リリカルナデボ   作:汚いぶらぼぅ

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あけましておめでとうございます。
卒検で忙しいのですが息抜きに投稿しちゃいます。

今回はギンガ・ナカジマ編です。


リリカルナデボ その4

 

 

 ここはどこだろう。

 

 

 わたしはだれだったのだろう。

 

 

 なにをしていたのだろう。

 

 

 どんなせいかくだったのだろう。

 

 

 なにをゆめみていたのだろう。

 

 

 なにもおもいだせない。

 

 

 いや・・・ひとつだけおぼえている。

 

 

 ふかいふかいやみのそんざい。

 

 

 あのかたはいまのワタシヲカタチヅクッタ。

 

 

 

 

 

 

 

 リリカルナデボ その4

 

 

 

 

 

 

 ぼーくは優しいひーろーさー。私の頭の中の平行世界の私の皆さん、おはようございます。今日の私はスタイリッシュです。

 

 

 なぜこんなにスタイリッシュなのかというと、念願の街にお出かけが許可されたからです。苦節だいたい10年くらい待った甲斐がありました。ありがとうチャット仲間3人組。この恩はたぶん返すよ。

 

 というわけで現在の私は、身だしなみを整えるために「ミッドメンズ~夏のイチオシこれがモテる秘訣~」を読みながら服装を選んでいるのです。

 

 

 夏といえば海!水着な女の子!後タコですね。海にはこの前任務で行ってきました。おっきなタコを海の魔道士と協力して退散させることに成功。・・・嘘です。おっきなタコが召喚される前に召喚術者をナデボしました。汚ねぇ花火だ。

 

 

 髪型のセットも終わり、いつものローブも着て完璧です。では一緒についてきてくれる局員との集合場所に行きましょうか。

 

 

 ・・・そうです!チャット仲間がぼっちな私を哀れんでくれたのか、局員を一人付けてくれるのです。なんという心遣い!私嬉しくて涙が出そうでした。

 

 

 こんな気持ち初めて!もう何もかもが怖い!助けて盟友!ぼっちの私が友達と遊びに行くなんてできないの。一緒に出かけて噂されたら恥ずかしい。

 

 

 そんなこんなで待ち合わせ場所まで転移です。にゅるん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 待ち合わせ場所に転移してみました。すると青い髪の女の子の後ろに転移してしまいました。この子がついてきてくれる局員か。こんな女の子についてきてもらえるなんて私感激。早速声をかけちゃうどん。

 

 

「やぁおはよう。君がついてきてくれる局員でいいのかね?」

 

 

「うひゃあ!・・・えーごほん。その通りです!私はギンガ・ナカジマ二等陸士であります!本日はミッドチルダ視察に同行させていただきます!」

 

 

 ついてきてくれる局員は、ギンガちゃんというらしい。青い髪が長く可愛い女の子だ。パッと見サイボーグなのがチャームポイントだね。

 びっくりしたのか可愛らしい声を上げるギンガちゃん。うひゃあだってうひゃあ。 

 

 

「最近はそんな可愛らしい挨拶が流行っているのかい?」

 

 

「い・・・いいえ!流行っていません。」

 

 

 ギンガちゃんが慌てている。そうかぁー流行ってないのかー今度使おうと思ったのに。

 

 

「ふむ・・・流行ってないのか。それは残念だ。では行こうか。」

 

 

「ま・・待ってください!」

 

 

 そう言って歩き出す私。その後ろからギンガちゃんが慌ててついてくるのだった。

外は雪が降っていた。季節は冬。お鍋が美味しい季節です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の頭の中の平行世界の私の皆さん。重要なお話があります。

うん・・・なんだ・・・その・・・ギンガちゃんと街中ではぐれた。

 

 

・・・全く、迷子になるなんてギンガちゃんもまだまだお子様だな~。

 

 

 

 一人になってしまった私は仕方なく裏路地をウロウロすることにする。途中絡んできたヤンキーはナデボしておいた。そのヤンキーに襲われていた女の子もナデボしておいた。

 

 

 

 善悪相殺!つまり善いも悪いもごちゃまぜにしていい感じにするってことだね。

 

 

 とまあいわゆる街角ウォッチングを楽しんでいた私であったが、目の前に鎌を持った少女が人の首をぽーんと刈り取っている場面に出会ってしまう。なんという幸運!やはりたまには出歩くことが大事なのか!

 

 

 

「おや・・・素敵なことをしているねお嬢さん?私もその遊びに混ぜてほしいなぁ?」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・ああああああああああああ!」

 

 

 その少女に話しかけると、問答無用で襲ってくる。わおー元気いっぱいだね。お兄さんそういう子嫌いじゃないよ。

 

 

がきっ!

 

 

 微動だにしない私に鎌が振り下ろされそうになったが、横から割り込んできたギンガちゃんが鎌ごと少女を弾き飛ばす。コノワタシガウゴケナカッタダトー。棒読み乙。

 

 

「ナイさん!御無事ですか?ようやく見つけましたよ!」

 

 

 迷子になっていたギンガちゃん。照れ隠しに鎌少女を弾き飛ばすなんてなんてアグレッシブ。私はコミュ力高いから見なかったことにしてあげよう。

 

 

「ふむ・・・最近の街はこんな素敵な場所だったのだね。これなら毎日来ても退屈しないで済みそうだ。」

 

 

「そんなこと言ってる場合ですか!?「あああああああああああああああ!」きゃぁ!?」

 

 

 ギンガちゃんになりふり構わず突撃する鎌少女。ギンガちゃんは危なげなく受け流す。

・・・ギンガちゃんは格闘技をやっているな。具体的にはNINJA・KARATEとみた。

 

 

 ギンガちゃんに任せておけば大丈夫そうだし私は観戦モードに入ろう。

頑張れ二人共―。負けてもいいのじゃよー。・・・ジュース買ってこよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勝負はギンガちゃんの右ストレートでKO勝ち。うん腰が入った良いパンチだった気がする。

 

 

「ご苦労さまギンガちゃん。疲れたかい?はいジュース。」

 

 

 ギンガちゃんに近づきジュースを上げる。もちろんジュースはビーフステーキソーダ味だ。

 

 

「はぁはぁ・・・あ・・ありがとうございます。いただきます。」

 

 

 ギンガちゃんはジュースを一気飲みし、一息つく。

 

 

「・・・この子は最近ミッドチルダを騒がしていた殺人鬼『死の恐怖』かもしれないですね。この前見た犯行資料に載っていたものと手口が似ています。こんな女の子だとは知りませんでしたが。」

 

 

 殺人鬼だって?それは本当かい?

 

 

「いやぁそれは怖い。私みたいな非力な人間にとっては恐怖でしかないね。」

 

 

 怖すぎて夜も眠れない。誰か私に添い寝してください。お願いします。

 

 

「・・・増援は呼んでおきました。後10分もすれば合流してくれるでしょう。その間待機となりますがよろしいですか?」

 

 

 念話で増援を呼んでおいたようだ。まぁそんな事はどうだっていい。重要なことじゃない。

 

 

「よろしいよ。それとギンガちゃん。もうちょいそれから離れたほうがいいよ。」

 

 

 そう私が言うとギンガちゃんはその場から飛び退く・・・そこに巨大な鎌が突き刺さる。

 

 

 大鎌を振り下ろしたのは、倒れた少女から浮かび上がる、関節ごとにパーツを分解した人形のような奇妙な姿で、顔に当たる部分にはボウリングの球のような三つの穴が存在する者・・・んーこれはあれだね。

 

 

「・・・これは・・・この子の体から出てきた!?」

 

 

 驚愕の声を上げるギンガちゃん。私も驚きすぎてあらまびっくり~な状態だよ。

ギンガちゃんを捉えそこなった大鎌は私に狙いを変更して襲いかかってくる。

 

 

「ふむ。禍々しき波の八つの相の一つ、第一相『死の恐怖』スケィス。

私と似たような存在かな?実に興味深い。」

 

 

 私以外に転生者がいるだなんて・・・知っていました。数年前にもいたなぁこんなの。

零崎とか名乗ってたっけそいつら?いや・・・七夜だっけ?

 

 

 思い出を振り返りながらにゅるりと大鎌を避ける私。・・・今の私かっこいい!神々しいね!

 

 

「あああああああああああああ!」

 

 

 叫びを上げながらぬるりと立ち上がる少女。あれ?この動き私のパクリじゃね?

 

 

「ナイさん下がってください!この子は・・・いえこれは危険です!」

 

 

 ギンガちゃんが私に下がるように言ってくる。うむ、この子はいい子だなぁ。ぼっちの私にもこんな優しくしてくれるなんて。

 

 

「ギンガちゃん。私がこれの気を引こう。君は隙を見せたこれに一撃を入れてくれたまえ。」

 

 

 優しい優しいギンガちゃんにソウルフレンドの私が手を貸してあげよう。

それに・・・これも私と同郷の者ですから。私が責任をもって救済しないとね。

 

 

「・・・わかりました。でも無理はしないでくださいね。」

 

 

 そう言ってギンガちゃんはスケィスの死角に回り込む。

私も久しぶりに気合を入れていこう。気合を入れるのは実に数年ぶりだ。

 

 

「さぁ第一相『死の恐怖』の力を得てしまった同郷の士よ。私が悪夢から目覚めさせてあげよう。遠慮する必要はない。さぁ私に全てを委ねなさい。君の狂気は私が受け継ぐ。」

 

 

 そう言って私は笑う哂う嗤うわらうワラウげひひうへへうははあははあひゃはがははかかかうぇひひくくくひひひでへへわははきゃははわらわらwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死に恐怖する事は弱いわけではない。恐怖に打ち勝ってこそが強さである・・・とか誰かが言っていたような気がするがね。私はそうは思わない。

 恐怖に打ち勝ったとしても最後に訪れるのは絶対なる絶望。そして狂気に蝕まれる。不屈の心なんてものはこの世に存在しない。存在するとすれば・・・それは既に狂ってしまっている心。最初から狂っているものはもう狂うことはできない。」

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 数分間攻撃を避け続けた私だったが、飽きたので私の一撃で大鎌を持った腕を吹き飛ばす。

 その隙を逃さずギンガちゃんがスケィスに渾身の一撃を叩き込んだ。うむ素晴らしい一撃だ。惚れ惚れするね。

 

 

 スケィスが私の方に倒れてくるのでついでに頭を撫でておく。頭が弾け飛びスケィスは消滅する。そして少女はその場に崩れ落ちた。

 

 

「・・・倒したんですか?」

 

 

「あぁこれでこの少女は死の恐怖に怯える事はなくなったよ。」

 

 

 ギンガちゃんが再び倒れた少女を拘束しながら口を開く。

 

 

「この子は・・・貴方の同郷の方だったんですか?」

 

 

「・・・まぁそういう事になるね。」

 

 

 私と同じ転生者。神によって狂わされた哀れな玩具。邪神と目が合ってしまった哀れな探索者。

 

 

 ・・・うむ!今日は十分楽しんだしソウルフレンドもできた!後は増援の局員に任せちゃいましょう。私は非番だから後処理はしない!帰ってゆっくり映画でも見ようそうしよう。

 

 

「さてギンガちゃん。今日から君は私のソウルフレンドです。いつでも遊びに誘っていいからね。じゃあ後は任せたよ。」

 

 

 そう言って私は転移魔法を使う。ニュルるんるん。

 

 

 転移する直前の銀河ちゃんはキョトンとしていた。むぅ、流石私のソウルフレンド。その反応は今までされた事がない。何か負けたような気がする。

 

 

 

 

だがそれがいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の世界は狂っている。

 

 

狂った私はもう元には戻れない。

 

 

この世界に堕ちた私は元の世界の狂気を振りまく厄災。

 

 

狂狂廻る世界で私は哀れな邪神の被害者に手を差し出す。

 

 

なぜなら私は神になるのだから。

 

 

 






主人公:ナイさん(偽名)
ソウルフレンド:ギンガちゃん
被害者:ヤンキー
被害者2:襲われていた女の子
殺人鬼:『死の恐怖』
増援:管理局員の皆様
タコ:Great Old Ones
ひと夏の思い出:邪教徒
転生者達が作った一族:零崎
転生者の血を引く一族:七夜

今回はビグロくない:リ・ガズィカスタムもいいよね。


今年もよろしくお願いします。

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