魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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注意!今回はオリジナル要素が強すぎます!ですので苦手な方はお控えください。


炎魔塔、氷魔塔編2

~氷魔塔~

一方、氷魔塔では…ハドラーがベギラゴンを放ちポップ達を追い詰めて、マァムを処刑するべくハドラーは氷魔塔にマァムを投げたが突然現れた人物に妨害された。

 

「何故貴様が生きている!?」

ハドラーが大声をあげ、地底魔城で死んだはずの、鎧を全身に纏った青年に叫ぶ。

「…」

しかしその人物は喋らず無視した。

「答えろ、ヒュンケル!」

 

そう…彼の名前はヒュンケル。魔王軍の元不死騎団長にして数少ない大魔王バーンに気に入られた人間だ。

 

「…クロコダインに助けて貰った。それだけだ。」

「クロコダインだと!?奴も生きているのか!?」

「そう思うなら炎魔塔に向かってみればわかるさ。」

ヒュンケルがそういった瞬間、ハドラーに余裕の笑みが浮かぶ。

「なら、その心配はなくなったな。あそこにはジゼルがいる。」

「ジゼルがいたところでなにが出来る。ハッタリもいい加減にしろ!ハドラー!」

ヒュンケルは知らない。ジゼルの本当の実力を…六軍団長の中でジゼルの実力を知っているのはクロコダインとフレイザードのみだ。

 

フレイザードは元々ジゼルの凍てつく氷とハドラーの地獄の炎から生まれた生物だ。つまりジゼルからしてみればフレイザードは息子であり、フレイザードにとってジゼルは母親である。

親子ならば互いにある程度のことはわかる…

しかし同僚だったとは言え、ジゼルとは殆ど赤の他人であるヒュンケルは全く知らない。

 

「ハッタリだと?笑わせるな。あいつは相当な実力の持ち主だ。最悪でも魔王時代の俺を瞬殺する程度にはな…」

「なんだと?」

 

「まあいい。魔王軍を裏切ったからには覚悟は出来ているだろうな?」

「ほざけ、ハドラー!お前が我が師アバンを殺したことはなんとも思わん…だが父バルトスを処刑したことに関しては許さん!」

「あいつは処刑させるだけの罪を犯したのだ。死んで当たり前だ!」

その言葉がヒュンケルを怒らせるきっかけとなった。

 

「貴様ー!!」

ヒュンケルはそう言ってハドラーに飛びかかり、魔剣がハドラーの上から襲いかかる、

「ぬっ…!だりゃっ!」

それをハドラーは右手から出したヘルズクローで防御し、左手から出したヘルズクローを使ってヒュンケルに攻撃する。

「…!」

しかしヒュンケルは野生の勘で避けたが驚くことが起こっていた。

「(…!俺の鎧に傷がついている?)」

 

ヒュンケルの鎧はオリハルコンに次ぐ硬さを持つ金属で出来ており、デイン系以外の攻撃呪文は受け付けないという代物だ。

 

「俺のヘルズクローで貫けぬ物などないわ!」

ハドラーの言うとおり、ヘルズクローはヒュンケルの鎧は愚か、ジゼルの心も貫いて見せた。

 

「面白い…!そう来なくては!」

ヒュンケルはハドラーに対しての怒りがなくなり冷静になり、ハドラーも冷静になっていた。

 

~炎魔塔~

「貴様…獣王クロコダイン!どこに雲隠れしていたのかと思えばダイの助太刀とは血迷ったか!!」

アクデンがクロコダインを指差して怒りの声をあらわにする。

「余り多勢に無勢な物でな…」

 

「クロコダイン!生きていたんだね!」

「グフフッ…獣王を舐めるなよ?ダイ。」

「そういえば氷魔塔にハドラーが…!」

「案ずるなダイ。向こうにも助っ人のヒュンケルがいる。だからこちらの心配をした方がいい…」

「クロコダイン…?」

クロコダインは震えていた…武者震いなどの類いではなく恐怖による震えだ。

「(クロコダインがこんなに震えているなんて…初めてだ。ジゼルはどれだけの実力を持っているんだ!?)」

 

「クロコダイン…貴方が魔王軍を裏切るなんて信じられないわね…ハドラー様に誓った忠誠は嘘だったの?」

「違う!俺は魔王軍に忠誠を誓ったのは本当だった。ヒュンケルはどうかは知らんがハドラーやバーンのためなら俺は死んでも構わないと思っていた!」

「なら何故…?」

「ダイは俺やヒュンケルを魔道から救った太陽なのだ!」

「太陽?」

「もし、ダイがいなければ俺やヒュンケルは魔道を彷徨っていただろう…!生きる者には太陽が必要なのだ、それを奪う者は断じて許さん!例え力及ばずとも戦うのみ!!」

クロコダインは斧をジゼルに向け構えを取った。

 

「(…ダイ君の厄介なところは竜の騎士だということじゃない。その人望。私がハドラー様に惹かれたようにクロコダインやヒュンケルもダイに惹かれたと言う訳ね。)」

 

ジゼルはそんなことを考え、しばらくの間沈黙する…数秒してからその沈黙をジゼルが破った。

 

「そう…だけど私も引けないのよ。私もハドラー様という太陽がある以上ハドラー様の為に尽くす…それだけのこと。正義と悪なんて物は関係ない。今回はどちらの思いが強いかで決まる。」

「ならば俺が勝つ!だぁぁぁーっ!」

クロコダインは突進し、斧をジゼルに横に振る…これは当たればひとたまりもない攻撃だ。

「危ないわね…」

しかし、ジゼルはクロコダインの斧を掴んで防御した。

「なっ…!?(俺の斧を掴んだ!?)」

「はぁぁぁっ!」

ジゼルはクロコダインごと持っていた斧を投げ飛ばした。

「ぐっ…まさかこれほどの怪力とは…!!」

クロコダインがそんな事を言っている間にジゼルはあるものを召喚していた…それは雷だ。

「ジゴスパーク!」

キラーマジンガをボロクズに変えた地獄の雷を呼び出し、クロコダインを攻撃する。

「ぐわぁぁぁーっ!!」

クロコダインは断末魔を上げ…気絶した。

「く、クロコダイン~!」

ダイが気絶したクロコダインを見て慌てて駆け寄る。

「安心しなさい、気絶させただけよ。」

ジゼルはそう言って追撃をせず構えを解いた。

 

「よくもクロコダインを…!」

ダイがジゼルに怒るとジゼルは納得した顔で頷く。

「それよ、それ。」

ジゼルがそういったのには理由がある。かつてジゼルも今のダイのような顔をしていたからだ。

「え?」

「ダイ君…今、私に怒っているでしょ?」

「当たり前だ!」

ジゼルの質問にダイは怒った声ではっきりと答える。

「ダイ君…かつて人間に仲間が殺された時の私と同じ顔をしている。」

「…」

「そんな時にハドラー様が私を安心させる為に地上を支配するようになったの…わかる?」

「そんなの自分勝手だ!人間をそんな扱いしていいのか!!」

 

「自分勝手…?そもそも、そうなったのはその人間が自分勝手な理由で私の仲間達を殺したからでしょ?」

ジゼルは人間の汚さを理解している。だからこそこんなセリフを言える。

「だけど、そんな人間はもういない!」

「貴方は世間を知らないだけでそう言う人間はいっぱいいる…だからハドラー様は汚い人間を改善させる為に、全ての地上を征服するの。」

ハドラーは実際にはそんな動機では動いていないが最近そう思うようになったのでハドラー自身はジゼルの言うことは余り気にしていない。

「俺は、俺は、勇者として戦うんだ!」

 

ダイは、人間を恨んだ過去を持つヒュンケル、パプニカ王国の側近達との関係が悪く自ら出て行ったマトリフの過去、そして人間の自分勝手な理由で仲間を殺された過去を聞き、葛藤する。

 

「ダイ君…君も人間に、育ててくれた恩人が人間に殺されたらどうする?」

 

それはヒュンケル戦でも導けなかった問題だ。ヒュンケルは義理の父であるバルトスを殺されて人間を憎んだ。だが実際に殺したのはハドラーだったからヒュンケルはアバンの使徒として目覚めた。しかしハドラーがバルトスを殺さずに、バルトスが死んでいたら?…間違いなくヒュンケルはアバンの使徒として目覚めることなく魔王軍に従属したままだろう。

 

「ううう…!俺は…」

ダイは悩み続ける。何しろダイは自身を育ててくれた恩人であるブラス、そしてデルムリン島にいるモンスター達を目の前で殺されたら…間違いなく殺した人間を憎む。だがダイはそれを認めようとはせず葛藤している。

 

「ねえ…ダイ君…っ!」

ジゼルがそう言った直後だった。氷魔塔の方が明るくなっていた。かつてアバンがデルムリン島でメガンテを放ったような光だ。

「あれは…!皆、行くわよ!」

それを見たジゼルは慌てて氷魔塔に向かった。

「「「はっ!」」」

残り大勢もジゼルについて行きハドラーのいる氷魔塔へと向かった…

 

「…(なんで俺は即答できなかったんだ?)それはそうと炎魔塔を壊さないと。」

ダイは持っていた爆弾で炎魔塔を破壊し、ポップ達と合流した。バダックは途中で転んでしまい後で行く事になった…

 

〜氷魔塔〜

「グランドクルス!」

 

ヒュンケルはハドラーの心臓を貫いたがハドラーは二つ心臓を持っており生きていた。

 

ハドラーが死んだと思い油断し、腹をヘルズクローで貫かれてしまい絶体絶命の危機に陥っていたがアバンの教えである闘気を頭に集めて…放った。それがグランドクルス。その威力は崖が出来るほど強力なものだった。

 

「むう…っ!やれやれ危なかった。」

ハドラーは無事に避けて、ガーゴイルCことカラスはよけきれずに被害を受けて死にかけていた。

「それにしてもヒュンケルの奴め…こんな大技を隠していたとはな…」

ハドラーは感心する。ヒュンケルの技が崖を作る程に恐ろしい技を持っていた事に…

 

「だがあれはもう放てまい…あれは一日一度が限度だ。」

ハドラーは冷静にグランドクルスの弱点を指摘し、ヒュンケルの背後へと近づいた。

「もうあれだけの闘気を使い果たしたのだ。ここにいるのは抜け殻よ…アバンやバルトスに会って来るが良い!」

ハドラーがヘルズクローを構えた、その時、ヒュンケルの右手が僅かに動いた。

「死ね、ヒュンケル!」

ハドラーのヘルズクローがヒュンケルの頭に襲いかかる…が

「ぐぁーっ!」

ハドラーのもう一つの心臓にヒュンケルの剣が突き刺さり、そしてそのままハドラーは倒れた。

「バカな…!とっくに闘気は使い果たしたというのに、動けるとは…」

ハドラーがそう呟くと大の字になる…

「(まさか無意識状態で戦うとはまさに戦士の鏡よ…)」

ハドラーはそれだけ思うと絶命した。

 

そして遅れて、ジゼルがやってきた。

「あぁぁぁーっ!ハドラー様!」

ジゼルはヒュンケルの剣を抜き、応急手当をしたが無駄に終わった。

「うう…ジゼル様…」

ジゼルに呼びかけたのはカラスだ。

「カラス?!何があったの?!」

「ハドラー様はヒュンケルに殺されました…」

「…ありがとう。今は眠って…おやすみカラス。」

それだけジゼルは言うとカラスにラリホーとベホマをかけて安静させた。

 

「ヒュンケル…!許さない!」

ジゼルの顔は怒りに怒り狂ったものであり、今の彼女の顔をみたら誰もが信じられないだろう。

「ジゴスパーク!」

ヒュンケルにクロコダインを仕留めた技を出してトドメを刺そうとしたが…

 

バリバリ!

 

ジゼルのジゴスパークが何者かに阻害されてしまいヒュンケルにトドメを刺せなかった。

「なっ…!?何故ここに!?」

『…』

ジゼルは驚く。その男は無関心、無愛想、無口などの言葉が魔王軍のなかでも似合う男だ。そんな男がヒュンケルをかばう義理はない。

「答えなさい!ミストバーン!」

魔影参謀ミストバーン。かつてヒュンケルの闇の師匠であり、大魔王バーンの忠臣がここに現れた。




やっぱりハドラーは一度死なないと駄目ですよね。
それにしてもベリアルBことベンの出番が全く無い…
それはそうとドラクエ7買いました!これでドラクエのナンバリング1〜10までやりました。だけど情けないことに1〜3、7、10がストーリークリアしていないんですよ。
5、6は簡単なんですけどね…この大魔王達はこういったことで忘れ去られるんでしょうか?
4?エスタークが印象に強くてラスボス覚えていない(嘘)

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