魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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タイトルが思いつかない…


氷炎将軍と勇者一行、苦戦する

~某所~

「なんで俺が子守なんか……ブツブツ……」

フレイザードはブツブツと文句を言いながら、ラーゼルの子守をする。ちなみにジゼルはメイド時代に子守もやったことはあるが人間に化けれるという理由から現在は不可能である。

「にしても人間のガキじゃないだけまだマシか。魔族のガキだとまだ手間が少なくて助かるぜ」

フレイザードが何故そんなことを知っているかと言うとジゼルに子守の方法を教わったからだ。当然といえば当然である。もし教えなかったら子育てレベル3のバランよりも酷くなっていたかもしれない…

「全く、魔族のガキでこれだけ手間がかかるんだ。バランの野郎はダイをあやすのに苦労したんだろうな」

フレイザードはそう言って再び子守を始めた。

 

~荒地~

バランはトベルーラでとある場所に向かっていた…しかしくしゃみをしそうになったので止まった。

「……」

バランはくしゃみしそうだったが堪え、そして考えた。

「一体何なのだ?」

このような経験はバランにとっては初めてだったので首を傾げたがすぐにトベルーラで飛んで行った。

 

~某所~

「ふやぁー!ふやぁー!」

ラーゼルが泣いて再びフレイザードを困らせた。

「今度はなんだってんだ?」

フレイザードは氷のような冷静さでラーゼルをみた。

「今度はオムツかよ、しかもでけえ方」

フレイザードはラーゼルの紙おむつを外し排生物を自分の炎で焼いて捨て、オムツを変えて、オムツの処理を終えた。

「(でもまあこれも後2日で終わる。これが人間のガキだったら後一年も待たなきゃいけねえからな)」

魔族は長生きだが赤ん坊の時期は非常に短い…その為、ジゼルはフレイザードに子守を数日任せる程度で済んだ。

「お袋、出来れば早く帰ってきてくれ」

フレイザードはジゼルにそう願いざるを得なかった。

 

~ロモス~

ところ変わって武道場では大混乱が起こっていた。

「さて、お喋りはここまでだ。用件をとっとと済ませよう。ヒヒヒ……!」

ザムザがそう言って闘技場のメンバー達を見た。そしてザムザが合図を送った。

「な、なんだ!? この檻は!?」

ザムザが合図を送ると牢獄が現れ、ジゼルを始め、リングに上がっている選手達は閉じ込められてしまった。

「ヒヒヒ……その檻は壊れることはない。諦めてそこでおとなしく死ぬまで待っていろ」

ザムザはそれだけ言うとロモス国王のシナナに顔を向け、イオラを放った。ここで言っておくがイオラの威力はダイナマイト級である。少なくとも魔王時代のハドラーのイオラですらバダックの作った爆弾を超える。そんなものが戦う術がないシナナに直撃したら間違いなく死ぬ。そして爆発した。

「ん?」

しかしザムザは明らかに爆発が早すぎると気づいた。そして一つの影が映った。その影を確かめようと声を出そうとするが必要なかった。

 

「ダイ、ポップ!お前たちも来ていたのか!」

その正体を教えたのはシナナである。彼はダイやポップ達に助けられた人々の一人でもあり、パプニカに行く際に船を貸してくれた本人でもあるから彼はよく覚えている。

「もうお前たち魔王軍の好きにはさせない!」

ダイがそう言ってザムザを睨む。

「ほう、どうやら一石二鳥が一石三鳥、四鳥にもなったかもな。」

しかしザムザは不敵に笑い、そう呟いた。

「ポップ、王様達を逃がしてくれ!」

ダイは冷静にシナナや観客達を避難させるようにポップにそう言った。

「任せろ!」

 

「行くぞ!」

ダイはバラン戦で目覚めた竜の紋章を引き出し、輝かせ…竜闘気を身体の周りに覆った。

「メラゾーマ!」

ザムザがメラゾーマを放ち、ダイに攻撃するが無駄だった。竜闘気は自らの防御力を上げるだけでなく魔法を防ぐ効果がある。言ってみれば今のダイはマホステにスカラを二回かけた状態である。

「だぁぁぁっ!」

竜闘気の効果はそれだけではない。使い方次第ではバイシオンやピオリムをかけた状態になる。そしてダイがザムザを剣で斬りかかった。

「むっ!」

しかしザムザはそれを腕で防いだ。強化されているダイの攻撃は格闘を得意とする魔軍司令当初のハドラーですら傷つけることができるのにザムザは服を切り裂かれた程度でほぼ無傷だ。

「なっ!? 受け止めた!?」

魔法を中心に攻撃を行う妖魔師団であるザムザはハドラーやジゼルのように身体能力が高いわけではない。では何故受け止められたのか?その疑問がダイの頭によぎる。

 

「そらよっ!」

そしてザムザの拳がダイに襲いかかってきた。

「っ!」

ダイは竜闘気で防御し、無傷だったが違和感を感じた…妖魔師団は体術を得意とはしていないにも関わらずこんなにも衝撃が来るのか?

「ヒヒヒッ! 何故俺がこんなにパワフルなのか不思議そうな顔をしているな?」

その疑問に答えるかのようにザムザが口を開けた。

「妖魔師団は膨大な魔力と反比例するかのように貧弱とも言える身体をしている…その貧弱な身体を変える為に我々は無敵の肉体、超魔生物を研究しているのだ!」

「超魔生物!?」

「超魔生物は妖魔師団長ザボエラ指導の下、神々が作った兵器。つまり竜の騎士を目標にして様々な肉体を作っている」

「兵器だって!?」

ダイが自分の父のことを兵器と言ったことに激怒する

「そう、そしてこの人間達は皆超魔生物の実験台になるわけだ。魔族をバカスカと使えんからな」

「そんなことはさせない!!」

「お前がいるのは嬉しくも悲しくも誤算だった。お前がいることで我々の研究を完成させることは出来る…そしてこの俺の身体もようやく完成させることができる!!」

そう言ってザムザは身体を徐々に変えていき、化け物みたいな容姿になった。

 

「これが超魔生物」

ポップがそう言ってザムザを見上げる。

「俺は自分の身体をベースに超魔生物そのものにしているがまだ90%しか完成していない…100%になる鍵はお前にある…行くぞ!ダイ!!」

ザムザがそう言って襲いかかって来た。

「たぁーっ!!」

ダイは竜の紋章を光輝かせてザムザにカウンターをとり…

「でいっ!はあっ!」

そしてザムザをタコ殴りにしてザムザを押す。

「なんだ!ただの見掛け倒しじゃないか!」

チウがそう言ってポップを見るとポップは険しい表情をしていた。

「違う」

「え?」

「あのくらいの敵ならダイはとっくに倒している。だけどまるであいつには攻撃が通じていねえ」

ポップはそう言ってチウにザムザがほとんどダメージがないことを気づかせる。

「あっ、確かに!」

そしてチウはポップを見ると既にそこにはポップの姿はなくなっていた。

 

「(ふう~参ったわね)」

ジゼルはラーゼルを出産して間もない為、全力を出せず周りにある檻を壊せなかった。全力でやったなら壊せただろうが身体が重く力が入らないのだ。

「(かと言ってデイン系の特技や呪文は使う訳にはいかないし)」

デイン系が使えるのは魔族や魔物ならともかく人間は伝説の勇者のみと限られている。そのため使ったら間違いなく疑われるので使わなかった。

「(それにしても超魔生物ね……バランの刺客が確かそうだったわね。あの時は無我夢中だったらどうやって倒したのか全く記憶にない)」

ジゼルは自分の記憶を思い出してみるがやはりところどころ抜け穴があるのだ。思い出すのはやめた。

「この檻は生きている」

するとゴースト君がそう呟いた。

「?」

マァムとジゼルは首を傾げた。

「さあマァムや、修行した日々を思い出してごらん」

そういってゴースト君はマァムから離れた。

「!」

マァムはゴースト君の正体に気づいてゴースト君に向かって頷き、構えた。

「(なるほどね…下手くそ過ぎて逆に疑ったわ。)」

ジゼルもマァムと同様にゴースト君の正体に気づいた。

「皆離れて!」

マァムが大声を出し、手を白く輝かせた。

「閃華烈光拳!」

そして牢獄は崩れた。

 

「竜の騎士といってもこんなものなのか?ヒヒヒッ!」

ザムザはそう笑ってダイを持ち上げ自分の腹にダイを入れようとしたがザムザは何者かに蹴られ、ダイを吸収し損ねた。

「貴様はマァムか」

ザムザはザボエラ経由で勇者一行のメンバーを教えてもらったためマァムも知っている。

「あなたの悪行もそこまでよ。妖魔学士ザムザ」

そして第2Rが始まった。

 

「(今回はザムザにお仕置きをしてあげたいけどマァムの実力を見る為にも観戦させて貰うわ)」

ジゼルはそう思っているが実際には動けなかった。ジゼルとはいえどもラーゼルを生み出して激しい運動は無理だったということだ。




ABC「モンスターABCのあとがきコーナー!」

A「はいと言うわけでザムザ編スタートしましたね。」
B「本当…早いな…その割には俺達の出番ないけど。」
C「まあまあ、最終決戦の頃には出番も必然的に多くなりますから大丈夫ですって!」

A「フレイザード様はハドラー様よりもジゼル様に似ているんですよね…」
B「そうそう、フレイザードの冷徹な性格もジゼル様からきているんだよな。」
C「意外ですよね〜…ハドラー様かと思いきやジゼル様に似ているなんて。おっと…そろそろ時間ですよ!」

ABC「これからもよろしくな!」

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