新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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大変お待たせいたしました‼ 新規で書いている所も多く、難産でしたが何とか書き上げる事が出来ました。
こちらの作品も書いているのですが、主に学園黙示録を書いている為、更新が遅れました‼
これからもこれが続くと思いますが、これからもよろしくお願いします‼


第十五話~委員会の動き、キラ達の想い。そして、捕らわれた少女の嘆き

とある海域で、一隻の戦艦が航海していた。

 

その艦のブリッジにはザフト軍の白服を着た女性が艦長席に座っており、副長席にはまた、同じ白服を着た男性が座っていた。

 

「艦長、間も無く委員会のドックに到着します。交信を行いますがよろしいですかな?」

 

「ええ、お願い。それにしてもその席よりも此処の方がいいんじゃないの? ラウ(・・)

 

「いえ、私は元MSパイロットです。そこにはあなたが座るべきですよ、グラディス(・・・・・)艦長」

 

「にしても、まさか前に乗っていたミネルバ(・・・・)の艦長を務めるなんてね………」

 

グラディス……こと、タリアが艦長を務めている戦艦は前の世界……CE(コズミック・イラ)で自身が艦長を務めていた当時最新鋭の戦艦だった“ミネルバ級MS惑星強襲揚陸艦一番艦ミネルバ”の艦長を務めていた。

 

また、ザフト軍最強であったラウ・ル・クルーゼが、ミネルバの副長を務めていた。

 

尚、この世界での艦名は“ミネルバ級強襲揚陸戦闘艦”という名称で登録されている。

 

「にしてもさぁ、どうしてこんな航海をしないといけないのさぁ?」

 

「ステラもそう思う」

 

「おい、お前達。少しは口を慎めよ。エクステンデットじゃなくなったからって、自由じゃないんだ。これからはもう破壊をしなくても良いんだぜ。それを喜べよ」

 

「でもよぉ、スティング。アビスを早く起動させて遊びたいぜ」

 

「私も……ガイアを遊ばせたい」

 

「おいおい……って、俺もそれを考えてるから人の事は言えないけどな。もう少ししたらドックに付くんだ。そこで許可を貰って遊ぼうじゃないか」

 

「オッケー。じゃぁ、無事に帰れることを願っていますかね」

 

「「…………」」

 

三人の会話にタリアやラウを含めた艦橋クルーは何も口を挟もうとはしなかった。

 

CEでは三人は強化人間として地球連合によって生み出されたエクステンデットだったが、この世界に転生した事によってエクステンデットの効果を失い、普通の少年少女として生を受けたからである。

 

「三人とも、そろそろいいかしら?」

 

「「「はい」」」

 

タリアは三人の会話が終わった頃合いを見図り、声を掛けた。

 

「この航海は無駄な事じゃないわ。ロゴスの動きが活発してきているのが情報として入って来ているの。私達の任務は、ロゴスと対抗する為の練習にしか過ぎないの。だから、無茶な事は言わないでね?」

 

「「「ハッ‼」」」

 

タリアの言葉に三人は敬礼をした。

 

「やはり、委員長の人事は間違っていなかったな…………(流石といったところかな、ギル?)」

 

「止して……(ギルバート……貴方って人は……)」

 

ラウの言葉にタリアは苦笑いを浮かべるのであった。

 

 

 

 

アスラン達はキラの放った言葉に驚きを隠せなかった。

 

「ロゴスだと………だが、あれは俺やレイの力で壊滅させたんじゃ‼」

 

「そう言う事も考えられるけど………よく思い出して? ここはあそこ(C.E)じゃないんだよ?」

 

「ッ⁉ そう言う事か…………これは戦争を回避する事は難しくなるな………」

 

「そうだね………この事を知っているのは国際IS委員会ぐらいじゃないかな?」

 

「だったらいいがな…………」

 

キラとアスランの言葉にシンとルナマリア、ラクスとカガリが頷いたが、セシリアは話の内容が判らなかった。

 

「一体、何の話をしていますの?」

 

「この世界の行く先かな」

 

キラの言葉には何かを含めた表現があった。

 

「そうだな………俺達は、今俺達に出来る事をする他無いな」

 

「その為の力ですもんね?」

 

「そうね」

 

「はい」

 

キラ達は再度、自分達の置かれている立場を確認するのであった。

 

「だが、待てよ? 今はそんな動きを見せていない筈だが?」

 

「そう見えているかも知れないけど、正確には違う。今の世界は四大勢力と呼ばれている勢力が存在するんだ」

 

アスランの疑問にキラが答える。

 

「それって………」

 

「一つ目の勢力は国際IS委員会。全世界のISを管理する組織だね。もう一つがここ、国際IS学園。国家代表候補生や国家代表が専属しているからね。それなりの勢力になっている。三つ目の勢力が裏組織を束ねる亡国機業(ファントムタスク)。結成は第二次世界大戦末期と言われている組織。テロを起こしたりしている。最後に………女性権利団体。これが今のロゴスに繋がっている」

 

「どう言う事だ?」

 

キラの説明に、もっと詳しく説明をして欲しいカガリは投げかけた。

 

「旧名が女性権利団体だけど、今はその名を変えて活動している。それが」

 

「ロゴス………と言う訳だな、キラ」

 

アスランの言葉にキラは頷いた。

 

「お待ちになってください‼」

 

しかし、ここでセシリアが口をはさんだ。

 

「女性権利団体はテロなど起こさない組織では無いのでしたの‼」

 

「それは前のトップがそうしていただけであって、今のトップはそうじゃない。男性を完全に排除する気満々なんだ」

 

「その方の名前は?」

 

セシリアの質問にキラは首を横に振った。キラの手腕を使っても、ロゴスのトップの名前を知る事は出来なかったのである。

 

「一つだけ考えられる事がある」

 

「アスラン?」

 

ここで言葉を発したのはアスランであった。

 

「キラ、カガリ、ラクス。思い出してみろ。オーブ侵略を企てた奴を………そして、ロゴスと言う名前を聞いて思い当たらないか?」

 

この言葉にキラ達は一つの仮説をたてた。

 

「まさか、ブルーコスモスの盟主と…」

 

「ロゴスの盟主………そう言う事か」

 

キラとシンは思い当たる節が多くあった。名前と勢力。この二つだけで仮説は確信へと迫った。

 

「そう言う………事か………」

 

「まさか………アイツが生きているのか」

 

二人は強く歯を食いしばった。

 

「僕達もそろそろ何振り構ってられる状況じゃなくなった………と言う事なんだね。アスラン」

 

キラの言葉にアスランは頷いた。

 

「今の俺達は昔の様には行かない。だが、それでも俺達がやる事は唯一つだ」

 

『どんなに綺麗な花が咲いても、戦いで吹き飛ばされる。だけど、いくら吹き飛ばされようとも、僕らはきっと、また花を植えるよ。きっと。それが僕達の/俺達の戦いだ』

 

これがキラ達の真情である。オーブの慰霊碑前でキラがシンに伝えた言葉を全員で言葉にした。

この言葉を胸に、日々戦っていた。

 

「俺達の中に眠る戦いの記憶が途絶える前に」

 

「俺達が犯した罪を」

 

「わたくし達は忘れてはいけない」

 

「散って逝った花は、元には戻らない」

 

「だが、私達は何度でも」

 

「花を植え続ける」

 

上からキラ、アスラン、ラクス、カガリ、ルナマリア、シンの順番で真情にしている言葉の意味を、言葉にする。

 

「セシリア。今は判らなくて良い。いや、判らない方が良いだろう」

 

「僕達は、もう手が汚れている」

 

「ですが、貴女は違います」

 

「私達と違って、汚れていない手で」

 

「明日を掴んでほしい」

 

「俺達の様にならず」

 

「己の気持ちを大事にしなさい」

 

この時のキラ達の表情はセシリアと同じ年とは感じられず、もっと年上から言われた言葉の様に、セシリアの心の中に入って行く。

 

「はい‼」

 

キラ達の過去は、誰にも判らないがそれでもセシリアはキラ達が言っている言葉の意味を理解していたのであった。

 

 

 

 

 

ロゴスが本拠地として置いている研究所の一室に六人の少年少女が居た。しかし、その少年少女達はハイライトが消えており生気が全く見えなかった。

 

「さて、君達にはこの機体の確保をして貰いたいのです。それと、なるべく、死者は出さないようにしてください。では、機体の情報のプリントを渡しますので頭に叩き込んで置いてください。では、別命があるまで待機してくださいね」

 

アズラエルはそう言うと、部屋から出て行く。そこには、片手に抱いて黒い猫をあやすジブリールが待ってた。

 

「これで奴らの事が判りますね」

 

「そうですね。大金を叩いて製作したGATシリーズが何処まで通用するかが問題ですが、まぁ、デストロイも出るのです。それなりの戦果は果たしてくれるでしょう」

 

「ええ、これで我等の野望はまた一つ進んだ。ギルバートの野望は上手く行かせない様にしないといけませんが、デストロイがあれば大丈夫でしょう」

 

「では、部屋に戻りましょうか? ジブリール」

 

「ええ、もっとゆっくりと話をしましょう」

 

そう言うと、アズラエルとジブリールは肩を並べて歩いて行くのであった。

 

 

ロゴスの本拠地の地下には格納庫が存在している。

だがそこには、どの機体よりも大きさも色も全く異なる機体が存在していた。

 

その機体の足元に一人の少女が、機体を見上げていた。

 

「(これが私の機体………アウル兄ちゃん、スティング兄ちゃん……ステラ姉ちゃん。私を助けて‼)」

 

その少女は言葉を発せなかった。

 

否、発する事が出来ないのだ。

 

薬の副作用により声帯の機能が著しく低下し、言葉を発する事が出来なくなっていた。

 

「(私は此処だよ‼ 早く………早く助けて‼)」

 

少女は己の体とは違う気持ちを“誰かに届けたい気持ち一心”で語り掛けたが、それに誰も反応する者はいなかった




修正を行いました。

機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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