東方言葉録   作:ワロリッシュたん

19 / 30
また魔理沙です、主人公の出番はいったい何時になるのか

では、十九話、よろしくお願い申し上げます。


第十九話、第一侵蝕

「はい、次の人連れてきて!」

どうも、鈴仙・優曇華院・イナバです

今は人里の人々の治療に当たっています

 

怪我をしていない人に治療を手伝ってもらいつつ、怪我人の治療をする

・・・・まさか妖怪の私が人間と協力するようになるとはね

 

それにしても、今日の妖怪達の様子は明らかにおかしい

まるで、私の『【狂気を操る】程度の能力』で狂わされたかのような様子だ

 

・・・・わ、私はやってないわよ!?

自分が黒幕なのに、その影響で怪我をした人間達の治療をするなんて非生産的でしょう?

 

で、今の人里の状態はというと

妹紅、慧音、魔理沙の活躍によって

人里内にいる妖怪はいなくなってきているし、

咲夜も河童にアドバイスをもらいつつ、着実にバリケードを完成させていっている

恐らく、バリケードは半日もしないうちに完成するだろう

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ、人里内の妖怪は殆ど片付けたな」

私ーーー霧雨魔理沙は帽子の中にミニ八卦炉をしまいつつ、妹紅と慧音に言う

 

「ああ、人里の方は私と妹紅だけで十分だ」

人里の『方は』?

「なんだ?

人里以外にも何か問題があるみたいな口振りだな?」

「命蓮寺だ、彼処は数多くの妖怪が住んでいる

そこの妖怪達が暴れだしたら問題だ」

「じゃあ、何故何もしないんだよ?」

・・・・命蓮寺か、

命蓮寺は人妖の共存を志す聖人ーーー聖白蓮の経営している寺だ

そこは、人間だけでなく妖怪からも信頼を得られているので

多くの妖怪が住み着いている

「それは、白蓮殿が

『命蓮寺の妖怪達は私が食い止めます、人間達に手出しはさせません』と言うものだから、な

実際、命蓮寺から妖怪は出てきていないから問題無いんだが

・・・・少し心配なんだ」

「確かに、心配だな」

ん?まさか、この流れは・・・・

「魔理沙、申し訳ないのだが命蓮寺まで行って様子を見てきてくれないか?」

・・・・なんという断りにくい雰囲気

 

「し、仕方ないのぜ」

つまり、私に逃げ場は何処にも無かったということさ

 

私は大人しく、命蓮寺に向かうのであった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私ーーー聖白蓮は焦っていた

ここ、命蓮寺には数多くの妖怪達が住んでいる

 

その妖怪達が今朝から一斉に苦しみだしたのだ

 

さらに、妖怪が人里を襲っているらしい

・・・・このままでは人間達の妖怪に対する印象が今以上に悪くなってしまう

それだけは避けたい、けれど・・・・

私はここ、命蓮寺を離れるわけにはいかなかった

 

何故なら、命蓮寺の妖怪達は今にも人里の人間達を襲いかからんとしているのだ

 

苦しんでいる妖怪達は皆

「に、にん…げん、人間を…」

「コロ…シテヤル…」

「ユル…サナイ…」

などと呟いていて、私が魔法で抑えなければ

人里は直ぐに人々の血で真っ赤に染まるでしょう

 

でも、このまま魔法で妖怪達の力を抑えているだけでは問題は一向に解決しません

 

と、私が考え事に気を散らしてしまった所為で

さっきまで頭を抱えて蹲っていたナズーリンが人里を目指して飛び出してしまいました

 

・・・・不味い、ナズーリンを止めなければ

と思い、私はナズーリンを攻撃しようとします

 

が、出来ませんでした

私にはナズーリンを傷つけることは出来なかったのです

これが私の甘さなのでしょうか

 

そして、命蓮寺の扉を開け・・・・

 

 

 

たのは、ナズーリンではありませんでした

 

扉を開いたのは白黒の魔法使いでした

「おっと、ナズーリン

どうした?穏やかじゃねえな

とりあえず、これ舐めとけ」

彼女は外に出ようとするナズーリンを押さえつけ、何かをナズーリンの口に入れました・・・・あれは、ジャム?

 

すると、ナズーリンの動きは止まり顔色も良くなりました

 

私が安心したのも束の間、

私が目を離した隙に最悪の事態が起こってしまいました

 

ナズーリン以外の妖怪達も目を覚まして

一斉に外に雪崩れ込んで行きました

「・・・・ああ、やってしまった」

私は崩れ落ちました

「おい、聖!追いかけるぞ!」

・・・・

「諦めてんじゃねえよ!聖!お前の理想はこの程度で折れちまうような陳腐なモンだったのかよ!?」

 

・・・・・・・・違う

そうだ、魔理沙の言う通りだまだ諦めるのは早い、早過ぎる!!

 

「私はまだ、諦めません!!」

「良い返事だ、行くぜ!!」

私と魔理沙は妖怪達を追いかけます

 

しかし、私達の予想とは裏腹に人里に被害はありませんでした

 

妖怪達は人里に辿り着く前に全員道中で気絶していました

 

「どうして?」

「理由はわかんないけどさ、まあ、結果オーライだぜ」

 

「聖ー!聖ー!」

私達が妖怪達を命蓮寺に戻そうとしていると

ナズーリンが私の名前を呼ぶ

「?ナズーリン?どうしたのですか?

体調は大丈夫なのですか?」

「体調の方は問題無いさ、すまない、魔理沙には迷惑をかけた」

「困った時はお互い様だぜ」

「そう言ってもらえると助かる

で、だ、二人とも聞いてくれ私は私の

『【探し物を探し当てる】程度の能力』で失踪したご主人の居場所に大体の当たりをつけることができた」

・・・・ナズーリン、貴女にとって星は『探し物』なのね、星、可哀想に

「で、一体何処なんだぜ?」

 

「『地底』さ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今の私の力ではこの程度で限界ね

まあ、第一侵蝕としては十分かしら

だけど、まだ足りない・・・・

力が、足りない・・・・」

 

続きます!いざ、南無三ー!

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。