魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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ようやく復活しました。やたら私に粘着してくるユーザーさんがいてSAN値削られて、運営に頼んでも対応してくれないのでモチベーションが下がりまくりでした…がなんとか持ちこたえました。


最強の魔族、その名前はエスターク!?

「さてそれではハドラー様、バラン。これから私はモシャスを使ってとある魔族に変身します」

「魔族? まさかバーンではないだろうな?」

ジゼルよりも強い魔族はハドラーの頭の中ではバーン位のものだ。それ以外に思い浮かばなかった。

「いいえ。ですがカールの洞窟の中でも最強の敵といっていいくらいの強敵です。生涯それ以上の敵と戦うとしたらバーンくらいです。ハドラー様やバランがその魔族とどれだけ戦えるか試したいのです」

「私達がどれだけ戦えるか? ジゼル、私達をなめていないか? 私は正統な竜の騎士。負けるというのがあり得ん」

バランは自分の種族に誇りを持っている。それ故の発言だった。

「その魔族は寝ぼけた状態で私を死ぬ寸前まで追い詰めたのよ。この傷痕が何よりの証拠」

ジゼルは腕を捲って見せるとそこには腕をもがれて再生した痕が残っていた。

「これは!?」

ハドラーはそれを見て驚いた。ジゼルがそれほどまでに傷痕を残しているのは珍しい、というか初めてだ。ハドラーはかつてダイと戦った時に傷をつけられ、痕が残ったがジゼルの傷痕はそれ以上だった。いかに追い詰められたかハドラーの頭の中で理解してしまった。

「ジゼル、まさか油断した訳ではあるまい」

それを認めないのがバランだ。バランは目の前でジゼルの強さを理解している。だがジゼルが油断したとなれば話は別だ。油断すればマトリフにも劣ることも知っていた。

「逆よ。むしろ最初っから飛ばしたけど勝てなかった」

「そこまでいうのならやって見ろ。お前をそこまで追い詰めた程の相手見たくなった」

バランは剣を抜き、ハドラーも構えた。

「わかりました。死にかけても恨まないでください……」

ジゼルはモシャスを唱えた。

 

「うっ!?」

ダイやクロコダイン、ヒュンケルなどの戦士達は見てすらもいないのに威圧されうめき声を上げた。

「おいおい冗談でしょ?」

ポップはその威圧に呑まれることはなかったがそれは実力がダイ達よりもないからだ。事実、ベン等はガタガタと震えている。

 

「それがその魔族の姿という訳か」

今のジゼルの姿は巨大な黄金の体に二本の角とマントのような羽、3つの目玉、そして一番の特徴は二本の剣を所持していることだった。

「その通り。私のモシャスは対象の強さもコピー出来る。真似出来ないのはタフさと魔力くらい。その魔族の名前は──」

 

エスターク

 

これを聞いたジゼルの部下であるモンスター三人組は顔を真っ青にした。

「どうしたんだよ? そんなに顔を真っ青にして」

事情を知らないフレイザードが三人組に声をかけると三人組の中で青ざめていないベンが震えながら答えた……

「はるか昔、神鳥レティスが闘神レオソードに仕える前の話、マスタードラゴンが世界を治めていた頃の話だ」

「マスタードラゴン?」

「マスタードラゴンは今でいう三神を強くしたようなドラゴンの神だ。フレイザードは生まれてから一年も経っていないからわからないだろうが、かつてエスタークと呼ばれた魔族がいた。エスタークは魔界を牛耳り、魔界全てを制圧した後地上に乗り込んだ。ここまでは普通の魔王と同じ行動だ。だが恐ろしいのは圧倒的な強さだ。如何なる加護を受けた武具を装備してもエスタークの前ではただのコスプレだ。マスタードラゴンが竜の騎士に相当する天空の勇者と共にしてようやく封印できたというふざけた強さだった。そのあまりの強さにエスタークは地獄の帝王と呼ばれている」

「つまり、エスタークは当時の世界神に喧嘩売って封印されたって訳だな。ありがちな話だな」

「フレイザード、それがどれだけヤバいのか理解しているのか?マスタードラゴンはこの世界の三神をしのぐ存在だ。そいつが戦って封印がやっとだったんだ。そんなことは大魔王バーンでも無理だろう。三神相手では精々一対一の勝負で互角、おそらく歴代の魔王の中では最強かもな」

「エスタークを過大評価しすぎじゃねえか?お袋はそいつを相手に生きて帰って来ているんだ」

ベンは黙ってハドラーとバランを指差すとそこには震えている二人の姿があった。

「決して臆することのないハドラー様やバランが震えているんだ。本能で理解しているんだろうよ……いくらジゼル様が化けたとは言えエスタークの強さに怯えているんだ」

「確かにな。でもよ、何でお袋はエスタークの姿でダークドレアムを倒そうとしないんだ?あれだけ強いならダークドレアムも倒せそうな感じがするんだが」

「ダークドレアムは魔族に対して強い。エスタークも魔族だ。やられるのは目に見えている」

「そういうことかよ。何にしてもここから離れないと被害を受けるぜ。避難するぞ!」

フレイザードの言葉で全員がハッとしてその場から避難した。

 

「全力で行くぞ!!」

バランは竜闘気を解放し、竜の騎士最強の形態である竜魔人となった。流石にエスターク相手に通常の状態では勝てない。そう感じていたのだろう。だが本当にすべきことは逃げることだった。エスタークの周りには黒い風が吹いていた。

「よけろバラン!!」

ハドラーが警告するも、バランは逃げるどころかエスタークの懐に入った!

「ドラゴニックブレイク!!」

バランのギガブレイクに代わる切り札ドラゴニックブレイクで切りつけようとした瞬間、バランが逆に切り刻まれた。

「がァァぁッ!?」

バランは青い血を大量に流し、膝をつく。過去たった一撃でここまで傷ついたのはバランがバランとして生まれて、いやバランの記憶にある歴代の竜の騎士の中でも初めてだろう。

「(竜魔人のバランの身体でこの様か。俺が超魔爆炎覇で突っ込んだところで死ぬだろうな)」

ハドラーはバランの様子を見て冷静に判断し、状況を整理し始めた。

「(となれば俺がやるべきことはただ一つ)」

そして両手に魔力を込めると両手に炎のアーチが現れ、ハドラーはそれを凝縮させ両手を前に出した。

「ベギラゴン!!」

ハドラーの両手から熱線が発してエスタークに襲いかかる。そう、ハドラーの呪文における切り札ベギラゴンだ。ベギラゴンは時代によって威力が変化するがこの時代では五系統の呪文の中で最強の攻撃呪文である。その上ハドラーの込める魔力は通常のレベルではなく魔界でも上位を占める程だ。その最強クラスの熱線がエスタークを襲う。

 

ドシンッ!!

 

なんとその最強の熱線をエスタークは煙草の火を消すかのように踏み潰してしまった。

「ハドラー様のベギラゴンを踏み潰したぁっ!?」

約一名、鼻水を垂らしてそう叫んだものがいた。ヒムだ。彼はオリハルコン故に呪文の類いは効かないがエスタークのようにベギラゴンを踏み潰せと言われたら無理と答えるだろう。その理由はベギラゴンの勢いそのものにある。ベギラゴンは熱線であり質量もある。故にヒムであってもハドラーのベギラゴンを受ければ物理的なダメージは限りなく小さいとは言え受けるのだ。

「ヒム、エスタークとはそういうものだ」

アクデンは諦めたかのようにヒムにそう言い聞かせた。

「んなアホな」

ヒムはエスタークに対して改めて恐怖を覚えた。

 

「ククク、クハハハ……ハッハッハーッ!!」

ハドラーは笑っていた。エスタークがベギラゴンを踏み潰し、やけくそになったのではない。ジゼル曰くエスタークはこれで本気を出していないのだ。エスタークという魔族を知りたい。そして自分はどこまで戦えるのか? そう思っただけでもハドラーの顔が笑顔に変わる。

「やはり自分の保身に頼っているようでは勝てぬか。ならば全身全霊、俺の魂までも込めた切り札受けてみよ!」

右手に仕込んであった覇者の剣を取りだし、ハドラーの暗黒闘気──魔炎気が身体に纏わるとハドラーは突進した。

 

「超魔爆炎覇!!!」

 

そしてエスタークに直撃した。これが並みの魔族であれば文字通り蒸発するがジゼルがモシャスで化けているとはいえ相手は最強の魔族。この程度で死ぬ訳がない。せいぜいヒムに対してノーザングランブレードを放つ位の威力だ。

「ギガブレイク!!」

そこにタイミングよくバランがハドラーとクロスになるようにエスタークを切り付ける。こうすることで一点に攻撃が集中し、威力は何倍にも高まる。その結果エスタークは膝をついた

「すげえ、あのエスタークを相手に膝をつかせた」

三人組はそれに驚き、腰を抜かした。

 

「流石ですね。ハドラー様、バラン」

ジゼルの声が聞こえ、ハドラーとバランはエスタークの頭を見るとそこにはエスタークの姿はなく再び下を見るとジゼルの姿があった。

「いくら劣化したとはいえ最強の魔族を追い詰めるのは私でも無理です。これならバーン相手でも通用すると思いますよ」

ジゼルが誉めるがバランは浮かない顔で口を開いた。

「そうか。逆に言えばこれだけの威力を込めなければバーンは傷つかんということになる。違うか?」

そう、バランの言うとおりエスタークがいくら最強の魔族とはいえ先ほど戦ったのは所詮は劣化したエスターク。バーンは全開の状態のエスタークに勝てることはあってもなくとも劣化したエスタークよりかは強い。それはハドラーやバラン、ジゼルはわかっていた。

「ええ、生半可な攻撃じゃあ弾かれるだけね。私のジゴスパークも改良しなきゃバーンには通じない」

ジゼルはため息を吐いて頭を抱えた。と言うのもカールの洞窟内でエスタークにジゴスパークを放ったがエスタークに化けたジゼルがハドラーのベギラゴンを力業でねじ伏せたようにジゴスパークも剣で凪ぎ払われてしまったのだ。おそらくバーンも同じことが出来るとジゼル達は考えていた。

 

「バーンに勝つにはとにかくレベルアップしかないだろうな。今の時点でバーンに敵うものはこの中にはいない」

ハドラーが締めくくり、それから全員がそれぞれレベルアップの為の修行を始めた。




ABC「モンスターABCのあとがきコーナー!!」
A「はい、という訳でようやく復活しましたね。この作品が。」
B「全く…とんでもないよな。俺達をほったらかしにするなんてな。」
C「理由は前書きに書いてある通りですけどメンタル弱いよな…」

A「そんなことはどうでもいいでしょう。それよりもエスタークってどのくらいの強さ何ですか?見たところバーンと互角みたいにかかれていたけど…って質問が来そうだから答えましょうよ。」
B「俺に丸投げか!?…まあいい、ジゼル様と戦ったエスタークは8のリメイクと同じくらいだな。」
C「ハドラー様やバラン普通に死にますね。作者はリメイクはやったことありませんけど。」
A「おおっと…そろそろ時間です!」
B「それじゃ久しぶりの投稿だから作者のSAN値削らない程度の批判なら大歓迎だ。」
C「質問も忘れずにな!要望だったら作者のメッセージboxだ!」
ABC「次回もお楽しみに!!」

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