新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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書き上げたぞ‼ マジで書き上げた。長かった‼
やっと、本編に戻れる‼(多分

アンケートしてますので、活動報告をご確認ください。


第二十六話~説明Ⅴ

モニターにはエターナルから離れるアークエンジェルが映し出されていた。

それを追おうとするレジェンドであったが、ストライク・フリーダムが立ち塞がったのである。

ストライク・フリーダムはドラグーンを全機射出し、レジェンドを攻撃するが、レジェンドはその攻撃を読んでいたのか回避する。すると、レジェンドを護ろうとデスティニーがストライク・フリーダムに攻撃をする。

だが、キラも負けていなかった。デスティニーの高エネルギー長射程ビーム砲が放たれると、ストライク・フリーダムのカリドゥス複相ビーム砲と相対させたのである。

 

「ここまでの技術を………私達にはムリだな」

 

「はい」

 

千冬はキラとシンの戦闘を見て、もし彼らが敵となれば誰も敵わないと感じていた。

すると、デスティニーはその場を後にしてアークエンジェルを追って行った。

 

「なぜ、アスカはアークエンジェルを追ったのだ? このまま続ければ戦力で勝っているのだから勝てたのでは?」

 

「ええ、確かに…いや、無理ですね。俺とレイの力ではキラさんに勝てません。それは、今も同じ事です」

 

「なに? そこまで強いのか……ヤマトは」

 

「キラさん、もし全力で戦うとすればどうなりますか?」

 

シンはキラに問うた。それは、殺し合いをする場合であればの話である。

 

「もし、全力で戦いとなれば学園は間違いなく消える」

 

「「なっ⁉」」

 

キラの言葉に千冬と真耶は驚いた。まさか、そこまでの被害が出てしまうと思うと戦慄したのである。

 

「話を続けます。僕はレジェンドと交戦しました。ですが、レジェンドのパイロットは………」

 

キラにとって、この戦いはある意味で宿敵とも言えるからである。

すると、音声が流れ始めた。

 

『これは……どう言う事なんだ………君は‼ 君は誰なんだ‼』

 

『判るだろう……お前には………俺は、ラウ・ル・クルーゼだ‼』

 

『ラウ・ル……クルーゼ‼』

 

キラは戦慄する。先の大戦で自分が殺した人間が現れた事に。

 

『人の夢、人の未来、その素晴らしき結果‼ キラ・ヤマト‼ ならば、お前も今度こそ消えなくてはならない‼ 俺達と一緒に‼』

 

レジェンドとストライク・フリーダムの戦闘は、ストライク・フリーダムが押されるばかりであった。

 

『生まれ変わる世界の為に‼』

 

ストライク・フリーダムにカリドゥス複相ビーム砲をレジェンドはビームシールドで受け止めた。

 

『そんな……なんで君が……なぜ君がまた‼』

 

『逃れられないもの、それが運命……そして取り戻せないもの、それが過去だ‼ だから、もう終わらせる。これまでも、全て。そしてあるべき正しき世界へと戻るのだ。人は‼ 世界は‼

 

『でも、違う‼ 命はなんにだって一つだ‼ だから、その命は君だ‼ 彼じゃない‼』

 

ストライク・フリーダムのハイマット・フル・バーストが放たれ、レジェンドのコックピット部を除くすべてを撃ち抜き、レジェンドを大破にする。

 

「命は一つ……か………」

 

「織斑先生?」

 

千冬はある事を思い出していた。それは、過去にドイツで教官として赴いていた時の事である。一人の少女と出会った。その少女は、軍内部では出来損ないとして扱われていた。だが、千冬のお陰もあってか、今ではとある部隊を率いる者として重宝されていた。

 

「いや、過去にあった少女の事を思い出していてな………彼女に何もしてやれなかったと後悔をしているのだ」

 

「………」

 

真耶は千冬にもこんな弱い姿を見るのは初めてであった。だからこそ、自分が彼女を支えようと思うのであった。

 

モニターは切り替わっており、インフィニット・ジャスティスとデスティニー、インパルスの戦闘が映し出されていた。

だが、インパルスは戦闘を見ていた。すると、デスティニーはパルマ・フィオキーナを使いインフィニット・ジャスティスを攻撃しようとした。だが、インフィニット・ジャスティスとデスティニーの間にインパルスが介入した。

 

「私は……このままだとシンガ壊れてしまうと思い、戦闘に介入しました。ですが………」

 

「ルナ………ゴメン」

 

「もう、終わった事でしょ? 私も気にしてないわ」

 

ルナの心境はシンを止めたいと言う気持ちだけであった。だが、それが逆にシンの神経を逆なでしてしまったのである。

モニターの映像がそれを映し出していた。味方であるインパルスをも攻撃しようとしたのである。だが、寸での所で、インフィニット・ジャスティスがビームキャリーシールドを掲げて、パルマ・フィオキーナの攻撃を受け止めたのである。シールドで弾いたインフィニット・ジャスティスはビームサーベルをデスティニーに振りかぶる。

デスティニーはそれをパルマ・フィオキーナで防ごうとした。だが、熱に耐えきれなかった腕部は肘から下を破壊され、足で攻撃しようとしたがインフィニット・ジャスティスには下肢にもビームブレイドが搭載されている事により、デスティニーは片足を残して後方に投げ出され月面に不時着したのであった。そして、インパルスがデスティニーに向かったのである。インフィニット・ジャスティスはそれを確認すると、ムウの助けに入る為に飛び去ったのであった。

 

「お前達は………敵として戦い、傷付き、それでも尚、前へと進むのだな」

 

「はい。それが僕達の役目であると思っているからです」

 

千冬の言葉にキラは頷いて答えた。

 

「ここからが最後となります」

 

キラがそう言うと、モニターにはアークエンジェルとミネルバの戦闘が映し出された。アークエンジェルの主砲であるゴットフリート二番がミネルバのトリスタンによって破壊される。

アークエンジェルはミネルバに突撃するが、バレルロールし擦れ違い様にバリアントでトリスタンを撃ち抜いた。トリスタンが破壊された事により、両舷ランチャーが発射不能となり、ミネルバの残る武装は実弾砲であるイゾルデのみとなった。だが、ミネルバの悪夢はここで終わらなかった。

インフィニット・ジャスティスのファトゥム‐01が射出され、ミネルバのメインスラスターを破壊したのである。これにより、ミネルバは航行不能となり月面へと不時着し、ミネルバはこれを持って戦闘不能となったのであった。

 

「ミネルバを撃退した俺はムウ・ラ・フラガ大佐と共にレクイエム内部に侵攻し、それを破壊しました」

 

アスランがそう言うとモニターにはレクイエム発射口から脱出するアカツキとインフィニット・ジャスティスが映し出された後、炎と共に破壊されるレクイエムが映し出された。

 

「議長は諦めなかった。メサイアのネオ・ジェネシスを発射しました。これにより、退避の遅れたザフト艦、オーブ、連合艦は呑み込まれました」

 

キラが説明すると、そこにはネオ・ジェネシスが放たれ、ナスカ級やローラシア級、ネルソン級、イズモ級が呑み込まれる様子を映し出していたのである。

 

「味方諸共……だと………」

 

「酷い、ひどすぎる‼」

 

千冬と真耶は悲痛な叫びを上げた。

 

「僕はミーティアを使って、要塞のシールドを破壊しました。これにより、要塞はビームシールドの展開が不可能となり、通常攻撃でも打撃を与える事に成功しました」

 

キラが説明すると、ミーティアを装備したストライク・フリーダムがビームシールド発生装置を破壊している様子を映し出していた。そして、シールドが消失した要塞にミーティアのミサイルとエターナルから放たれたミサイルが要塞の一部を破壊した。

ストライク・フリーダムはミーティアを装備したまま要塞内部に入ると、ドック内部でフルバーストし内部を破壊したのである。

 

「僕はこのまま内部に行き、議長と対面しました。そして……」

 

キラが説明していると、映像と共に音声が流れだした。

 

『君がここへ来るとは……正直、思っても見なかったよ。キラ・ヤマト君》

 

キラは銃をギルバートへ向ける。

 

『なるほど……だが、良いのかな? 本当にそれで』

 

ギルバートも同じ様にキラに銃を向けた。

 

『止めたまえ。せっかくここまで来たのに、そんな事したら世界はまた、元の混迷の闇へと逆戻りだ。私の言っている事は真実だよ』

 

『そうなのかも知れません。でも、僕達はそうならない道を選ぶ事も出来るんだ。それが許される世界なら……』

 

『フン……だが、誰も選ばない。人は忘れる。そして繰り返す。“こんな事は二度としないと”“こんな世界にしないと”一体、誰が言えるんだね。誰も言えやしないさ……無論、君にも……彼女にも。やはり、何も分かりやしないのだからね』

 

『でも、僕達はそれを知っている。解っていける事も、変わって行ける事も……だから、明日が欲しいんだ。どんなに苦しくても、変わらない世界は嫌なんだ‼』

 

『傲慢だね。さすがは最高のコーディネイターだ』

 

『傲慢なのは、あなただ‼ 僕は…ただの一人の人間だ‼ どこも、皆と変わらない、ラクスも‼ でも、あなたを撃たなくてはいけないんだ。それを知っているから‼』

 

すると、入り口が開き女性が入ってくる。また、柱の陰にはレイの姿があった。手に持つ銃はキラを指していた。

 

『だが、君の言う世界と私の示す世界。皆が望むのはどちらかね? 今ここで私を撃って再び、混迷する世界を、君はどうしようと言うんだ』

 

『覚悟はある………僕は戦う‼』

 

キラが握る銃は一切のブレは無かった。アスランも中に入って来ており、いつでもギルバートを撃つ事が可能な状態で構えた。そして、その時は来た。一発の銃声が鳴ったのである。

 

 

 

そして、倒れたのはキラも無くアスランでもなくタリアでもなくレイでも無かった。倒れたのはギルバートであった。

ギルバートは胸を撃たれ、そのまま後ろへ倒れたのである。キラは銃声のした方へ目を向けると、そこには額から血を流す一人の少年の姿があった。

レイは自分が撃った事に後悔をしているのか、銃を握ったままその場に崩れ落ちた。

 

『レイ‼ ハッ‼』

 

タリアはギルバートの許へ向かった。キラ達もギルバートの許へ駆け寄ろうとしたが、内部爆発によってその足を止めた。

 

『やぁ、タリア……君が撃ったのかい?』

 

『いいえ、レイよ』

 

『ギル………ご…めん……なさい……でも‼ 彼の…明日‼』

 

『………そうか……』

 

ギルバートはまさかレイが自分の示す世界では無く、キラの言う世界を選んだのである。ギルバートは自身の負けを認めたのである。

すると、再度、内部爆発がありアスラン達はタリアの許へ向かおうとした。だが、タリアは銃を向け止めさせた。

 

『グラディス艦長‼』

 

『あなた達は行きなさい。この人の魂は、私が連れて行く‼』

 

タリアの覚悟に誰も口を出せなかった。

 

『ラミアス艦長に伝えて……子供が居るの。男の子よ……いつか、会ってやってねって』

 

『判りました』

 

キラが答えると、アスランと共にその場を後にして、自分達の機体へと戻って行った。

だが、映像は終わっていなかった。

 

『レイ、あなたもいらっしゃい』

 

キラ達はレイとタリアを一瞥すると、そのまま出て行った。

 

『すまないね、タリア………でも、嬉しいよ』

 

ギルバートは、今でも愛している女性と共に逝ける事に嬉しく感じていた。

 

『しょうの無い人ね……でも、ホント。仕方が無いわ。これが運命だったと言う事じゃないの? あなたと私の……』

 

『フフ…止めてくれ』

 

レイは静かにタリアとギルバートの許へと行っていた。

 

『あなたもよく頑張ったわ』

 

タリアはそう言うとレイを抱きしめる。レイは今まで人肌に触れる機会が無かった。だが、今だからこそ解る。母親と言うのは、こうも温もりを与えてくれるのかと。

 

『だから、もう良い。もう良いのよ』

 

レイはラウが優しく自分に笑ってくれている姿が見えた。それは、もう自分に捕らわれる事無く、レイ自身の答えを出した事を嬉しく思っている表情であった。

 

『お…かあ……さん』

 

レイがタリアを母と呼んだ瞬間、レイ達がいた場所は爆発し、メサイアは月に衝突。崩壊したのであった。

 

その場にいた者、全員が何も言えなくなった。人間を恨んでいたラウ。そのクローンであるレイ。二人の最後に。

 

「………この後の事をご説明します」

 

口を開いたのはラクスであった。

 

「メサイアが崩壊した事により、また、最高評議会議長であるギルバート・デュランダルが死んでしまった事により、ゴンドワナが現時点での司令部となりました。わたくしはこの機にゴンドワナへ通信を入れ、戦闘中止を言いました。すると、ザフトも同じ考えだったのでしょう……信号弾が放たれました。これにより、全ての軍が引いたのです」

 

ラクスがそう言うと、モニターには宇宙に咲く光が星々と共に光り輝いていた。

 

「綺麗だな………」

 

千冬はその光景を目にして、小さく呟いた。

 

「C.E74年にプラントとオーブ首長国連合は停戦しました。わたくしは両国の関係を仲介した事もあり、プラント評議会に要請を受け、プラント本国へ戻りました」

 

「そして、一時的に俺達はオーブへ戻った」

 

アスランの説明すると、モニターの映像が動き出した。

それは、オーブの海岸に設置された小さな慰霊碑の前であった。慰霊碑の前にはシン、アスラン、ルナマリア、メイリンの姿があった。ルナマリアはユリの花束を慰霊碑に献花する。そして、全員が黙祷する。

アスランは振り返った。丘には花が咲いていたのであろう。だが、既に朽ち果てており土しか見えていなかった。

すると、突然音声が流れ始めた。

 

『ずっと、ここが嫌で……でも、ずっと気になってて……こんな風じゃ無かった。こんな所じゃ………』

 

シンは自分の想いを話していた。

 

『でも、こんなのは………こんなのは、もっと嫌だ』

 

『シン………』

 

その場にいる全員がシンの気持ちを痛いほどわかっていた。理解していた。だからこそ、戦争を止めたかった。

 

『トリィッ‼』

 

すると、キラの機械ペットであるトリィが鳴きながら現れる。アスランは気付き、後ろを振り返るとそこにはキラとラクスが花束を持ってこちらへ歩いて来る姿を見付けた。

 

『キラ………』

 

『ん…あっ‼』

 

アスランの声にメイリンが反応し、ラクスがいる事に驚いていた。

 

『来てたんだ』

 

『ああ……』

 

キラの言葉にアスランは静かに返事をする。

シンは自分を見つめるキラを見た。すると、アスランから驚くべき事を告げられたのである。

 

「そう言えば、ここでキラさんと会ったのは二回目でしたよね?」

 

「うん、そうだね………」

 

シンとキラは一度、会っていた。

 

「そうなのか………」

 

アスランはその時、シンがどういう状態であったのかを思い出していた。

 

『シン、彼がキラだ。キラ・ヤマト。フリーダムのパイロットだ』

 

『ええ⁉』

 

「まさか、キラさんがフリーダムのパイロットだなんて思いもしませんでしたよ」

 

「そうかな?」

 

「はい。キラさんってどちらかと言うと、おっとりとしているからMS乗りには見えません」

 

「ルナマリア、君まで………」

 

「スマン、キラ。私もだ」

 

「………」

 

カガリにまで言われ、キラはショックを隠し切れずその場に崩れる。

 

モニターの映像は続いていた。

キラは静かにシンに手を差しだした。

 

『ダメ……かな?』

 

シンもキラの手を握り返した。

 

『幾ら吹き飛ばされても、僕らはまた、花を植えるよ。きっと……』

 

『それが、俺達の戦いだな』

 

『一緒に戦おう』

 

キラの言葉にシンは涙を零した。

 

『はい‼』

 

「それからですが、僕は正式にザフトへ移り、白服へなりました。これまでの功績をあったので……そして、それから四年後、僕はその時にはザフト最高司令官として就いており、ラクスはプラント最高評議会議長の座に就きました」

 

「私はオーブ首長連合国の長として」

 

「俺はオーブ軍参謀長官としてカガリを助けて来ました」

 

「俺達はキラさんの部下として、そしてFAITH隊の隊長としてエターナルを所属艦にして、ザフト軍で働きました。そして俺達はこの世界に来ました」

 

キラ達の長きに亘る説明は、終わったのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等あれば、よろしくお願いします‼

機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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