更にチェーンして「リアル多忙」を発動!
この二つの効果によりIS二次作者は更新が遅れる!
ごめんなさい
遅れたのもそうですが、今回は内容が荒いです
そして鋼夜がやさぐれてます
「集まったな、それでは集まってもらった理由を説明する」
旅館の奥にある宴会用の大座敷に即席で作られたブリーフィングルームに俺達専用機持ちは集められた。
恐らく今の俺の表情は酷いものだろう。
面倒な事になったよ、本当。
「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用ISを『
周りは厳しい顔つきになっている中、織斑先生の言葉を俺は半眼で聞いている。
知ってた。
「その後、衛星による追跡の結果、福音はここから2キロ先の空域を通過することが分かった。時間にして五十分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態に対処することとなった」
は?なんで学園から命令来るの?学園が命令するの?
「教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう」
「は?」
あまりのツッコミ所の多さに、つい声に出してしまった。
織斑先生は一瞬だけこちらを見るが、すぐに視線を逸らした。
「それでは作戦会議を始める。意見があるものは挙手をするように」
手を挙げたくなるが、まずは堪える。全ての意見が出た後に言うのが相応しいだろう。
もう原作とか知らん。アニメ最終話なんて無かった勢いでツッコんでやる。
「はい、目標ISの詳細なスペックデータを要求します」
真っ先に手を挙げたのはセシリアだった。
「分かった。ただし、これらは二カ国の最重要軍事機密だ。けして口外するな。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる」
「了解しました」
勝手に暴走させといてこっちに泣きついて丸投げしてる癖にそれはおかしいんじゃないですかね。
それならそもそも暴走させるなと言いたい。
俺の中でアメリカの信用がボロボロになっていく中で、福音のデータが部屋の中央にあるディスプレイに表示される。
「……え?」
「どうした鋼夜?」
周りが福音の武装やスペックについて注目している中、俺はある項目に目を奪われた。
搭乗者、ナターシャ・ファイルス
「人が乗ってる……無人機じゃないのか?」
「如月」
「っ、すみません」
思わず漏れた俺の呟きに織斑先生が反応した。俺は慌てて謝罪と共に口を噤む。
アニメだと無人機だった筈だが……いや、おかしいと思ってたんだよ。
クラス対抗戦で無人機が出た時に「無人機なんてあり得ない!」とか言ってたのに、福音が無人機だって判明した時はリアルに「は?」ってなった。俺がそうなったよ。
しかし人が乗ってるのに暴走……それはそれでおかしいんじゃないのか?
ISには意思がある。その意思が暴走するなんて一体何が起きたんだ。
ていうか何?テスト飛行中って事は人が乗った状態で暴走したの?
……それって本当にヤバくね?
前語撤回。鋼夜、ツッコミます。
俺はすぐさま挙手をした。
自分でも驚く速度で。
「なんだ、如月」
「そもそもの話ですが、これは我々ではなく日本政府や自衛隊が対処する問題だと思います」
まず最初に思った事。
これ普通に自衛隊の仕事だと思う。襲われたのIS学園じゃないし、代表候補生を除けば俺達は書類上では学生である。
学生に何させてるんだよ。
学園は独立しているとはいえ限度があるだろ。限度が。
「……これは政府や委員会からの指示だ。日本政府は我々に対処しろということを言ってきたんだ」
「は?」
「お前達もこの事は疑問に思っているだろう。理由は後で話す。如月、他に質問はあるか?」
「織斑先生!?」
織斑先生の言葉に俺は思わず声を漏らした。
そして織斑先生が理由を話すと言った瞬間に山田先生が声を上げた。
山田先生だけでなく、他の引率の先生方も織斑先生の行動に驚いている。
「山田先生、貴女もこのままでは納得いかないでしょう。むしろこの件は打ち明けない方が問題だ」
織斑先生にそう言われ、山田先生は渋々だが引き下がった。
山田先生は、服の裾を強く握り締めていた。
やっぱり何か裏があったか。
「じゃあ織斑先生。単純な質問ですが海域封鎖は自衛隊に任せて我々は教員、生徒全員で福音に挑めば良いのでは?」
次に思った事。
もう全員で袋叩きにした方が早いと思う。せめて迎撃と封鎖を交代して欲しい。
それに海域封鎖してもどうせ密漁船来るし、いっそ攻撃に全振りでいいと思います。
「……それも後で話そう。他は?」
「……当然、アメリカから増援はくるんですよね?」
最後。
アメリカ側の責任だし、捕縛部隊くらいは来てもいいと思う。ていうか丸投げは無いだろ普通。
福音を引き渡す相手も居ないことになるし。
「…………」
ついに織斑先生が黙りこんだ。
おいおいおい、自衛隊も教員も増援も出せないってどんな理由だよ。
みんなのやる気がどんどん下がっていくのを感じるよ。
ごめんなさい余計な事を言い過ぎました。
「……福音が暴走したのと同時に、ある事件が発生した」
俺が何も言わなくなったのを確認すると、織斑先生はそう切り出した。
「ハワイ沖にて福音のテスト飛行を行っていたIS部隊が突如テロリストの襲撃を受け、守備隊が使用していた第二世代機のIS『
「それって……」
告げられた衝撃の事実に一夏が思わず声を上げた。
「そうだ。福音が暴走したのは恐らくテロリストの襲撃によるものだ。……アメリカはこちらへ人員を割くことが難しい、よって我々が福音の件を対処する」
織斑先生は一夏の言葉に頷いたあとに吐き捨てるように言った。
アメリカから部隊が出ない理由は分かった。俺達が対処するのも、一応は筋が通っている。
だが、自衛隊が動かないのは何故だ?
あと、なぜ教員ではなく俺達生徒が迎撃に出なければならない?
まさかテロリストを警戒して動かない訳じゃないよな?
学園の教員についてはそれで一応は納得できるが自衛隊は何故?まずは目の前の脅威に目を向けろよ。
実は俺が知らないだけでテロが多発しててヤバいとかなら分からんでも無いが。
命令は委員会が学園を通して下ったんだよな。……ひょっとして、アメリカが動けないから生徒……代表候補生に福音のデータを取らせようとしてる?
委員会の中にテロリストに協力している奴がいる?
いや、そもそも織斑先生が言わなければアメリカはこの事実を隠すつもりだった?
それは何故?これ以上、失態を晒したくないから?
くそッ、世界規模で尚且つアホな大人の考えなんて全然分からん。
色々と疑問が浮かぶが、頭を振ってそれらを追い出す。
織斑先生にこれらを聞けばいいのだが、それをするとただでさえ下がっている士気が更に下がるので俺は黙った。
それに、感のいい奴は自分で気付くだろう。
「いいか、福音もだがこの件は二カ国どころか全世界に影響する。……絶対に他言するな」
織斑先生からの念押しが入り、全員が息を呑む。それくらい織斑先生の表情は真剣だった。
「では福音の件に戻るぞ。この機体は現在も超音速飛行を続けている。アプローチは一回が限界だ」
中央のディスプレイに矢印と時間が表示される。その矢印は日本列島を横切っていた。
これが福音のルートと通過するまでの予想時間だろう。
一回、という言葉で全員の表情が更に険しくなる。
そして皆の視線が一夏へと移る。
「やっぱり白式よね」
「零落白夜が鍵になりますわね」
「一回限りのアプローチなら、それがベストだね」
「ふむ。それが手っ取り早いな」
「お、俺っ!?」
「そうだぞー」
鈴、セシリア、シャルロット、ラウラは一夏を見ながらそう言うが当の本人は驚きと共に声を上げた。
今さら無言になる訳にもいかないので、俺は適当に便乗しただけだが。
「織斑、これは訓練ではない。実戦だ。もし覚悟がないなら、無理強いはしない」
「……やります。俺が、やってみせます」
織斑先生の言葉に一夏は一瞬で覚悟を決めたようで、力強く返事をした。
これ、ただ単に一夏がムキになっただけに見える。
子供かお前は!という言葉が喉まで出かかるが口に出すのをこらえる。
よくよく考えれば一夏の反応は普通だ。
自分の手に色々なものが乗っている状態。自分にこの事件を解決できる可能性がある。
責任感の強いあいつは頷くしかない。しょうがないのだ。
織斑先生は平常を装っているが一夏の、生徒の参加を良く思っていない。
織斑先生だけじゃない。山田先生も、周りの先生も同じだ。
自分達の無力さを悔いている。
……知識があるのも、敏感過ぎるのも考えものだ。
「それでは作戦の具体的な内容に入……」
「ちょっと待ったー!」
織斑先生の声を遮る形で室内の空気とは真逆の元気な声が響く。
そして天井の板が一枚外れ、そこから束さんが部屋に降りてきた。
気付いてましたよ、はい。
「帰れ」
「帰ってください」
「うわっ、ちーちゃんも箒ちゃんも酷い!」
「山田先生、室外への強制退去を」
束さんは織斑先生と箒の一言にリアクションを取りつつ山田先生をするりとかわす。
「ちーちゃん。福音を止めたいならいい方法があるよ!」
「……この際、なぜ福音を知っているかは聞かん。束、言ってみろ。くだらない話なら承知しないがな」
織斑先生は額を押さえながら束さんに促す。
「束さんだってマジになるときはなるんだよ。……さて。ちーちゃんは「白式を高速仕様の機体で福音のとこまで運ぶ」って考えてるよね?」
束さんの指摘に織斑先生だけでなく、全員が驚いた表情になる。
いや、みなさん、さすがにそれは束さんに失礼だと思う。
「ここで登場するのが箒ちゃんと『紅椿』なのです!」
「わ、私!?」
束さんは言葉と共に箒の方へ指をさした。
当の本人は非常に驚いている。
「イェス!紅椿は束さんお手製の第四世代機。パッケージや換装なんて無くても高速機動が出来ちゃうんだよ!」
束さんがテンション高めに説明していく。そして束さんが何やら空中にディスプレイを投影させる。
「これが紅椿のスペックだよ。まぁ、最大稼働時のスペックとか展開装甲とか展開装甲をいっくんの白式の雪片弐型に使ってたりマルチロールの完成形とか色々あるんだけど詳しく話すと福音が三回くらい日本に襲撃してきそうなので辞めときます」
束さんはそう言うが、目の前に表示されている紅椿のデータ。
ISに触れた事のある者から見ればそれがどんなに高性能なのかが分かる。
俗に言う、壊れ性能。チート。バグ。
それくらい紅椿は凄かった。
あくまでデータ上だが。
「……あれ?何でみんな黙ってるの?お通夜?」
静まり返った場に、束さんの声が響く。
最新鋭のIS
束さんにとっては些細な事かもしれないが、世界にとっては些細な事では済まない。
各国は多額の資金、優秀な人材、膨大な時間を、ありとあらゆるものをつぎ込んでやっと第三世代機の開発に成功したのだ。
しかし束さんは個人で、第三世代機を優に超える第四世代機を開発した。
各国にとっては、全てが無意味と言われたようなものなのだ。
そりゃ言葉も出なくなる。
……隣の簪さんがヤバい。色んな意味で。
黒い怒りの波動と悲しみの波動みたいなものが滲んでいる。
「白式については後で聞くとして……束、お前は何が言いたい」
「そ、そうです姉さん」
空気を変えるためか、織斑先生が束さんに結論を促した。
みんなも意識を切り替えて束さんに集中する。
「姉妹機である白式と紅椿のタッグなら、福音なんてちょちょいのちょいだってこと!あ、紅椿の調整時間は七分あれば大丈夫だから」
「ふむ……」
軽く予想はついていたのだろう。
やはりか、といった感じで織斑先生は考え込む。
「まぁ、作戦とかはちーちゃんに任せるよ。とりあえず束さんが言いたいのは箒ちゃんは決して無力じゃないってこと!ねー?」
そう言うと束さんは正座している箒へ抱き付いた。
当の箒は「わ、私に……そんな……」と放心状態になっており束さんに好き勝手されていた。
束さんは織斑先生の手により無事、ブリーフィングルームより締め出された。
「ゴホン……ではこれより、本作戦の内容を伝える」
一つ咳払いをし、織斑先生の表情が再び真剣なものへと変わる。
そして作戦内容が告げられたのだった。
簪がスゲェ事になってるぞ!
何回見ても理解できない福音回
アメリカにプライドは無いのか、自衛隊は仕事しろよ、と思うしかない展開だったのでアメリカが増援を出せない感じにしました
正直、原作のガバガバ設定の穴埋めに時間かかりました
これも全部、亡国機業って奴の仕業なんだ
束さんや殺意の波動に目覚めそうな簪は次回