新生IS<インフィニット・ストラトス>~英雄達集う~   作:武御雷参型

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最新話ですね………あんまり変わってないですが、楽しんでください‼


第八話~天使・騎士現る

一方その頃、一夏とセシリアは未確認の全身装甲(フルスキン)の攻撃から必死に逃げていた。

特に一夏の場合、シールド無しの“丸腰状態”である事から一発の攻撃の被弾も許されない極限状態だった。

 

「くっ………俺のシールドエネルギーはもう無い状態なのにどうやって攻撃すればいいんだよ‼」

 

一夏は逃げながら叫ぶ。

 

「織斑さん、そんな事を言っている暇ではありませんわ‼ 今は逃げる事だけに集中してください‼」

 

セシリアはそんな一夏を宥めていた。

 

「そうだな………ッ⁉ オルコット危ない‼」

 

一夏はそう言うとセシリアを突き飛ばした。セシリアが一夏の方を見ると、一夏にビーム攻撃が着弾してISが強制解除される所であった。

 

「織斑さんっ⁉」

 

セシリアはそう言うと、ブルー・ティアーズを一夏の元に駆けて行く。そして、ティアーズを楯代わりにしながら未確認機のビーム攻撃から一夏を護る様に展開させる。しかし、強力な攻撃力を持つビームにティアーズは耐えられず役目を終わらせ爆散していき、未確認機達による攻撃の手が強まって行く。

 

「(此処で、わたくし達は死ぬのでしょうか?)」

 

セシリアは残り一機のティアーズが破壊された瞬間にそう思ってしまう。

セシリアにとって……否、他の国家代表候補生に言える事であるが、誰も未確認機との戦闘や”戦争”という本物の殺し合いをした事が無い。

そう思ってしまうのも必然の事である。

そして、ついに未確認機の一機がセシリア達の目の前に接近すると、ビームライフルをセシリア達に掲げ、引き金を引こうとする。

しかし、ビームライフルは突如として爆散し、続いて本体であるISは何者かの攻撃によって撃ち抜かれ大破し、機能を停止する。

そして、上空からは二機の全身装甲型の蒼き天使と紅き騎士が降り立った。

 

『大丈夫か? セシリア・オルコット』

 

すると、紅き騎士から声が聞こえる。それも男で、聞き覚えがある声であった。

 

「その声はアスラン・ザラですの? そして、その横に居るのは…………」

 

セシリアは驚きながら尋ね、蒼き天使のことを尋ねる。

 

『それは僕だよ』

 

今度はキラの声がした。

 

『此処からは僕達が対処するから、君は一夏をつれてピットに戻って』

 

キラはセシリアにそう指示を出した。

 

「でもそれでは貴方方が………」

 

セシリアはキラ達のことを心配していた。

 

『大丈夫だ。それにこの襲撃機は俺達じゃないと対処が出来ないからな。巻き込まれたくなければ、行け‼』

 

アスランはセシリアに少し言葉をきつめに言う。

 

「………判りましたわ。必ず生きて帰ってきてください」

 

セシリアはそう言うと、気絶している一夏を連れてピットに戻っていく。しかし、周りにいる未確認機達の命令は一夏の誘拐の為、セシリアに集中して攻撃をしようとした。だが、キラ達のビームライフルやビームサーベルによる攻撃によって未確認機の武装などを破壊されていった。それは傍から見たら一方的な攻撃であった。

 

「でも、どうしてカラミティにフォビドゥン、レイダーが此処に居るのだろう?」

 

キラは、そう思いながらアスランに尋ねる。

 

「それは判らないが、この機体を作れる技術者が居ることは確かだと思う」

 

アスランはキラの質問にそう答えた。

 

「でも、僕達の友人に手を出そうとしたことに後悔させてあげるよ」

 

「そうだな。これでもかって程に後悔をさせてやる」

 

二人はそう言うと、頭の中で何かが割れる感覚が起き、そして頭の中がクリアになった。

キラは、自身の武装であるドラグーンを全機パージしてそれぞれに攻撃をさせていった。そしてキラ自身もビームライフル二丁とバラエーナ、レール砲で攻撃していく。

アスランはビームサーベルを連結させ回転を加え未確認機を縦横無尽に破壊していく。

 

「アスラン」

 

「ああ」

 

二人は頷き合うとキラが上でアスランが下でダブルハイマット・フルバーストの準備に入ると、キラとアスランの目の前にモニターが現れ敵のISをロックしていく。そして、ロックし終わった瞬間、ストライク・フリーダムはドラグーン十機、ビームライフル二丁、肩から迫り出したビーム砲二門、腰に装備されているレール砲二門、そして、機体の中央に装備されているビーム砲一門、計十五門が砲撃体制になる。

対するインフィニット・ジャスティスはビームライフル一丁、背中に装備されているリフレクターから二門のビーム砲、計三門が発砲撃体制になる。そして、合計十八門によるハイマット・フルバーストで未確認機に対して砲撃を行うのであった。

キラ達による攻撃により起きた爆煙が晴れると、そこには三機の襲撃機しか残っておらず、あるのは、破壊されてバラバラになった未確認機の残骸だけであった。

 

『なんなんだよっ、お前達はっ⁉』

 

するとレイダー型の未確認機のパイロットがキラ達に話しかける。

 

「お前達こそなんだっ⁉ 何故、このIS学園に攻撃して来た‼」

 

アスランはレイダー型の未確認機に尋ねる。

 

『そんなの決まってるじゃん。生きる為だよっ‼ 死なない為には殺さないとね‼』

 

そう言うと、レイダー型の未確認機はアスランに攻撃を開始する。

 

『ハァッ‼ 撃滅‼』

 

そう言うと、レイダー型の未確認機は鉄球を投げつけてくるが、アスランは足に装備されているビームブレイドで鉄球の軌道をずらした。

 

 

「君達の目的は何だ⁉」

 

キラはカラミティ型のISに尋ねる。

 

『そんなのは楽しいからに決まってるじゃんかよっ‼』

 

するとカラミティ型の未確認機は肩に装備されているビーム砲二門と手に持っているバズーカ、そしてシールドの搭載されているビーム砲二門、胸部に装備されているビーム砲でキラに攻撃をする。

 

『オラオラオラッ‼』

 

カラミティ型の未確認機パイロットは叫びながら攻撃していく。しかし、キラは余裕で回避する。

 

「フッ………」

 

すると、フォビドゥン型の未確認機が機体を変形させプラズマ砲を放つ。しかし、キラは避けるがビームは軌道を変えキラに向かって行く。キラはビームシールドを展開して防御した。

 

 

 

 

しかし、そうこうしているうちに、三機の動きが段々と攻撃の手が緩んでいった。

 

『カラミティ、フォビドゥン、レイダー帰投してください』

 

すると、三人のモニターに一人の男性がそう言った。

 

「でも、まだ戦えるぜ?」

 

カラミティのパイロットがそう言う。

 

『良いですから帰投して下さい。これは命令です』

 

男性は冷たく言った。

 

「でも、でも、でもっ‼」

 

「いいから帰投するぞ。じゃ無いとまた苦しい思いになるんだぞっ‼」

 

フォビドゥンのパイロットが憎らしげにストライク・フリーダムとインフィニット・ジャスティスを見ながら言うが、レイダーのパイロットにそう言われると大人しく突入してきた穴から出て行く。

 

「待てっ‼」

 

アスランとキラは後を追うが、カラミティが手に持ったバズーカを撃つとキラ達の間で爆発した。カラミティが放ったのは閃光弾と呼ばれる弾種である。炸裂する事により、一時的に電子機器と視界等を使えなくする効果がある物である。その結果、辺り一面が眩く光り、通信機器やモニター等に支障をもたらし、通信機器やモニターが復活する頃には、誰もいなくなっていたのであった。

 

「アスラン、あの機体に乗っていたのって………」

 

「そうかも知れないな。いや、絶対にそうに違いない」

 

キラ達はオーブ攻防戦や第二次ヤキンドゥーエ攻防戦で戦った機体とパイロットのことを思った。機体は同じではあったが、当時のパイロットについては見たことも無かった。しかし、アスランにいたってはザフトに一時的に復隊していた際にロドニア研究所で見たデータを思い出していた。

 

「オルガ・サブナック、シャニ・アンドラス、クロト・ブエル」

 

「えっ?」

 

「この名前はさっきの機体のパイロット達だった者だ」

 

アスランが呟いた名前にキラは疑問に思った。アスランはキラに名前についてを教えた。

 

「そう、なんだ………」

 

キラはそう呟くしかなかった。

 

『何時までそこに居る。直ぐに帰投しろ』

 

すると、織斑先生に言われたのでキラ達は意識を切り替え、ピットに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、帰投したカラミティ達のパイロットは待機所で薬物中毒特有の”禁断症状”に苦しんでいた。

それを眺めていたジブリールは哀れなどの目ではなく、役立たずとしか見ていなかった。

アズラエルは表面上こそ憐れみの無い様を装っていたが、内面ではどうにかしてやりたいと思っていた。

 

「しかし、まさかフリーダムとジャスティスがいたとは………しかも改装型ですか…………」

 

アズラエルそう呟く。

 

「これからの事を考えなくてはいけませんね?」

 

ジブリールもそう言う。

 

「早くあの機体が完成すれば簡単なんですがね?」

 

アズラエルは手元にあるタブレットを見る。

 

「まぁ、気長に待ちましょう。あの機体はそう簡単には造れませんよ」

 

ジブリールはそう言った。

 

「そうでしたね。気長に待ちましょう」

 

アズラエルはそう言うと、タブレットを閉じる。

 

破壊者(デストロイ)が完成したらまたIS学園に攻撃を仕掛けましょう」

 

「ええ、そうですね。(早く報告しておかなければ、後々で大変な事になりますね……)」

 

ジブリールはアズラエルにそう言うと、アズラエルも相槌を打つ形で肯定した。

しかし、アズラエルは“どこか”に連絡しようと内心で考えていたのであった。

 

 

 

 

 

アズラエルはジブリールの傍から離れると、懐から通信機を取り出しどこへ連絡を取り始めた。

 

「私です、委員長。………はい、今回の襲撃に関してはこちらで製造した無人機とあの世界で得た機体を送らせました。………はい、被害に関しては特に何も上がっていないと聞いています。ええ、やはりロゴスはあれ(・・)を作り出すつもりです。判ってします。私も出来る事はするつもりです。はい、もう少しで私の艦隊が出来上がる頃なので、頃合いを見てそちらと合流するつもりです。その時にはまた、ご連絡を行います。では……」

 

通信が終わりアズラエルは通信機を懐に戻した。

 

「やはり世界が変わっても、人間は簡単に変われる物ではないんですね………」

 

アズラエルはそう言うともう一度、懐からある物を取り出した。

 

「ミカ………私は変われたでしょうか?」

 

アズラエルが見つめる物は、笑顔でアズラエルの肩に頭を乗せている女性であった。

 

「私はこの世界を変えてしまったロゴスが憎い‼ ですが、憎しみだけではあの世界にいた頃と何ら変わりませんよね? ミカ………もう一度、貴女に会いたいです」

 

アズラエルはそう呟くと、自身が愛した女性を思い出し憎しみの心を抑え込ませる。

 

「さぁ、私は昔とは違うのです。見ていて下さい、ミカ」

 

アズラエルの表情は、先程とは打って変わって清々しい表情へと変わっていた。

 

「何としてでも貴女が思っている世界にはしませんよ、ジブリール‼」

 

アズラエルは何を考えてロゴスに入り、何を考えてジブリールに憎しみの心を抱いているのかは、アズラエル本人しか判らない事であった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等、受け付けております‼

修正を行いました。

機体設定について(セカンドシフト機体)

  • 設定通り
  • 劇場版基準
  • そもそも、劇場版を見てないからわからない
  • いっそのこと、新規で作ろう

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