魔軍司令親衛隊隊長の恋愛!   作:ディア

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今回はいつもよりも少し長いです!誤字脱字訂正しました。


炎魔塔、氷魔塔編1

~炎魔塔~

ジゼルが延々とハドラーの話しをしており誰もがうんざりとしていた。

「ジゼル様、その辺にして上げてください…ハドラー様に嫌われますよ?」

うんざりとしたアクデンがジゼルの話しを止めさせ、ダイ達と戦うように促した。

「もう…わかったわよ。」

ジゼルはこれに渋々と承諾し、構えた。

 

「それじゃダイ君…かかって来なさい!少しの間くらいは待ってあげるから。」

ジゼルがそう言うとダイは飛び上がり…

「ライデイン!」

ダイはライデインの呪文を唱えてあの技を披露するつもりだ。

「ライデインストラッシュ!」

そう、かつてヒュンケルを倒した、この技ライデインストラッシュで。

 

「やばいですよ、あれ!あれをくらったら私でも無事でいられるかどうか…!」

アクデンがライデインストラッシュを見てかなり焦る。

「…」

ところがジゼルは手を前にかざした…

 

バリバリッ!シュー…

 

するとどうだろうか…ジゼルはそのライデインストラッシュを片手で止め、周りの被害もなくしてしまったのだ。

 

「なっ…!俺の最高の技があっさりと…!」

ダイは自分のライデインストラッシュが一番良い技だと思いジゼルに速攻で仕掛けた。しかし現実は片手だけで止められる。つまり、詰みだ。

 

「ハドラー様がギラ系とイオ系が効かない体質であるように、私は雷…を吸収して体力を回復する特別な体質…つまりデイン系の技で攻めても無駄だということ…わかった?」

「それなら!火炎大地斬!」

今度はヒュンケルを追い詰めた技火炎大地斬を使ってジゼルを倒そうとした。

「やれやれしょうがない…その程度で私を倒せるなんて甘い…」

ジゼルはそう言うと息を吸い…そして…

「ゔおおぉぉっっ!」

ジゼルは火炎大地斬を恐ろしい雄叫びで打ち消し…そしてダイ達はおろか、味方であるアクデン達(ベンは無事)も被害を受けた。

 

「そ、そんな…!」

ダイは絶望の顔になる。何しろジゼルは雄叫びだけで、ヒュンケルを劣勢に追い込んだ火炎大地斬を封じたのだ。どれだけ自分とジゼルの差が大きいかいやと言うほどわかってしまった。

 

「さて…ダイ君、わかったでしょう。私には叶わないって…」

ジゼルはダイに諦めるように促すが…

「いや諦めるものか…!ここで諦めたらみんなが幸せに暮らせないんだ!」

ダイが勇者の心でジゼルに屈することなく立ち上がり、ジゼルに向かって構える。

「みんな、ね…人間は貪欲な生き物なのにそれを言うの?」

ジゼルはそう言って遠い目をした。

「どういう意味だ!」

「私達の故郷はダイ君の言う人間にやられたのよ…そして魔王ハドラーが産まれたのも人間のせいよ…」

かつてジゼルの村が人間に滅ぼされたことをダイにカミングアウトした。

 

〜氷魔塔〜

その頃、氷魔塔では…

「あいつがアバン先生の仇…!?」

「そうだ。あいつがかつての魔王にして魔軍司令のハドラーだ!」

ポップがそう言って今までに無いすさまじい顔になる。

「俺がアバンの仇か…ふっ…はははは!」

ハドラーがそれを聞き、いきなり笑い始めた。

「てめえ!何がおかしい!」

「いや、アバンを殺したのは俺ではない。アバンは自滅したのだ。メガンテを使うほど自分の身体を鍛えなかった…いや足手まといのお前たちを鍛えるために鍛えられなかったといった方がいいか?なぁ?」

「「「だははははははっ!」」」

ハドラーが大声で笑うと部下達も全員大声で笑った。

「許さない…!」

マァムはそう言うとハドラーに突進して間合いを詰めた。

「待て、マァム!」

ポップはマァムを止めようとするがすでに遅し。

 

マァムがハドラーに向かってスピアを振る…これが普通の雑魚なら反応出来ずに一撃で倒せるが相手が悪かった。ハドラーは格闘戦においてもマァムの師であるアバンを上回るのだ。故に…

「ああっ!」

ハドラーは片手でマァムのスピアを止めた。

「ふんっ…!」

そしてハドラーはそれをマァムごと投げ…

 

「死ねい!イオラ!」

ハドラーは凶悪な顔でマァムに向かってイオラを放った。

「危ねえ!マァム!」

それをポップが救い出し、イオラをギリギリだが避けることに成功した。

 

しかし、それはポップの恐怖の始まりでしかなかった。

「ハドラーの魔法の威力が上がっている…!?」

ポップはデルムリン島でハドラーの魔法をみたことがある。その時よりも魔法の威力が上がっておりハドラーがパワーアップしていたことが分かった。

「当たり前だ。俺はあれからアバンを倒した褒賞としてバーン様に更なるパワーアップをさせてもらったのだ。」

ハドラーがとある呪文を放つ構えになる…それはポップも知っている構えだった。

「べ、ベギラマ!?」

 

ポップは情けない声を出して鼻水を垂らす。

何しろ今の時点でのポップ自身の切り札と呼べるのは、この世界ではベギラマよりも弱いメラゾーマ…魔法力に差が余程大きく開いていない限り、メラゾーマでベギラマよりも威力が上になることはない。

 

「このベギラマで焼け死ぬがいい…ベギラマ!」

ハドラーはベギラマを放ち、熱線は刻々とポップに迫る。

「(ちきしょう…ここでマァムを守れねえで終わっちまうのかよ…!このままヘタレた俺のままで死んじまうのかよ…!!)」

ポップはこれまでの人生を振り返り、何のために戦ってきたのかを思い出す。そして思い出した言葉は…

 

勇者とは勇気ある者ッ!!

そして真の勇気とは打算なきものっ!!

相手の強さによって出したりひっこめたりするのは本当の勇気じゃなぁいっ!!!

 

このセリフはかつてダイとジゼルが捕まえたニセ勇者一行の魔法使いのまぞっほが言っていた言葉である。この言葉のおかげでポップはクロコダインに立ち向かうことができ、ダイを救ったと言える。

 

「(そうだった!俺にはあの爺さんのくれた勇気がまだ残っていたんだ!!一か八かだ!)」

ポップはそう思い、ベギラマの構えを取り…そして…

「ベギラマーッ!」

大声をあげてポップはベギラマを覚え、そしてその熱線を放った。

「べ、ベギラマができた!」

「バカな!」

ハドラーはポップがベギラマを使ったことに驚いてしまった…その結果…

「俺のベギラマが小僧のベギラマに押されるだと!」

 

魔法の威力は魔力だけでなく精神力にも影響する。

 

ポップは今ベギラマができたことによって興奮状態である。しかしハドラーはポップがベギラマを放ったことに驚いてしまい一瞬とはいえ集中力が切れてしまった。

故にどちらが勝つなんて当然のことだろう。

 

「ハドラー様、大丈夫ですか?」

ガーゴイルCことカラスが駆け寄るが…

「…どうやらあいつらを舐めていたようだな。評価を改める必要がある。」

最初ハドラーは八つ当たりにカラスを殴ろうとしたが必死に抑え、ポップ達の評価を改めた。

ジゼルがもし魔王軍にいなければ殴っていただろう…

 

その間にポップは爆弾に火をつけてしばらく待っていた…

「やれい!」

ハドラーが部下達に命令するとポップはハドラー達に向かって爆弾を投げた。

「そらよっ!」

 

「なっ…!」

それにハドラー達は驚く。その驚いた瞬間がハドラー達の命取りだった。

「ベギラマ!」

ポップはその爆弾に向かってベギラマを放ち、爆発をより強くして火の海にした…

 

「行こう…マァム。」

ポップはハドラー達を倒したと思いマァムに声をかける。

「ええ。」

マァムもこれに同調し、歩いて行った。

 

「待てい!小僧、帰るのはまだ早いぞ!」

 

しかしハドラーは無事だった。

 

ハドラーが無事な理由はハドラー自身の身体とポップが投げた爆弾にある。ハドラーはギラ系とイオ系に耐性がある…つまり熱線や爆発にかなり強いということだ。

 

ハドラーにギラ系とイオ系で致命傷を負わすにはベギラゴン、イオナズン等の高等呪文を何発も打つ必要がある。

 

ところがポップの投げた爆弾は即席で作ったためにアバンと戦ったハドラーのイオラよりも弱い。

 

ハドラーがそんなイオラ以下の爆発を受けてもうんともすんとも言わないのは当たり前のことだ。

 

「驚いたぞ…流石はアバンの使徒と言うべきか、まさかハナタレ小僧がここまで成長とは思いもしなかった。だがそれも終わりだ!」

ハドラーがそう言うと両手から火のアーチを出し、構えを取った。

「まさか…ベギラゴン…!?」

そう、かのアバンですら習得できなかったベギラゴンだ。ポップがベギラゴンを知っているのはアバンの使徒であるが故だろう…

 

「行くぞ…小僧!」

ハドラーは両手を中央に手を合わせた…

「あああ…!」

ポップとマァムはベギラゴンに怯えてしまい互いに抱きつく。

「ベギラゴン!」

そして巨大な熱線がポップ達を襲い掛かり、大きな音が響き渡った。

 

〜炎魔塔〜

「なっ…!?今の音は!?」

ダイはジゼルの過去を聞いていたがハドラーが先程放ったベギラゴンによって現実に戻った。

「ハドラー様のベギラゴンね…」

ジゼルがダイの質問に答え、ハドラーがやったものだと説明する。

「なんだって!?ハドラーが氷魔塔に…!」

「もしもダイ君が氷魔塔に行っていればハドラー様がどうなっていたかわからなかったわ…炎魔塔に来てくれてありがとう!」

 

「全然嬉しくない!もう、怒ったぞ!」

ダイはそう言うと額から竜の紋章が現れた。

「ん…?その紋章は!?」

ジゼルが珍しく声をあげて驚く。

「(なんで竜の騎士の紋章があるの!?バランはまだ生きているはず!!)」

 

竜の騎士とは…人の神、魔族の神、竜の神の三神が作り出した戦闘種族だ。だが竜の騎士は通常世界に一人しかいない。

 

それもそのはず。神達はそんな戦闘種族が数人もいて、その全員が自分達に逆らったら…?一人なら、まだなんとかなるが流石にどうしようもない…と考え一人にしたのだ。

 

話しがそれたが今代の竜の騎士はバランである。かつてジゼルが魔界にいた時にバランを世話したことがあるためバランは竜の騎士のことを話してくれた。

 

だが現実はどうだろうか?ダイもその竜の騎士である証拠…竜の紋章を額から出している。

 

「(まさか…ハドラー様はダイ君が竜の騎士だと気がついていた!?)」

ジゼルがそんな事を考えているとダイはジゼルに向かってある構えをしていた。

「ベギラマー!」

ダイはベギラマを放ち、ジゼルを倒そうとした…

 

「くっ…!マホカンタ!」

咄嗟にジゼルはマホカンタで返し、ダイに熱線が襲い掛かる。

「ベギラマ!」

それを打ち消すかのようにダイはベギラマを放つ。

「(…なんにしても後でハドラー様に聞く必要があるわね。今はこの戦いに集中しないと!)」

 

「ぬぁぁぁ!」

と…そんな時いきなりジゼルの部下達が吹き飛ばされていた。

「今度は何!?」

ジゼルは完全に冷静さを失い、周りを見回しながら叫ぶ。

 

「俺だ!」

声がした方向にいたのはかつて魔王軍の六軍団長の一人で人望が厚いリザードマン。

「ああぁーっ!」

そのことにダイは驚きの声と嬉しさを隠せない声をあげる。

「まさか、貴方が!?」

ジゼルも驚きの声をあげるが嬉しさは全くない。何故なら…

「獣王クロコダイン…!」

そう、ジゼルやハドラーにも信頼があったクロコダインが裏切ったからだ。




え〜…ここでアンケートを取りたいと思います。
ジゼルの過去の話しを別の作品で書いて出すべきなのか、この作品で出すべきなのか非常に迷っています。

とりあえず、今まで明らかになったジゼルの過去は
・ハドラーに救われた。
・バランの世話をした。
・魔界で戦いまくった。
の三点ですね。

それで今回はジゼルの過去を題材にした作品の要望、あるいはこの作品で出す要望が、西暦2014年2月28日午後23時59分までに10件(一人につき一件)以上に達したら書きたいと思います。

最後にアンケートの返答はメッセージボックスまでお願いします。それ以外は感想でお待ちしています!

アンケートの結果は活動報告にて発表します!次回もまた見てくださいね!

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