ブラック・ブレット【蒼き閃光】   作:ウィキッド

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駄文ですがよろしくお願いします。
今回は桃、伊熊サイドのお話です。


分断(桃&伊熊)

夏世さん、兄さんとはぐれてしまってから数分。現在は伊熊さんと行動を共にしています。

兄さんが夏世さんとフラグを立ててないことを祈りつつ兄さんに携帯で連絡をする。

……つながらない

 

伊熊さんの方はどうだろう?

 

 

「伊熊さん。つながりますか?」

「ああ?見ればわかんだろうがよ、クソッタレ!」

 

伊熊さんが通信機をつかみながら叫ぶ

 

「おい、行くぞついてこい」

「どこにですか?」

「テメェは本来の目的を忘れたのか?ああ?」

 

「冗談です、そんなに睨まないでください」

 

ただでさえ怖い顔なのにもっと怖くなりますよ?

言ったら怒られそうなので言いませんが

 

 

少し沈黙が続いてきたので質問しますか。

 

「ねぇ伊熊さん。質問いいですか?」

 

「あ?」

 

「あなたは私たちイニシエーターをなんだと思っていますか?」

 

伊熊さんは驚いたような顔をしている。そんな変な質問だったでしょうか?

 

「呪われた子供? 相棒? はたまた家族? それとも……道具?」

 

「んなもん……道具に決まってんだろうが」

 

「なぜ決まっているのでしょうか?」

 

「……あ?」

 

「私は兄さんとは血のつながっている兄妹ですが、社長やサラさんとも家族のような関係だと思っています」

 

伊熊さんは何もしゃべらない。

 

「それに、私の友人は私が赤目でも変わらずに接してくれます。 それでも私たちイニシエーターは道具なのは決まっていることなのですか?」

 

少しの沈黙の後伊熊さんは答える。

 

 

「……テメェにはわかんねぇかもしれねぇが、かないっこねぇ夢語れば語るほど辛ぇ思いをするん奴だっているだよ」

 

「だったら俺らに道具として使われたほうがいい。俺らに使われている間だけは”あいつ”の存在は正当化できる」

 

 

その答えは一切の迷いがなかった。だから私はその答えは否定しない。

 

 

「――——なるほど。兄さんと社長が気に掛けるわけだ」

 

私はつぶやいていた時、微笑んでいた気がする

 

 

私は伊熊さんにある質問をした。

その質問をしたとき彼は悪いことをして怒られたときの子供のような表情をしていた。

だがそれも一瞬のことですぐに今までにないほど私をにらむ

 

 

「この作戦が終わったら答えを聞かせてくださいね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いていると二つの人影が見えた

 

「……あれは」

「見つけたな。俺はもう一度連絡してみる、テメェはここで待機だ」

 

伊熊さんが私から離れて連絡をしに行く。その隙に私は隣にいるであろう人物に声をかけた。

 

「……そこにいますよねレンさん?」

「……何でわかるんですかぁ?」

 

私の声に応え、姿を現すレンさん。彼女のガストレアモデルは”カメレオン”。

能力上裸の状態であるが今ここには私しかいないので気にしない。

 

「私のガストレアモデルは蛇ですよ? あなたの能力は効きません」

「あぁ熱探知できるんでしたねぇ。 それで何の用ですかぁ?」

 

「兄さんにAGV試験薬は使わないでおいて欲しいと伝えてほしい」

 

「はぁ……意味が分かりませんが、承りました」

 

私の言葉の真意をレンさんはわかっていないようだったが了承し姿を消した。

 

 

(さて、ここからが問題ですね)

 

 

「おら、行くぞ」

「どうするんです?」

 

「まわりの奴らと奇襲をかける。……気に入らねぇけどな」

 

「……すいませんが私はイニシエーターのほうを担当してもいいですか?」

 

「あ?なんでだ?」

 

「影胤のバリアを破ることは私には絶対できません。私の武器は火力がないですから」

 

ナイフを見せながら言う。私の武器はサラさんと同じで暗器や投げものが多い。毒を塗っているので当たれば

強いが当たらないなら論外だ。

 

「だったらイニシエーターの相手をするしかないじゃないですか。あっちだったらまだ何とかなります」

 

「チッ!仕方ねぇな。その代り邪魔すんなよ」

 

「はい、もちろん」

「行くぞ」

 

 

伊熊さんが影胤に攻撃を開始し、私は小比奈にナイフを投げる。もちろん、はじかれてしまうが。

 

「モモだっ!」

 

小比奈が目を光らせこちらに向かってくる。

 

 

「来なさい虫女」

 

小比奈に向けてナイフを数本投げる。しかしすべてはじかれてしまう。

 

接近戦では分が悪いと思い一定の距離を保つように逃げる。

逃げている間にもまわりの民警たちは血を流して死んでいくが気にしてられない。

 

ポケットから手榴弾を出し、小比奈に向かって投げる。

 

「っ!!」

 

軽い爆発が起き、煙が辺りを覆う。

 

 

煙が晴れると同時にこちらへ小比奈が突っ込んできた。

驚いて固まっていた私は肩を斬られる。

 

「タノシイネッ!モモ!!」

「この戦闘狂が!!」

 

致命傷は負っていないがあまり状況はよくない。たぶんナイフは投げれない

回復できないほどの傷ではないが、時間がかかる。

 

(このままだと……伊熊さんのほうも持たないだろうし……賭けに出ますか)

 

「レンさん今です!」

「っ!?」

 

 小比奈が後ろを振り向き攻撃をふるう、がそこには何もいない。

騙された、そう気づいた小比奈は私の方に急いで振り返る。相手は百番台、さすがに長い隙は見せてくれない。

でも、至近距離まで近づけるだけの時間はできた。

 

小比奈の首筋に噛みつく。それと同時にある”毒”を流し込む

 

「がっ!」

「引っかかりましたね」

「何をした……」

「簡単です蛇といえば毒ですよ。ああ安心してください死ぬような毒ではないですから。ただ―――」

 

小比奈は私が言い終わるまえに倒れ、私は口についた彼女の血をぬぐう。

 

「しばらくの間は五感がだいぶ鈍くなりますけど」

 

ナイフを持ち、小比奈に近づく。すると大きな剣が飛んできて私と小比奈の間に刺さった。

 

 

「伊熊さん!?」

 

剣が飛んできた方向を見ると血まみれの伊熊さんと無傷の影胤がいた。

 

「残りは君一人だ。……私の仲間にならないか?」

 

「娘に毒を与えたやつを平然と勧誘する奴なんて御免です」

 

しかし、このまま戦っても負けることは確実。どうするか考えているとある人物が見えた。

 

(この策だったらうまく逃げ切れるかもしれない。よし!)

 

 

「レンさん今です!!」

 

影胤の後ろの方向へ叫ぶ。

 

 

「さっきも小比奈に同じ手を使ってたね。残念効かないよ」

 

影胤が銃をこちらに構える。その瞬間

 

「ぐっ!」

 

「今です!!」

 

「感謝します!! ほら伊熊さん行きますよ!」

 

 

相手は何が起こったのかはわからないでしょう。敵の姿も確認できないのだから。

しかし、仕組みは簡単。というより完全に運でしたけどね。

兄さんに連絡を終え私の所に戻ってきたレンさんが状況を察し影胤に近づいた。

そして、私の叫びを合図にレンさんが落ちていたナイフを拾い斬りつける。

能力の性質上ナイフは見えているのでもし影胤が振り返っていたらまずかったですが小比奈にハッタリをかけていたことが幸いでしたね。

 

 

レンさんが作った隙を無駄にしないよう急いで伊熊さんと彼の剣を背負い森の中に入る。

そしてある程度距離を離し、レンさんの到着を待つ。

 

しばらくしてレンさんが現れた。

 

「どうするんですこれからぁ?」

「……とりあえず兄さんの所に向かいましょう。私に出された社長の任務は何とか完了しましたからね」

 

私はレンさんに案内されながら兄さんのもとに向かった。

虫の息ながらも生きている伊熊さんを背負って

 




次回はたぶん蒼矢サイドに戻り、その後凛サイドに行くかもしれません。
それと、UAが1000超えてて驚きました!
お気に入り数もいつの間にか二桁に。
本当にこんな駄文にありがとうございます!もしよろしければこれからもお付き合いのほどよろしくお願いします。

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