魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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竜の騎士兼勇者、竜騎将に敵対する

~竜の神殿~

竜の神殿に入ったダイは真正面にあった扉を開け、目にしたものは水晶だった

「竜の騎士よ。一体何の用でここに来た?」

水晶が喋り、ダイは驚く暇もなかった…自分の正体を知りたかったからだ。

「俺は一体なんなんだ?竜の騎士ってのは人間なのか!?それとも化物なのか!?」

ダイは率直に水晶にそう聞き、覚悟をした。

「そのどちらでもない。」

しかし水晶は意外な答えを出した。

「はえ?」

ダイはその答えに変な声を出してしまった。

 

「竜の騎士は人間の神、魔族の神、竜の神の三神が作った最強の兵器…」

「三神…?」

「それは…」

水晶が言葉を繋げようとするが途中で止まった。

「どうしたんだ!?」

「この神殿に何者かが侵入した…有り得ない!ここは竜の騎士以外入ることなどできぬ筈…!何者だ!!」

するとダイが閉めたドアが壊れ、そこにいたのはカイゼル髭を生やした男であった。

「誰だお前は!?」

ダイがそう聞き、男に聞く。

「私はお前の父、バランだ。」

そう、バランである…

 

「馬鹿な…!竜の騎士に親などいるものか!」

水晶がバランの存在を否定し、あくまでダイを竜の騎士だと主張する…何故ダイを竜の騎士だと主張するのかはバランとは違いまだ幼いということだろう。

「いや、私こそが正統な竜の騎士…この子は私と妻の間に生まれた子供なのだ。」

バランは水晶にそう言って説明する。

「そんな例は聞いたことはない!」

「私とてそんな例は今までなかった。だが出来てしまったのだ。竜の紋章を持つ者がな…」

「馬鹿な…まさか三神が竜の騎士がいる時代に再び竜の騎士を作ったというのか?」

 

「…そんなことはどうでも良い。とにかく言えるのはその子は私の息子ディーノ。もっとも赤ん坊の時につけた名前であるが故に覚えていないのは当たり前だがな。」

「ディーノ…それが俺の名前か?」

「そうだ、ディーノよ。私とともに人間を滅ぼそう…」

「なんでそうなるんだ!!」

「ジゼルの仲間が人間に殺されたのは知っているな?ジゼルはかつて人間を憎んでいた…魔王軍に入るまではな。」

「…」

「私は当時のジゼルと会った。その時のジゼルは今のジゼルとはまるで違う。あいつには愛するべき恋人がいる…だから変われた。だが私にはもういない。」

「それって、つまり!」

「私が人間を憎むのは、唯一と言っていい私の妻であり、お前の母ソアラが人間に殺されたからだ!」

 

パリーン…!

バランの怒りの言葉で水晶は割れ、砕け散った…

 

「お前も魔王軍に来るのだ。ソアラを殺した人間を滅ぼす為に…」

「嫌だ!」

「何故だ!?何故そこまで人間の味方をする!」

「俺には大切な人がいるんだ!」

「なんだと?」

「お前みたいに大切な人を殺されたからって拗ねる奴に味方するもんか!そんなの間違っている!」

「そうか仕方ない…ならば強制的に連れて行くしかあるまい。」

バランがそう言うとダイは竜の紋章を光らせて剣を逆手に持ち、フレイザードを倒したあの技を放った…

 

「アバンストラッシュ!」

そう…毎度おなじみのアバンストラッシュである。今のダイのアバンストラッシュは師であるアバンすらも上回る。オリハルコンの次に硬い物質で出来た鎧を纏ったフレイザードもこの技で倒した。それ故にバランもただではすまないと思っていたが…

「…抵抗は終わりか?ディーノ。」

しかしバランはほぼ無傷だった。

 

「(そんな!?俺のアバンストラッシュが全然効いていないなんて…!)」

そのことにダイは絶望する。ジゼルのように自分の技が効かない相手なのか?と。

 

「もう一度チャンスをやる…私と共に人間を滅ぼすのだ!ディーノ!」

「絶対に嫌だ!だいたいそんなことをしたらハドラーやジゼルの目的である地上征服の意味がないじゃないか!」

「私とお前が組めばあの二人も黙っているだろう…」

「俺は魔王軍なんかには入らない!もう決めたことなんだ!」

「…もう戦いは避けられんか。いくぞ!ディーノ!ぬぅぅぅ…はぁぁぁあっ!!」

バランの竜の紋章が光輝き、竜闘気を放出し、そして神殿は崩壊した…

 

~地上~

神殿が壊れたことによって大きな揺れが起きた…その結果…

「なんだなんだ!?地震雷火事親父!?」

ポップがそう言ってベタな慌て方をする…ここまで来ると余裕なのかもしれない。

 

タン!

 

「ダイ!大丈夫か!?」

「うん。だけどヤバいのが来る…」

「ヤバいの?って言うと超竜軍団長か?」

「わからない…だけどそれに見合った強さはある。あいつも竜の騎士なんだ!」

ダイのそのセリフが終わると同時に湖から出てきたバランが地上に立った。

「さて…ディーノ。覚悟は良いな?」

バランから発する殺気はこれまで戦ってきたクロコダイン、ヒュンケル、ハドラーとは比較にはならない強さだ。

「(…化物かよ…こいつ!!)」

「(こんな、こんなことって!!)」

それ故にダイ以外は怯えてしまうのは無理なかった。ダイだけが無事なのはバランと同格以上のジゼルと対峙しているからである…

「うるさい!だいたいさっきからあんたの話を聞いてみればディーノ、ディーノ、ディーノって…俺はダイだ!爺ちゃんからもらった立派な名前だ!」

とはいえ、ダイもバランの殺気に全く怯えていなかったというわけではない。ダイは虚勢を張る為にそう言ったにしか過ぎなかった。それが間違いだった。

「良いだろう…ディーノとして味方せん以上、貴様を魔王軍の敵である勇者ダイとして私は全力を持って叩き潰す!」

バランが切れ、ダイにそう宣言をした。

 

〜鬼岩城〜

一方魔王軍の拠点、鬼岩城では…バーンが魔王軍幹部を集め、悪魔の目玉でその様子を観察していた。

 

「何をやっているのよ…バラン。それに帰ってきてからお仕置きしないといけないわね…」

ジゼルがそう呟き、バランにお仕置きをすることに決めた。

 

「(バラン…後で骨は拾っておくぞ。)」

ハドラーはジゼルが呟いたことを聞いて、バランの今後について同情した。

 

「まさか竜の騎士とは思わなかったでゲス…ってなんじゃ今の口調は!?ワシは某蝸牛閣下じゃないんじゃぞ!!」

ザボエラが全く意味不明なことを喋り、怒る…

『黙れ、ザボエラ…』

するとミストバーンから殺気付きで注意された。自業自得である。

「やかましいわ!お主の声『黙れ。』はいすいませんでした。」

ザボエラがミストバーンに逆ギレしたがミストバーンの強くなった殺気で謝ってしまった。

 

「ハドラー君もバラン君もミストも大変だね…クスクス…」

キルバーンは笑い声を出し、面白がっていた。

 

なかなかカオスな状況が出来上がっている魔王軍だった…

「皆のものに聞く。」

するとバーンから全員に声をかけられた。

 

「バランがダイを連れて帰って来ると思うか?」

バーンの質問はまるで明日の天気を聞くかのような感じで聞いてきたが返答を間違えれば…即死である。それ故にキルバーン以外は真面目に考えた。

 

「口で説得するのは無理ですね。ああなったら二人とも頑固ですから…」

そう答えたのはジゼルだ。ジゼルは二人の性格を知っており、そう答えたのだ。

「ふむ…お主の言うことだ、違いないな。」

バーンはそれに納得した顔で頷く。

 

「私ジゼル同様にもそう思います。私は「やーん♡ハドラー様大好き〜!!」離れんか!ジゼル!報告の最中だぞ!」

ハドラーがバーンに報告する最中にジゼルが抱きつきキスを求め、ハドラーは必死に抵抗する。

「良い、ハドラー…次ミスト。プッ…」

バーンはその微笑ましさの余りに笑い声を少し出してしまった。

「バーン様!?今、笑いましたよね?!絶対笑いましたよね?!」

バーンはハドラーがそう叫ぶが無視してミストバーンの言うことに耳を傾けた。

 

『はい…ダイを魔王軍に連れてくれば世界はこちらの物です…世界はバラン次第で決まります。』

ミストバーンはバラン次第でどうにかなると期待していた。

「バラン次第か…キルバーン。意見は?」

 

「僕ですか〜?僕はバラン君の家族愛に掛けますよ。」

「ほう何故だ?」

「あそこ、あそこ…」

「む?」

キルバーンが指さした方向を見るとそこにあったのは、ジゼルが後1cmでハドラーとのキスに成功する場面だった。

「狂愛ほど有利になる物はありませんよ。」

「確かにそうだな…良くわかった。ではしばらく観察をすることに「あのう…ワシの意見は?」お前の意見はどうでも良い。」

バーンの余りの言葉にザボエラはうなだれ、悪魔の目玉を見ることすらもできなくなった。




ABC「モンスターABC組のあとがきコーナー!」
A「はい、と言うわけで前回俺らがなんで出れなかったのか理由を説明します。」
B「速いなおい…」
C「では行きますよ…その理由は…作者がど忘れしていただけでした。」
B「ふっざけんな〜っ!!イオグランデ!!」
AC「ぎゃーす…俺らにやらないでください…マジで。」
B「あ〜スッキリした。それはそうと話は変わるが前回のガルマッゾの強さについて考察するぞ。」
C「あれはチートでしょう?超魔生物の上にドルマドン…間違いなくクロコダインやヒュンケルが戦ったら返り討ちでしょう?全盛期のバランですら撃退がやっとなんだから。」
B「まあな…ジゼル様は暴走したから勝てたもんだしな。もしあそこでジゴスパークやらなかったら勝てなかったしな。」
A「ひょっとしてやりすぎた?」
B「いやそんなことはないぞ。会心の一撃で回復が間に合わなかった部分もあるしな。」
AC「確かに…そのまま会心の一撃を出し続ければ勝ってもいたってことか。」
B「おっと時間だ。それじゃ読者のみんな次回もまた見てくれよ!」

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