
それについてはバーンも気にしていたらしい。
〜カール王国〜
ジゼル達がカール王国に向かう途中、カール王国は魔王軍に攻められていた。
「いけぃ!偉大なる豪魔六将軍達よ!」
その総大将は赤髪の魔族が指揮を執っていた…彼こそが豪魔軍師ガルヴァスだ。ガルヴァスは直参の部下豪魔六将軍達を使い、カール王国を攻めていたのだ。
「ガルヴァス様!」
そんな中、ガーゴイルのような男がやってきて膝をついた。
「む?どうしたベグロム?」
そのガーゴイル、ベグロムが頭を上げると口を開く。このベグロムという男は六将軍達の内の一人であり、中でも最強の種族である竜を束ねる立場の超竜将軍だ。だが彼自身はガルヴァスから見ても精々穴埋め程度の強さしか持っておらずバランどころか初期のクロコダインにも劣り豪魔六将軍の中でも最弱だ。そんな彼が将軍になれたのはガルヴァスのような卑劣さとガルダンディー程ではないが竜とのコミュニケーション能力が高いことにあり、気に入られたからだ。
「ミストバーン様がお見えになりました!」
「わかった。通せ。」
ガルヴァスはそれを聞いてミストバーンを通すと席についた。
「ミストバーン…ここに何の用だ?」
『…』
無言でミストバーンが取り出したものはバーンに渡された黒いチェスの駒だ。
「これは…?」
ガルヴァスがそれを手に持ち、ミストバーンに尋ねる。
『…』
ミストバーンが目の光を赤色に変えて何を言いたいのかガルヴァスに理解させる。ミストバーンはバーン達の前ではペラペラと口が軽くなるかガルヴァス達等の相手に対しては口がかなり重くなる。それこそ噂通り一度口を開いたら数十年間は口を効かないほどに…そのため目の光を自在に操り、理解させるしかないのだ。
「そうか。これを使って侵攻を進めろ…と?」
ガルヴァスはミストバーンが目の前で喋るのを見たことがない。そのため推測し、それが正しいかミストバーンの目の光を見て確かめる。
『…』
ミストバーンはまだ無言。紫色に目の光を変えて答える。
「半分はあたりで半分は不正解か…私にこれを託したとなればハドラー絡みか?」
『…!』
目の光を青色に変え、その表情(といっても雰囲気的に)は嬉しそうだ。本来感情的な彼があれだけバーンの前で喋っておいてガルヴァスの前で無言はキツイのかもしれない。
「これを使って裏切り者のハドラー達を始末しろと…そう言いたいのだな?」
『…』
そしてミストバーンは頷き、その場から消えた。
「よかろう!ならば豪魔六将軍と共に誘き寄せたところを一気に叩き潰してくれるわ!」
ガルヴァスは高笑いを上げ、自らの身体を見た。
〜翌日〜
ハドラーは一人、鍛錬をしていた。その理由はバランはダイと修行し、ジゼルは娘ラーゼルと遊んでおり、対等に戦える相手がいないからだ。ヒュンケルやヒムと戦っても参考程度になるだろうが一人でやる方が効率的だ。
「ん?」
後ろから気配を感じそちらを見ると大目玉がそこにいた。
「大目玉…一体誰だ?」
大目玉はいわゆる魔王軍専用のTV携帯のようなものでそこに送られていたとなれば魔王軍の誰かが自分と接触したがっているということであり、ハドラーは誰がそんなことをするのか気になった。
「久しぶりだな。ハドラー。」
そこに映し出されたのはガルヴァスだった。
「…貴様か。俺に何の用だ?」
「何の用?私がお前に会いに来たということがどういうことが理解していないようだな。私は貴様を追い越す前に立ち去った…だが今、私はハドラー…貴様を超えた。見よ!我が身体を!!」
ガルヴァスはそう言ってマントを脱ぐ…するとハドラー同様に超魔生物の身体がそこにあった。
「…それがどうした?超魔生物と言うのなら俺も同じだ。」
「…ふっははは!!同じ?何を言うかと思えばそんなことか?私はお前とは違いバーン様に信頼されている上に身体を改造した時期が違う…ザボエラの研究が進んだおかげで私はお前を超えた…という訳だ。皮肉なものだな…ハドラー。お前の身体が私の目標に近づかせるとはな。」
「くだらぬな。研究が進んだところでお前が俺を超えたという証明にはならぬ。本当に超えた証拠が欲しくば俺と一対一の勝負で勝ってみろ。」
「もとよりそのつもりだ。ハドラー…カール王国にて待っている。」
大目玉の通信が切れ、ハドラーはマントを持った。
「(…一対一とは言ったがあやつは俺とは違い平気で卑怯な手段を使う男。俺と因縁があるカール王国に指定したということは奴も何かしらの理由あってのことだろう。)」
ハドラーは魔王時代、当時のカール王国王女フローラを魔界の神の生贄にしようとしていた。しかしそれはアバンによって阻止され、自分は退却する羽目になった。それからだ…アバンとハドラーの因縁が始まったのは。そしてバーンの力でハドラーはアバンを破った…だが本当に勝った訳ではない。アバンの意思を継ぐダイ、ポップ、マァム、そしてヒュンケルが自分に立ち向かった。いつしかハドラーはダイというアバンの最高の弟子をライバルと認めていた。
ガルヴァスも似たような心境だったのかもしれないがそれでもハドラーはガルヴァスという人物を信用していなかった。ハドラーは少なくとも武人としての心があった。だがガルヴァスはむしろザボエラのような卑劣な手段を好んで使う為信用されなかった。
「もし一対一をするのであれば見届け人が必要だな…」
ハドラーはそう呟きその場から去った。
〜おまけ〜
「お母様!お兄様!」
ラーゼルが喋るようになってからラーゼルはジゼルやフレイザードに抱きつき、笑顔でいた。
「それじゃ高い高いしよっか!」
それに応えるようにジゼルも笑顔だ。今日も親バカっぷりが半端ではない。
「うんやるー!」
そしてラーゼルが笑顔で返すとジゼルの魔力が増大した。
「それじゃトベ」
「ちょっと待て。」
それに待ったをかけたのはフレイザード。二人とも「どうしたのー?」と言わんばかりに首を傾げた。親子である。
「まさかお袋、ラーゼルを抱えてトベルーラで飛んで行こうとしたんじゃないだろうな?」
「そうだけど?」
「もしラーゼルが万一落ちたらどうするんだ?」
このフレイザードも兄バカでありラーゼルが落ちた時の事を考えていた。
「落ちないようにするから大丈夫よ!」
「大丈夫よ!」
二人は親指を立てて笑顔で言い切った。
その後結局フレイザードに説得されラーゼルの高い高いは中止になり、変わりに呪文を見せてやるとラーゼルは大喜びした。