バカとダ・カーポと桜色の学園生活   作:慈信

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第七十二話

 

 修学旅行から明けて新しい一日が始まる。

 

 旅行から帰ってきた小恋達からは天枷を心配した声だったり、俺達に対するちょっとした説教だったり、変な土産話もあったりだったが、みんなどうにか修学旅行は楽しめたようで何よりだ。

 

 だが、修学旅行から戻ってきたばかりだというのに心苦しいのだが、天枷の件については音姉や由夢からの聞きかじりで知っていることだけで話した。

 

 天枷の現状についてはみんなも覚悟はしているが、やはり気分のいいものではない。

 

 戻ってきて早々に俺達は今後天枷の周囲の環境についてどう対処していくかを会議したりもした。

 

 結局のところ、下手に騒ぎを起こさずに静観するという、ベストとは言えないがベターな意見をもとに俺達はこれ以上騒ぎを大きくしないように天枷と出来る限り一緒にいて抑止力となるくらいしかできなかった。

 

 そこで早速今日から天枷と一緒に登校するわけなのだが、

 

「……明久さん、来なかったね」

 

「あぁ……」

 

「どうかしたのかしら? やっぱり、天枷さんの事について水越先生に相談とか?」

 

「いや、そりゃねえだろ。単に時計の時間設定間違えて遅刻と勘違いしたんじゃねえか?」

 

「それはいくらなんでもないじゃろ。しかし……本当にどうしたものじゃろうか? 家にいなければ、待ち合わせ場所にも姿が見当たらなかったが……」

 

 そう、今日から天枷と一緒に登校しようという事になったというのに、朝起きれば既に明久の姿はなく、時間になっても待ち合わせの場所に来なかったのだ。

 

「まあ、よい。吉井にだって都合というものはあるだろう。それより、桜内や由夢も……何もここまでしなくても、美夏の事は心配いらない」

 

「そういうわけにいくかよ。今のお前の現状を考えるとひとりにしとくのは危険だ」

 

「そうですよ。いつまたこの間のような事が起こるか……」

 

「やらせたい奴にはやらせればいい。美夏はそんな事に腹を立てることはない」

 

「天枷さんがよくても、私達が許せないんです」

 

 由夢の言う通り、それでは俺達の気持ちがおさまらない。

 

 いっそ俺が天枷にあれこれ好き放題やってる奴を見つけてとっ捕まえて、2・3発ぶん殴って鎮めるってのはどうかと思うが、それを言ったら由夢が呆れた顔でやめてくださいと言った。

 

 天枷も由夢と同様、よしてほしいと言われた。本人にまでそう言われては引っ込むしかなかった。

 

 しっかし……明久の奴、一体どうしたんだろうか? あいつの事だから、天枷の事が気にならないわけがないし。

 

 だが、今朝から何故姿を現さないのか。あいつが何をしようとしてるのか知らないが、とりあえずアイツの事を信じて俺は俺でもしものために天枷の傍にいて様子見とするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──ひそひそ。

 

 ──ひそひそひそ。

 

 学園にたどり着けば、俺達を……いや、天枷を見るなり周囲の生徒がひそひそと内緒話をする姿が多数見受けられた。

 

 由夢の報告から全知識を入れていたからそこまで驚く事はなかったが、やはり見たり聞いたりして気分のいいものではなかった。

 

「……気にするな。行こう」

 

 天枷は蛋白な態度のまま校門をくぐっていく。

 

「こりゃあ、予想以上だな……」

 

「うむ。彼女がロボットではないかと噂する者が多数おると聞いていたが、よもやここまでとはの」

 

「……気持ち悪い」

 

 霧島さんの言う通り、正直いってこれは気持ちが悪い。

 

 聞き耳を立ててみれば明らかに『ロボット?』やら『アレが本当に?』などといった言葉がいくつも飛び交っていた。

 

「こりゃ、相当マズイかもしれねえ……」

 

「噂してる人……日に日に増えていってます」

 

 由夢からすれば噂している人数がねずみ算式で増えていっているようだ。あの日からどのようにして広まったかは知らないが、広まるスピードは相当のものだった。

 

「気にするな。美夏は……気にしない……」

 

 気にしてない風を装っているが、天枷の顔には明らかに不安の色が浮かんでいた。

 

 その表情を見て俺はどうにもやりきれないという感情が爆発し、

 

「お前ら、じろじろ見てるなよ! さっさと、自分の教室行けばいいだろ!」

 

 大声を出して言い放った。

 

『何、あの人……』

 

『感じ悪ぅい』

 

 大声で言い放てばそんなひそひそ話が聞こえてきた。

 

 感じが悪いだと? そんなの、今のお前達に言われたくない。

 

「よせ、桜内。ここで怒鳴り散らしてもなんにもならねえ」

 

「けどよ……」

 

「桜内、雄二の言う通りじゃ。お主の怒りはわかるが、お主が癇癪を起こしても逆効果じゃ。余計に天枷に当たる風がひどくなる」

 

「っ……」

 

 木下の言う通り、俺が天枷の状況を悪くしては元も子もない。俺は身体中から溢れる憤りを無理やり抑えて歩き出す。

 

 俺が気持ちを落ち着けようとしたところで、

 

「ちょ、何やってるんですか!」

 

 由夢の怒鳴り声に振り向くと、由夢と天枷の傍で数人の男子生徒が手を開閉していた。

 

「なあ、どうだった?」

 

「ああ、本物そっくりだったぞ」

 

「それ、マジで言ってるのか? 中身機械だろ?」

 

 どうやら天枷に触れてロボットかどうかと確かめてるっぽかった。

 

「あなた達──」

 

「やめておけ、由夢。美夏は気にしてない」

 

「ですけど……」

 

「何だよ? ロボットでも怒るのかよ?」

 

「バァカ。ロボットが怒ったり、悲しんだりしたら……気味悪いっつぅの」

 

「そうそう。ロボットは人間の命令だけ聞いてりゃいいんだよ」

 

「…………っ」

 

 駄目だ。いくらなんでも、もう我慢の限界だ。せめて一発殴っておこうかと思った時だった。

 

「テメェら、何やってんだ?」

 

 ズドン! という音と共に声が聞こえ、振り返ってみると、そこには鬼のような形相をした明久がいた。

 

 結構恐いな。……ていうか、明久今何処から来たんだ?

 

『おい、今アイツ……どっから来た?』

 

『あれって、確か……3年の吉井って奴だよな?』

 

『なんか……今、屋上から飛び降りたっぽいんだけど?』

 

『屋上って……何メートルあるの!?』

 

 周囲からこれまたひそひそと明久の事についての会話が聞こえてきた。

 

 ていうか、今誰かが屋上って言ってなかったか? 屋上って……2・3階のみならず、今度は屋上から飛び降りたってのかあいつは?

 

「で? 今なんか聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたんだけど?」

 

 明久は普段から考えられないくらい怒気を纏わせ、冷え切った声を出しながら男子達に近寄っていく。

 

 男子達も明久の纏う雰囲気に圧倒されて後ずさりする。

 

「に、兄さん……これは流石にマズイですよ。いくら天枷さんの事が許せないからと言っても、ここで過ぎた暴力を振るえば余計天枷さんの状況が……」

 

 そうだ。俺だってできる事なら殴って止めたいと思ってはいるが、明久の場合は歯止めというものが全くない。

 

 下手をすれば男子達を病院送りにしてしまうくらい殴りつけ、それが天枷のためという事が広まれば天枷への風当たりが悪化してしまう危険性が高い。

 

 どうにか明久を止められないかと駆け寄ろうとした時だった。

 

「うわ、何かと思えば明久だったのか……屋上から飛び降りるとか、お前はサイボーグ(・・・・・)か?」

 

 後ろから坂本が呆れたように言ってきた。

 

「……雄二?」

 

 坂本の登場に明久は一旦怒りを鎮め、坂本に向き直った。

 

「そういや、こっちでも2・3階から飛び降り……それに続いて自動車にトラックに当ろうが、ピンピンしてたし……更に続いて今度は看板の下敷きになったりしてもへっちゃら(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)。もう人間じゃなくてサイボーグって言った方がしっくりくるぜ」

 

 そんな事を言い出した。いや、看板の方は明久じゃなくて天枷…………あ、坂本の狙いがわかった。

 

 他もそれを察したのか、頷きあって坂本の話に合わせてくる。

 

「うむ。お主の頑丈っぷりはもう人間のそれとはかけ離れておるぞい」

 

「…………人外」

 

「…………あ、うん。さて、どうなのかな? 本当にそうなのか、確かめてみる? 握手でもして」

 

 そう言って明久は右手を男子集団に向けて差し出した。

 

 いきなり手を差し出された男子達は突然の明久の行動に若干後退した。まあ、今の明久はサイボーグであろうなかろう相手の手を握りつぶす気満々だろうからな。

 

「あれ? どうしたの? ロボットかどうか確かめたいんでしょ? ね?」

 

 明久は笑顔で迫ってくるが、先程の行動と今の明久の背後に修羅みたいなものが見える所為で恐怖を助長させるだけだった。

 

 男子達は舌打ちするとすぐにその場を去っていった。

 

「さて、お前らも確かめてみるか? ロボットみたいにバカ頑丈な奴が目の前にいるんだぞ?」

 

 坂本が周囲の生徒達にも声をかけるが、みんな目を逸らしてそのまま校舎内へと入っていった。

 

「……ほっ。どうにかこの場は収まりましたね」

 

 隣で由夢が安堵の息をついた。俺もどうにか騒ぎが大きくならなくてホッとした。

 

「大丈夫だった、天枷さん?」

 

「あ、ああ……というか、美夏よりもお前はどうなのだ? 屋上から飛び降りてただで済む筈が──」

 

「ん? 別に平気だけど? 文月学園じゃこんなの日常茶飯事だったから」

 

「……貴様は本当に人間か? 実は本当に美夏と同じ最新鋭の技術を搭載したロボットではあるまいか?」

 

「あはは……残念ながらただの人間です」

 

 ただのという部分に激しくツッコミを入れたいところだったが、何はともあれ明久の行動のおかげで騒ぎは収まったのだ。

 

「いや、かなり無茶したけどナイスアイディアだったぞ、明久。あれだけとんでもない所を見せつければしばらくは天枷への意識も薄れてくれる……と思う」

 

「そうですね。少なくとも今日くらいはみんなも大人しくしてくれるかと思いますし……けど、あまり無茶しないでくださいね」

 

「へ? 一体何の……………………あぁ、うん! まあ、どうにかなったもんでしょ! あはははは!」

 

「「…………」」

 

 今の長めの間は……こいつ、何も考えてなかったな。

 

「こいつにそんな頭脳的行動ができるわけねえだろ。全部咄嗟の思いつきだ」

 

「考える前にすぐ行動というのが明久じゃからの。なんとも素晴らしいまでのバカじゃ」

 

「……吉井は一直線のバカ」

 

「それで屋上から飛び降りようとするか?」

 

「それをするのがこの世界一のバカだ」

 

「お願いだからみんな僕を見てバカバカ言わないで!」

 

 明久は涙目で坂本達に向かって叫んでいた。大した計算もしてるわけでもなし、ただ本能のむくままに屋上から飛び降りって……。

 

 相変わらず明久の行動は色々ぶっ飛んでるっていうか、何というか。しかし……、

 

「本当にたくさんいるんだな……」

 

 天枷をロボットだと噂し、それを間に受けてみんな天枷を目の敵にしつつある。

 

 その事実が胸に残ったまま俺達は、下駄箱へと向かった。

 

「それじゃあ、由夢。天枷の事、頼むな」

 

「う、うん……」

 

「何だ、桜内。由夢も……そう辛気臭い顔をするな。美夏は大丈夫だ」

 

 そう言って美夏は張った胸をドン、と叩く。

 

「っ……げほっ、げほっ!」

 

「……大丈夫なのか?」

 

 別の意味で不安になってきたぞ。

 

「と、ともかく大丈夫だ。桜内達はとっとと自分の教室へ行け」

 

「天枷の言う通りだ。どっちにしても学年の違う俺達が協力できる時間は限られてるんだ。俺達がここでうだうだしてても仕方がない」

 

「悔しいけど、雄二の言う通りだね。四六時中一緒にいられないけど、その分全力を尽くせるように色々考えておこう」

 

「ああ、そうだな……」

 

 確かに……不安は多いが、自分のやることをおろそかにしていては世話ないな。

 

「大丈夫。理解ある子も何人かはいるから」

 

 理解のある子がいるのは嬉しい事なのだが……何人か、というのが激しく不安だな。

 

 欲を言えば、何十人と言った人数が望ましいが、今はロボットの事を理解してくれる人がいるだけマシな方か。

 

「まあ、ここでずっとこうしてるわけにもいかないしな。俺はもう行くよ」

 

「ああ、またな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、お前は何故今朝待ち合わせの場所にも来ないで学園の屋上からアクション映画でもまずないような本気の飛び降りを披露してたんだ?」

 

 時が過ぎて放課後結局ツッコめずにいた明久のあの珍行動について問いただした。

 

「あぁ……ほら、天枷さんがロボットじゃないかってあちこちで疑われてるし、実際いじめも出てきてるでしょ? だったら登校時にも何かあるんじゃないかと思ってみんなより一足先に学園に来て天枷さんの下駄箱から調べてみたら案の定というか、上履きがなくなっててね……」

 

「上履きって……」

 

 小学生の発想かよ。しかし、天枷に対するいじめなどにどんどん遠慮がなくなってきてるみたいだな。

 

「そんなで必死に探して焼却炉の辺りでようやく天枷さんの上履きを見つけて元に戻した後で屋上で休んでいた時に……」

 

「天枷に対して暴言吐いた奴を見て、怒りの向くままに屋上から飛び降りたってか?」

 

「はい」

 

「…………はぁ」

 

 こいつはなんていうか……あの状況で怒りたくなる気持ちはわかるが、普通屋上から飛び降りてまで割って入るか。

 

 まあ、今更こいつの珍行動に対して文句も言わんし、ツッコむだけこっちが疲れるだけだからな。

 

 それに、今朝はその珍行動のおかげで天枷に対する暴言などは一時的とはいえ収まったわけだから何も言わん。

 

 俺は溜息混じりに荷物を整理して教室をあとにした。

 

「あ、2人共……」

 

「ん?」

 

「雪村さん?」

 

 教室から出ると、後を追うかのように教室から杏が出てきた。

 

「2人共、ちょっと待って」

 

「ん、何か用か?」

 

「ちょっと付き合ってもらえるかしら?」

 

「どうかしたの?」

 

「ん……ちょっと、気になることがあって」

 

「はぁ……」

 

 まあ、俺もまだ当分学園にいるつもりだったから別にいいんだが。

 

「とりあえず、ついてきて」

 

 杏はくるりと踵を返すと廊下を歩み始め、俺達はそれを追って足を動かす。

 

 

 

 

 

 

 杏についていってやってきたのは、2年1組。って、天枷のクラスじゃないか。

 

 まあ、同時に由夢のクラスでもあるけど。

 

「で、何だってこんな所に?」

 

「午前中、あの子と会った時に様子が変だったから、ちょっと心配でね……」

 

 表情には出さないが、声は純粋に天枷を心配するものだった。

 

 そして杏は教室の中を覗き込んだ。俺達もそれにならって中を見た。

 

 教室の中心では今日は教室の担当なのか、天枷がモップを持って黙々と掃除をしていた。

 

 だというのに、他に掃除をしている奴がいない。いや、他の生徒もいるにはいるのだが、皆帰り支度をしていた。

 

「貴様ら、掃除をしなくてもいいのか?」

 

「じゃあな、天枷。後はお前に任せた」

 

「何だと? 貴様ら、当番をサボる気か?」

 

「サボるも何も、俺達がする必要はないだろう?」

 

「……どういう意味だ?」

 

「ははは、皆まで言わせんなよ。じゃ、よろしく~」

 

 教室の当番だった筈の男子生徒達は笑いながら、教室を出て行った。

 

 それを見ていた他の生徒達も、注意した方がいいのかと囁き合ってるのも見えるが、ほとんど見て見ぬフリをしているようだった。

 

 そして天枷と目を合わせないように、そそくさと教室を出て行った。

 

「くそ……」

 

 天枷は舌打ち混じりにモップを床に叩きつけ……ようとしてやめた。そして小さな溜息をつく。

 

「おい、何だよこりゃ……」

 

「見ての通り。やっぱりこうなったのね……」

 

「あいつら……よってたかって!」

 

「落ち着きなさい、バカ」

 

「くぺっ!?」

 

 明久が掃除をサボった奴らを追おうとしたが、杏に襟首を引っ張られて止められた。

 

「あいつらに注意して変な騒ぎにするよりもこっちが優先よ」

 

 そう言って杏は教室の中へと入っていった。

 

「美夏……」

 

「あ、杏先輩……?」

 

「掃除道具、よこしなさい」

 

「え?」

 

 杏の突然の言葉に、天枷は間抜けな声を出した。

 

「よこしなさい」

 

 再度言って杏は天枷からモップをひったくると、黙々と掃除を始める。

 

「や、杏先輩……どうしてここに?」

 

「そんな事はどうでもいいから、さっさと終わらせる」

 

「あ、はい……じゃあ、バケツを──」

 

 天枷がバケツの水を替えようとした所で、俺達と目があった。

 

「オス!」

 

「えと……こんにちは」

 

「杏先輩に加えて、桜内に吉井まで……どうして……」

 

「まあ、なんつーの? 虫の知らせ?」

 

「そうそう、インスピレーション?」

 

「は?」

 

 俺達の言葉に天枷は怪訝な顔で俺達を見た。

 

「まあ、細かい事は気にすんな。とりあえず、気が向いたから掃除をしにやってきただけだ」

 

「そうそう。どっか掃除が行き届かない所ないかなと探したところで天枷さんが大変そうだから来ただけ。ね、雪村さん?」

 

「ええ、そんなとこよ」

 

「つうわけだ。さっさと終わらせちまおうぜ!」

 

「レッツクリーン!」

 

 俺達も教室の掃除用具入れからモップを2本取り出して掃除を始める。

 

「ほら、天枷! お前も!」

 

 俺は更に1本取り出してそれを天枷に投げよこした。

 

「あ…………あ、ありがとう……」

 

「ん? 今、何だって?」

 

「な、なんでもない。さっさと終わらせるぞ」

 

「任せとけ。これでも俺は掃除の達人って言われてるんだ」

 

「それをいうなら、掃除サボりの達人でしょ?」

 

「はい、黙らっしゃい」

 

 普段学校の掃除なんて真面目にやる方じゃないが、こうなっては協力しないわけにはいかないな。

 

「こうなったら、とことん綺麗にしてやる」

 

 今日の俺は滅茶苦茶やる気に満ちてるからな。年末掃除後並に綺麗にしてやらぁ。

 

 俺達が加わって掃除を始め、しばらくして見事に綺麗に磨けた。

 

 だが、俺達の中の不安はまだ残ったままだった。

 


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