神様転生した者だけど毎日が苦痛   作:八雲 紅

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プロローグ

輪廻転生という言葉がある。

難しい事は忘れたが、肉体と記憶は無くなっても魂は消えずに新しい生を受ける。

とか、そんな感じ、だった気がする。

 

何故、いきなりこんな事を話し始めたのか、それは俺が実際にそれを体験したからである。

 

まず第一に、俺は死んだ。

高校を卒業し、社会人になるまでの間に車の免許を取った俺はドライブに出た。

ああ、今でも驚いている。正直、嫌な予感はしてた。

俺はその日、交通事故で死んだ。なんで事故ったのかは……思い出したくない。

 

死んだはずの俺は、気付いた時には辺り一面真っ白な空間に存在していた。

死後の世界なのかと思って辺りを見回していると、神様を名乗る男性が現れた。

その神様が言うには、俺は本来あそこで死ななかったらしいが、何かしらの原因で死んでしまったため、こうしてお詫びに来たらしい。

 

次の転生先は、この作品なんてどうだろう、サポートとして他の転生者を、物語に絶対関わるようにしよう。

など、俺を置いて話はどんどん進んでいった。

 

なんで何も言わなかったか?……混乱してたからに決まってるだろ。直ぐに理解したり納得するなんて実際あり得ないから。

 

そんで、気が付いたらいつの間にやら赤ん坊さ。

 

 

……以上が俺の経験した転生。

ちょっと違う?まぁ、別にいいじゃないか。

俗に言う神様転生ってやつ?そういうのを本気で考えてた時期が俺にもありました。

 

 

なんにせよ、俺は現状を楽しんでいる。

神様には本当に感謝している。

二度目の人生万々歳!記憶があってニューゲーム状態、最高!

神様は何か色々言っていたが、まぁ、大丈夫だろう。気にしない気にしない。

俺のためを思って、転生させてくれたんだ。悪い事は起きないはず。

 

 

……そう、この時までは。

あの事件が起こる迄はそう思っていた。

 

様々な波乱が巻き起こる前触れとなり、ここがどういう世界なのかを俺に教えてくれた。

 

その名は『白騎士事件』

 

日本に大量のミサイルが飛んで来たが、どこからともなく現れた白い人型の何かがミサイルを全て撃墜し、日本を守った、という内容の事件だ。

 

そう。かの有名な作品「インフィニット・ストラトス」に登場する、重大な事件(イベント)である。

 

 

この時、俺は初めて神様を思いきり殴りたくなった。

なんでよりにもよってISの世界なのか、と。

 

 

俺の名前は如月 鋼夜(きさらぎ こうや)

何の変哲もない一般人……いや、転生者。だと思いたい。

ISの知識は……アニメを見ただけ。あと薄い本を少々。

……大丈夫だろうか?俺。

 


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