魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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最近の悩みはタイトルが思いつかないのと、時間がないことです…


氷炎将軍、アバンの使徒と戦う

ミストバーンとジゼルは対立していた…その理由は…

「…ミストバーン。貴方ヒュンケルをかばって何のつもり?」

ジゼルがミストバーンを睨むとミストバーンの口が開いた。

『ヒュンケルはまだ殺すべき人間ではない…』

「それはバーン様の命令?」

『違う…私の判断だ。』

「それでヒュンケルはどうするの?」

『…お前がヒュンケルを殺そうとするならば私はお前を殺す。』

「それはヒュンケルを見逃すという意味?」

『そうだ…』

「だったら貴方は魔王軍を裏切った裏切り者として私が殺すわ。」

ジゼルはそう言って戦闘の体制に入った。

『…』

ミストバーンも手を剣にして構えた。

 

方や魔軍司令の忠臣、方や大魔王の忠臣…二人が激突する前にとある人物が現れた。

「グッモーニン!お二人方。」

その男はミストバーンとは対照的な黒い道化師の格好をしていた。

「誰?」

『キル…!』

ミストバーンがそう言うとジゼルは少し考えた。

 

「キル…まさか、死神キルバーン!?」

ジゼルが驚くのは無理はない。キルバーンは大魔王バーン直属の殺し屋だが、その素性は一切不明で魔王軍の中では伝説となっている人物だからだ。

「そう、君のいう通り…僕の名前はキルバーン。以後お見知りおきを可愛いお嬢さん。」

キルバーンはジゼルに紳士な態度を取り、挨拶をしたが…

「気持ち悪い…」

ジゼルはキルバーンに毒を吐いた…

 

「ひどいね~…僕が紳士にしてあげたのに。」

「やわ男みたいでそういったのよ。ところで…何の用?」

「いやいや…大魔王バーン様がね、ジゼル君の事を呼んでいるんだよ。緊急事態だって。」

そのことを聞いてジゼルは構えを解いて…

「…わかったわ。だけどヒュンケルに関してはとりあえずお預けね。皆行くわよ、ルーラ!」

ジゼル達はハドラーとカラスを背負ってルーラで鬼岩城に戻った。

 

残ったキルバーンはミストバーンに話しかけていた。

「ねえ、ミスト…君はなんでヒュンケルをかばったんだい?」

『獲物は太らせてから…それだけだ。』

つまりヒュンケルは今殺しても意味がなく成長した時に殺した方が有益だと言っている。何故そんなことを言っているのかはミストバーンのみが知る事実である。

「面白いことやるね~それ。だけどヒュンケル君は不死身だからね。あのまま放っておいても死ななかったんじゃないの?」

 

ジゼルの攻撃はあのタフなクロコダインも一撃で仕留めるジゴスパークを持っている。だがヒュンケルは人間にも関わらず不死身の男と呼ばれるのはギャグキャラ当然の身体を持っているからだ。それを上回る身体を持っているのは破壊神シドー相手に三人パーティの中で一番活躍し、魔法が唯一使えず戦った某脳筋王子くらいのもの。

 

『いくらヒュンケルと言えども心臓を刺されたらひとたまりもない。』

しかし、ミストバーンは冷静にジゼルが心臓を狙っていたことを見ておりヒュンケルが殺されると判断。その結果止めたのだ。

「まあ君がそう言うなら仕方ないけど。シーユー!」

そう言ってキルバーンは消えた。

『(私も行くか…)』

ミストバーンはリリルーラでバーンのところへと戻った。

 

〜バルジ塔〜

一方、氷炎魔団長フレイザードはマァムの足を掴んで持ち上げていた。

「へっへっへ…屋上で待つなんて俺の性に合わないもんでな!」

「あぁぁぁーっ!」

マァムがそう叫ぶと、尖った岩にフレイザードは振りかぶり…

「そら、一人片付いた!」

その時、ダイ達を苦しめた技がフレイザードに直撃する。

 

「ブラッディースクライド!」

そう…アバンの使徒でありながら魔王軍に入ってしまった男の技だ。

「こ、この技は…!」

フレイザードは腕が攻撃され、思わずマァムを離してしまう。

 

そしてフレイザードは忌々しい顔になる。それもそのはず、フレイザードにとって目の上のタンコブの男が使っていた技がフレイザード自身の腕を攻撃したのだ。

 

「ヒュンケル!」

そうアバンの一番弟子であるヒュンケルだ。

「無事だったんだね!」

ダイはジゼルが氷魔塔の方向に行ったので少々不安だったがなんとか撃退したみたいで安心した。

「俺が死ぬと思ったのか?」

そう言ってヒュンケルは皮肉な笑みをフレイザードに向ける。

「てめえ…!」

「そうそう…クロコダインも、もうじき来るはずだ。」

ヒュンケルはクロコダインのことを知らない。クロコダインはジゼルによって一瞬で倒されてしまったことを。

「なんだと!?」

クロコダインが来ると聞いてフレイザードは驚く。自分の母親であるジゼルが認めた男が魔王軍を苦しめると言っているのだ。だがハッタリという可能性もある…

 

「お前の暴虐もそこまでだフレイザード!さあ、観念しろ。」

そう考えているとボロボロになりながらもクロコダインが本当に現れた。

 

「そうだな観念するか…六軍団長の二人とその二人を追い詰めたアバンの使徒達が相手じゃ俺と言えども相手が悪い…」

フレイザードはそう覚悟を決め、ある技を使う為に爆弾岩を退けた。

 

「何っ!?」

クロコダインが驚きの声をあげる。何しろフレイザードは出世欲の塊。その男が目の前にある獲物を逃すはずがないのだ。

「(爆弾岩を退けたということは本当に観念したのか?)」

ヒュンケルはフレイザードが爆弾岩を退けたことに本当に観念したと思う。

「さあ、レオナ姫を解放しろ!そうすれば命だけは見逃してやる!」

ダイがフレイザードにそう告げて、構えを解くが…

「ああ?お断りだ。」

「何っ!?」

今度はヒュンケルが驚きの声を上げるフレイザードは観念すると言ったにもかかわらずレオナ姫を解放しない…つまり矛盾だ。何を考えているのかわからない。

「確かに俺は観念するとは言ったが、それは無傷でいることを観念したんだ。今から出す技は俺にとってもめちゃくちゃに痛え…だから俺は命を懸ける!(バーン様…俺に勝利を!)」

フレイザードはそう言うと自分の手元にある暴魔のメダルを捨てた。

「フレイザード…お前がそれを捨てるということは…」

クロコダインがフレイザードが投げたメダルを見る。

「あのメダルがなんだってんだ?」

「あのメダルは…フレイザードにとって命の次に大切な物だ。」

 

ポップが訳が分からないと言わんばかりに声を出す…そしてヒュンケルが説明する。

 

ヒュンケルの話をまとめると、フレイザードを含めた六軍団長達とハドラーはバーンに忠義を見せるという名目でメダル取りというゲームをやった。

 

しかしただのゲームではない。メダルは火柱にある。しかもこの中で最も炎に耐性のあるハドラーですら躊躇うほどの火柱だ。

 

そしてメダルを最初にとったのが…半身を犠牲(その後ジゼルによって戻された)にしたフレイザードだった。

 

話を戻そう…つまりフレイザードにとってそのメダルは…

「そいつを捨てたってことは…!」

ポップが情けない声でフレイザードを見る。そう…フレイザードは覚悟を決めたということだ。そのせいかポップにとってはフレイザードは今、上司兼父であるハドラーを超えて見える。

「過去の栄光なんざもういらねえ!俺は新たな栄光を求めるのだぁ!!」

そう言ってフレイザードはバラバラになった。

 

~鬼岩城~

「ハドラー様…」

ジゼルは葬式を行っていた。勿論ハドラーのだ。

「なんでお亡くなりになったんですか…」

ジゼルがそう言って涙を流して、ハドラーの死体の前に立つ。

「ジゼル様。大魔王様のところに行かなくてよろしいのでしょうか?」

ベリアルBことベンがそう声をかけてバーンのところにいかせるように促した。

「…今行くわ。」

ジゼルはベンの言葉を聞いてその場から立ち去った…なお、この後ミストバーンが来たことで葬式は中止になったのは余談である。

 

〜バルジ塔〜

「死してなお栄光を求めるとは哀れなものよ…」

クロコダインがそう言うがヒュンケルはそれに首を振った。

「いや自爆するなら爆弾岩がいた方がより強さを増すはずだ!」

その言葉を待っていたかのように突然岩がアバンの使徒とクロコダインを襲った。

「あいたーっ!」

ポップが顔に巨大な岩に当たり、ぶっ飛ぶ。

「これは…フレイザードの岩だ!」

ダイはそれを見てフレイザードの岩だと確信した。

「そうよ!この岩の一つ一つが俺なんだよ…これぞ俺の奥義…弾丸発火散!」

フレイザードの声が聞こえ、そう宣言した。

 

〜鬼岩城〜

「偉大なる大魔王バーン様…何用で?」

「うむ…余が呼んだのは他でもない。」

バーンがそう言うと一息ついて…予想外の言葉を口から出した。

「ジゼル…魔軍司令にならんか?」

バーンがジゼルを呼び出したのは死んだハドラーから魔軍司令を引き継ぐ勧誘だった。

「お断りします。」

しかし、ジゼルは即答で答えた。

 

「何故だ?」

「私はハドラー様の為に魔王軍に仕えたのです。しかし、ハドラー様がいない以上、今後は故郷でひっそり暮らしていきます。故に魔軍司令に推薦されても私は辞退します。そんな地位なんかいりません。」

ジゼルはハドラーの為に行動するので例え魔軍司令に自分がなっても意味が無いと思っているのだ。

 

「ふむ…それはハドラーが生き返れば魔王軍にいるというわけだな?」

バーンはハドラーが生き返れば問題ないとジゼルに聞く。

「ですがあの状態で生き返ることは不可能です。ザオリクで蘇生させようと努力しましたが無理でした。」

全く言ってその通り。ハドラーは暗黒闘気によってのみ蘇生する。故に回復呪文であるザオリクは効かない。そのため、今頃ミストバーンがバーンの命令でハドラーを蘇らせているだろう。

 

「そうか…ならば少々驚くかもしれんぞ。」

バーンがそう言うと扉が開いた。

「なっ…!?」

そこでジゼルが見たものは驚くべきものだった。

「ハドラー様!?」

そう死んでいて、蘇生出来ないはずのハドラーが生きて扉をあけているのだ。

「くっくっく…どうだ?余のサプライズプレゼントは?」

バーンはイタズラが成功した子供の様に笑い、ジゼルに感想を聞く。

「凄いです…!」

ジゼルはただただ感心。いやこの場合は感動だろう。何しろ自分の愛しているハドラーが生きているのだから…

「うむ…ならば良い!」

それを境にバーンの声が聞こえなくなった。

 

「…」

これにハドラーはついて行けず唖然としていた。

 

「ハドラー様!もう二度と死なないで下さい!」

そう言ってジゼルは例のごとく飛びつくが…

「はぁ…」

ハドラーがそう言うと拳を前に出し…

「あうっ♡」

いつも通り、ジゼルは止まっているハドラーの拳を避けられずに墜落した。

 

「ハドラー様〜…」

それでもジゼルはよじよじと地を這ってハドラーに近づき、抱きついた。

「おいこら。やめろ。」

ハドラーはグイグイとジゼルの顔を押すがジゼルには無効だった。

「あれ?ハドラー様、前よりも力が増してません?」

しかし、全く無効だった訳でなくジゼルはハドラーの違和感に気がついた。

「む…?そう言えば…」

ハドラーもそれに気がつき、少し力が増していることを自覚する。

 

『それは暗黒闘気による影響…』

ここでミストバーンが現れ解説する。

「「ミストバーン!!」」

『ハドラー…お前の身体は死ねば死ぬほど、より強くなり最強の肉体となる。お前の身体は大魔王バーン様の為にある。故に生存権はバーン様が握っている。そのことを忘れるな…』

「待て!ミストバーン!どこに行く!?」

『バルジ塔へ…』

それだけ告げてミストバーンは消えた。




キルバーンが早くも登場しましたね。勢いにまかせていたらそうなりました。
それとジゼルはハドラー以外に対しての同僚…六軍団長かそれと同じくらいの幹部に対しては結構毒を吐きます。

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