東方言葉録   作:ワロリッシュたん

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前、後編で終わらせるつもりだったのですが
前、中、後編になってしまいました_| ̄|○


第六話、弾幕はパワーだぜ!!!中編

「マスタァァァァスパァァァァァク」

どうも!おはようございます!こんにちは!こんばんは!

絶賛極太レーザー接近中の真言くんです!

 

・・・うん、わかってた

僕は飛べないし、スペルカード持ってないし

勝負以前の問題が発生していることぐらい。

 

落ち着け!冷静になれ!そう、KOOLになるんだ、日下部真言!!

食らったら死ぬ!食らったら死ぬ!

 

だけど、躱すにしても空も飛べないような貧弱一般人の僕ではムリゲーだ!

 

ん?飛ぶ?そうだ!飛べばいいんだ!

魔理沙は地面にいる僕を狙って攻撃してきた

だから、空に飛び上がれば回避できる!

 

こ、これしかない!!

霊力を思いきり込めて自分に向けて言葉を放つ

「『飛べ』ぇぇぇぇぇぇー!!」

 

結果を言うと、僕は飛べた

物凄いスピードで真上に飛び上がり、マスパを躱すことができた

 

だが、宙にとどまり続けることができずに落ちた

そして、地面に落下し気を失った

 

・・・・後からわかったんだけど、スピードと飛行時間は霊力の使い方で調節できるのだという

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

私、アリス・マーガトロイドは飛んで落ちた真言について、紅茶を飲みながら魔理沙と話をしていた

 

「はぁ、やる前に気づきなさいよ

スペルカード持ってないし、飛べもしないことくらい」

「ドジな奴なんだぜ」

「貴女もよ魔理沙、なにが先手必勝よ

いきなりマスタースパーク使われて対応できるわけないじゃない、今回躱すことができたのは奇跡に近いわよ」

「まあ、反省してるぜ

けど、真言のやつ私と同じくらいのスピードで飛び上がったな」

「そうね」

 

そう、彼の飛行速度だけは評価できる

 

下手すれば私より速い

 

なにより、彼が飛ぶ瞬間、彼の体は緑色の光を放った

彼は肉眼で色が確認できるほど濃密な霊力を使うことができるのだ

そんなことができるのは、霊夢や魔理沙レベルだ

 

そして、彼が言った彼自身の能力『【言葉を現実にする】程度の能力』ーーーー将来、彼は強力な使い手になるのではないのだろうか

 

私の中ではもう彼を外の世界に戻そうとする考えは浮かんでこなくなった

もう少し訓練すれば、彼は十分幻想郷でも生きていけるーーー私はそう確信した

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕がこの幻想郷で生きていくうえで、頼ることができるのは、『【言葉を現実にする】程度の能力』だけだ

 

だから、僕はこの能力と向き合わなければならない

 

沈む意識の中、僕は能力について考えていた

 

言葉を現実にするーーーーー聞こえはいいかもしれないが、皆が思っているほど万能な能力ではない

 

僕の能力が通用するのは、人だけでなく、僕が正しく認識しているものであれは、あらゆるものに通用する

 

しかし、通用するのは僕の視界に入っているものに限る

たとえば、『曲がれ』と言えば、目の前の木を曲げることはできても、どこかわからない木が曲がることはない

 

そして、僕が使えるのはまだ動作の命令のみである

 

最後に、決定的なのは

僕自身のスペックが低いため

回数制限があり、自分より格上の相手にはたいした拘束力を持たないということだ

 

けれど、僕はこの能力を使って生きていく

 

人間は知恵を使って生きる生き物だからだ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はい、これ」

目を覚ますと、アリスに3枚のカードを手渡された

 

「これがスペルカード?」

「そうよ、これに貴方の技を記録するのよ」

「でも、やり方がわからない」

「これに関してはやり方なんてないわ、貴方と貴方の能力の問題よ」

 

アリス曰く、スペルカードに記録できるのは自分の能力で再現可能な技だけなので、他人のスペルカードは使用できず、他人に作ってもらったスペルカードではうまくいくことはほぼなく、うまくいったとしても弱いものになることが多いらしい

 

「ま、自分ができる派手なことを記録すればいいんだぜ

簡単だろ?」

 

・・・・魔理沙はなんでも簡単そうに言うなぁ

簡単だと思うのは魔理沙だけでしょうに

 

でも、なんでだろう魔理沙にそう言われると

できるような気がする

 

「よし、じゃあできたら外に出ろよ

今度はちゃんとした弾幕ごっこをやろうぜ!」

 

・・・・うん、こいつはただ暴れたいだけだ

まあ、待たせるのも悪いし、即席で二枚のスペルカードを作り上げ、外にでた

 

「死にそうになったら助けてあげるわよ」

アリスさん優しすぎ泣いた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「よっしゃ、行くぜー!」

魔理沙は箒に乗って飛び上がる

僕も飛び上がり、空中で静止する

 

・・・・一回大失敗してるから、大分コツがわかってきた失敗は成功のもとだよね☆

 

「じゃあ、弾幕ごっこスタートだぜ!」

というと、魔理沙はさっそく弾幕をばらまいてくる

 

球形と星形の混ざった弾幕。

正直、見惚れそうになってしまったが、

避けられない弾幕は自分の弾幕で消しつつ、回避していく

 

「ほう、初めての弾幕ごっこにしてはいい動きじゃないか!

私の想像以上だぜ」

物凄く楽しそうに魔理沙は言う

「お褒めいただきどうも」

会話しながらも僕は全力で頭を回転させる

正直、勝てる可能性があるのは魔理沙が『マスタースパーク』を出したときしかない

この、マスタースパーク対処用に作ったこのスペルカードで

 

「やっぱ、通常弾幕じゃ、落とせないな

なら、一発いっくぜー!」

そう言うと、魔理沙はスペルカードを懐から取り出す

 

来るか!?『マスタースパーク』!?

 

『魔符【スターダストレヴァリエ】!!!』

 

違う!?『マスタースパーク』じゃない!?

素人の僕でもわかる、圧倒的な魔力と霊力ーーーこれは避けられないーーーーーそう思った僕は一枚のスペルカードを発動させた

 

『虚偽【ワードオブマウス】』

 

その直後、『スターダストレヴァリエ』は凄まじい光を発しながら発射されたーーーーー僕とは真逆の方向に向かって

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あー、魔理沙ってば学習能力がないんだから

『スターダストレヴァリエ』なんて真言が躱せるはずないじゃない」

まあ、真言が死なないように助けてあげましょう

そう私が思って、人形達に真言を守るように指示しようとしたーーーその直後、凛とした声が響いてきた

 

『虚偽【ワードオブマウス】』

 

真言の声だった、それを聞いた私の世界への認識が

 

『ずれた』

 

ずれた、というのは正しい表現なのかはわからないが

実際の世界とは違う、全く別の世界を見せられたような

そんな感覚

 

そして、その感覚が終わった後残ったのは

真言とは真逆の方向に向かって放たれた『スターダストレヴァリエ』と無傷の真言だった。

 

あーうー続くよー


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