東方言葉録   作:ワロリッシュたん

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引き続き視点は魔理沙です

どんどん主人公が空気に・・・・

では、よろしくお願いします。


第十六話、門番が寝ていない時点で嫌な予感はしていたんだよ

「で、どこにいくのよ?」

こんにちは、鈴仙・優曇華院・イナバです

私は今、魔理沙の後ろについて飛んでいます

・・・・まったく一体、どこに連れていかれるのかしら

「ああ、言ってなかったな、紅魔館だぜ

こういう時は、パチュリーに聞くのが一番なんだぜ」

・・・・紅魔館ねぇ、あの吸血鬼の館に一体何があるというのかしら?

 

私は、道中暇なので魔理沙に自分の感じている違和感について呟く

「でも、本当に八雲紫が犯人なのかしら?」

「じゃあ、違うって言うのかよ?」

魔理沙が食いついてくる

「失礼かもしれないけれど、

私には八雲紫が姫様を連れ去る理由も

連れ去ることで生じる利益も思いつかないわ」

「・・・・確かに、あのニートを連れ去るくらいなら、永琳を連れ去った方が現実的な気はするが」

そう、『師匠ではなく姫様が連れ去られた』

この事実に何か隠されている、そんな気がするのだ

わざと師匠を連れ去らなかった?

誰のために?

・・・・

 

「おい、着いたぞ!紅魔館だぜ!」

・・・・まあ、悩むより行動よね

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「紅魔館には誰も通しません!」

紅魔館の門番の中国娘ーーー紅美鈴が私達の前に立ち塞がる

珍しく寝てないな

・・・・まあ、寝てても寝てなくても

 

マスパで吹き飛ばすだけなんだけどな!

 

・・・・でもその前に、私は美鈴に尋ねる

「おい、美鈴

パチュリーは'いる'のか?」

「むむむ!パチュリー様の読書の邪魔はさせませんよ!」

「じゃあ、パチュリーはいるんだな?失踪なんかしてないよな?」

「当たり前じゃないですか!」

「そうか」

私がミニ八卦炉を取り出し、構える

その瞬間、

「いいえ、パチュリー様はいらっしゃらないわ」

メイドが現れた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

私こと紅魔館のメイド長ーーー十六夜咲夜は、ここ数ヶ月、違和感を感じながらも暮らしていた。

それは、

 

パチュリー様の失踪。

 

パチュリー様が失踪したのにも関わらず普段と変わらない私以外の紅魔館の住民達。

 

しかもその症状は紅魔館の住民に限っただけの話ではなかった。

霧雨魔理沙ーーー彼女はよく紅魔館にパチュリー様の本を目当てにやってくる。

その魔理沙も、パチュリー様がいないことに気がついておらず、パチュリー様が図書館に疑問を少しも持っていなかった。

 

しかし、今日現れた魔理沙は違った。

魔理沙はパチュリー様の失踪について知っているかのような口振りだった。

だから、私は魔理沙と話をすることに決めた。

「魔理沙、パチュリー様の失踪について話したいことがーーー」

私が台詞を言い終わろうとする刹那、

 

紅魔館から轟音が響き渡った

 

そして割れる窓ガラス・・・・

彼処は・・・・誰の部屋だったかしら・・・・

・・・・彼処はお嬢様のお部屋!?

 

・・・・お嬢様の身に何か起こった!?

私は私の能力ーーー『【時を操る】程度の能力』で時間を止めてお嬢様の部屋を目指して駆け出した

 

・・・・私がお嬢様の部屋で見たものは、うずくまっているお嬢様の姿とそれを静かに見下ろす八雲紫の姿だった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

咲夜が現れた直後、紅魔館から轟音が響き渡った

 

・・・・なんだよ、真昼間から穏やかじゃねえな

「鈴仙、行くぜ!」

「・・・・わかったわよ」

鈴仙は嫌な感じがするのか、行きたくなさそうに返事をする

・・・・嫌な感じがするのは私だって同じさ

 

「わっ、ちょっと、勝手に入らないでくださいよ!?」

久しぶりに働いてる門番が私達を止めようとするが、私達には通じない

 

割れた窓ガラスから紅魔館の主の吸血鬼ーーーレミリア・スカーレットの部屋に侵入する。

 

そこで私が見たものは、ある意味予想通りの嫌なものであったが、

まったく予想出来なかった光景でもあった。

 

私が見たのは、

傷をおさえてうずくまっているレミリアの姿と失踪していたはずの八雲紫の姿だった

 

紫が片腕を前に突き出す

するとレミリアの足元の床からスキマが開き、

レミリアを連れ去ろうとする

紫・・・・お前の思い通りにはさせないぜ!!

 

私は即座にスペルカードを発動させる

『恋符【マスタースパーク】』

私のミニ八卦炉から紫目掛けてレーザーが発射される

 

しかし、私の『マスタースパーク』は紫には届かなかった

「け、結界!?」

鈴仙が冷静に状況を分析する

そう、私の『マスタースパーク』はまるで見えない壁に阻まれていた

 

くそっ、流石腐っても幻想郷最強の一角だぜ

 

 

「お嬢様ぁああああああああああああ!?」

咲夜が叫ぶ

咲夜の目の前には大量のナイフがあった

・・・・咲夜も必死にレミリアを助けようとしたんだな

 

もう既にレミリアの体は半分以上をスキマに飲み込まれていた

 

「ま、魔、理沙…人里に向かいなさい…そこに運命の十字路が…咲夜…紅魔館をいいえ、幻想郷を任せたわよ…」

それが、私の聞いたレミリアの最後の台詞だった

その直後、レミリアはスキマに飲み込まれていった

 

・・・・紫ぃ、お前一体何がしたいんだぜ!?

 

そして紫は自分でスキマを開けてその中に入る

「おい!待てよ!紫!

紫ぃいいいいいいいいい!!」

 

私の叫びは虚しく、紫は消えていった

残されたのは、崩れ落ちた咲夜となんとも言えない疲労感だけだった

 

続くわよ!うー☆

 


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