新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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今回も殆ど弄っていません。文章等の細かな所は変更は行っていますが、劇的な変更は行っておりません。


第二話~異世界

キラ達が住む世界(C.E)とは異なる平行世界の地球では、MSとは違う機体が存在する。それは“IS”と呼ばれるマルチフォームスーツである。

正式名称は『インフィニット・ストラトス』と言い、ISが発表されてから早十年が経ち、世界は男女平等から女尊男卑の世界へと移り変わってしまった。

 

そして、日本から少し離れた人工島にはとある学園が存在していた。それは“国際IS学園”と呼ばれ、世界各国からIS乗りが勉強する学園である。

その学園の職員室では二人の女性が話していた。

 

「しかし、驚きましたね」

 

緑色の髪をし、身長は小さいとも言わず大きいとも言わない、所謂〔子供が大人の真似をした〕感じの女性が隣に座る女性に尋ねた。

 

「そうだな。私も思いもしなかった。身内から……しかも()が動かす事が出来るとはな」

 

黒髪で稟とした女性が答えた。

 

「なんで、女性にしか反応しないISが男性に反応したんですかね、織斑先生?」

 

先程の緑色の髪をした女性が織斑先生に尋ねる。

 

「それは、私も聞きたいほどだ、山田先生。もしかしたら、あの篠ノ之束博士でも判らない事があるのではないか?」

 

織斑先生も山田先生にそう答えた。

 

「そうかも知れませんね………」

 

山田先生はそう言うと、前に積まれた書類のタワーの片付けに入る。

 

「さて、私も片付けにはいr『ズガァァン‼』ッ⁉ なんだ! 何が起きたっ‼」

 

織斑先生はそう言うと近くにいた同僚に尋ねる。

 

「わ、判りません。しかし、何処かのアリーナに何かが落下したような音でしたが………」

 

同僚の先生は織斑先生に伝える。

 

「何処のアリーナd『緊急事態発生‼ 繰り返す、緊急事態発生‼ 第三アリーナにて未確認の部隊らしき者達が落下しました。現在動ける先生方は至急第三アリーナまでIS装着し向かって下さい‼』第三アリーナか‼ 行くぞ、山田先生‼」

 

織斑先生は山田先生にそう言うと格納庫まで走って行く。

 

「待って下さい‼ 織斑先生⁉」

 

山田先生もそう言いながらも織斑先生の後に続くように走る。

 

 

 

第三アリーナには沢山の女性達が集結しており、その中には織斑先生や山田先生もいるが、そこから誰も動こうとはしなかった。否、動けないのである。何故ならば、そこには六人の人間が倒れていた。しかし、それが女性のみ(・・・・)であれば良かったのだが、その六人の内、男が三人(・・・・)もいた為、誰も動けなかったのである。

 

「お、織斑先生……どうしますか?」

 

山田先生は織斑先生に尋ねた。何故、織斑先生に尋ねたかと言うと、織斑先生はこの学園内で緊急時の最高指揮権を持っているためである。もう一つ、指揮権を持っているところがあるが、それはまた別の機会に。

 

「山田先生方はあの者達を調べて下さい。手の開いた先生方は近くで待機していて下さい」

 

織斑先生は先生方にそう指示を出し、先生方は織斑先生の指示に従い六人を調べた。

 

「お、織斑先生⁉ これって……」

 

一人の先生がある物、五つを持って来ながら織斑先生に言った。

 

「………山田先生、これを至急調べてください。なるべく急いで」

 

織斑先生は山田先生にそう指示を出す。山田先生は織斑先生の指示に従い、五つの物をある場所に持って行った。

 

「さて、他の先生方。この者達を保健室まで連れて行きますので手伝って下さい」

 

そう言うと、織斑先生はISを解除し一人の少年を担いだ。それに続くように周りの先生方も一人ずつ担いで保健室まで連れて行った。

 

 

 

 

「ん………こ、此処は何処だろう?」

 

そして、最初に保健室で起きたのは、キラであった。

 

「あ、アスランにシン、ルナマリア、カガリ、ラクス‼ 起きて‼」

 

キラは周りを見渡してアスラン達が寝ていた為、起こそうと声を掛けた。

 

「な、なんだ……ッ‼ 此処は何処だ⁉ キラ‼」

 

「頭が痛い………」

 

「此処は何処なんですか………?」

 

「き、キラ⁉ 無事だったか‼」

 

「キラ、此処は何処ですの?」

 

上から順にアスラン、シン、ルナマリア、カガリ、ラクスの順番に起き上がる。

 

「みんな、此処は何処なのかは僕にも判らない。ましてや、僕達は宇宙にいたのに、今では地球にいる」

 

「ならば、此処は地球の基地なのか?」

 

キラ自身も此処は何処であるのかが判らなかった。そして、アスランは窓際に向かって行く。

 

「………キラ、シン、ちょっと来てくれ」

 

アスランは窓を見ながらキラとシンを呼んだ。

 

「どうしたのアス……ラ…ン」

 

「…………⁉ なんだよ、此処は‼ 俺の記憶にも無い基地だなんて。しかも、MSが一つも無い」

 

キラはアスランに呼ばれたのでそちらに向かい窓をみた。そして驚愕した。シンはキラの横で窓を見て声を荒げながら言った。

 

「アスラン、此処から脱出する事が出来ると思う?」

 

キラは隣にいるアスランに尋ねた。

 

「いや、無理だ。いくら、俺達がコーディネイターだとしてもざっと50mの高さはあるだろう」

 

アスランはキラの質問にそう答えた。

 

「じゃあ、どうするんですか⁉」

 

シンはアスランとキラに声を荒げながら尋ねる。

 

「どうにかするしか無いだろうな………にしても…」

 

「うん、僕達が乗っていた機体は……」

 

「何処に行ったんだ?」

 

上からアスラン、キラ、シンの順番に思い出したかのように言う。

 

「キラ、アスラン、シン。そんな所で考えても仕方がありませんわ。これからの事をまず考えましょう」

 

ラクスはキラ達の下に行き、そう提案を出した。

 

「そうだね……今はこれからの事を考えないとね」

 

キラはそう言うとルナマリアとラクス、カガリの下に向かう。

 

「ああ、そうだな」

 

アスランもそう言うとキラの後に続いた。

 

「ちょっ⁉ 待って下さいよ。俺を置いて行かないで下さい‼」

 

シンもそう言うとキラ達の下に向かった。

 

 

 

 

 

 

「さて、これからの事についてだが……」

 

アスランがキラ達を見ながら言った。

 

「うん、僕達は現在無一文の状態」

 

キラがアスランの後に続いて言った。

 

「それに、俺達が乗っていた機体も行方不明」

 

シンも続く。

 

「それに、キラさん達が窓からみてMSは一機もいない」

 

ルナマリアも続く。

 

「それに、周りは海」

 

カガリも続く。

 

「そうですわね。そして極め付けは何てったって」

 

ラクスも続い言う。

 

「「「「「「何故か知らないけど、若返っている‼‼‼」」」」」」

 

最後は全員でハモりながら言った。

驚くのも無理も無い。

キラとラクス、アスランとカガリの本来の年齢は、C.E78の時点で23歳。

ルナマリアの場合はその一つ下の22歳で、シンの場合はその二つ下の21歳である。

だが、全員が揃って記憶や経験はそのままに、肉体が16歳程度に戻っていたのだ。

 

 

その時、扉の開き、人が入って来る事が判ったのでキラ達はそちらを見ると、部屋に入って来たのは、二人の女性であった。

 

「目覚めたようだな」

 

一人の女性がキラ達に言った。

 

「失礼ですが、貴女は?」

 

キラが女性に尋ねた。

 

「自己紹介がまだだったな、私は織斑千冬だ。此処で教師をしている。そして、こちらが山田真耶先生だ」

 

千冬の紹介に真耶は頭を下げた。

 

「では今度はわたくしから、プラント最高評議会議長ラクス・クラインです」

 

「ザフト軍MS最高司令官のキラ・ヤマトです」

 

「ザフト軍最高評議会専属部隊FAITH隊総部隊部隊長のシン・アスカです」

 

「同じく、ザフト軍最高評議会専属部隊FAITH隊アスカ隊副隊長ルナマリア・ホークです」

 

「オーブ連合首長国国家元首、カガリ・ユラ・アスハです」

 

「オーブ連合首長国最高司令参謀長、アスラン・ザラです」

 

キラ、シン、ルナマリア、アスランはそれぞれの所属軍の敬礼を行い、カガリとラクスは普通に話す。

 

「へぇ」

 

「うむ、敬礼が様になっている。しかし、ザフトやらオーブ等といった国は聞いた事が無い」

 

真耶は直に見た軍隊式の敬礼に目をキラキラさせながら見ており、千冬は、キラ達の敬礼が軍の敬礼だと判ったが、聞いた事の無い国であったので、キラ達にそのことを伝えた。

 

『えっ⁉』

 

キラ達は千冬の言葉に耳を疑った。

 

「では、MSは知っていますか?」

 

アスランが千冬達に尋ねる。しかし、返ってきた言葉はキラ達に驚愕するものであった。

 

「MS? それは何ですか? この世界はそんな言葉は聞いた事がありません。織斑先生はどうですか?」

 

真耶はそう言うと千冬に話しを振った。

 

「いや、私も聞いた事はありません。それに、此処ではISが一番の力である軍事力(・・・)だ」

 

千冬は言った。

 

「IS? それは何ですか?」

 

シンは訳が判らないと言った感じで千冬に尋ねた。

 

「なに⁉ ISを知らないだと⁉ どういう事だ……話しが噛み合わないぞ」

 

千冬はキラ達がISの事を知らない事に驚き、自分達が言っている事とキラ達が言っている事の違いに戸惑っていた。

 

「では、話しを変えましょう。織斑先生、此処は何処ですか?」

 

ラクスが話しを変える為、此処についてを千冬に尋ねた。

 

「此処はIS学園だ。此処では全世界の女子が集まりISについてを学ぶ場所だ。後、此処では高校の勉強もしている」

 

千冬は大まかな説明をキラ達にした。

 

「では、こちらからも質問だ。お前達は何処から来た。そして、お前達は私達の敵か?」

 

千冬は目付きを変え、キラ達に尋ねる。それは正しく〔嘘を吐くと殺す〕といった目であった。

 

「僕達は貴女方の敵ではありません。それに、僕達は元々は宇宙にいました。しかし、謎の電磁波が起き、気付けば此処にいた……という訳です」

 

千冬の質問にキラが答える。

 

「なんとも奇妙な話しだな…………だが、それよりもお前達にまた質問なんだが、この名前に覚えは無いか? 『ストライク・フリーダム』『インフィニット・ジャスティス』『デスティニー』『アカツキ』『インパルス』」

 

千冬は名前を言っていく。

 

「その名前は僕達が搭乗していた機体の名前です」

 

キラが千冬に言った。

 

「そうか……なら、明日詳しい話しをする。それまでは安静にしていろ」

 

千冬はそう言うと真耶と共に保健室から出て行った。

 

 

 

「さて、キラ。これからどうする?」

 

アスランがキラに尋ねた。

 

「そうだね、僕達の機体は織斑先生がもっているっぽいけど、その前に」

 

キラはそこで言葉を止めた。

 

「「「俺(僕)達、一文無しじゃないかァァァ‼」」」

 

キラとアスラン、シンはハモりながら言った。というか叫んだ。

 

「まぁそんなに叫ばなくても……」

 

ルナマリアはキラ達に言った。

 

「だけど、ルナ。良く考えてみろ。これからの生活はどうするんだ‼ 一文無しだと仕事もしないと行けないけど、それ以前に、俺達の戸籍はどうするんだよ‼」

 

「シン、もうそれぐらいにして。でもシンの言う通りかも知れないね」

 

シンはルナマリアに声を荒げながら言うが、キラはシンを落ち着かせながらも、シンの言う事に賛同する。

 

「しかし、本当にどうしたもんか……俺達の機体の名前はあの織斑先生や山田先生は知っているようだが……」

 

「アスラン、今は大人しく此処で待っていた方が良いんじゃないか?」

 

アスランもシンの言う事に賛同しつつ、自分達が搭乗していた機体についてを考えているが、カガリはアスランにそう提案を出した。

 

「そうですわ。今は大人しく此処で待っていることしか、わたくし達には方法がいりませんもの」

 

ラクスもカガリの提案を推した。

 

「そうだね。アスラン、シン。今は此処で大人しく待っていようよ」

 

キラもアスランとシンにラクス達の提案を推した。

 

「そうだな」

 

「そうですね。それとルナ。さっきは怒鳴ってゴメン」

 

アスランもシンもキラ達の推す提案を受け入れ、シンに至ってはルナマリアに怒鳴ったことを謝った。

 

「ううん、大丈夫よ。何時ものことだしね」

 

ルナマリアもシンの謝罪を素直に受け入れた。

 

「それもどうかと思うぞ」

 

カガリはシンとルナマリアに聞こえない様に呟いた。

機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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