東方言葉録   作:ワロリッシュたん

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ワロリッシュタンバリン(  ̄・ω・ ̄ ノノ゛シャンシャンwwww
・・・・よろしくお願いします


第十二話、これは確かに異変だ

「じゃあ、聞かせてもらうぜ」

先程の弾幕ごっこでボロボロになった真言と妖夢を(ボロボロなのは真言だけだが)寝室に寝かせた後、

私はさっそく幽々子に尋ねる。

「そうね、でもちょっと誰か博麗神社まで行ってくれないかしら?」

しかし、幽々子から返ってきたのは質問の答えではなかった。

「は、博麗神社?なんでまたそんなところに?」

「そうだぜ、あそこには異変の手がかりはなにもなかった。

行く理由がないのぜ。」

私とアリスは納得できないといった様子で、幽々子に反論する。

 

「なんだか、嫌な予感がするのよ」

・・・それは理由の説明になってないぜ

 

けれど、幽々子は真剣な顔をしていた

こういうときは絶対なにか確信があって言っているのだ

 

はあ、仕方ないな

 

「わかったぜ、私が博麗神社まで行ってくる。

それでいいだろ?」

「ええ、お願いするわね〜」

幽々子の口調はほのぼのとしたものに戻っていた

「魔理沙、私が行くわよ!」

アリス、そう言ってくれるのはありがたいのだが・・・

 

「この中じゃ、私が一番速い。

あと、私は他人の恋路を邪魔するような無粋な真似はしないようにしてるんだぜ」

と言って、アリスに向けてウィンクする

・・・うむ、我ながらきまっていたのぜ

 

・・・・・・・アリスは顔を真っ赤にして下を向いていたので私のキメキメウィンクは見ていなかったようだけど

(´・ω・`)ショボーン

 

「貸し一つだぜ?」

私は箒に跨り幽々子に向かって言う。

「お菓子なら歓迎なのだけれど?」

幽々子・・・さっきまでのカリスマは一体どこにいったのぜ?

つっこむ気も失せたので、私は博麗神社目指して飛んでいった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

魔理沙が飛んでいったのを見送った後、私ーーー西行寺幽々子は一人呟く。

 

「よかった、これで安心ね。

 

博麗の巫女にはまだ死んでもらっては困るもの」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ、この話の続きは真言と妖夢が起きてからにしましょう」

私は魔理沙の見送りを終えて戻ってきた幽々子に向かって提案する。

 

「そうね、それもいいけど

この異変、なにが起こるかわからないから、一番大事なことだけ、貴女に伝えておくわね」

「?」

私が首を傾げていると、幽々子は真剣な口調で

 

驚くべき事実を告げた

 

「貴女達は気づいていなかったみたいだけど、ここ数日の間に各地の主要な妖怪達が失踪しているわ

 

紅魔館のパチュリー・ノーレッジ、永遠亭の蓬莱山輝夜、守矢神社の八坂神奈子、地霊殿の霊烏路空、命蓮寺の寅丸星、あとは伊吹萃香くらいかしらね、私の知っている限りでは」

「ちょっと、待ってよ!

そんなに失踪しているんなら誰か気づくものじゃないの!?」

「そうね、けれど誰も気づいていない。

まるで、存在と非存在の境界を弄られたのかのようにね。」

幽々子のその言葉を聞き、私はある妖怪を連想する

 

「・・・・八雲・・・紫・・・」

「彼女が犯人だと言いきることはできないけれど、少なからず関わっているわね」

犯人とは言いきれない?

ここまで、証拠が揃っているのに?

「なんでよ?八雲紫が犯人に決まってるじゃない」

「いいえ、幻想郷を愛する紫がこんなことをするとは、思えないわ」

そういわれればそうかもしれないけど

納得はできないが、幽々子の言葉も一理あると思った

 

「じゃあ、一体誰が犯人なのよ!?」

「それはわからないわ。

けれど、紫を探すって方向性は間違っていない。

だから、貴方達はこのまま紫の捜索を続けなさい。

貴女もそろそろ気づいているんじゃないの?」

 

幽々子に言われるまでもなく、私は気づいていた。

・・・はっきりとしていなかった感覚が綺麗にまとまって一つの言葉になっていく感じがする。

ふふ、私は博麗の巫女じゃないのだけどね

 

ーーーーこれは確かに異変だ

 

「で、私達はこれからどうすればいいわけ?

正直、八雲紫に関する手がかりはなにもないわよ」

私は幽々子に尋ねる。

 

そう、異変だとわかっていても解決するための手がかりがなければ解決なんてできやしない。

私はただの人形遣い、霊夢みたいな万能な勘があるわけじゃないのだから。

 

「そうね〜正直、失踪した妖怪がいるところに行っても

相手の後手に回るだけよね〜

だから、失踪した妖怪がいない場所

太陽の畑なんてどうかしら?」

げげっ、フラワーマスターのいるあの畑!?

 

正直、気が向かないけれど・・・

「わかったわよ、他に手がかりも無いしね」

 

そして幽々子はもう話すことがないのだと言わんばかりに大きな欠伸をして、

「もう、私は寝るわ〜おやすみなさい」

「・・・おやすみなさい」

そう言って、私も白玉楼の寝室へ行くのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして、夜が明けて次の日

 

西行寺幽々子は失踪していた。

 

続く!おい、ちょっとけーね!?なんで泣いているんだ!?


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