東方言葉録   作:ワロリッシュたん

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・・・・眠い

では、第二十三話、よろしくお願いします!


第二十三話、入道の兄貴の拳でヒイヒイ言わされるお話

よお、久しぶりだな私だぜ

最近は、主人公が主人公しちまってるから私の立ち位置が危ないと思い始めている霧雨魔理沙だぜ

 

私は今人里にいる

ナズーリンに地底というヒントを貰ったので、地底に向かおうと思った矢先、地震が起きた

地震が止まったと思ったら、いきなり妖怪の軍勢が人里を襲ってきたので、私は今人里で立ち往生している状態だ

 

・・・・正直、ジリ貧だぜ

地震が起こる前の人里救出ミッションの時に暴れていた妖怪達よりも、今暴れている妖怪達の方が質も量も段違いだ、バリケードはもう既に壊された

 

私や妹紅や咲夜が全力で迎撃しているが、全ての妖怪を止めることは出来ず、結構な数を人里に侵入させてしまっている、だから怪我人が増えている、鈴仙と慧音が治療に当たっているが、間にあっていない

 

「くそ!迎撃するにしても、治療するにしても人手が足りてねえ!!」

「おお、魔理沙が弱音を吐くなんてな!珍しいこともあるもんだ!」

妹紅が茶化してくる、そう言うお前も必死じゃねえか、顔が笑ってないぜ?

「けれど、魔理沙の言う通り人手が足りないのは事実ね」

何も無かったところからメイドが現れる

・・・・正直、びっくりした

「さ、咲夜かよ、いきなり現れるんじゃねえぜ!びっくりしただろ!」

「あら、ごめんなさいね」

謝罪に心が籠ってないぜ・・・・まあ、何時ものことだから気にしないけどよ

「って、そうだよ!咲夜!お前の能力で一気に迎撃出来ないか?」

「無理ね、私の『【時を操る】程度の能力』も万能ではないのよ」

「まあ、だろうと思ったぜ」

私はあからさまにガッカリしてみせる

おうおう、咲夜が地味に怒ってる怒ってる、表情には出さないけど雰囲気で怒ってるのが伝わってくるぜ

・・・・さっき驚かされた仕返しだぜ、いっひっひ

 

おっと、巫山戯てる場合じゃなかったぜ!

くそ!倒しても倒しても湧いてきやがる!

せめて、結界を張れる奴がいればいいのになーーーでも霊夢は怪我しちまってる、紫は敵だしな・・・・結界は期待出来ないだろうな・・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あやや、不味いですね・・・・」

私、射命丸文は人里を目指して幻想郷の空を飛んでいた

 

先程の地震が起こり、それが治まった直後、幻想郷中の妖怪が一斉に人里を襲い始めていた

 

私も暴れそうになったのですが、霊夢さんの鉄拳制裁とお札でなんとか事なきを得ました

・・・・うう、まだ霊夢さんの鉄拳で出来たたんこぶが痛みますよぉ〜もう少しで人里に甚大な被害をもたらすところでしたから、無理矢理止めて下さったのを責めはしませんが

 

 

でも!もっと優しく止めてくれても良かったんじゃ無いんですかね!!

 

 

 

さて、人里も近づいて来ましたね、この私、幻想郷最速の射命丸文にしてみれば、人里まであっという間ですよ!あっという間!!

・・・・しかし、人里の状態は中々に酷いですね

 

人里の中には妖怪が入り込み、人々を襲い、家屋を壊している

「まあ、唯一の救いは失踪している強力な妖怪がまだ来てないことですかね・・・・」

そう、今人里を襲っているのは妖精や精々人食い妖怪程度の実力しか持たない妖怪のみ、だから人里にはまだ致命的な被害はでていない

 

・・・・だけど、放置していていい問題ではないですよね

 

「では、私も参戦致しましょうか!!」

私は高らかにスペルカードを宣言する

 

『【幻想風靡】!!!』

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私、霧雨魔理沙が妖怪達を迎撃していると、不意に一陣の風が人里に吹いた

この風は、射命丸か!!

 

射命丸は超高速で移動しながら妖怪達に弾幕をばら撒いていく!これは有難い援軍だぜ!!

 

「どうも!清く正しい射命丸です!超、超、超、超、超強力な援軍の登場ですよ!!魔理沙さん!!」

・・・・ウザいけどな

「誰がウザいですって!?」

「おっと、口に出してたか!?」

「って、本当にそう思ってたんですか!?」

「っ、射命丸お前!鎌をかけやがったな!?」

「鎌なんてかけてませんよ!!魔理沙さん、貴女は確かに口には出していませんでしたけどねぇ、顔に顔に出てたんですよ!!!」

・・・・全くカーカーとやかましい烏天狗だぜ

「・・・・やかましいとか思ってますよね、また顔に出ていますよ!!」

「おっ、正解だぜ、凄いなお前、超能力か?」

「魔理沙さんがわかりやすすぎるだけですよぉおおおおおおおっ!!!」

「はいはい、それくらいで辞めにしなさい、魔理沙も文も」

咲夜が私達を止める

「まあ、そうだなまだまだ妖怪達は湧いてきやがるからな」

 

 

射命丸が参戦してから数十分後、私の身体に異常が起こった

「これ、一体何時になったら打ち止めになるんですかねぇー?」

「せめて、もう少し人手があればいいんだけど・・・・おっとっと」

私は倒れそうになって、ふらついた

「ちょっ、魔理沙さん!?ふらついてますよ!?大丈夫ですか!?」

「・・・・大丈夫だぜ」

「魔理沙は少し休んだ方がいいわね、魔理沙、貴女は人里の警備で寝てないのでしょう?」

「けど、魔理沙が抜けるのは戦力的に不味いぞ」

人里の逆側で妖怪を迎撃していた妹紅が言う

「妹紅さん・・・・」

「情けないが、私や咲夜も消耗している・・・・

だから、ここで魔理沙が抜けるのは厳しい」

「くそっ!せめて、せめてもう一人!戦力があれば!」

 

「よう、魔理沙!呼んだか!?」

そこには、久しぶりに会う人間がいた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

時は少し戻り、幻想郷上空ーーー

僕、日下部真言は全速力で人里に向かっていた

 

人里が見えるようになるほど近づいてきた時、相棒が話しかけてきた

 

〈おっと、相棒、もうすぐ人里に着くがどうする?〉

どうするって?

〈今、人里の四方から妖怪達が攻めてきてる、それをどうやって迎撃するかって話だよ〉

どうやってって、そりゃ、お前のあの七つのなんとかスペカで・・・・

〈七つの大罪スペカな、ああ、言ってなかったっけか・・・・あれ全部近距離戦用なんだよ〉

え、マジ!?

〈マジマジ〉

使えないじゃん!?

〈だから聞いたんだよ、どうすんのって〉

・・・・どうしよう?

〈はあ、新しくスペカ作ればいいだろ?あんなに映姫様から貰ったんだからよ〉

おお、そうか!

僕は懐から白紙のスペルカードの束を取り出した

映姫様が「能力が変わり、今までのスペルカードは使えなくなるでしょうから」って言ってくれたんだ

 

〈・・・・相棒はどっか抜けてるよな、まあそれが良さなんだろうけどさ〉

うっせ、で、どんなスペカにしようか?

〈それくらい自分で考えろよ〉

僕は腰抜けだから(ヾノ・ω・`)ムリムリ

〈おい!まだ俺が腰抜けって言った事根に持ってやがんのか!?〉

つーん

〈はいはい!わかったよ!じゃあ、こんなんでとうだ?〉

おお!いいね!採用!

〈俺がどんな意見出しても採用したんだろ、どうせ・・・・〉

 

「よっしゃ!行くぜぇ!『暴力【圧倒的な力による地殻変動】』!!!」

僕は人里に着くと即座にスペカを発動させた

 

僕が自分の拳を地面に叩きつける

すると、人里の四方の地面が隆起し、人里を周囲をぐるっと覆う巨大な土の壁が出来上がった(進○の巨人をイメージして頂ければ)

・・・・ふぅ、これで飛べない妖怪は人里に入って来れないな

 

「よぉ、真言、久しぶりだなっとっとと」

魔理沙が話しかけてきた、おいおい、ふらついてるぞ

「おっと、魔理沙、大丈夫か?」

僕は慌てて魔理沙を抱きかかえる

「わ、わりいな真言・・・・」

「良いってことよ、待たせて悪かったな」

〈流石!相棒!素で女性に優しい!この天然ジゴロが!キマシタワー〉

黙れ、相棒、茶化すな

「なんかお前、変わったな」

魔理沙が言う

「頼もしくなったぜ」

「ああ、もう逃げるのはやめたんだ」

「・・・・そうか、じゃあ、後は任せたぜ・・・・」

そう言うと、身体を僕に預けて目を閉じる魔理沙

「お、おい!魔理沙!?・・・・なんだ寝てるだけか」

すー、すー、と寝息が聞こえてくる

 

「魔理沙は私が預かるわ」

「うおっとおっ!?」

突然、メイドさんが現れた!?

幻想郷のメイドさんは瞬間移動が出来るのか!?

 

〈いや、相棒あれは違う、瞬間移動じゃなくて時間停止だ〉

へ〜そんな便利な能力もあるのか〜

〈お前の能力も相当だがな〉

お前と俺のだろ?

〈ああ〉

 

相棒とコントをしてる間にも会話は進んでいく

「私の名前は十六夜咲夜、お嬢様のメイドです」

「僕は日下部真言、人間です」

お嬢様のメイド・・・・?

凄い疑問が湧いてくるフレーズだけど、有無を言わせない様子なので突っ込まないでおく

 

すると

「真言ー!ちょっとあんた早過ぎるのよ!」

「真言殿と、咲夜殿ですか」

二人が飛んできた

「よぉ、アリスに妖夢さん」

「よぉ、じゃないわよ!なに勝手に突っ走っていっちゃって!」

「悪かった、人里を救うために仕方なかったんだ」

言い終わると、

「おいおい、人間、まだ人里は救えてないぞ?」

白髪で掌に炎を纏った女性が話しかけてくる

「私は藤原妹紅、妹紅でいい、よろしくな」

「僕は日下部真言、よろしく」

握手をする、も、妹紅姐さん・・・・その掌に炎を纏いながら握手ですか!?ーーーあれ?熱くない・・・・なんだこの炎は・・・・?

 

〈それは恐らく妖怪にしか効かない炎だな、陰陽術ってやつだ〉

・・・・なるほど、彼女は陰陽師なのですな

〈まあ、そういうことだろう〉

 

「さてと、射命丸だけに任せるのも可哀想だしな、真言が作ってくれた壁のお陰で一息つけそうだ、人手も増えたしな」

「とりあえず、壁の中にいる妖怪達を全滅させればいいのですね」

妖夢さんが二刀を抜き放つ

「私は人間の治療をするわ、行くわよ!上海!蓬莱!」

「シャンハーイ」「ホラーイ」

アリスと人形達は人間の治療を始める

「じゃあ、僕は空から攻めてくる妖怪を迎撃するよ」

「ああ、任せた」

 

会話を終えると僕は空を飛び、壁に着地した

 

 

その瞬間、僕の頬を雲の拳が掠めた

「っあっぶねえ!?」

拳が飛んできた方向をみるとそこには、雲のおっさんと尼さんがいた

 

〈あれは雲は雲でも入道雲の妖怪だな〉

大入道の仲間みたいなもんか

〈まあ、そんなもんでいいだろ、相手の正体なんてどうでもいい、やる事は一つだろ?〉

ああ、そうだな・・・・

 

「ぶちのめす!!!」

そう叫び拳を握りふりかぶる僕ーーーー

「ちょっと待ってください!!」

を止める女性の声

「ふぇっ?」

僕の拳は思いっきり空振りした・・・・恥ずかしい・・・・

「これは、私達の問題です!貴方の手を借りるわけにはいきません!」

僕を止めた女性ーーー金髪に紫のグラデーションの入ったウェーブヘアーの女性が言う

・・・・こういうときは、とりあえずーーーー挨拶しとくか

 

「えっと、僕は日下部真言といいます、貴女は?」

「私は聖白蓮、人里近くの命蓮寺で僧侶をしています」

ああ、僧侶さんだったか、だから争いは好まない感じなんだろうな、それなら僕を止めた理由には納得がいくなあ

 

〈ククク、年上のお姉さん相手に敬語になっちゃう相棒・・・・こんな意外な弱点があったとは〉

そんなことねえよ!ただ、敬語を使わなきゃいけないような雰囲気を出してんだよ、あの人は!

〈そういうことにしとこうかねー〉

そういうことなんだよ!!!

 

相棒の所為で話が逸れた・・・・戻そう

「ですが、白蓮さん!あの尼さんと入道雲は正気を失っています!ですから一旦大人しくさせる必要があると思いますけど・・・・」

「それは分かっています、ですからーーーー私が力で無理矢理止めます」

流石!幻想郷!僧侶さんも普通じゃなかったよ!!

 

僕が呆れて固まっていると

『転覆【沈没アンカー】』

〈ちっ!相棒!避けろ!!〉

 

相棒の声で、動き出す、けれど

僕を襲う巨大すぎる錨

・・・・くそっ!これは避けられない!?

ならーーーおい、相棒!消すやつ頼む!

〈消すやつって・・・・分かったよ〉

相棒がそう言うと、僕の手元にスペカが現れる

『拒絶【分かり合えない思い】』

僕はすぐさま右手で錨を殴りつける、すると錨はスペカの効果で消えた

 

僕が錨を消した後、白蓮さんが悲しげな声をあげる

「村紗!?貴女まで!?」

ムラサと呼ばれた僕に巨大な錨を放ってきた短髪のセーラー服の少女と尼さんと入道は白蓮さんの知り合いらしいな

 

「白蓮さん、僕が尼さんと入道の相手をしますから、貴女はムラサ・・?ちゃんの相手をお願いします」

僕は提案する

「ですから!貴方の手を借りるわけには!しかも人間の貴方に、このままでは、人間の妖怪に対する印象が悪くなってしまいます!」

ああ、なるほど、この人は人間と妖怪の共存を目指しているんだな・・・・

「だったら、尚更です!このままこの人達に人里を襲われたら人々と妖怪達との溝はもっと深くなります!!ーーーおっと」

迫り来る雲の拳を躱す、人が話してんのに邪魔すんなよ!

「そしてなにより、僕、妖怪嫌いじゃないですから」

そう言うと、僕は僕を狙う雲の拳に自分の拳を合わせる

拮抗する二つの力ーーーへえ、この入道中々できるじゃないか

僕はより力を込めて入道の拳を弾き返す

 

〈ほう、あの入道パンチ力だけなら相棒と渡り合えるくらいあるな、だけど、それだけだーーー何も驚異じゃない〉

いやいや、驚異ですよ!?

〈じゃあ、このスペカを使いな、強化系のスペカだ〉

相棒がそう言うと、僕の手元にスペカが現れる

おっ、この黒いスペカは・・・・七つの大宝スペカじゃないか!?

〈七つの大罪だよ・・・・良い加減覚えてくれ、スペカが可哀想だ〉

ごめんね、てへぺろ☆

 

早速、使うよ!

『傲慢【力有る故に生まれる思い上がり】』

スペカを発動した瞬間、僕の右拳に紫色の炎が灯った

相棒、この炎は一体?

〈これは傲慢・・・・この炎が灯った身体の部分が強化されるスペルカードだ〉

確かに、心なしか右手が軽い気がする・・・・

 

僕が右手をグーパーグーパーして感触を確認していると

容赦無い雲の拳が僕を襲った

突然の出来事だったので力をしっかり込めることが出来ないまま奴の拳に自分の拳を合わせてしまった

くぅ、条件反射って怖い・・・・

僕と入道の二つの拳がぶつかった瞬間ーーーーー拳が砕けたーーーーー砕けたのは入道の方の拳だった

 

あ、ああ、相棒!?これ凄過ぎだろ!?

〈炎が灯ってる場所、つまり、一箇所しか強化出来ないのが欠点だな〉

欠点込みでも十分強すぎる性能だよ!!

〈っ、おい!相棒見ろ!〉

なんだよ、ってあれ!?

 

砕けて霧散した入道の拳は周りの雲を集めて再構築されていた

 

「うおい!それズルくね!?」

思わず声に出してしまった

〈まあ、雲の妖怪だから予想はしてたけどな〉

ど、どどど、どうしよう

〈見るからに、あの女が入道を操ってると思うな〉

・・・・つまり、あの尼さんを倒せば入道も止まるってこと?

〈That's right〉

よーーし、じゃあ脚力強化で一気に距離を詰めるぜ!

〈あ、ちょっ、待て!!〉

相棒の静止を無視して僕は右脚を紫の炎で強化し、思いっきり地面を蹴って距離を詰める!

うおっ!凄いスピードだ!いいね!最高!!

良い感じに距離が詰められたぞ!よし、ストップ!・・・・勢いが強過ぎて止まらねえぇえええええええええええええええええええええええええええ!!

〈あーあ、言わんこっちゃない〉

「誰か止めてぇえええええええええええええええええええ!!」

すると、入道は両手を前に出した

「あ!入道さん!!受け止めてくれるんですか!!!」

僕はそのまま入道の両手をーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー突き抜けて尼さんにタックルをきめた

 

僕のタックルを食らった尼さんは一発K.O.

入道も動きが止まり、この勝負は僕の勝ちという結果に終わったーーーまあ、結果オーライでしょ!!

 

後で聞いた話だけど、尼さんにタックルした時僕は光の矢になっていたらしい

凄過ぎだろ、身体強化

 

 

さあ!続くぞ!アンカーを寄越せ!

 


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