新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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大変、長らくお待たせいたしました。
漸く書き上げれたので、投稿いたします。

また、自分の活動報告にてアンケートを実施しております。
回答は、メッセージにてお願いします。


第二十三話~説明Ⅱ

シンが話を終えると、その場は静かとなる。

 

「話を戻します。インパルスは大破状態でしたが、なんとか飛行する事は可能であった為、ミネルバに着艦後、皆に祝福されました。でもアスランは違った」

 

シンはそう言うとアスランを見る。アスランは一つ頷くと口を開いた。

 

「その時の俺の心境は、友人を討たれたショックでした。また、それをしたのが自分の部下だと思うと、どうもやるせない気持ちでした。そして、俺はシンを殴ってしまった。本来、軍人は私情を挟むべきではないと判っていても、それを律せなかった。その後ですが……」

 

アスランがモニターに目を移すと大規模な軍港にミネルバが入港している様子であった。

 

「この軍港はザフトが保有しているジブラルタルの軍港です。その軍港には連合軍の艦艇も入港していました。それは、ある目的のためです」

 

「目的……それはなんだ?」

 

「対ロゴス戦です。ロゴスを討つと言う名目で集まったのは、連合、ザフトの機体や艦艇でした。ですが、その前に俺とシンは、司令本部から出頭命令が下され、俺達は司令本部へと向かいました」

 

アスランがそう言うとモニターには、ギルバートとシン、アスランの三人が映し出される。そして、装甲に色が付いていない状態であるアクティブモードのMSが二機、そこに映し出されていた。

 

「バックパックに突起物があるのは、ZGMF-X666Sレジェンド。プロヴィデンスの発展機である機体です。隣にあるのはZGMF-X24Sデスティニー。ザフトが開発した新型機です。この機体を俺とシンは受領する予定でした」

 

「どう言う事だ、ザラ?」

 

アスランの説明に千冬が質問する。

 

「俺は議長の言葉を真意を確かめようとしたのです。ですが、俺には議長の言葉の一つ一つが信用できなくなってしまった。その結果、議長は俺を捕まえ、殺そうとしたのです。それを知ったのは、ラクスの影武者としてラクスを演じていたミーア・キャンベルからでした。ミーアは議長とレイが話している内容を俺に教えてくれました。俺は、ミーアまでもが議長によって殺されると感じ、一緒にザフトから出ようとしましたが、彼女はそれを拒みました。そして、俺はザフト軍から抜けようとしましたが、それを察知した軍は俺を追いかけて来ました」

 

アスランがそう言うとモニターにはアスランが群から逃げている様子を映し出す。そして、軍が抜けた部屋に侵入すると、そこにはメイリンの姿があった。

 

「彼女は、ミネルバ配属の通信手で、軍から追われている俺を匿ってくれました」

 

モニターにはメイリンと話すアスランが映し出された。二人は二言三言話していると、扉の方を見た。

 

「メイリンの部屋にも保安部の人間が検査の為に来たのです、メイリンはとっさの判断でアスランをバスルームに押し込むと、制服を脱ぎだし下着姿になる。アスランは顔を赤らめてしまうのだが、そんなアスランをカガリはジト目でアスランを見た。アスランは苦笑いをしてやり過ごそうとしたのだが、カガリはそれを許さなかった。

 

「アスラン、後で話がある」

 

「………はい」

 

アスランはカガリの言葉に頷く他無かったのである。

話を戻し、メイリンはバスタオルを体に巻き付けると、そのままバスルームを飛び出し扉を開けた。保安部の人間は急に開けられた事で、蹈鞴を踏んだのだ。

丁度、その時にルナマリアが来て、保安部に詰め寄った。

 

「私はまさか、メイリンの部屋にアスランがいるとは知らなかった。その場を見れば、保安部の人間がメイリンに対して善からぬ事をしようと勘違いしたのです。そして、メイリンはパソコンでハッキングし、あたかもアスランが港にいる様に偽装工作して警報を鳴らしたのです。そして、メイリンはアスランを連れて格納庫へ向かいました」

 

アスランの言葉を勝手に引き継いだルナマリアが説明する。

モニターには格納庫に置かれていたグフに乗り込もうとした瞬間、レイのアサルトライフルの銃弾が至る所に当たって跳弾する様子を映し出していた。

 

「俺はメイリンをこのまま残して一人で逃げようとしました。ですが、レイは『彼女もアナタと一緒で反逆罪です』と言われ、俺はメイリンを残したまま出る事は出来ないと判断し、メイリンを連れてグフに乗り込んだ。そして、そのまま脱出しようとしたが、新型機を受領したシンとレジェンドを起動させたレイによって追われる結果となり、俺はシンのデスティニーのアロンダイトによって機体を貫かれ、撃破された。ですが、俺達はいつの間にかアークエンジェルに収容されていました」

 

モニターにはアロンダイで貫かれたグフが海面に墜ちた瞬間、爆散した様子を映し出したのだった。だが、続きがあった。アスランとメイリンはアークエンジェルへと収容されていたのだ。

徐にキラが口を開いた。

 

「次に僕達の話になりますが、シンによって墜とされた僕は、咄嗟に核停止ボタンを押していました。その結果、核エンジンは爆発する事は無かったのですが、機体の損傷も激しく、僕は負傷してカガリのストライク・ルージュによって救出されてアークエンジェルに収容されました。僕は療養していましたが、ザフトはラクスを討とうと、宇宙で隠れていたエターナルの動向を探っていたのです」

 

キラがそう言うとモニターには、コロニーから一隻の宇宙艇が惑星に入って行く様子を映し出していた。だが、その近くには一機のジンが見ていたのだ。

エターナルは、惑星の一部を切り離し単機である事をする為に行動を始めた。

 

「わたくしは、キラとアスランの新たな剣を渡そうとしました。ですが、降下ポットを降ろす直前にザフトの攻撃を食らい、足止めを食らってしまったのです」

 

ラクスがそう説明すると、モニターには、エターナルの周りで獅子奮迅しているオレンジカラーのガイアがあった。

 

「僕達、アークエンジェルはオーブに極秘で入港していました。ですが、ラクスがザフトに攻撃をされていると聞いて、いてもたってもいられませんでした。その結果、カガリの機体だったストライクを使い、単機で宇宙へと向かいました」

 

キラがそう言うと、モニターにはストライクに大型のブースターが取り付けられ、宇宙へと向かう姿を写し出していた。

ストライクは宇宙へと出ると、エターナルに照準を合わしていたザクに高エネルギー砲を放ち、方針を破壊する。そのまま、グフの腕をビームライフルで撃ち抜いたのだ。

そして、ストライクはブースターを切り離すと、防戦一方だったガイアにビームライフルを投げ、自身はミサイルやレールガン、ビーム砲等で攻撃をしたのである。

すると、エターナルの船底部からオルトロスを放とうとするザクを見付けたキラは、オオトリを自動設定にして、ザクとエターナルの間に入れ込むと、オルトロスの攻撃を防いだのである。

バックパックを失ったストライクであったが、そこはキラの技術である。大型対艦刀と頭部のイーゲルシュテルンを使い、ザクに肉薄するが、旧型であるストライクの攻撃をザクは軽々と回避すると、僚機のザクがストライクにオルトロスの照準を合わせ、引き金を引いた。

ストライクは、その攻撃をアンチビームシールドで防いだが、オルトロスの威力が高い為、左腕と共に爆散する。しかし、キラも諦めなかった。仕返しとばかりにオルトロスを装備しているザクに向けて大型対艦刀を投げつけ、頭部を破壊したのだ。武器を失ったストライクのカバーにガイアがザフトとストライクの間に入った。

ストライクはそのままエターナルへと向かい、緊急着艦システムが働き、アンカーがストライクを捕まえた。だが、その瞬間、ストライクの両足はザクの攻撃により失ったのだ。

 

「エターナルに入った僕はラクスと合流し、僕はフリーダムと言う剣から新たな剣を手にしました」

 

キラがそう言うと、モニターにはエターナルのカタパルトデッキから出撃しようとする機体が映し出される。

 

「ZGMF-X20Aストライク・フリーダム。これが新たな剣として生まれ変わったフリーダムです」

 

モニターでは、エターナルから出撃したストライク・フリーダムは、エターナルに向けて放たれたミサイルを二丁に増えたビームライフルを使い撃ち落としていく。また、自身に向けて放たれるビームは、ビームシールドを使い防いでいく。

フリーダムは徐にザクに近づくと、シュペールラケルタビームサーベルを使い、ザクの頭部を切り落とした。すると、グフはフリーダムに向けて四連装ビームガンを放つが、当たる気配も無く虚しくフリーダムの攻撃によって腕部を撃たれたり切られたりして、戦線を離脱する他無かった。

すると、二機のグフがスレイヤーウイップを使い右足と左腕を拘束した。これで、他の機体が撃てば機体を撃破できると考えたのであろう。だが、ストライク・フリーダムには新たな武装が加えられていたのである。

ストライク・フリーダムのバックパックにあるウィングから八つのユニットが射出され、グフの胴体を除くすべての部分を撃ち抜かれてしまうのであった。

 

「ヤマト……貴様は、これまでの映像でもそうだが不殺を貫くのだな」

 

「はい。僕は出来れば殺したくはありませんから………」

 

千冬の言葉にキラは、これまでの戦いでどれだけの人が傷つき、死んだのかと思うとやるせない気持ちとなった。すると、ラクスがそんなキラを見かねてそっと手を重ね、静かに微笑む。キラもそんな彼女を見て少しだけ心が穏やかになるのを感じ取った。

 

「話を続けます。僕はまだ残っているザクやグフにに総攻撃をしました」

 

キラが口を開くと、コックピット部でモニターがせり上がったかと思うと、ターゲットをロックしていく。そして、ドラグーン、カリドゥス複相ビーム砲、クスィフィアスⅢレール砲、ビームライフルの同時攻撃である、ハイマット・バーストを放ったのである。

これにより、先程までエターナルに群がっていたザクやグフは全滅となってしまう。だが、キラはここでは終わらなかった。

ストライク・フリーダムをナスカ級三隻に向けてドラグーンを放ち、スラスターや武装を全て撃ち抜き、航行並びに戦闘不能状態に陥れたのである。

 

「僕はこのままエターナルに収容されました。ですが………」

 

「ロゴスの最高幹部であるロード・ジブリールは密かにオーブへ逃げていたのです」

 

キラの言葉を引き継ぐようにカガリは口を開いた。

 

「オーブへと逃げたロード・ジブリールは、セイラン達の手引きで宇宙へと上がろうとしました。ですが、その時には既にザフトへ知られていました」

 

「俺達、ザフトはオーブへロード・ジブリールの身柄を渡すように迫りました。ですが、当時の代表代理であったユウナ・ロマ・セイランは、ロード・ジブリールはオーブにいないと言ったのです」

 

シンが口を開くと、モニターでは、オーブ周辺に集結するザフト軍艦艇が映し出される。だが、その瞬間ザフト艦艇から多数のMSが出撃された。

 

「ザフト軍は、セイラン家や行政府などに対する攻撃を行い、民間への被害は努力する様に伝えられました。ですが………」

 

「オーブは……行政府は、この事を民間に知らしていなかったのです。その結果、対応が遅れてしまったのです。私はムラサメ隊を使って迎撃に向かおうとしました。ですが、その時に私の側近であるキサカとオーブ軍技術主任であるエリカがアークエンジェルに来たのです」

 

モニターには、アークエンジェルの艦橋から出ようとするカガリをキサカが止めている様子を映し出している。そして、三人はある場所へ向かっていた。

そこは、オーブの地下に隠された格納庫であった。パネルは長く使われていなかった所為か、埃が積もっていた。

 

「何と書かれていたのですか?」

 

「“この扉、開かれぬ事を切に願う”この言葉を言う事で格納庫の扉が開くシステムになっていました」

 

真耶の質問にカガリが答えると、モニターでは同時に格納庫の扉が開かれる。

 

「お父様は、またこのオーブが焼かれる日が来た時の為に、ある物を極秘で開発していました。そして、それが」

 

カガリが言うと、黄金のMSが現れる。

 

「この機体は、ORB-01アカツキ………お父様が私の為に開発させた専用機です」

 

すると、今まで音の出なかった映像であったが、この時だけはスピーカーから音が流れたのである。

 

『カガリよ。もしも、お前が力を欲する日、来ればその危急に答えて私はこれを贈ろう。教えられなかったことは多くある。が、お前が学ぼうとさえすれば、それは必ずやお前を愛し、支えてくれる人々から受け取る事が出来るだろう。故に私は唯一つ。これのみを贈る。力はただ力。多く望むのも愚かなれど、むやみと厭うのもまた愚か……護る為の剣、今必要ならば、これを取れ! 道のまま、お前が定めた、成すべき事を成す為ならば……が、真に願うは、お前がこれを聞く日の来ぬ事だ。今、この扉を開けしお前には、届かぬ願いかも知れないが………どうか、幸せに生きよ、カガリ………』

 

「お父様ぁ‼」

 

もう一度聞く、父の声にカガリはその場に蹲った。また、真耶は涙を堪えていた。千冬は、悲しげな表情をする。もし、カガリの父が生きているのであれば、話がしたいと思ったからである。

アスランは、蹲るカガリの背中を優しく摩る。

スピーカーからもう音は出なくなっていた。

 

「カガリがこの状態なので、僕が引き継ぎます。オーブはカガリの力によって立て直しました。そして、ユウナ・ロマ・セイランを国家反逆罪として拘束を命じました。それも、ユウナ・ロマ・セイランがカガリを本物として認めてしまったからです。そして、アークエンジェルも復旧し、オーブ防衛戦に参戦する事になりました」

 

モニターには、海中から上昇するアークエンジェルが映し出される。そして、カガリの乗るアカツキとシンが乗るデスティニーが激突した。また、因縁の間であるミネルバとアークエンジェルも接敵したのであった。

アカツキに対してシンはビーム砲を放つが、アカツキに当たった瞬間、跳ね返したのである。ビームライフルに切り替えるが、それも弾かれる。シンはアロンダイトで近接戦闘に変えたのである。デスティニーの放ったビームブーメランがアカツキの左腕を切り落とし、もう一方のビームブーメランを放ちアカツキを討とうとした。

 

「これでは、カガリさんが‼」

 

カガリが撃たれてしまうと感じた真耶が声を上げた。だが、モニターでは、何者かの攻撃によりビームブーメランが撃たれ爆散したのである。

 

「丁度、僕が降下していたのでクスィフィアスを使ってビームを狙撃したんです」

 

キラが言うと、モニターにはキラの駆るストライク・フリーダムが映し出され、腰部にマウントされたビームサーベルを使ってデスティニーに攻撃をしている様子であった。その後方には一機のMSが停空していたのであった。




誤字脱字、感想、指摘等ありましたら、よろしくお願いします‼

機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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