では、第二十五話、よろしくお願いします!
どうも!日下部真言です!おちゃらけ風祝の東風谷早苗さんの力で人里の火事は収まり、最悪の事態は回避できました!・・・・実に危なかったです
〈いや、相棒、どうやら危機は去ってないみたいだぜ〉
・・・・どういうことだ?
〈さっきの炎の弾幕を放った烏レベルの妖力を持った妖怪が二人・・・・片方は妖怪じゃねえ!!神だ!〉
神だって!?
神という言葉を聞いた僕は早苗さんの方に視線を向けた
「か、神奈子様・・・・」
彼女の表情は驚愕で青く染まっていた
「星!?星なのですか!?」
聞こえてくるのは白蓮さんの叫び声
・・・・また、白蓮さんの知り合いですか、妖怪の知り合い多いっすね
「ちょっと!!早苗さん!?白蓮さん!?しっかりして下さいよ!!」
僕は二人に檄を飛ばす
「はっ!?すみません!」
「すみません!日下部さん」
「まあ、失踪した知り合いに会って驚くのは分かりますが、お二人にはご自身の知り合いの相手をしてもらうってことでよろしいですか?」
「ええ、構いません」
「分かりました」
〈一番厄介な奴を選んだな、相棒〉
えっ!?
〈あの烏は只の烏の妖怪じゃねえ、八咫烏の力を持ってる〉
八咫烏ってあの有名な・・・・
〈そうだ、その大妖怪の八咫烏だ、そしてその力は、太陽神の力・・・・分かりやすく言えば、核融合さ〉
か、核融合!?あの、核ですか!?
や、ヤバ過ぎじゃないですか!?
〈ああ、やばいな、下手に突っ込んだら一瞬で消し炭だろうな〉
・・・・ひ、ひええええええ
〈まあ、言い切った手前、今更撤回も出来ないけどな、なんとかなるだろ〉
お前のその自信は一体何処から来るんだよ・・・・
〈相棒!来るぞ!〉
相棒のそのセリフの後に八咫烏はスペルカードを発動させた
『核熱【核反応制御不能】』
その直後、八咫烏は右腕を天高く掲げると、その腕から巨大な太陽が発生した
ーーー不味い、このままじゃ人里に被害が!?
〈相棒、このスペルカードを使え!速く!〉
分かった!
『色欲【恋人同士は嘘まみれ】』
僕は相棒に言われた通り、スペルカードを発動させたーーーけど、あれ?何も起こらないぞ?
と思ったら、効果は八咫烏の方に現れた、彼女は急に僕に背を向けると弾幕を放った
〈これは色欲のスペルカード・・・・効果は幻覚だ〉
なるほど、だから八咫烏は僕と真逆の方向に弾幕を放ったわけか・・・・
〈とりあえず、今のうちに人里から離れるんだ〉
・・・・オッケー
僕は人里から離れた湖の上空に来ていたーーー確か、名前は霧の湖だったかな、まあ、上空だから霧も何も無いんだけどな!!
そこで改めて僕は八咫烏と対峙するーーーいや、太陽と対峙する・・・・どう考えてもこっちに分が悪すぎると思んですけど、太陽に勝てるわけ無いだろ、常識的に考えて
〈所詮、人工太陽なんだ、ホンモノじゃねえよ〉
十分脅威なんですけども
〈まあ、当たって砕けろ!〉
砕けたらお終いなんですけどねえー
・・・・前から思ってたんだけどさ
〈なんだ?〉
『【思いを力に変える】程度の能力』って今発動してんの?
〈してるよ〉
全然前と変わってない気がするんだけど、前より強いスペカが使える程度の変化しか無いんだけど
〈思いが足りないんだよ、劇的に力に変えられるような思いが〉
思いが足りない・・・・?
〈知ってるか?怒りや憎しみの方が思いの力が強いんだよ、だから、今の相棒じゃ自分の意志で力を引き出すのは無理だな、スペカで力の一部を引き出すくらいしか出来ない〉
つまり、本当に強いスペカが使えるようになっただけじゃないですか、やだー
〈まあ、必要になったら勝手に出来るようになるさ〉
「まあ、とりあえず、弾幕を全部躱して八咫烏を殴りつければ良いんだろ」
〈まあ、近距離用のスペカしか無いからな〉
「よし、考えるのはやめ!」
僕は開き直って八咫烏に向かって全力で接近する
相手の通常弾幕をギリギリで回避しつつ、近づいていく
僕の腕が八咫烏にもうすぐ届くところまで僕が接近した時、
『焔星【十凶星】』
八咫烏のスペルカードの発動、そして彼女を中心に生まれる十個の小さな太陽
咄嗟の判断で距離をとる
しかし、完全に避けきれず、太陽の一つが僕に掠ったーーーーー熱い!熱い!熱い!!!僕が今まで生きてきた中で感じたことのない熱さだった、熱いというより最早これは痛い!!!死ぬ!死ぬ!死ぬ!
離れたら巨大な太陽の弾幕、近づいたら小さな太陽の弾幕・・・・おい、どうやって倒せばいいんだよ・・・・
〈相棒、服燃えてるぞ〉
うぉおおお!
学ランを脱ぎ捨てる僕
・・・・魔理沙のブレイジングスターを食らっても、妖夢さんの剣を食らっても、幽香さんに吹っ飛ばされても、生き残った僕の学ランがぁああああああああああああああああ!!!
「許せん」
〈相棒の怒りの沸点、わけわからないぜ〉
「くそ!せめてあの太陽に触れる事が出来れば!!」
〈それくらいなら出来るぞ〉
・・・・マジで?
〈マジマジ〉
早く言えよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
〈悪かったな、ほらよ〉
スペルカードが現れる、また七つのスペカか・・・・
『怠惰【懶惰は自我を護るために】』
スペカを発動させると僕の右手に黒い手袋状の防具ーーーいわゆるガントレットが装着された
〈怠惰は防具を装着するスペルカードだ、それで人工太陽程度なら余裕で触れるな〉
・・・・思ったんだけど、このガントレット部分以外で触れたらどうなる?
〈ガントレットの部分だけ残して他は全部☆消し炭〉
・・・・ひえええ
しかし、やる事は何もさっきまでと変わらない、接近して殴る、それだけだ
八咫烏の通常弾幕を躱してどんどん近づいていく
通常弾幕は人工太陽に比べると全然熱く無いし、避けやすい
さらに、八咫烏の機動力が僕よりも大分低いため、弾幕が何処から発射されるのか分かりやすく、予測もしやすいのだ
難無く接近し、八咫烏に向けて拳を突き出す
八咫烏はそれを大きくバックステップで回避する
くそっ!只突っ込むだけじゃ、簡単に回避されてしまう!
どうやって攻撃を当てるかについて考えているとーーー
〈おい!相棒!構えろ!来るぞ!〉
『【ヘルズトカマク】』
八咫烏がスペルカードを発動させるーーー幻想郷の夜に二つの巨大な太陽が出現したーーーーーって!?二つ!?そ、そそそそそ、想定外!想定外!想定外の事態です!あれえ?作れる太陽は一つだけじゃないんですか!?一つだけだったら、ガントレットで受けて向きを変えて躱すってことが出来たけど、二つの場合、片方を受け止めてる間にもう片方で、KE☆SHI☆ZU☆MIにされるのは確定的に明らか!!!!
詰んだ、僕の人生終了のお知らせ・・・・
〈落ち着け、落ち着けよ相棒!〉
・・・・く、こういう時の為に遺書を書いておくべきだったぜ・・・・
〈落ち着けって!片方しか触れないんなら、片方だけ触って両方なんとかすればいいんだよ!!〉
へっ?
〈あー、だからもー、とりあえずこのスペルカードを使え!で、後は感覚でなんとかしろ!〉
スペカが僕の手元に現れる
『憤怒【超・衝・撃】』
スペルカードを発動すると、右拳の一点に身体中の力が集まる感覚ーーーなるほど、これはこういうことか!!
〈憤怒のスペルカードの効果は強力な近接攻撃だ〉
それは、例えるならビリヤード・・・・片方の太陽を殴りつけて打ち出し、もう片方と衝突させて両方ともの向きを変えるーーーこれで片方しか触れなくても、なんとかこの二つの太陽を攻略できる!!
けれど、打ち出す力が弱過ぎると向きは変わらず、死、強過ぎると打ち出す前に打ち出そうとしてる方の太陽が砕け散ってもう片方の太陽の向きを変えられず、死・・・・
〈安心しろ、太陽だから砕け散ったりはしないって、だから全力でやれ〉
・・・・凄い嫌な予感がするんですけど
〈死んだら骨は拾ってやる、拾えないけど〉
「うわぁあああ、どうとでもなれ!当たって砕けろこのやろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
僕は全力で右拳を片方の太陽に打ち付ける、すると太陽は僕の思惑通りもう片方の太陽にぶつかった、が、僕の思惑通りだったのはそこまでだった
何故なら、二つの太陽がぶつかった瞬間、大爆発が起こったからだ
ドカーン!!!と鼓膜が破れるかと思った程の大爆音・・・・死ぬかと思った、ガチで、霊力で少しでも防御力強化しといて良かった・・・・
〈なんとか生きてたな、相棒〉
なんとかじゃねーよ!軽く死ぬところだったわ!
〈まあ、あれは想定外だった、すまん、で、不幸中の幸いなことに、さっきの爆発は八咫烏も巻き込まれてたぞ〉
八咫烏の方に目を向けると、確かに八咫烏もさっきの爆発に巻き込まれたらしく、明らかにダメージを受けている様子だった
これは、後一押しでいけるか!
僕はここぞとばかりに接近するーーーその瞬間、八咫烏がニヤリと笑った
『【サブタレイニアンサン】』
スペルカードが発動した直後、巨大な炎が八咫烏を覆い、球体になるーーーつまり、彼女は太陽になったのだ
あ、危なかった・・・・彼女のニヤリを見逃していたら当たっていた
しかし、それで終わらないのが、太陽神、八咫烏ーーーーー彼女は僕を吸い寄せ始めたのだ太陽となった自分にぶつける為に
う、うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!なんて吸引力だよ!!ダ○ソンかよ!!!
〈こいつをなんとかするには、太陽ごと中の八咫烏をぶちのめすしか無いようだな〉
た、頼む相棒!何かスペルカードを!!
〈無理だ〉
ええ!?なら、新しいスペルカードのアイデアを!!
〈無理だ〉
どうして!?
〈パワーが足りないんだよ、俺がお前に渡すスペルカードは元々は俺のだから、お前には完全には合わないだろうし、今のお前なら自分の手で一番自分に合う強力なスペカを創り出せるはずだ〉
そんなこと・・・・
〈できる!!逆に出来なかったら人里は火の海になるぞ!!!傷付いた魔理沙に、長期間の妖怪の迎撃や人間の治療で疲労困憊のアリス、妖夢、咲夜、妹紅、白蓮、慧音にこいつを倒せるのか!?〉
確かに・・・・俺が、俺がやらなきゃ・・・・
〈そうだ、白紙のスペルカードを手に持ち目を閉じろ〉
言われた通りに目を閉じる
〈集中して、イメージしろ、お前が欲しい力のイメージを〉
欲しい力のイメージ・・・・そうだ、僕は、力が欲しい、皆を守れるような圧倒的な力が・・・・
すると、身体の何処からか力が溢れてくる、ああ、抑えられない!!
僕は目を開けると手元にある新しいスペルカードを発動する!!
『思想【総てを穿つ一筋の閃光】』
僕は右手で銃を作り、人差し指を太陽の中心に向けるーーーそして、その指先から放たれる圧倒的で、全てを包み込むような純白の光、それはまるで月の光のようだった
僕の放った月の光は八咫烏の作った太陽を包み込み、消し去った
〈圧倒的だけど、優しい力ーーー相棒らしい力だな〉
「ふぅ、なんとか、終わったか・・・・」
〈ああ、お疲れ様、だけどまだ異変は終わってねえぞ〉
「分かってる、だから人里に戻らないとな・・・・ああ、あの子をそのままにしといちゃ、やっぱ駄目だよな」
僕は目を回して倒れている、八咫烏の少女を担いで、人里を目指して飛んで行く
〈やっぱり、相棒はお人好しだな、殺されかけた相手なのによ〉
ん?普通だろ?
〈それを普通だと思ってるのが・・・・まあ、いいや〉
・・・・何が言いたいんだ?
〈気にすんなよ、たいして重要じゃねえ〉
・・・・ああ、疲れた、流石に倒れそうだ
ーーーーーーーーーーーーーーー
「おーい、アリス〜」
私を呼ぶ声
「あら、真言、どうしたの?」
「この子の治療を頼む」
と言って真言は私に地底の地霊殿のさとり妖怪のペットの烏ーーー霊烏路空を渡す
・・・・確か、この妖怪も失踪していた妖怪の一匹よね
目を覚ましたら襲ってきたりしないわよね・・・・
と私が考え事をしていると、ドサッ、という音と共に地面に倒れ込む真言ーーーちょ、あんたの方が治療が必要なんじゃない!?
ーーーーーーーーーーーーーー
時間は戻りに戻って、真言が空を連れて霧の湖に向かった直後の人里上空
ーーーーーーーーーーーーーー
さてさて、面白くなってきた、面白くなってきた!
どうも、皆、お久しぶり!封獣ぬえだよ!
で、今は金と黒が混ざったショートヘアーの毘沙門天代理ーーー寅丸星と我等が、命蓮寺の超人僧侶ーーー聖白蓮の対決が始まろうとしています!!
いやー、どうも、実況の封獣ぬえです!!
今はお互い相手の出方を見ているといった感じでしょうか、お互い一歩も動かず、相手を観察しています
おーっと、最初に動いたのは以外にも聖選手だー!身体の向きは変えず、真横にステップして、弾幕をーーー「聖ー!聖ー!」
おや?誰かが聖に話しかけているぞ?
あれは、ナズーリン!?
「おお、ナズーリンどうしたのですか?ここは、危険です!」
「・・・・聖、ご主人の相手は私に任せて貰えないだろうか?」
えっ!?ナズーリン何言ってんの!?
「しかし・・・・悪いですが、貴女の
戦闘能力では、星の相手にならないと思いますけど・・・・」
「それは分かってる、だけど、私には策がある」
「ですが・・・・」
「後、もう一つ理由がある、もし、聖がご主人と戦うとすると、人里の上空を守る人手が足りなくなるのだ」
「確かに・・・・」
「だから、任せて貰えないだろうか?」
「・・・・分かりました、では、お願いします」
おおっとー!では、対戦カードが変わりましたー!聖VS星からナズーリンVS星の主従対決に変わりましたー!
圧倒的に星が有利な対決に見えますが、ナズーリンの言う『策』というのも気になります、その内容がこの対決のキーポイントになるのは確実でしょう!!
「おい、ぬえ、封獣ぬえ」
おっと、ナズーリン選手が誰かを呼んでいます!一体誰を・・・・え!?私!?
「そこにいるのは分かっているぞ、ぬえ」
ええー!!まさかナズーリン、私の正体不明を見破る道具でも見つけちゃったの!?
「私はいぬえ」
「いるじゃないか」
「どうして、私がここにいることが分かるんだよぉ」
私は能力を解除して姿を現す
「村紗に聞いた」
「・・・・まさか」
「お前が聖に悪口を言ったことも知っているぞ」
「や、やめてぇええええええええええええ、聖にバラすのだけはやめてぇえええええええ、聖にバラバラにされるぅううううううううう、なんでもするからぁあああああああああ、それだけはぁあああああああああああ!!!」
私は涙を流しながら、ナズーリンに縋り付くーーーまだ、まだシニタクナーイ!!シニタクナーイ!!!
「なんでもすると言ったな」
「えっ!?」
「言ったな?」
「はい」
「なら、私の代わりにご主人様の相手をしてもらおう」
「ええーっ!!」
対戦カードは変わりに変わり、私VS星になった
「まさか、ナズーリン、さっきまで言ってた策ってまさか・・・・」
「御察しの通り、君に全て押し付けることだよ」
「なぁぁぁぁぁずぅぅぅぅぅりぃぃぃぃぃぃん!!貴様!!!図ったな!!!!」
はっはっはっはっと笑いながら人里へ降りていくナズーリン、そして残された私と殺る気満々の毘沙門天・・・・はぁ、やるしかないか
私は星に向かって突進して行くのだった
続きは私より正体不明だね!