東方言葉録   作:ワロリッシュたん

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この話から、投稿スピードが遅くなります
理由はここから先、弾幕ごっこの連戦なので、一話一話が長くなるからです
では、第二十二話、よろしくお願いします


精霊異変
第二十二話、第二侵蝕


時間は少し戻り、三途の川

 

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「さあ、彼岸へ行きたいんならあたいを倒してからにしな!」

小町が鎌の刃の部分を私達に見せて言う

・・・・はあ、まったくめんどくさい死神ね

「では、魂魄妖夢・・・・参ります!」

挑発に乗った妖夢が小町に向かって駆け出そうとするーーー

のを私は妖夢の服を掴んで止めた

「ちょっと落ち着きなさい」

「どうして止めるのですか!?アリス殿!?」

「戦うメリットが無いのよ!戦って勝ったとしましょう、その後に三途の川を越えるのよ?一体時間は幾ら掛かると思っているの!?その頃には、彼岸で起こってる事は全て終わっているわよ!」

「た、確かに・・・・」

「だから、私達は信じて待ちましょう、ね?」

「わ、分かりました」

妖夢が物分りの良い子で助かったわ

 

「ところで、小町」

「なんだい?」

「どうして四季映姫は只の人間である真言を彼岸へ連れて来るように貴女に命じたのかしら?」

私はずっと頭に引っ掛っている疑問を小町に尋ねる

「あの人間に異変を解決させるためだって四季様は言ってたよ」

「異変を解決させるため・・・・」

「どうして只の人間の真言殿なんかに?」

今度は妖夢が質問をする

「あたいも詳しくは知らないけど、あの人間の本当の能力がどうとか四季様は言ってたね」

「・・・・やっぱり」

私は呟く

「何がやっぱりなんですか?アリス殿?」

「風見幽香の時の事を覚えているかしら?」

「ええ、真言殿が風見殿を能力で拘束したことですよね」

「そうよ」

「風見幽香って例のフラワーマスターだろ?うへぇー、あの人間凄いねぇー」

「で、風見幽香を拘束した時発揮した力こそが真言の本来の力だとしたら?」

「っ!?それは・・・・」

「そう、真言には霊夢や魔理沙と同レベルくらいの力は最低限あるってことよ」

「確かにそれくらいの力がありゃー、異変を解決するための戦力になるわなー」

「ですが、そんな力は必要なのでしょうか?」

妖夢が言う

「どういうこと?」

「妖怪が失踪するという異変なのですから失踪した妖怪達を見つけたら、

それで解決ではないですか、ならば正直、戦力は必要無いと思うのですが・・・・」

確かに妖夢の言うことも一理ある、八雲紫を見つけたらそれで確かに解決してしまう異変だ

もし、八雲紫が暴れたとしても霊夢や魔理沙が止めれば良い話だし

「おや、あんたら知らないのかい?

異変はそれだけじゃないってことを・・・・」

小町が驚くべき事実を告げる

「なんですって!?」

「一体どういうことなのですか!?小町殿!?」

「だから、失踪だけが今回の異変じゃないんだよ

ついこの間のことなんだけど、人里周辺の妖怪が暴走して人里を襲うっていった事件が起こったんだよ」

「ひ、人里を!?」

「ああ、今回は暴走したのが人里周辺の妖怪だけだったから被害は少なくて済んだんだけどね・・・・」

「そう、良かった・・・・」

「でも、四季様はもっとヤバい事態を想定しているらしいよ」

「もっとヤバい事態って?」

 

すると小町は少し間を作ってハッキリと告げる

「幻想郷中の全ての妖怪が暴走するという事態だよ」

「なんですって!?」

「そんな!?」

「恐らく、暴走した妖怪達は皆人里を狙う・・・・人里の人間を根絶やしにするために」

「確かに・・・・それは最悪ね・・・・」

「そうだ、人間が根絶やしにされたら、人間達によって存在できている妖怪達は滅びる・・・・そして」

「「「幻想郷が滅びる」」」

私達がそう言った途端、世界が震えた

 

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場所は移り、彼岸

 

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「地震か!?」

「これは、第二侵蝕!?早過ぎる!?もう準備が終わったというのですか!?」

閻魔様が叫ぶ

「おい、閻魔様!?なんだよ第二侵蝕って!?」

僕は柱に掴まりながら閻魔様に尋ねる

「異変です!恐らく、この地震が終わると幻想郷中の全ての妖怪が暴走を始めます!!」

「なんだって!!」

「止めるにはもう、元凶を断つしかありません」

 

暫くすると地震は終わった、その代わりに閻魔様が急に頭を抱えて蹲った

「閻魔様、おい、大丈夫か!?」

「恐らく、妖怪達は…人間を、根絶やしにしようと…します、だから…

は、やく人里に、向かいなさい、っぁああああああああ!!」

「閻魔様!?」

「わ、私に構わず、早く!早、く行きなさい!!」

「わかった」

そう言うと僕は閻魔様に最後のジャムの小瓶を投げ渡した

「悪いな、ちょっとしか入ってないけど、多分足りるだろ?」

「ど、うして・・・・このジャムがあれば妖怪の暴走から救えるんですよ!?」

「俺が救いたい人の中には閻魔様も入ってるんだよ!

じゃ、行ってくるぜ」

「ほん、とうにお人好しですね・・・・後、私は閻魔様じゃなくて四季映姫ですよ」

「分かった!またな!映姫様!!」

「ええ、また会いましょう」

最後に映姫様と挨拶を交わし、僕は彼岸から出て行くのであった

 

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地震が起こった

あたいーーー小野塚小町は四季様から地震のことは聞いていたのであまり驚かなかったが、

「これは一体?」

「あわわわわわわ」

突然起こった事態、その情報を必死に得ようとしている人形遣いと慌てふためく半人の剣士

まるで真逆の態度をとる二人にあたいは笑いを堪えつつ、説明してやる

「こいつは異変だよ・・・・この地震が終わった後、今回の異変ーーー【精霊異変】は本当の意味で始まるのさ」

あたいがそう言った数秒後、地震は止まり、その代わりにあたいを激しい頭痛が襲った

 

いたたたたたぁっ!!!?な、なんだいこれはぁあああああっ!!!?想像以上だよ!!!?

あー、悪いねえ二人とも、あたいにはこれに抗える程の力量が無かったみたいだ・・・・

 

「人形遣いに魂魄の・・・・に、逃げろ・・・・あたいはもう、自分を抑えられない・・・・」

 

直後、あたいの身体は勝手に鎌で二人を襲い始めた

 

二人は逃げようとするが、あたいの能力ーーー『【距離を操る】程度の能力』で彼女達は逃げることは出来ない

 

やめろ!!やめてくれ!!!

 

 

あたいの鎌が人形遣いの首を跳ね飛ばそうとしたその刹那

 

 

 

「待たせたな」

その言葉を聞いた直後、あたいは意識を失った

 

・・・・後は任せたよ、日下部の

 

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三途の川を渡り切った僕の目に映ったのは死神にアリスが襲われてる光景だった

 

僕はアリスを助けるため、死神を気絶させた

よくアニメとかでやる、首をトンってやるやつで

まさか出来るとは思わなかったけど・・・・

 

〈あれくらい余裕だぜ、アニメなんて人間の想像だろ?人間の想像力程度楽勝で超えれるってーの!〉

おっ、相棒じゃないか!?久しぶり!

〈おう、相棒〉

大丈夫か?居心地悪くないか?

〈ああ、問題無いぜ〉

そうかそうか良かった良かった!

〈相棒、俺との会話は頭の片隅くらいに留めておいた方がいいぜ〉

どうして?

〈現実での会話についていけなくなるからだ〉

え?

 

相棒に言われて意識を現実に戻すと・・・・

「ねえ!聞いてるの!?」

「だ、大丈夫ですか?真言殿、あわわわわ」

怒っていらっしゃるアリスさんと慌てふためく妖夢さんがいらっしゃった

〈ほら言わんこっちゃない〉

 

 

「わ、悪い、ね、寝てた」

「はぁ?寝てたぁ!?」

「立ちながら寝るなんて、真言殿は器用ですね・・・・」

我ながら下手くそな言い訳だったと思う

 

 

 

アリスに説教され、落ち着いた後、

「で、閻魔のところで貴方は何をしてきたのかしら?」

アリスが聞いてくる

・・・・やっぱり聞かれると思った

「自分の罪と向き合ってた」

「そう、道理で雰囲気が変わったわけね」

「ああ、もう逃げるのはやめたんだ」

 

〈本当かぁ〜?〉

本当だよ!!

〈ああ、悪い悪い、ジョークだよジョーク、相棒のことは信用してるよ〉

・・・・悪い冗談だな

〈だから、すまなかったって!〉

 

 

 

「真言殿、これからどうするのですか?」

「そうね、貴方、四季映姫から何か聞いてるのでしょう?」

アリス、やたらと勘がいいな・・・・

「映姫様は人里へ向かえって言ってた

妖怪達は人間を狙ってるらしいから」

「そう、じゃあ行きましょうか」

「はい!行きましょう!」

「ああ、行こう!」

 

僕等三人は人里を目指して飛び立つのだった

 

続くよ!でも、あたいはサボらせてもらうけどね〜


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