言い忘れていましたがこの作品は流れが原作通りとは限りません。
〜あらすじ〜
ヒュンケルやジゼルが敗れ、数日が経っている間に色々なことがあった。
氷炎魔団長フレイザードが火山を噴火させてアバンの使徒諸共ヒュンケルを抹殺しようとした。しかし、アバンの使徒として目覚めたヒュンケルはダイ達三人を助けそのままマグマの中へ…
その翌日、フレイザードはバルジ塔でダイ達を撃退しレオナ姫を人質にした。
ダイ達はこのままではフレイザードに勝てないと判断し修行に励んでいた。
その一方、マトリフとの戦いで傷ついたジゼルは蘇生液で身体を回復させており眠っていた。
〜あらすじ終了〜
〜鬼岩城〜
「……ル様、…ゼル様、ジゼル様!」
ガーゴイルがジゼルを起こしに来た。つまり、何か用件があったことだ。
「んあ…?何?」
ジゼルは目を半目にして、起きた。
「ハドラー様がお呼びです。」
ガーゴイルから驚愕の言葉が出てきた。
「ハドラー様が?本当なのね?!」
ジゼルはハドラーと聞いてすぐにガーゴイルの首を絞めた。
「ぐえっ!…本当ですから離して下さい…」
「ハドラー様はどこにいるの?」
「ゲボッ…何時もの場所です。」
「ありがとう!じゃあね!」
ジゼルはすぐにハドラーの元へと向かった。
「なんでジゼル様は魔王軍の中でもいい上司なのにハドラー様のことになると周りが見えなくなるんだ…?」
ガーゴイルはそのつぶやいて立ち去った。
「ハドラー様〜♡」
ジゼルは例のごとく、ハドラーに飛びついた。
「…」
ハドラーは拳を前にだし…そしてそれをジゼルに向けた。
「はぅっ♡」
ジゼルの顔はハドラーの拳にぶつかり、その場から落ちた。その時の顔はかなり嬉しそうだったがハドラーはもう気にしなくなった。無駄なところでレベルアップである。
「ジゼル、いきなり抱きつくのはやめて貰えないか?」
「自重します…」
ハドラーが抱きつくのをやめるように説得するとジゼルは少ししょんぼりとして自重することにした。
「それでハドラー様。何の用でしょうか?」
「うむ…お前が寝ている間にヒュンケルがダイに破れた。」
「ヒュンケル負けちゃったんだ…それでどうするんですか?」
「パプニカ王国壊滅の件についてはオーザムの騎士団を全て壊滅したフレイザードが引き継いだ。そして俺とお前達魔軍司令親衛隊がフレイザードの援軍としてダイ達を始末することに決めた。」
「しかし、他の六軍団長を集結させてダイ達を始末した方が良いのでは?」
ジゼルがそう不思議に思うのは無理はない。その方が確実かつ安全だからだ。
「心配いらん。今の俺ならアバンの使徒を纏めて倒せると自信がある。それに我々の目的は地上を征服する事だ。アバンの使徒相手に六軍団長全てを使う訳にもいかん。」
ハドラーは当初、残った六軍団長全員を集結させてアバンの使徒全員を始末する予定だったがジゼルという人材がおり、その必要もなくなった。
「了解しました。それで我々はどうすれば?」
ジゼルがそういうとハドラーは地図を出した。
「フレイザードは今、バルジ塔にいる。」
ハドラーが地図上のバルジ塔を指す。
「それで?」
ジゼルがそう言うとハドラーはバルジ塔の付近の点をペンで書く。
「そのバルジ塔付近に氷炎結界呪法の元である炎魔塔付近にお前達が、氷魔塔付近に我々が待ち伏せし、一気にアバンの使徒を潰す!それが今回の作戦だ。」
「了解しました!ところでいつ決行するのでしょうか?」
「この作戦は今夜決行だ。準備は怠るなよ?」
「はっ!」
〜バルジ塔〜
そしてあっという間に夜になった。
魔軍司令親衛隊の構成員の半分は、ジゼル共に炎魔塔で、もう半分はハドラーと共に氷魔塔で待ち伏せしていた。
「ジゼル様。」
新しく親衛隊に入ったベリアルがジゼルにそう尋ねる。
「なに?ベン?」
ベンと呼ばれたベリアルはかつてジゼルが自分の強さをアークデーモンAとガーゴイルCに見せつけるためにやられたベリアルのうちのリーダーである。
ベンはジゼルに圧倒的な差で負けてからあれから修行しジゼルに師事するようになった。
余談になるが百獣魔団長にバーンに推薦されたがそれを蹴った。理由はジゼルに仕える親衛隊の構成員になりたかったからだ。その望みは叶い現在に至る。
「ダイと言う勇者はどんな奴なんですか?」
ベンがジゼルにダイが勇者なのか尋ねる。ベンはジゼルを相手に背後を取ったとはいえ、新人である。
「ダイ君はね…青い服を来た少年よ。見ればわかるわ。」
「ハドラー様直々に動く程の実力者でしょうが…」
そこでジゼルの足りない情報をアークデーモンAことアクデンが突っ込む。
「まあ、そうとも言えるわね…それよりもハドラー様…やっぱり、いい…♡」
ジゼルはアクデンの言ったことに一瞬冷や汗をかいたが、どういう思考回路になっているのかすぐに妄想に陥り、ハドラーの事を考え始めた。
その頃ハドラーは…
「…む?なんか寒気がしてきたな。」
ハドラーは嫌な寒気がしてきて身体をブルッと震わせる。
「氷魔塔が近いからじゃないですか?」
ガーゴイルCことカラスがハドラーの言うことに反応する。
「カラス…ジゼルに仕える身でありながらそれはないと思わないのか?」
「それもそうでしたね。」
カラスはすぐにハドラーの言ったことに気づき、ジゼルがまたハドラーに対して変な事を考えていると思った。
「(ハドラー様…そう思ったならとっととジゼル様と結婚してあげて下さいよ。そうすれば少しはマシになるのに…)はぁ…」
カラスが今更こんなことを言っても発展しないのはわかりきっているのでため息は出しても口に出さないでおいた。
〜炎魔塔〜
のこのことダイとパプニカの老兵バダックがジゼルの待つ炎魔塔に現れ…
「イオラ!」
ベリアルであるベンがイオラを唱え、攻撃を仕掛ける。
「な、なんじゃ!?」
それに驚いたバダックが腰を抜かし…
「誰だ!?」
ダイが戦闘体制になり、構える。
「…貴方も私もお互いにロモスで会ったことはあるはずよ。」
ジゼルがそう言ってフードを取る。
「え…?」
するとダイは驚愕の顔になった。かつてロモスで自分を助けた恩人が魔王軍だからだ。
「久しぶりね、ダイ君。」
そう言ってダイの見知った顔は笑った。
「ジ、ジゼルさん!?なんで魔王軍についているんだ!?」
ダイは驚いた声でジゼルに魔王軍になった経緯を話させようとする。
「ハドラー様の恋人だからよ。」
「こ、恋人!?」
「そう、私はハドラー様の恋人。」
「なんでハドラーなんかに惚れる要素が有ったんだ?」
「聞きたい?聞きたいならしょうがないな〜!」
ジゼルは勝手に喋り始め、この場にいる全員に迷惑をかけた。
〜氷魔塔〜
ポップとマァムは2人で行動し、氷魔塔へと着いたが…周りはガーゴイルだのアークデーモンだの六軍団に所属しないようなモンスターがポップ達を囲む。
「どうやら罠だったみたいだな…こりゃ。」
ポップがそう減らず口を聞くが次の声で驚いた顔になる。
「くくく…ダイは炎魔塔か。」
ハドラーの声がポップの耳に響きわたりポップが震える…
「まさか…お前は!!」
忘れもしない。かつての魔王でありデルムリン島で師であるアバンがメガンテを使って止めようとした敵。それがハドラーだ。
「まあ良い。貴様ら相手でも俺のストレス発散くらいにはなるだろう…」
ハドラーがそう言い前に出る。
「誰なの?ポップ。」
「魔軍司令ハドラー…!」
ポップはそう言ってハドラーの顔を見る。
ジゼルがいた事でハドラーは六軍団長全員に各王国を攻めるように命令が出来ました。そのおかげでバランも疑うことはなくなりました。疑ったとしても原作よりもマシです。
ちなみにオリキャラsの、アクデン【アークデーモン】、ベン【ベリアル】、カラス【ガーゴイル】の名前の由来はアルファベットの頭文字、ABCから取りました。