ブラック・ブレット【蒼き閃光】   作:ウィキッド

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すいません、駄文です、原作ルートまではまだいけません。

※修正いたしました


左右の義足、左目の義眼

目が覚めると、そこは白い部屋だった。

 

「ここ…どこ…?」

「ここは病室だよ、一応ね。」

 

白衣を着た女の人がいた。

 

「あなたは…だれですか?」

「ああ、記憶が混乱しているのかな?私は室戸菫、君の命の恩人の一人だよ。覚えとくといい。」

 

 

彼女、室戸菫と名乗った女性は僕に詳しい状況を教えてくれた。

・僕の左右の足はバラニウムというガストレアに有効である物質で作られた義足になったこと。

・左目の義眼は数秒先の未来を予測できるようなものであること。

・今は安静にする必要があるが、近いうち戦闘訓練を受けてもらうこと。

などである。

 

「何個か質問があります。えっと…室戸さん?」

「菫でいいよ、君と私の仲だ。遠慮はいらん」

 

「僕の家族は無事なんですか? 無事だとしたら今どこに?」

「君の兄の煉侍くん、母親の白さんは金蜂家で保護されているよ。安心したまえ、二人とも無事だ」

「……本当ですか?」

「さすがにこんな嘘はつかないよ私は」

 

よかった……本当に良かった。もしも、母さんたちを救えてなかったら……

 

「ありがとうございます!」

「お礼はいいよ。というより私には君にお礼を言われる資格はない。……ほかに質問は?」

 

菫さんの言葉に疑問を抱いたが、聞いても答えてはくれなさそうなので、次の質問をする。

 

「えっと、次にこの義眼ですが、数秒先の未来が見えるとはどういうことですか?」

「そのままの意味だよ。その眼は未来を計算し、最も起こり得るものを映し出す。負担が大きいのが

難点だがね。」

 

負担が大きい?使いすぎるとどうなるんだろう?

 

「あの…使いすぎるとどうなるんでしょうか?」

 

菫さんは何事もないかのように言った。

 

「脳に負担がかかりすぎて死ぬ。よくて廃人化だね。」

「なんてものを付けるんですか!」

「未来を予知するほどの計算をするんだから負担は大きいのは当たり前だろうよ。そのかわりに精度は保障するよ。」

 

もしもこれで精度が保障されてなかったら僕はこの眼を抉り取っただろうなぁ…

 

「眼の事はもういいです……。次に義足についてですが。このデザインはなんなんですか?」

「なんなんですかとは失礼だな、……かっこいいだろう?」

 

ボクの足についいてる義足は、つま先、踵の先に一本の大きく長いとげがついている。とげというよりも剣先に近いだろうか。さらに膝にはより長いとげがついてる。長さは30cmくらいだろうか。

 

「いくらなんでも長すぎません!?日常生活に負担でますよ!?」

「大丈夫だよ。左眼でとげのon,offはできるようになってるよ。眼を起動してみたまえ」

 

ためしに起動してみると。

 

『おはようございます。マスター』

 

………手術後だからかなぁ、変な声が聞こえる……気のせいだよね?

 

『無視はさみしいです。マスター。……未来予測しまくって殺しますよ?』

 

なんか物騒なこと言ってるよ!!気のせいじゃないよ!!

 

「菫さんなんですか。なんか声が聞こえてくるんですけど。」

「ああ、その声の事か。私が付けた機能だよ。きみがそのまま眼を使うのは難しいだろうから、アドバイザーを付けたんだ。すごいだろ?」

 

菫さんが誇らしげに胸を張る。

 

「確かにすごいですね。でもなんか殺すとか聞こえてるんですけど…?」

「照れ隠しだろう。きっと。それよりとげをしまわないのかい?」

 

そうだった。えっと……どうするんだろう?

 

『マスター。どうします?』

 

しまいたいけどどうすればいいんだろう?

 

『簡単です。マスターがしまいたいと思えば私が何とかします。』

 

その直後僕の足は普通の足のように変化した。

 

「ふむ、眼の使い方は大丈夫そうだね。ちなみに足のとげの先からはバラニウムの液体がでるようにしているよ。ほかにも麻痺効果や、人体に影響が出る毒も出せる。」

「なんか…すごいですね。」

 

眼のアドバイザーをオフにしながら言う。

 

「他には両足に仕込んでいるカードリッジの推進力によるとてつもない攻撃力を出せるようにしたね。」

「なんで、そんなに強力なものを付けたんですか?!」

 

菫さんは真顔になりこう告げた。

 

「『復讐』のためだよ。私の彼氏のね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菫さんの彼氏はガストレアに殺されたらしい。その復讐ために僕をこんなに強化しているというのだ。

 

「まぁ一番の理由はそうだが、他には金蜂家のお願いだからだ」

「凛ちゃんのですか!?…なんで…?」

 

金蜂凛…僕の幼馴染で、かなりのお金持ちの娘らしい。基本厳しく家族以外には必要以上の助けや施しなどはしない子だ。そんな子がどうして…?

 

「彼女は泣きながら頼んでいたよ。『蒼矢を助けてくれるなら、私の人生を上げます。だから助けてください。』と言って余分に予算をだしてくれてね。せっかくだから、当初の予定よりも強力なものにしたんだ」

 

どうしてだろう?僕に人生を犠牲にするほどの価値があるのだろうか?

…わからない。

 

「手術前にも言ったが、お屋敷で待っているそうだよ?あとで行くといい。」

 

この疑問は…あとで彼女に聞いてみよう。

 

「わかりました。最後の質問です。戦闘訓練とは誰が教えるのですか?菫さんですか?」

 

菫さんは呆れたように言った。

 

「蒼矢くん。君はこのウサギにも負ける強さの私からおそわりたいのかい?…金蜂家の戦闘部隊が教えるそうだよ」

 

「金蜂の戦闘部隊というと『雀蜂』ですか?」

 

凛ちゃんが依然話していた気がする。とても強い人達らしい。

 

「そうだ。…死ぬなよ?」

「そんなに強い人たちなんですか?!」

「うわさだと隊長は一人で国を落とせるらしいよ。人間をやめてるとはおもわないか?」

 

…大丈夫かなぁ

 

 

「まあ、無理はまだしないでくれよ?君には少し興味があるしね。」

「ははっ御冗談を…」

「…たまには会いに来てくれよ。案外寂しいのだから。」

 

このひともさびしいと感じるんだと驚く。

 

「わかりましたよ。菫さん。」

「ありがとう。蒼矢くん。こんどはコーヒーでもおごるよ。」

 

…僕コーヒー飲めないんだけどなぁ

 




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