千寿夏世の日記
○月○日
今日から金蜂さんのお屋敷に住むことになった。高価なものが多すぎて正直落ち着かない。
でもこれから長い間お世話になるのだから慣れないと……
○月□日
私と将監さんの為にパーティーを開いてくれた。ケイさんにお酒を飲まされ金蜂さんは酔っ払ってしまった。水木さんは慣れているのか金蜂さんを背中に背負いながら部屋に運んでいった。
ちなみに将監さんとケイさんとロンさんはパーティーが終わっていても飲み続けていた。
絡まれるのも嫌なので部屋に避難することにした。
○月△日
桃さんとレンさんと一緒に訓練をした。訓練相手のサラさんに三人同時で襲いかかっても傷一つ付けることはできなかった。少し悔しい。でもお二人との仲が少し良くなった気がする。
○月☆日
近いうち桃さんとレンさんが通っている学校に通うことになる。
その学校には私達のような呪われた子供達も何人かいるらしい。それを知って少し安心したが……やはり緊張はする。
そのことを桃さんに相談しようとしたら桃さんは白い布みたいな物を抱きしめて部屋に閉じこもってしまった。忙しいみたいなので邪魔はしないようにしよう。
ちなみに水木さんがシャツを無くしたらしい。探すのを手伝ったが見つからなかった。いったいどこに行ったのだろう?
○月×日
屋敷のみなさん(女性)と一緒に銭湯に行った。最初は呪われた子供だとあまり好い目で見られないから、と断ろうとしたが金蜂さんに無理やり連れてこられた。
しかし私の心配は杞憂だった。
初めての銭湯なので使い方がわからないものがあり、困っていると使い方を教えてくれた優しい人がいた。
私が小銭を落とした時に拾ってくれる人がいた。
銭湯に来ていたお客はみんな私を普通の子供として扱ってくれた。
……嬉しかった。
金蜂さんは銭湯では人気らしい。
子供達に遊ぶようせがまれて、お年寄りの方には息子の嫁にきてほしいといわれていた。
金蜂さんになんでこんなに人気なのか訊ねてみると「昔にちょっとね……」と照れくさそうに頬を掻いてた。
着替えるときに金蜂さんが後でコーヒー牛乳をおごってくれるといってくれたがさすがに悪いと思い、断ろうとしたが息が詰まってしまった。
ーーーー彼女の背中に無数の、小さくない傷跡を見てしまったから。
「そんなにまじまじと見られると恥ずかしいわ」
私の視線に気づいた金蜂さんが私の頭を軽くたたく。見てはいけないものを見てしまったような気がして申し訳ない気持ちになる。
「別に気にしてないわ。私はこの傷跡、嫌いではないし」
金蜂さんはうそを言っているようには見えなかった。 何があったのか聞いてみたい気持ちもあったが、今はまだ聞くべきではない。そう思い私は先に脱衣所から出た。
お風呂上がりに、結局コーヒー牛乳をおごってもらった。……苦かった。
その私の様子に金蜂さんは笑っていた。でもすぐにフルーツ牛乳を私にくれた。甘い
……このひとが人気者である理由が少しわかった気がする。