新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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今回は短いですが、書き上げれたので投稿いたします。


第二十話~乱入者

IS学園にある第一アリーナでは、二機のISが対峙していた。

片や世界で一人と言われている男性操縦者である織斑一夏、もう一人は、中国代表候補生である鳳鈴音。

 

「まさか一回戦からアンタと闘う事になるとわね………」

 

「そうだな………俺も鈴と戦える事が嬉しいぜ」

 

二人はオープンチャンネルで話し合う。そして、それぞれの得物を展開し、試合がいつでも出来る状態になる。

 

《試合、開始‼》

 

開始のコールが鳴った瞬間、一夏が鈴に向かって突撃する。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ‼」

 

「バカの一つ覚えの突撃……簡単にいなせるわ‼」

 

鈴は一夏の突撃を危なげもなく、回避すると双天牙月をバトンの様に振り回す。そして、それを一夏に向けて投げつけた。

 

「ウゲッ⁉」

 

一夏はいきなりの攻撃に、避ける間も無く双天牙月に当たり、体勢を崩してしまう。

 

「そこだ‼」

 

鈴は一夏が体勢を崩したのを見逃す事も無く、もう一つの武器である龍咆を放つ。

鈴の攻撃は、一夏の体勢を崩し整える間を与えなかった。

 

「どう? 私の龍咆のお味は?」

 

「なんなんだ………」

 

一夏は鈴からの攻撃が止むと、漸く息をつく事が出来、先程の攻撃の事を考えていた。

 

「一夏、本気を出さないつもり?」

 

「なんだと………?」

 

鈴の言葉に一夏は、イラつきを覚えていた。

 

「鈴、本気を出すぞ‼」

 

「遅いのよ‼」

 

一夏は零落白夜を展開し、鈴へと斬りかかろうとした瞬間、アリーナを覆うバリアを破り、一機の未確認ISが入って来る。

その機体の腕に一丁のビームライフルが握られており、バックパックにはランチャーと大型の対艦刀が備え付けられていた。

 

「何が目的だ」

 

『…………』

 

一夏は未確認機に尋ねるが、答えは返って来なかった。だが、一夏の問いかけに返事をするかのように、ビームライフルを掲げると、一夏に向かって引き金を引いた。

 

「ッ⁉」

 

一夏はいきなりの攻撃に、何とか回避する事が出来たがビームが当たった箇所を見た瞬間、戦慄した。

ビームの威力では無い程のクレーターが出来上がっていたからである。

 

「何と言う攻撃力よ…………」

 

鈴もビームの威力に驚いていた。

 

『織斑君‼ 鳳さん‼ 聞こえますか‼』

 

その時、一夏と鈴を呼ぶ声がすると、モニターには見知った顔が映し出される。

 

「山田先生‼ 何がどうなってるんですか‼」

 

『その為にも、直ぐにアリーナから脱出してください』

 

「でも………」

 

真耶の言葉に一夏は、アリーナを出ようとしなかった。

 

「何してるのよ‼ 今すぐ逃げなさい‼」

 

「なっ⁉ 鈴はどうするつもりだ‼」

 

「決まってるじゃない、アンタが逃げ切るまで私が援護してあげる」

 

「そんな事出来るかよ‼」

 

「さっさと逃げなさい‼」

 

鈴はそう言うと、一夏を残して未確認機へと迫って行く。

 

「俺は………このまま逃げる事しか出来ないのか………クソッ‼」

 

一夏は白式を鈴と同様に未確認機へと向かわせて行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑君‼ 鳳さん‼ 聞こえますか‼ 応答してください‼」

 

真耶は、通信が切られている事に気付かず、ずっと一夏と鈴の名前を呼んでいた。

 

「山田先生、無駄だ………あいつらは通信を切っている」

 

「そんな……また、私は見ているだけなのですか‼」

 

真耶はそう言うと、強くコンソールパネルを叩く。

 

「織斑先生‼ わたくしに出撃の許可を‼」

 

「それは許可できない………」

 

セシリアは、一夏と鈴が戦っている所を、見ているだけでは嫌と感じ、自身の出撃の許可を千冬に求める。しかし、千冬は許可を出す事はしなかった。そして、パネルに書かれている文字をセシリア達に見せた。

 

「これは……⁉」

 

「………未確認機から発せられている電磁波の影響で、すべての扉にロックが掛けられ、こちらでは明ける事が出来ない状況下だ………今、私達に出来る事は……………………無い」

 

千冬の言葉に、真耶は声を上げて泣き叫んでしまった。

しかし、ここでキラ達が動き出した。

 

「織斑先生。ここは僕達に任せてもらえませんか?」

 

「なに? 何か策でもあるのか?」

 

「策と言うか………僕達の機体であれば、このアリーナのバリアを突破する事は可能です」

 

キラの言葉に、その場にいた全員が絶句する。それもその筈である。

IS学園のアリーナに張られているバリアは、一般的なISでは突破する事が出来ない構造になっている。しかし、今回の襲撃機はそれを簡単に突破する事が出来る。となれば、一般的なISでは無く、軍事的に開発されたISと言う考えに至る。

では、キラ達が言った、自分達でもバリアを突破する事が出来る。と言う言葉。

言い換えれば、自分達の機体は軍事用に開発されたISと言う事を、言っている様な物である。

 

「バカ者‼ そんな事をして、自分達に何かあった時どうするつもりだ‼ それに、お前たちは護るべき者達が居るのだろうが‼」

 

「それでも、僕達は行きます。いえ、あの機体は、知っている機体に似ているんです」

 

「なに?」

 

キラの言葉に怪訝な顔をする千冬。

 

「まさか、お前たちはあの機体の事を知っているのか‼」

 

「いえ、僕達が言いたいのは、似ていると言う事だけです。決して、知っていると言う訳ではありません」

 

「……………だが………」

 

千冬は、本当にキラ達を出しても良いのであろうかと、考えてしまう。

その時、ラクスがキラ達の事を後押しする様に、千冬に語り掛けた。

 

「織斑先生………先生がお考えになっている事は、お判りですわ。ですが、わたくしたちは、それでも前へと進むのです。やらないで後悔するより、やって後悔した方がわたくしたちも、諦めが付きます。ですが、今の状況下はどうですか? わたくしたちは諦めるつもりもなければ、死ぬつもりもありませんわ……キラ……いえ、正式な物で行きましょう」

 

「そうだな、アスラン。いや、どうもこっちの言い方に板がついてしまったようだ………」

 

ラクスはそう言うと、キラ、シン、ルナマリアの方を向く。カガリはアスランへと向くと姿勢を正し命令をした。

 

「ザフト最高評議会議長として命令します。ヤマト最高司令官、アスカFAITH隊長、ホークFAITH副隊長。出撃してください。そして、織斑一夏と鳳鈴音の救出を最優先とし、未確認機の撃破を行ってください」

 

「オーブ連合首長国、代表首長として命令する。ザラ参謀長官、ヤマト最高司令官と共に、織斑一夏並びに鳳鈴音の救出を最優先とし、未確認機の撃破を行え」

 

「「「「了解‼」」」」

 

キラとシン、ルナマリアはザフト式の敬礼を。アスランはオーブ式の敬礼をし、管制室を後にした。

 

「ま、待て‼ 勝手に命令をするな‼ それになんだ‼ ザフト? オーブ? そんな国は知らないぞ‼」

 

千冬は勝手に命令をしたラクスとカガリを問質したが、二人はいつもの様な温厚なオーラを潜め、厳格あるトップとしてのオーラを身に纏っていた。

 

「織斑先生。ここからは、戦場です」

 

「戦場を知らない者は黙っていて下さい」

 

「ッ⁉」

 

二人から発せられるオーラに、千冬はただ、怖気づいてしまう。

 

「(なんなのだ、あの二人が放つオーラは⁉ それに、戦場? まさか………いや、あの機体の攻撃力を見れば、致し方が無いのか…………私は……………たった一人の家族を護る事は出来ない存在なのか…………)」

 

千冬は、過去に一夏が誘拐された事を思いだしていた。

 

「(そうか…………私は…………)」

 

「織斑先生、そんな僻む事は無いですよ」

 

「そうだ。織斑先生は、生徒を護る。それが貴女にとっての、やる事でしょう?」

 

「…………そうだな。二人とも、感謝する。オルコット‼ 篠ノ之‼ 二名はすぐに隔壁の破壊を許可する。閉じ込められている生徒を助け出し、その後、周辺の警戒を命令する。篠ノ之は、格納庫に置かれている打鉄を使え‼」

 

「「了解‼‼」」

 

セシリアと箒は、千冬に命令され管制室を後にするのであった。

 

「真耶、ここからは私達の仕事だ。やれるな?」

 

「…………はい‼」

 

千冬は真耶の事を気遣いながらも、自分達の仕事を全うする事を尋ねると、真耶は涙を拭き、顔を上げて千冬に返事をした。

 

「クライン、アスハ。二人とも手伝ってもらうぞ‼」

 

「畏まりましたわ」

 

「判った」

 

二人のコンビネーションは、健在であった。すぐに二人はキラ達に通信を繋げ指示を的確に出していく。

 

「キラは、最大火力で壁を抜いてください。その後、シン、ルナマリアさんで突入し一夏さんと鈴さんの救出を」

 

『『『了解』』』

 

「アスラン、キラが壁を抜いたら突入してくれ。その後、キラと合流してあの未確認機の撃破をしてくれ」

 

『了解した』

 

ラクスとカガリの指示に全員が答えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫に付いたキラ達は、直ぐに機体を展開した。

 

「シン、ルナマリア、アスランは下がっていて」

 

キラは被害を最小限にする為、シン達を後方へ下げさせた。これには意味がある。

キラの専用機である、ストライク・フリーダムの最大火力は、付近にいる機体を巻き込む危険性があるからである。

 

「行くよ、フリーダム‼」

 

キラの声賭けに反応するかの如く、ストライク・フリーダムは輝き始めた。

 

「これって…………そうか、行こう‼」

 

キラは、ストライク・フリーダムの単一仕様特殊能力を発動させた。

 

「ミーティア、リフト・オフ‼」

 

ストライク・フリーダムの後方に一機のモジュールが展開され、装備された。

 

「ハイマット・フル・バースト‼」

 

ストライク・フリーダムのクスフィアスⅣ連装レールガン、カリドゥス複相Ⅱビーム砲、バラエーナⅡプラズマ砲、ミーティアの高エネルギー収束速射火線ビーム砲、高エネルギー収束火線砲の計11もの砲門から放たれたビームは、アリーナの壁を容易く撃ち抜き、キラがそのまま出れるくらいの大きさの穴が、出来上がってしまう。

 

「今だよ、皆‼」

 

キラの言葉で全員がアリーナへと突入していくのであった。




突如として現れた乱入者。一夏と鈴は対峙するが………
キラ達も動き出し、本格的な殲滅行動が行われようとしていた。

次回、インフィニット・ストラトス~英雄達集う。第二十一話~「乱入者Ⅱ」

敵を殲滅せよ、フリーダム‼

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機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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