ブラック・ブレット【蒼き閃光】   作:ウィキッド

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すいません、もう一話だけ続きます。
相変わらずの駄文ですがよろしくお願いいたします。
あとキャラ崩壊注意?です


協力

「水木さん、その義足」

 

夏世が俺の義足を見て驚く。ああ、そういえば言ってなかったな

 

「うん、俺も新人類創造計画の機械兵士の一人なんだ」

 

「驚きました……でもそれなら里見さんではなくあなたが影胤の方に向かったほうが良かったのでは?」

 

「大丈夫。里見も俺と同じ機械兵士だから」

 

「……なんであなたと里見さんが私たちよりIP序列が低いんですか?」

 

「いろいろ事情があるんだよ」

 

「のんきに話してないでください二人とも!来ますよ!」

 

桃の言うとうり話してる場合じゃないな。

俺は突進してくるサイのようなガストレアを見て、地面を踏みしめる。

 

金蜂流戦闘術攻の型二番――――

 

「彗星!」

 

破裂音と共にカードリッジが排出され、視界が加速し、桃たちから離れていく。そして俺の膝がガストレアの頭に突き刺さった。

 

岩のような肌に刺さった棘を抜くと同時にガストレアは体をよろめかせ横に倒れる。

 

「この棘って相変わらずえぐいな……っと」

 

別のガストレアがこちらに向かって突進してくる。 まったく、息を吐く暇もないな

 

金蜂流戦闘術攻の型四番――――

 

足に力を込め、ガストレアの顎に向けて蹴りを放つ。

カードリッジによる推進力で強化された蹴りを食らったガストレアは上空に吹き飛ぶ

 

「兜砕き!」

 

そして落ちてきたところに踵落としを当てる

 

「兄さん! すみませんがそちらは任せます!」

 

妹ながら酷なことを言う。ステージⅢ、Ⅳを一人で相手するなんてかなりきついんだが

 

「仕方ないか」

 

森の奥から大量の赤色が覗いているのが見える。 戦いはまだまだ長引きそうだ

 

 

 

 

何匹か倒しても数は減ってる気がしない。

 

「うおっ!」

 

いつの間にか俺の近くに来ていたゴリラのようなガストレアに投げられ地面を何度かバウンドする。痛ってぇ

 

体を起こすと桃と夏世がいた。……かなりの距離飛ばされたんだな

 

「兄さん! 大丈夫ですか!?」

「……星が見えたよ」

「どうやら大丈夫そうですね。水木さん、状況はどうだと思いますか?」

 

少しは心配してほしいなー。まぁ余裕がないから仕方ないのかもしれないけど

 

「最悪だね、カードリッジの数がだいぶ少なくなってきている。棘に仕込んである液体バラ二ウムもほとんど尽きた」

 

このままだとジリ貧だな。何とかしないと

 

 

「っ!」

 

遠くからものすごい速さで何かが飛んできた。その飛んできた何かは夏世に当たり夏世は吹き飛ぶ。

そして吹き飛ばされた先には別のガストレア。

 

「まずい!」

 

急いで夏世の方へ向かおうとした瞬間。俺の頭上を何か大きいものが飛んでいった。

その大きいものは夏世を攻撃しようとしていたガストレアに刺さる。

あれは……剣?

 

「聖居で俺にケンカ売ってたのに何だぁ? このザマは?」

 

後ろから声が聞こえ、何が起こったのかを察した。

 

「ようやくお目覚めか。寝起きで悪いが手を貸せ」

「仕方ねぇな。足ひっぱんなよ」

 

『闘神』が目覚めたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「将監さん!」

 

夏世がガストレアに刺さった剣を伊熊に投げる。結構な速さで飛ばされた剣だったが伊熊はタイミングよくキャッチし、その勢いを活かしたまま近くのガストレアを斬る。

 

「ぶった切る!!」

 

……負けていられないな。俺も頑張るか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妙ですね」

 

伊熊が目覚めてから数分後、順調にガストレアを撃退している中、夏世がつぶやいた。

 

「なにが?」

 

「ガストレアの数が減ってきてます」

「あん? そりゃ倒してるから減るに決まってんだろ?」

 

「確かにそうですが……減りの速さが異常です。先ほど私に向かって何か飛ばしてきた奴も見当たらないのが気になります」

 

「そういえば何を飛ばされたんだ?」

 

「たぶんですが、土と石を固めたものかと。結構な威力です、私のグレネードランチャーがが完全に折られました」

 

銃の残骸を見てみると確かに茶色の何かがついている。

一体どんな奴なんだよ。

俺は周りを見てみるがそれっぽいガストレアは……えっ?

 

 俺は奥で大きいガストレアが小型のガストレアをまわりの地面ごと食べているのを見つけてしまった。

 

「なっ! ガストレアがガストレアを食うだと!?」

「……ゲームとかだったらああいうことすると強くなるんだよなー」

 

若干現実逃避が入っている気がする……

 

『マスター! なんか来ます!』

 

今まで黙っていたアイが警告する。その警告を聞きガストレアの方に意識を向けるとこちらに向けて口を開けていた。

 

「まずい! 避けろ!」

 

俺の叫びを聞き、全員横に飛ぶ。直後さっきまで立っていた場所に何かが通過し、後ろにあった岩を砕いた。

 

「さっき夏世に攻撃した奴と同じ奴だな……厄介だな」

「でもあのガストレア一匹で終わりみたいです」

 

確かに目に見える範囲ではあれだけだが……

 

「あいつがほかの奴を食べたのか……それともまわりがあいつから逃げたのか……」

「ケッ! なんにしろ俺たちのやることは決まってる」

 

伊熊の言葉に全員頷く。考えていることは同じようだ。

 

「「「「全力で倒す!」」」」

 

 

 

 

 

とはいったものの……どうしたものか。

 

「幸い今はこちらに攻撃はしてきませんね」

「あの砲弾を作るのに時間がかかるようですね。兄さんカードリッジの残数は?」

「残り五発だ」

「私のナイフも残り少ないですし、ワイヤートラップを仕掛けてもあいつは突っ込んでくる気がしません」

 

 

まさに八方塞がりか……どうしたもんか。

考えを巡らせていると夏世がに話しかけてきた。

 

「水木さん。聞きたいのですが残り五つのカードリッジでどれぐらいの速さを出せますか?」

 

「結構な速さが出るだろうけど、あのガストレアに届く前には減速しちゃうだろうね」

「……なら……すれば……」

 

夏世は顔を上げこちらに向かって言う。

 

「いけるかもしれません」

 

なんだって?

 

「ですが……」

 

夏世は伊熊を見て、続きを渋る。

 

「なんだ?」

 

「伊熊さんと水木さんが協力しないといけないんですが……」

 

……うん。伊熊の性格から俺と協力って無理じゃない? 

 

「あのなぁ夏世。いくらなんでもこの命がかかってる状況で俺が自分のわがままで渋ると思うか?」

「見えます、思います」

 

伊熊が夏世に近づいてこめかみをぐりぐりする。……いたそー

 

「痛いです!痛いです!」

「確かに今までの俺だったらそうだったかもしれねぇが……」

 

伊熊はこめかみから手を離す。そして夏世に目線を合わせ話しかける

 

「今はちげぇんだよ。だからさっさと言え、夏世。てめぇの作戦だったら絶対成功する」

 

……驚いた。伊熊にいったい何があったんだろ?

一緒に行動していた桃に小声で聞いてみる。

 

「桃。伊熊に何かしたのか?」

「私は何もしてませんよ。ただ伊熊さんが答えを見つけただけです」

 

それ以上はなにも教えなかった。むぅ。兄としてなんか複雑。

 

夏世は伊熊の変わりように驚いたようだが、すぐに作戦を伝えた。

 

「内容は簡単です。あのガストレアに届く前に減速してしまうのだったら減速してもガストレアの体を貫ける速さを保てばいいんです」

「どういうこと?」

「つまり、こういうことです」

 

 

 

作戦の内容は本当に簡単だった。

伊熊の剣の上に俺が乗り、それを飛ばす。そして頃合いを見て加速し、ガストレアを貫くというものだ。

確かに速度は保たれるが……俺を何だと思ってるんだよ。

ほかの作戦を考える時間も無いし我慢するけど

剣で手が切れないよう桃から防刃グローブを借り、指を通す。

 

「準備はいいか優男」

「いつでもいいいぜ」

 

剣の上に乗り、側面をしっかりと掴む。

伊熊が剣を回転させる。だんだん早くなりそして勢いよく離した!

 

「オラッ!!」

 

こちらに気づいたガストレアが回避行動を取ろうとした、がさらにカードリッジを使用し加速する。

剣が壊れる音が聞こえるが気にしない、気にする余裕がない。

回避が不可能と知ってかガストレアは土の砲弾を飛ばす。しかし小さい。

義足と砲弾がぶつかるが、それでも俺は止まらない。そして

 

「うらぁぁぁぁ!!」

 

ガストレアの体を貫いた。

 

 

 

 

「やった……ん?」

 

貫いた、貫いたんだけど……止まらない

 

「あれ、これやばくね? ぐぉ!」

 

いくつかの木を破壊し大きな岩に激突し、止まる。衝撃が体に伝わり意識が飛びそうになる。

 

……絶対俺の体のこと考えてなかったよね。この作戦

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たぶんこれで終わりですよね」

 

「さて、あのガキの方に向かうか、蒼矢! テメェが先頭で進めよ!」

 

「なんでだよ!」

 

「テメェが一番強いからだよ! こん中では!」

 

「今一番傷だらけなのも俺だけどね!?」

 

ついでに序列も一番下だからね!

 

「見ましたか夏世さん。あれがツンデレのデレた瞬間ですよ」

 

「ええ桃さん。いつの間にか将監も水木さんのこと名前で呼んでますし」

 

おーい、聞こえてるぞ。まったく。男のツンデレってうれしくないよ。

 

そんなやり取りをしている中ポケットの携帯が鳴る。凛ちゃんからだ。

 

「もしもし?」

『ああ蒼矢君? 連絡よ、里見達が影胤達を撃破したわ。でも新たな問題が発生したわ』

 

「問題?」

 

『ステージⅤがこちらに向かってきてるわ』

 

「えっ!?」

 

世界を滅ぼした十二体のガストレア。そのうちの一つが東京エリアに向かってくる。

それって、かなりやばいんじゃ?

 

『ああ、大丈夫。里見達が何とかするようだから。あなたたちは作戦を終了していいわ』

 

「いいの? てか里見達はどうやって倒すの?」

 

『それがね――――』

 

 

 

 

 

通話を切り、内容をみんなに伝える

 

「えー。里見達が影胤を倒したそうだ。でもステージⅤが来るらしい。」

 

ステージⅤ。その言葉を口にした瞬間空気が重くなる

 

「兄さん。私たちはどうするんです? ステージⅤ相手じゃ勝ち目はないですよ?」

 

「いや、俺たちは作戦終了。戻って来いって」

 

「あのガキは?」

 

「里見達はステージⅤを倒すらしい」

 

みんなが驚いたように目を開く

 

「どうやってです?」

 

「天の梯子をぶつけるらしいよ。ステージⅤに」

 

ガストレア大戦の遺物。線形超電磁投射装置である『天の梯子』。その兵器をミサイルのように飛ばす。

その作戦を聞いたとき、冗談を言ってるのかと思ったよ。

 

「……大丈夫なんですか? そんな作戦で」

 

夏世が心配する

 

「大丈夫」

 

「……本当に大丈夫なのか?」

 

「大丈夫」

 

「……ずいぶんと信頼してんだなあのガキのこと」

 

「理由はないけどあいつらだったら何とかしてくれる。そんな気がするからな」

 

「チッ!」

 

「今のは嫉妬ですかね? 桃さん」

 

「かもしれませんね。夏世さん」

 

「テメェら! 聞こえてんぞ!」

 

……元気だなぁ。みんな

 

「……とにかくここから出ようか。凛ちゃんが迎えを寄こすらしいし」

 

こうして、俺たちの影胤討伐作戦は終了した。後は里見達次第だ。

 俺たちは凛ちゃんに指示された地点に向かった。




なんか、夏世が考えた作戦にしてはいい加減だったような気がする……


感想ありがとうございます。めっちゃやる気出ました!

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