では第二十四話、よろしくお願いしますー!
私ーーー聖白蓮は、暴走した舟幽霊の村紗水蜜を止めるため人里上空で彼女と対峙していた
彼女の放つ弾幕を躱し、彼女に必死に話し掛ける
「村紗!村紗!私です!聖です!!私のことが分からないのですか!?」
日下部さんには力づくでも止めるとは言ったものの、私は村紗に未だ攻撃することが出来ずにいたーーーーー身内にも良く言われますが、私は本当に甘過ぎる・・・・
「うわぁあああああああああああ!止めてぇえええええええええええ!!」
で、日下部さんは鶏が首を締められたような声を出して物凄い勢いで入道雲の雲山とそれを操る女性ーーー雲居一輪に体当たりをした
・・・・痛そうですね、それにしても日下部さん、本人に言われたらお怒りになるかもしれませんが、彼の実力は人間というより最早、妖怪寄りですよ・・・・
でも、彼が言ってくれた言葉ーーー「僕は、妖怪嫌いじゃないですから」はありがたかった、人間全員からその言葉を言われるのが私の夢であり、理想だから・・・・
『湊符【ファントムシップハーバー】』
私には通常弾幕は通じないことが分かったのか、村紗はスペルカードを発動させる
私に大量の錨が襲いかかる
・・・・これを全て躱すことは私の機動力では不可能ですね
私もスペルカードを発動しようとしたーーー「『魔法【紫雲のオー・・・・」
しかし、私の脳内に傷付く彼女の姿のイメージが浮かんだーーー私はスペルカードを発動するのを止めた
・・・・私には、彼女を傷付ける事はーーーーー出来ない・・・・
私はもう躱すことすらやめた
・・・・私を封印から出してくれた恩人の一人の手で死ねるのならそれで、私は満足です・・・・
けど、せめて最後に村紗の声だけでも聞きたかったな・・・・
「聖ー、聖ー」
そんな私の願いが届いたのか私の耳に村紗の声が聞こえた、ああ、幻聴でも構わない、この愛らしい声が聞けただけでーーー私は・・・・
「やーい、やーい、聖の年増ー、BBAー」
「『魔法【紫雲のオーメン】』!!!」
私は即座にスペルカードを発動させる
ぶつかり合う村紗の錨と私の魔法ーーーーーそれは、お互いのスペルカードの制限時間が終わる迄続いた
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ、村紗ぁああああああああああああああああ!!!」
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どうも!正体不明の妖怪、封獣ぬえだよ!
なんで暴走してないのか?正体不明だからよ!!文句ある!?
ちなみに、私は私の『【正体を判らなくする】程度の能力』を使っているので、聖と村紗に私の姿は見えていません、まる
さて、皆さんにさっき起こったことを話すわ
聖に村紗の声真似してBBAって言ったら聖がキレた
『超人【聖白蓮】!!!』
・・・・あ、村紗死んだかも
超高速で移動する聖、あれ?いつもより速くない?下手すれば幻想郷最速の烏天狗くらい速いんじゃない!?
・・・・ゴメン、村紗、そしてもう聖を怒らせるようなことはやめよう
村紗は必死に通常弾幕を放つけれど超高速の聖には擦りもしない
通常弾幕は全く聖に通用しないことに気付いたのか村紗はスペルカードを懐から取り出す
「あら〜小細工はいけませんよ〜」
それに対して聖は村紗に一瞬で接近し、村紗の腕ごとスペルカードを握り潰した
「ゴキリ」という鈍い音と共に潰れる村紗の腕、これ腕の骨が粉みたいになってるんじゃないの・・・・う、うわぁ~聖やり過ぎ・・・・
あ、あれ!?村紗泣いてる!?まさかさっきの腕潰しで意識戻ったの!?
「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
しかし、聖は容赦をしない
右ストレート、左フック、右ボディ、左アッパー・・・・次々繰り出される聖のラッシュ
こ、このままじゃ村紗が死んじゃう!?
そう思った私は村紗に向かって突進して、村紗に体当たりをする
そして、地面に向かって墜ちていく村紗
こうすれば、村紗は聖の攻撃にやられて撃墜されたように聖には見えるだろう、実際は聖のラッシュから気絶しただけじゃ抜け出すのは不可能だろうけど
私が村紗に体当たりした直後、
聖の拳が爆発した、そう、文字通り『爆発した』
・・・・・・・・・・・・えええええええええええええええええええええええええええええ!!!
爆風で吹っ飛ばされる私・・・・直撃してたら死んでたよ、冗談抜きで
後で紅魔館の門番に聞いた話だけど、超高速で放たれた拳は空気との摩擦で発火し爆発するらしい・・・・もう、聖をからかうのはやめよう・・・・・・・・塵にされる
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「うふふふふふふふ・・・・・・・・あら?」
私が気がつくとボロボロの村紗が墜ちていく姿が見えた
「危ない!!」
私は即座に村紗の元に飛んでいき、彼女を抱きかかえた
「ひ、酷い一体誰がこんな事を!?」
暴走した妖怪達にやられたのかしら?確かに村紗の格好は人間に似ているから・・・・まあ、考えても仕方ないわね
「鈴仙さーん、鈴仙さーん」
私は村紗を抱えて人間を治療している鈴仙さんに話し掛ける
「なによ?聖って、わあ!!
む、村紗!?ボロボロじゃない!?」
「早く治療をお願いします!!」
私は頭を下げて村紗をベットに横にさせる
「分かったわ!ちょっと、人形遣い、慧音、人間達の治療は任せるわよ!」
「一体、どうしたのよ?」
人形遣いのアリスさんと人里の守護者の慧音さんが駆けつけてくる
「急患よ!人間じゃないけど!」
「うわ、確かにこれは酷い怪我だ、一体誰にやられたんだ?」
「すいません、私が目を逸らしてる間に・・・・」
「・・・・そうか」
「では、私は妖怪の迎撃に戻りますので」
「ああ、頼むよ」
今も、上空で日下部さんは戦っている
妖怪を嫌いじゃないって言ってくれた彼の手伝いをしなければならない
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いぇい!皆さんこんにちは!楽園の素敵な巫女の博麗霊夢です☆
私は今、なんと!守矢神社にいます!同じ巫女のミラクル☆さなえちゃんと一緒に先程起こった地震と妖怪達に起こった異変についての究明をしています!!
・・・・ちょっと早苗?こうすれば人気がでるって本当?信じられないんだけど
・・・・ちょっと諏訪子!何笑ってんのよ!
はあ、やっぱ、やめるわ
慣れないことはしないに限るわね
肩が凝るわ
「で、さっきの話の続きだけれど」
「なんの話だったっけ?」
諏訪子は本当にさっきまでの話を忘れたかのような態度をとる・・・・巫山戯た神ね
「まったく、諏訪子様ったら~」
「えへへ、ごめん早苗~」
早苗は神に甘過ぎるのよ!!だからこういう駄神が幻想郷に溢れかえるのよ!!
「だから、今起こってる異変の話よ!!」
私は二人を怒鳴りつける
「あーうー、でも霊夢はお得意の勘でもう犯人は分かってるんじゃないの?」
「え!?霊夢さん犯人分かっちゃってるんですか!?」
はあ、無駄に目敏い神ね、あんただって分かってるでしょうに
・・・・はあ、めんどくさいわね、私は謎を解くより、武力行使で無理矢理解決する方が得意なのよ
私は溜息を吐き、早苗に私の導き出した答えを説明する
「えっとね、まず、犯人は人間よ、で能力持ち、まあ詳しい名前はわかんないけど『【妖怪を操る】程度の能力』みたいな能力よ、きっと」
「なるほど、ですがどうして人間だと分かるのですか?そういう能力を持った妖怪の可能性もあるんじゃないですか?」
早苗が私の説明に反論してくる・・・・はあ、めんどくさいわね
「根拠は、異変が本格的に発生したのに姿を表す気配が一切しないことよ」
「え?」
「つまり、犯人が妖怪なら『私がやりましたー!』って言ってドヤ顔するでしょ?それが無いってことは人間が犯人よ」
「あと、妖怪が妖怪を操る能力って矛盾してるしね~」
駄神が私の説明に後付けをする・・・・分かってるならあんたが説明しなさいよ
「で、妖怪達が失踪したのは、その人間が紫を操っているからよ」
「しかし、紫さん程の実力者がそんな簡単に操られたりしますかね?」
「仲が良かったんじゃない?紫と、だから紫も油断して操られてしまった」
ふぅと息を吐く
「けれど、紫だってただで操られたわけじゃなかったわ
前、外来人の持ってたジャムを舐めた時、紫の術を感じたわ、おそらく、自分の術を無効にする術と異変の元凶の能力を無効にする術ね」
「なら、その外来人のジャムを全ての妖怪に舐めさせれば異変解決じゃないですか!?」
・・・・はあ、早苗あんたね
「早苗・・・・」
「な、なんですか?諏訪子様?そんな呆れたような顔で私を見て」
駄神も流石に呆れているみたいね
「だから、早苗、あんたは一体この幻想郷に何人いると思ってるの・・・・全部にジャムを舐めさせてたらその間に人里どころか幻想郷が滅んでしまうわよ」
「確かにそうですね・・・・名案だと思ったんですが」
私は小声で諏訪子に耳打ちする
「あんた、ちゃんと早苗を教育してるの?」
「してるよ~でもあれが早苗だし、早苗の良さでもあるからさ~」
「??どうしたんですか?お二人とも?ナイショの話ですか、ずるいです!私も仲間に入れてくださいよぉ!」
「あーうー、私、もうちょっと早苗に成長して欲しいなと思ったよ」
「同感ね、私もよ」
「??」
「さて、そろそろ人里に向かいましょうか」
私は立ち上がって言う
「霊夢さん、身体は大丈夫なんですか?」
「本調子には程遠いけど、まあ、大丈夫よ、時間も迫ってるしね」
「何の時間ですか?」
「恐らく、強力な妖怪・・・・失踪した妖怪達が人里を襲い始めるわ」
「あーうー、それは穏やかじゃないね」
「では、諏訪子様いってきます」
「留守番は任せてよ~」
「ほら、早苗、行くわよ」
「ああ、ちょ、ちょっと、霊夢さん!待ってくださいよぉ~!」
私と早苗は人里目指して飛び立って行った
ーーーーーーーーーーーーーーー
「はっ!一体私はどれくらい寝ていたんだ!?」
私ーーー霧雨魔理沙は目を覚ました
・・・・ああ、私は半日くらい寝ていたみたいだな、もう外が真っ暗だぜ
「ああ、魔理沙、目を覚ましたのね」
人間の治療を終えた鈴仙が私に駆け寄ってくる
「おお、鈴仙、人里は大丈夫なのぜ?」
「ええ、聖と真言さんが妖怪を迎撃してくれたおかげで今は一応、落ち着いているわ」
「そうか、なら安心だな」
私がそう言った直後、
人里が炎に包まれた
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『爆符【メガフレア】』
僕、日下部真言が妖怪達を迎撃していると、不意に聞こえるスペルカード宣言、そして、白のブラウスに緑のスカートを着て黒い烏の翼を持った少女の右腕の筒から巨大な炎の弾幕が放たれる
そして、その弾幕が人里を襲い、人里は炎に包まれた
・・・・僕はその弾幕を前に何も出来なかった
〈相棒!腑抜けてる場合じゃねえぞ!〉
でも・・・・
〈こうしてる間にも燃え広がっちまうぞ!〉
「ちっくしょぉおおおおおおおおお!」
僕は叫ぶ、僕の能力じゃ炎を消すことは出来ない・・・・
誰でもいい、神でも仏でも悪魔でも、頼む!!炎を消してくれ!!!
すると、人里に水が降り注いだ
「はい!貴方のその願いを神は聞き届けました、風祝だけどね☆
どうも、東風谷早苗です!」
・・・・なんだかおちゃらけた神様が現れた
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「うわぁ!霊夢さん霊夢さん!人里が燃えてますよ!!」
「そうね」
「やばいですよ!やばいですよ!」
「そうね」
「・・・・霊夢さん、本当にやばいと思ってますか?」
「そうね」
「霊夢さん!めんどくさがってないでちゃんと私の話を聞いてくださいよ!!」
「だったら、あんたがやりなさいよ」
「ぅう~分かりました、東風谷早苗、頑張ってきます!!」
『開海【モーゼの奇跡】』
うにゅううう、続くよー