神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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ニューキング更新しようと思ったらホモの方を更新してた(驚愕)


学園襲撃の第24話

「失礼します」

 

「やあ。久しぶりだね、鋼夜くん」

 

 

五月の始めの連休。

 

ゴールデンウィークの間に四天を受け取るためにラビアンローズを訪れた俺はまず社長室へ来た。

社長室に入ると輝さんが笑顔で迎えてくれた。

 

「お久しぶりです輝さん。どうですか最近は?」

 

「会社の運営は順調だよ。鋼夜くんはどうだい?そろそろ学校には慣れてきたんじゃないかな?」

 

「休日が楽しみになるくらいには慣れました」

 

「ごめんね」

 

「輝さんは悪く無いですよ。それより、束さんは居ないんですか?」

 

謝る流れを断ち切るために話題を変える。

 

「ああ、彼女なら今は居ないよ。……そういえば、もうすぐクラス対抗戦だっけ」

 

「ええ。束さんに何か変化とか怪しい動きは?」

 

「……いや、特に無いよ。確かクラス対抗戦に無人機が乱入してくるんだよね?」

 

輝さんも話の内容を聞いて真剣な表情で答える。

輝さんには一通り俺が知っている範囲の出来事を話している。

 

「ええ。俺の知ってる範囲では差し向けた犯人は分かっていませんが、束さんが関わっているのは間違いないと思います」

 

ISのコアを作れるのは開発者である束さんだけだ。

新規のコアを使用した無人機を作れる人物といえば彼女しか居ないだろう。

 

「ふーむ。彼女が怪しいことしてる気配は無いんだけどねぇ」

 

「まぁ、束さんは俺がアニメで見た時の印象とは結構違いますから」

 

あの人アニメだと最後くらいしか出番無かったけど。

 

 

ここの束さんは輝さんと一緒に宇宙へ行くために色々している。

 

束さんに拉致られた後、つまりラビアンローズで訓練に勤しんでいる時に数回ほど会話したが、あの人は本気で宇宙へ行こうという気持ちに満ち溢れていた。

 

「箒ちゃんやいっくんに宇宙を見せてみたいんだよねー。あ、当然こうくんも一緒にね!」とも言っていた。

 

あれが嘘には見えない。

 

 

 

「ま、何も起こらないのが一番ですね」

 

これ以上考えるのは無駄と判断し、そう締めくくる。

輝さんもこの話題をしたくないのか、軽く頷く。

 

「そうだね。よし、そろそろ四天を受け取りに行こうか。専用の強化パックもあるから仁室くんの説明を聞くといい」

 

「ついに四天からスターク四天に進化するんですね」

 

「その発想は無かった。ま、強化パックは見てのお楽しみだよ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

フラグかよ畜生!

 

俺はラビアンローズでの出来事を思い出しながら内心で悪態をついた。

 

観客席の生徒は何が起こったのか分からず、辺りは静寂に包まれる。

 

何が起こったのか分かっていないのはフィールド内の一夏と鈴も同じであり、穴の空いたアリーナのシールドバリアーとその下で巻き起こっている砂煙を交互に見つめていた。

 

そして砂煙が晴れ、侵入者が姿を現した。

 

「は……?」

 

その姿を見た瞬間、俺は言葉を失った。

ありえない。なんでこいつがここにいるんだ。

 

 

兜をかぶったような頭部に心電図のような黒いカメラアイ。

出っ張った胸部の装甲に翼と尻尾のような腰部と背部のユニット。

そして灰に近い藍色のカラーリングの全身装甲(フルスキン)

その姿を一言で表すなら『怪物』。

 

「ガフラン……」

 

そう、ガンダムAGEに登場した敵のMS『ガフラン』だった。

 

ガフランの姿を確認出来たのは一瞬だけだった。

ガフランが姿を現したと同時に観客席が遮断壁で覆われて辺りが暗くなる。

 

突然の出来事により観客席の生徒はパニックに陥り出口に殺到する。

幸いなことに俺の呟きは喧騒でかき消された。

 

「うわわっ」

 

すると誰かに突き飛ばされたのか、のほほんさんが倒れそうになる。

 

「おっと、大丈夫?」

 

ほぼ反射で動いた俺は咄嗟に倒れそうになったのほほんさんを支える。

 

「う、うん。こうやんありがとう」

 

「どういたしまして」

 

のほほんさんの無事を確認し、眼鏡状態の四天を起動し管制室へ連絡を取る。

 

『こちら観客席の如月です。何があったんですか?』

 

数秒もしないうちに繋がり、ハイパーセンサー上に慌てた表情の山田先生の顔が映る。

 

『こちら管制室です!大丈夫ですか如月くん!?』

 

『こちらは大丈夫です。先生、落ち着いて下さい』

 

先生がパニックになってどうするんだ。

 

『落ち着け山田くん。……こちら織斑だ。如月、お前は観客席のどこに居る?』

 

山田先生が画面から消えて代わりに織斑先生が現れた。

アリーナの観客席は西側と東側で二つに分かれている。

 

『俺が居るのは西側です。パニックになった生徒が出口に殺到してます。一体何が起こったんですか?』

 

『正体不明のISが学園のシールドを破って侵入してきた。観客席の遮断壁もあのISのシステムハッキングによるものだろう。現在、三年の精鋭や教員がクラッキングをしている』

 

『閉じ込められた訳ですか。でもそれって相手も逃げられない訳ですよね』

 

『アリーナのシールドを破って侵入する相手だ、あまり効果は無いだろう。侵入者については織斑と凰が対応している』

 

『了解しました。それと織斑先生』

 

『なんだ』

 

『観客席の出入口の扉を壊しても構いませんか?』

 

『可能なのか?』

 

『ええ。試作品ですがこちらにも光学兵器があります。危険ですから西側の扉の人払いをお願いします』

 

『……わかった。今は非常事態だ、やむを得ないだろう。扉の破壊を許可する』

 

『ありがとうございます』

 

そして通信を終了する。

よし、これで扉を壊しても大丈夫。

 

「さてさて、残る問題は……」

 

俺はそう呟いて目の前の光景に意識を向ける。

 

「出して!出してよ!」

 

「誰か助けて!」

 

「やだ……やだぁ……」

 

出入口にはパニックになった生徒が殺到していた。

扉を叩く人、泣きじゃくる人、助けを呼ぶ人。色んな人がいる。

 

 

「な、なにが起きたの?」

 

「怖いよぉ……」

 

俺の周りにいた一組の子たちは他の子たちよりは比較的落ち着いているが、それでもこの異常事態のせいで怯えている。

 

「いま織斑先生から扉を壊す許可を貰った。だから少し待っててくれ」

 

少しでも安心させようと思ってクラスメイトにそう告げ、俺は出入口の方へ向かおうとするが扉の前はパニックになった生徒で埋め尽くされている。

 

この人混みの中を行くのは自殺行為だろう。

かと言って大声を出すのも良くない。

 

ではどうするか?

 

「こうします」

 

俺は四天の待機状態である眼鏡を外し、それを掲げる。

 

すると、眼鏡のレンズが懐中電灯のように光った。俺はそれをモールス信号のように点滅させる。

 

このライト、通称メガネビームは四天の便利機能の一つである。

 

 

観客席は遮断壁のせいで日光が入らず暗くなっている。その中でいきなり何かが光ったのである。

まず手前にいた生徒が何事かと振り向く。

そして後ろから押されなくなった真ん中の生徒がこちらへ振り向く。

一人、また一人とこちらを振り向く。

そして全員が振り向いた。みんな

行動を止めてこちらを見つめている。少し恥ずかしい。

 

「俺がISを使って扉を壊す。だから皆は離れてくれ」

 

俺がそう皆に告げるといつぞやのモーゼの海割りのように道が出来た。

俺がその中を歩いて扉の前へ到着すると、扉に殺到していた生徒はぞろぞろと後ろへ下がっていった。

みんな一応落ち着いたらしい。

 

「危険だからギリギリまで下がってくれる?うん、そう、そこでいいよ」

 

 

さぁて、責任重大だ。

これで扉を破壊出来なければ恥ずかしい。

織斑先生に頼んだから扉の向こうに人は居ないだろう。

よし、いっちょ派手にやるか!まさかこんな形で役に立つとは思っていなかったが換装して生まれ変わった四天の力を見せてやろう。

 

「行くぞ!」

 

換装後の四天をイメージしてISを展開。

俺の身体が光の粒子に包まれる。

 

《警告!敵ISよりロックオン。こちらへの射撃を確認》

 

「え?」

 

何の光ィ!?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

「馬鹿!全然当たってないわよ!」

 

気合いの雄叫びと共に繰り出す斬撃はかわされた。

 

俺と鈴は突如現れた謎のISと交戦している。

呼びかけても答えない。全身装甲製のため搭乗者は分からない。なぜIS学園に侵入したのかも分からない。

ほんと謎だらけだ。

 

さっきから鈴との連携で攻撃はしているものの、敵ISはいともたやすくかわしてしまう。

変な音もするし、あいつのスラスターどうなってるんだよ。

 

「来るわよ一夏!」

 

「分かってる!」

 

敵ISが両の手のひらをこちらに向け、小型のビームを連続して撃つ。

敵はこちらの攻撃をかわすと決まってこう反撃してくる。

いくらなんでもワンパターン過ぎる。

 

と、そこまで思ったところで閃いた。

 

迫るビームを避け、鈴と隣り合う。

 

 

「なあ、鈴」

 

「なによ一夏」

 

「もしかしてあいつ、人が乗ってないんじゃないのか?」

 

「は?ISは人が乗らなきゃーー」

 

先ほど閃いた内容を言うと鈴は信じられないという反応をしたが思い当たる節があるのか言葉を止めた。

 

「確かに、動きがワンパターンっていうか機械染みてるわね。今だってあたし達が話しているのに何もしてこないし」

 

「それにさ、いくらなんでも腰が細すぎるだろ」

 

「……アーマーで隠れてて気づかなかったわ。よく見てるわね、アンタ」

 

「鋼夜が言ってたんだよ。相手をよく観察しろ、ってな」

 

「……で?仮に無人機だったらどうするわけ?無人機だったら勝てるの?」

 

「ああ、勝てる!」

 

人が乗ってないなら容赦無く全力で攻撃しても大丈夫だ。

零落白夜を叩き込めば勝てる。

 

「その自信はどこから……あら?」

 

鈴が何かに気付いたようだ。

数秒かからず俺も鈴と同じような反応をした。

 

《ISの展開を感知。機体名『四天』ーー》

 

四天……鋼夜か!

反応はどうやら西側の観客席らしい。

 

「……!?一夏!アイツを止めるわよ!今すぐ!」

 

鈴の叫び声で意識を敵ISに向けるとアイツは尻尾?みたいに背中についていたものを担いでいた。射撃武器か?

その先にはーーーー観客席!?

まずい!観客席には遮断壁とシールドがあるがアイツはそれを破ってきたからここに居るんだ!シールドと遮断壁は意味が無い!

 

「やらせないわよ!」

 

鈴が衝撃砲を放って牽制するがアイツは意にも介さない。

 

「やめろおぉぉぉぉぉ!」

 

俺もアイツに向かって加速するが追いつかない!

 

そしてーーーー

 

独特の発射音が鳴り響く。

尻尾型の射撃武器からビームが吐き出される。

黄色いそれは観客席のシールドと遮断壁を貫通しーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー謎のISの方に戻ってきた。

 

戻ってきたビームはそのまま尻尾銃(仮命名)に命中。尻尾銃は爆発した。

 

 

 

「は?」

 

「え?」

 

唐突な展開に俺も鈴も呆然とする。

そういう武器なのかと思ったが謎のISの動きが一瞬鈍ったことから、武器が爆発したことからそれは無いと判断する。

 

……ビームが跳ね返った?

 

 

 

「あー、びっくりした。立つ瀬ないじゃん、俺」

 

俺以外の男の声が聞こえる。

この学園に俺以外の男で、こんな事が出来そうな奴は一人しか居ない。

 

 

「「鋼夜!」」

 

鈴とハモりながら、俺はそいつの名前を呼んだ。

 

 

 

 

 

例えるならそれは明け方の太陽。

俺と同じ白ではなく、光の輝きを放つ綺麗な金色(こんじき)

 

 

「待たせたな」

 

 

観客席の遮断壁とシールドの穴から太陽のような黄金のISを纏った鋼夜が現れた。

 

 




黄金のIS……一体何ツキガンダムなんだ……?


ガフランほど悪役って感じのするMSはなかなか居ない気がする

AGEはユリンが死んでから見てません(小並感)

デシル死ね(直球)
やーいwwwやーいwwwお前のゼダス2マス無しwww

ハイスミマセン調子乗りましたマジスミマセン

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