魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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王女、気球を使って逃亡

~パプニカ城~

その頃パプニカ城では…

「姫様。これを返上する代わりに勇者様達一行について行くことの許可をお願いします。」

三賢者の一人のエイミがレオナに三賢者の証であるティアラを渡した。

「ふう…貴方もなの?」

レオナがそう言って見せたのはエイミが渡したものと同じものだった。

「え?」

それにエイミは驚く。レオナが言ったのは自分と同じことを考えている人間がいると言うことだ。

「こればかりは譲れないぞ!」

するとアポロ達が駆けつけてエイミと口論し始めた。

「待った!」

そこに割り込んだのは…トラブルの元となっている勇者ダイ!

 

「パプニカにその人ありと言われたワシが勇者様達と同行しないどういう事じゃ!!!」

ではなくバダックだった。バダックが割り込んだおかげでよりカオスになりやかましくなった。

 

「えーい!お黙り!…ダイ君達のことは私が決めます。よろしいですね。」

レオナは少女らしい声で叫び黙らせると、次にカリスマ全開の王女の声で皆の意見を一蹴した。

「う…はい。」

それに三賢者+老兵は黙り込んでしまった。

 

「レオナ~?どこ?」

そこにダイがレオナを呼び、この話しは終わりとなった。

「何~?ダイ君。」

レオナがダイの声を聞いて上機嫌となり、スキップで近づく。

「あのさ、レオナ。新しい武器が欲しいんだけど…この城下町の武器がほとんどなくて困っているんだ。だからいい武器ない?」

「あら、そう?じゃあいいところに紹介するから行きましょ。うふふのふ。」

 

「あの姫の行動…絶対に怪しい…」

レオナのあまりの不審さにアポロがそう呟く…

「じゃな。ワシはレオナ姫の行動を数年間も見てきたんじゃ。何か裏があるに決まっておるわい。」

レオナはカリスマを持っているがその反面お転婆が過ぎるという欠点があり、かつて世話役だったバダック達を困らせていた。

 

「大変です!!」

するとパプニカ兵士の一人が大慌てで四人の所に駆け付けた。

「何事だ!?」

アポロがそういうと兵士は一息ついてからとんでもない事を言った。

「姫様が、気球を使って逃げ出しました!」

「「「「なに~!?」」」」

四人はそういって気球のある場所に向かうと気球が本当に元の場所から無くなっていた。

 

「じゃあ皆頑張ってね~。」

レオナが気球の中から顔を出し、気球はどんどん上昇し四人ではどうしようもなくなっていた。

 

「ねえ、レオナ。」

「ん?」

「こんな泥棒みたいなことしていいの?」

「や~ね、ダイ君。これはパプニカの気球。つまり、私の物なのよ。パプニカの物は私の物、私の物も私の物。わかった?」

そんなんでいいのかと気球の下にくっついてきたポップは口に出すことなく黙ってロープに掴まっていた。

 

~鬼岩城~

「それにしても妙な噂が流れていてね、勇者君の正体が竜の騎士なんじゃないかって噂が。」

キルバーンがそう言ってハドラーを見る

「何故俺にそんな事を聞く?」

「ふふっ…それはこの中で勇者君と一番接触のあったハドラー君に聞くのが一番良いと思ったからだよ。」

「ジゼルにそれを聞いたらどうだ?死神。最後に生きている中で戦ったのはこいつだ。」

ハドラーがそう言ってジゼルがどこからともなく現れ、ハドラーに頬擦りをしていた。流石にジゼルの扱い方に慣れたハドラーだった。

 

「そうかい…じゃあジゼル君、君は勇者ダイ君について何か知っているのかい?」

「貴方に話す義務はないけどハドラー様の命令だから話すわ。ダイ君は竜の騎士よ。」

その言葉が鬼岩城の中に響き渡った…

「その言葉本当だな?」

ここでその言葉を言ったのはバランだった。

「本当も本当…ダイ君が私を倒そうとしてライデインの魔法剣を使って攻撃して来たのと額の竜の紋章が何よりの証拠。」

「ライデインだと!?」

「ええ、彼は間違いなく使ったわ。デイン系の呪文を使えるのは特定の魔物か伝説の勇者、そして竜の騎士くらいのもの…だけどダイ君からは魔物特徴の匂いはしなかった。そして伝説の勇者の血である天空人の匂いもなかった…となればダイ君を特定できるのは竜の騎士以外にない。」

「成る程…ところで魔軍司令殿…」

「なんだ?」

「ダイの正体が竜の騎士だと始めから知っていたのではないでしょうな?」

ここでハドラーの聞かれてはいけない質問が出てきてしまった…

「(まさか…!ここで出すか!?)」

ハドラーの心臓が二つ同時に飛び出しかけたがなんとか冷静になり考えるが…思わぬ救世主がいた。

 

「それはないわ。ダイ君は最初にクロコダインと戦った時に額に竜の紋章が出ていなかった…ダイ君の竜の紋章は私との戦いで目覚めたのよ…」

ジゼルだった。ジゼルはクロコダイン戦でもダイの強さを見ており、その強さを知っている。

「…むう、確かにそうかもしれん…今一度聞きますが、司令殿。それは事実ですかな?」

バランがそう聞くとハドラーは目をつぶり回想に入った。

 

「あの日…俺がダイと出会った日はアバン討伐の時だった。俺はアバンにしてやられたのだ。メガンテを受けてな…その傷が元で俺はかなりのダメージを受けた。ふらつくほどにな…更にアバンの教え子であるダイはアバンの切り札、アバンストラッシュを出して腕を切り落とした…」

「何が言いたい…!?」

「ようは俺はあまりのダメージにダイが竜の騎士かどうかわからない。それだけだ。」

ハドラーがそう告げてバランをなだめた。

 

「そうかい…」

キルバーンがそう言ってニヤリと笑って(キルバーンは仮面をつけているため雰囲気的に)

「それじゃあ、僕が確かめてあげるよ。ハドラー君が役立たずだってわかったし。」

するとヒャドが使い魔のピロロに向かって来た。

「ベギラマ!」

それをピロロはベギラマで対処した。

 

「キルバーン…!!今の発言取り消しなさい!!」

ハドラーの代わりに怒ったのはジゼルだった。それもハドラーやバランなどを含めて今までに見たことも無い程に怒っている。

「ふ~ん…ピロロに攻撃してもかい?」

「二度目は言わないわよ!」

ジゼルが怒鳴るとジゼルの髪の毛が逆立ち、今にもキルバーンを殺しそうな勢いだ。その殺気に影が薄くなっていたザボエラが失神してしまっていた。

「…まあいいや、取り消すよ。よくよく考えたらハドラー君は役立たずじゃなかったみたいだし…」

「なんだと?」

ハドラーがそれに反応するがキルバーンは無視して鍵を取り出した。

「それはともかく裏切り者が来ないように移動しないとね…」

キルバーンはそう言うと鍵を回した。すると…鬼岩城が大きく揺れた。

「なんだ!?」

「何をしたの!?キルバーン!!」

鬼岩城が揺れたことでハドラーとジゼルは大パニック。

 

そこでアークデーモンAことアクデンが外を見てみると、とんでもない事実がわかった。

「ハドラー様、ジゼル様!鬼岩城が動いています!!」

そう…鬼岩城に足がはえ、移動しているのだ。

「な、何ーっ!!」

「ふふふっ、楽しい楽しい世界旅行と行こうじゃない…」

こうして鬼岩城は移動することになった。




今日の教訓…
王女は何をしでかすかわからない。
恋した乙女の怒りはマジで怖い。
以上2点でした。

それはそうと私の作品…『うちはイタチに転生…?マジですか?』のお気に入り登録数の勢いがこの作品よりも上を行ってしまったのでそちらがメインになり更新がかなり遅れるかもしれませんがご了承下さい。

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