「わたし、アルテシアさまをお誘いしたのですよ。今度のハロウィーンが、私の500回目の絶命日に当たるものですから」
「それで、ぼくも参加しろって? でも、アルテシアさま? さまって、どういうことなの」
グリフィンドールの塔に住むゴーストである、ほとんど首なしニック。ニックは、地下牢の一室を使用し、パーティを計画しているのだという。ニックの知人が集まるのだと言うが、その知人たちも、ゴーストなのに違いない。そのパーティーに誘われているところなのだが、困ったことに、その日は学校のハロウィーン・パーティーの日でもあるのだ。
「もちろん、ミスター・ウィーズリーやミス・グレンジャーも歓迎しますよ。でもきっと、学校のパーティの方が楽しいでしょうから、そちらに行かれるのでしょうね」
「そ、そんなことないよ。でも、みんなにも聞いてみないと返事はできないだろ。それでアルテシアは、来るって言ったの?」
「ええ、参加してくださるそうです。ですからわたし、ハリー・ポッターくんたちが来られないとしても、それはそれで仕方がないと思っているんですよ。もちろん、残念ではありますけどね」
「そ、そうだよね。うん、ぼく、ちゃんとみんなと相談するよ。それでいいかい?」
「もちろんですとも。それでは、ハロウィーンの日に」
ニックの姿が消えてしまうと、ハリーは急いで談話室へと戻る。もちろん、ニックの絶命日パーティのことを相談するためだ。たぶんハリーは、みんなが『行かない』と言うことを期待していたのではないか。だが意外にも、この話を聞いたハーマイオニーは乗り気だった。
「ハーマイオニー、まさかと思うけど行きたいんじゃないだろうね?」
「だって、おもしろそうじゃないの。生きてるうちに招かれて参加した入って、そんなに多くないはずだわ。それに、アルテシアも行くんでしょう。きっとなにか、目当てがあるんだと思うの」
「キミ、それを調べたいから行くってことだろ。ニックに失礼じゃないか。ぼくはいやだな。自分の死んだ日を祝うなんて、理解できない。死ぬほど落ち込みそうじゃないか」
ロンが反対してくれたので、ハリーも少しほっとしたようだ。
「とにかく、ニックにはまだ返事をしていないんだから、ゆっくり考えよう。それよりさ」
「ねぇ、ハリー。アルテシアとパーバティのようすがおかしいのよ。なにかあったんだと思うんだけど、聞いてない?」
「え? いや、とくには」
「ちょっといいかい? 本人たちに聞いてみるってのはどうなんだい? あそこにいるぜ」
なるほど、ロンの指さす方向には、アルテシアとパーバティがいる。ラベンダーも一緒だ。何を話しているのか、ハリーたちの場所では聞こえないが、楽しそうな雰囲気は伝わってくる。
「あれで、ようすが変だっていうのか。いつもとおんなじだろ」
「ロンにはそう見えるのかもしれないわね。けどあたしには、どこかわざとらしく見えるのよ。あの笑顔が笑顔に見えないの。なぜだろうって、考えてるんだけどね」
「ウソだろう、あれが作り笑いだって? もしそうなんだとして、どうしてそんなことに?」
「だからね、ハリー。あたしは、それが知りたいのよ。きっと、あなたたちの言ってたアルテシアがやろうとしてることと関係があるんだと思うわ。それを知る必要があるのよ。だからあたし、ニックの絶命日パーティに行くわ」
あなたたちは、ハロウィーン・パーティーに行ってもいいのよ。このときのハーマイオニーの目は、あたかもそう言っているかのようだった。
※
ハリーとロン、そしてハーマイオニーの3人は、キャンドルなどで飾り付けがされた大広間のドアの前にいた。今日は、ハロウィーン・パーティーの日。そろそろ、始まる時刻だ。
「キミ、本当に行くのかい?」
「ええ、行くわ。あたし、去年のハロウィーンに参加できなかったから、今年はぜひ行きたかったんだけど、もう決めたわ」
「そうか、あのときはトロールが出たんだった」
「ほとんど首無しニック」の絶命日パーティも、同じときに開かれるのだ。その会場は、地下牢にある一室。ここからは、それぞれが別行動。ハーマイオニーは、絶命日パーティへと向かう。その会場までの道筋にもキャンドルが立ち並んではいたが、大広間の賑やかさにはほど遠い。それでもハーマイオニーは、地下牢への階段を降りていく。しばらく行くと、なにやら音楽のようなものが聞こえ始める。
「おやおや、ミス・グレンジャー。おいでくださったのですね」
「こ、こんばんわ、ニック。あの、なんて言ったらいいのか。お祝いの言葉はヘンよね?」
「いえいえ、来てくださっただけで、わたしは最高に幸せなのですよ。今日はほかにも、アルテシアさまとご学友のパチル嬢が来てくださってますからね。生きてる人が来てくれるなんて、わたしくらいのものなんですよ」
得意げにみえる、ニック。そのニックに招き入れられた部屋には、半透明のゴーストたちがたくさんいた。その多くはフロアをふわふわと漂い、まるでダンスでも踊っているかのようだった。
「ねぇ、ニック。アルテシアはどこ?」
ハーマイオニーの吐く息が白い。さすがに部屋の中は冷気に満ちていた。
「さきほど、灰色のレディと話をしておられましたが、さて、どこに…… おお、あそこですよ。お友だちもご一緒ですね」
「ああ、あたし、行ってみるわ」
「どうぞ。パーティーをお楽しみくださいまし」
ニック以外にも、顔見知りのゴーストはいた。顔を知っているというだけで話したことはないのだが、ハッフルパフのゴーストである「太った修道士」に、スリザリンのゴースト「血みどろ男爵」。そして、レイブンクローのゴーストである「灰色のレディ」。これらのゴーストは、たまに見かけることがあった。
その「灰色のレディ」のところに、アルテシアとパーバティがいた。アルテシアは灰色のレディと話をしており、パーバティは所在なげにそのそばに立っている。話に入っていけないのだろう。
「どうしたの、パーバティ。いやにしょんぼりしてるじゃない」
「あら、あなたも来たのね。ちょっと意外だわ」
「そうかな。ここならゴースト以外は誰も…… でしょ? アルテシアと話ができると思ったんだけど」
「いつも、同じ部屋にいるのに、なかなか肝心な話はできないわよね」
さびしげな笑い。ハーマイオニーを見ても、パーバティの表情はさほど晴れないようだ。
「それで、アルテシアは何を話しているの。あれ、レイブンクローのゴーストよね?」
「ええ。灰色のレディと呼ばれてるわ。話しかけてきたのよ。なんていったと思う? 『お久しぶりですね』よ」
「どういうこと? アルテシアは、あのゴーストと知り合いなの?」
「んー、そういうことじゃないと思う。実は、ニックに初めて会ったときも、同じことを言われたわ。たしか『ごぶさたしてます』だったと思うけど」
ハーマイオニーは、パーバティを誘ってそばのテーブル席に座る。アルテシアは相変わらず灰色のレディと話をしている。なにを話しているのか、そばで聞き耳を立てるよりもパーバティと話をすることを選んだようだ。
「そんな話、初めて聞いたわよ」
「言ってもしょうがないでしょ。だってニックがまだ生きてたころの話だからざっと500年前よ。そのころに会った人とアルテシアがよく似てたってことなのよ。たぶんアルテシアのご先祖さまの誰かが、ニックと顔見知りだったのね」
「じゃあ、レイブンクローのゴーストも、その昔のアルテシアのご先祖さまと」
ただ、うなづいてみせる。あいさつのときに交わされた内容からも、そのことがうかがえるのだという。
「アルテシアのクリミアーナ家って、そんなに歴史のある家なのね。あ、そういえばパーバティ。あなた、クリミアーナ家に行ったことあるそうね」
「え? そんなこと誰に聞いたの? あたしは行ったことないんだけど」
「うそ、だって……」
「パドマと間違えてるんじゃないの。パドマはクリスマス休暇のときに行ってるの。あたしは、今度のクリスマス休暇に行く予定だけど、どうなるかわからないわ」
「どういうこと?」
「アルテシアが、何を考えているのか。それを全部話してくれれば、きっと行けると思うんだけどね」
パーバティは、あのクリスマス休暇からのことを、かいつまんでハーマイオニーに話して聞かせた。もちろん、言ってもいいのかどうか判断に迷うようなところはあいまいな表現にしたけれど、全体として話は伝わっただろう。
「ありがとう、よく話してくれたわね」
「いいの。あなたも心配してくれてるんだって、それがよくわかったから」
「でも、そうするとアルテシアは、何を悩んでいるの? 悩んでそうなことなんてなさそうだし、例のあの人のことだったら、みんなで力を合わせればいいんだと思うわ。ハリーだって、きっとそうするだろうし」
「ええ、そうね。でもアルテシアには、なにか事情があるんだと思う。あたしが相談相手になれればいいんだけど、きっとアルは、遠慮してるんじゃないかな」
「ええと、その叔母さんと何かあったってことだよね?」
だがパーバティは、それには同意しなかった。ゆっくり首を横に振ったのだ。
「それはないと思うんだ。叔母はあいまいな言い方する人だから、アルテシアがなにか勘違いしてるのかもしれないけど、たぶんアルテシア自身のことだと思う。そのまえからも、ときどき考え込んでることあったしね。ハーマイオニーがどれだけ知ってるのかわかんないけど、クリミアーナはとても古い家なんだ。しかもアルテシア1人だけでしょ。いろいろ背負うことがあるみたい」
「1人って、他に家族はいないってこと?」
「そうよ。クリミアーナ家は、アルテシアだけなの。そのこと、パドマがクリミアーナ家に行ってわかったんだけどね」
「ね、アルテシアがやりたいことってなに? なにがしたいの? それって、とっても重要なことなんじゃない」
「だよね。そのときパドマが聞いたこととか、これまでアルが話してくれたこととか、いろいろと考えてるんだ。もしかするとアルは、もうあたしに話してくれてるのかもしれないなって。きっともう」
ちょうどそこへ、「ほとんど首無しニック」がふわふわとただようようにしてやってきた。
「おふたりさん、楽しんでらっしゃいますか?」
「あ、ええ。もちろんよ、ニック」
「そう。それはよかった。たくさんのひとが集まってくれて、わたしも嬉しいですよ」
にっこりほほえむニック。だがその瞬間、パーバティが慌てた様子で立ち上がる。
「どうしたの?」
「アルがいない。ねぇ、ニック。アルテシアはどこに行ったの?」
「ああ、少し前ですよ。おふたりが楽しそうに話しているので、声をかけずに戻るからと」
「ありがとうニック。あたしも、戻るわね」
「あ、待って。あたしも行くわ。さよなら、ニック」
2人は、すぐにニックの絶命日パーティーの会場をあとにした。
※
『 秘密の部屋は開かれたり
継承者の敵よ、気をつけよ 』
ハーマイオニーとパーバティがその場にやってきたとき、まず目に飛び込んできたのが、窓と窓の間の壁に書かれたこの文字だった。ハロウィーン・パーティーを終えた生徒たちが集まってきたこともあり、このときの被害者である猫のミセス・ノリスには全然気づかなかった。ちなみにミセス・ノリスとは、ホグワーツの管理人アーガス・フィルチの飼い猫だ。
「どういうこと。なんなの、これ」
一段と甲高い声となる、ハーマイオニー。それに答えたのは、ドラコ・マルフォイだった。集まった人たちのなかから、最前列へと進み出たマルフォイは、いつもの青白い顔ではなく、頬に赤みがさしていた、
「そこに書いてあることが読めないのかい。継承者の敵よ、気をつけよ。つまり、おまえの番だということだ」
「マルフォイ、どういう意味? 秘密の部屋って何なの?」
だがそのパーバティの問いかけは、すぐあとのフィルチの大声にかき消されることになる。なにしろ、自分の飼い猫が被害者なのだ。冷静でいられるはずもない。
「わたしの猫だ! わたしの猫だぞ! ミセス・ノリスに何が起こったというんだ?」
フィルチの大声が廊下に響く。叫びながら、集まった生徒たちをみまわしていく。
「誰だ。誰がやったんだ? おまえか、それともおまえがやったのか? ちくしょう。ただではおかんぞ。この俺が、そいつを殺してやる」
叫び声は続いた。そこへ、マルフォイが口を挟む。
「これは、ハロウィン・パーティのあいだに行われたことだ。だがそのパーティに、おまえたちは参加していないよな。つまり怪しいのは、おまえたちだ。どっちなんだい? それとも2人でやったのかな」
「な、なにを言うの、マルフォイ。あたしたちは何もしていない。あたしたちは、たったいま、ここに来たところなのよ」
「さて、それはどうかな。違うというのなら、それを証明しろよ。できなきゃ、犯人はおまえたちだということさ」
「そ、そんな……」
なんと、理不尽な言いぐさだろう。明らかな濡れ衣というやつだが、それを証明するのは難しい。首なしニックの絶命日パーティーに出席していたと言ったところで、この雰囲気のなかでは信用されないのに違いない。
「さあ、証明してみろよ」
勝ち誇ったようなドラコの声。フィルチも、その目をパーバティとハーマイオニーに向けている。いまにも、飛びかかってきそうだ。
「いいわ、わたしが証明します。誰がやったのか、犯人が誰なのかわかれば、それで証明になるでしょう?」
「なんだって。キミは、犯人を知ってるのかい?」
「いいえ。でも、それを調べることはできる。それがわかればいいんでしょ? パーバティは絶対にこんなことはしない。ハーマイオニーだってそうよ。でもわたしがそう言っただけじゃ、あなたもフィルチさんも納得してくれないでしょうから」
アルテシアだった。いったいどこにいたのか、パーバティたちを取り囲むようにした生徒たちのなかから進み出てくる。
「ま、まてよアルテシア。どうやって証明するつもりなんだ。そんなのムリだろ。こいつらがやったってことでいいじゃないか」
「いいえ、そんなのはダメよ。なにもしていない人を犯人になんてできないわ。真犯人は、わたしがみつける」
「ちょっと待って、アルテシア。あなたまさか」
止めようとしたのはパーバティ。そこへ、ダンブルドアと数人の先生がやってくる。マクゴナガルとスネイプ、そしてロックハートが、そこにいた。
「さてさて、これはどうしたことか。なにがあったのか、説明できる者はいるかね?」
ダンブルドアが、生徒たちを見回す。だが、誰もなにも言わない。誰だって、ここでなにがあったのか、ミセス・ノリスがどうしてああなったのか、わかりはしないのだ。ダンブルドアたち教師陣が、壁に書かれた文字を見る。ミセス・ノリスを抱きかかえたのはダンブルドアだ。
「ふむ、これは」
「校長先生。わたしの猫だ。わたしの猫が殺された。その犯人を、わたしは許さない。絶対にゆるさない」
「とにかく、ここでは話はできぬ。アーガス、一緒に来なさい」
「まってください、校長先生。その女が、犯人を見つけると言ったのです。犯人が誰なのかわかると」
フィルチが指さしたのはアルテシア。たしかにアルテシアは、そう言ったのだ。
「なんと、そんなことができるのかね」
声には驚いたような調子が含まれていたが、その表情は厳しいものだった。いつもの温和な感じとはほど遠い気がした。
「友人の無実を証明するためです。犯人がわかれば無実が証明されますから」
「確かにそうじゃが、どうやってそんなことを」
アルテシアの視線がパーバティとハーマイオニーへと向けられたのに合わせるかのように、ダンブルドアも、パーバティたちを見る。マクゴナガルが、アルテシアのすぐ横へ進んでくる。
「アルテシア、あなたの考えはわかりました。ですが、何もしてはいけません。何も言ってはいけませんよ」
「でも、先生」
「でもは、なしです。わたしの言うとおりにしなさい。そう約束したはずですよ」
「で、でも。先生……」
「でもは、なしだと言ったでしょう。とにかく、ダンブルドア校長。ここでは話もできません。どこかほかの場所で」
そこで、ロックハートがいそいそと進み出た。
「そういうことでしたら、わたしの部屋をお使いください。ここから一番近いです。すぐ上ですからね。どうぞご自由に」
「では、そうさせてもらおうかの。アーガス、一緒に来なさい。それからミス・グレンジャー、ミス・パチル、ミス・クリミアーナ。君たちも来るのじゃ」
猫を抱えたままダンブルドアが歩き始めると、取り巻いていた生徒たちが、左右に別れて道を空ける。もちろんその生徒たちには、すぐに寮に戻るようにと言って解散させたうえで、一行はロックハートの部屋へと向かう。ロックハートは得意げに、ダンブルドアのあとに従った。マクゴナガルにスネイプ、それに指名された生徒もそれに続いた。
そのロックハートの部屋で、ダンブルドアはミセス・ノリスを机の上に置き、調べはじめる。誰もがそのようすをじっと見つめる。マクゴナガルも身をかがめ目を凝らして見ていたが、やがて2人が顔を見合わせ、うなづいた。
「アーガスや。猫は死んでおらんよ」
「死んでない? それじゃ、どうしてこんなになってしまったのですか?」
「石になっただけじゃと思う。どうしてそうなったのか、わしには答えられんが……」
「あいつに聞いてくれ!」
ダンブルドアがそう言った瞬間、フィルチはそう叫んだ。あいつとは誰か、それを尋ねるまでもない。フィルチの手は、しっかりとアルテシアを指さしていた。
「落ち着きなさい、アーガス。あの子は、犯人ではないよ」
「でも校長、あいつは犯人を知っていると言った。どうしてこうなったのかもわかるはずだ」
「校長、一言よろしいですかな」
スネイプだ。スネイプは、少しもフィルチのほうを見たりはしなかった。
「あの娘たちは、単にあの場にいあわせ、疑われた。そう考えるのが妥当ではありませんかな」
「おそらくそうじゃろうの。これには、高度な闇の魔術が必要となるはずじゃ。3人とも優秀な生徒じゃが、2年生でこんなことができるとは思えんしの」
「さよう。いくつか疑わしい状況が存在はしますが、この娘たちにできるようなことではない」
「し、しかし。わたしの猫が石にされたんですぞ。そんなことではすまされない!」
さすがに声を荒げたフィルチに、ダンブルドアがやさしく話しかける。
「大丈夫じゃよ、アーガス。キミの猫は治してあげられる」
「ほ、本当ですか、校長」
「もちろんじゃとも。スプラウト先生がマンドレイクを育てておられる。十分に成長したら、すぐにもミセス・ノリスを蘇生させる薬を作らせましょうぞ」
「それができれば、治るのですね、校長」
「それまでは、この猫を医務室で寝かせておこうと思うが、かまわんかね?」
もちろん、フィルチはうなずいた。この話がついたところで、スネイブが改めてダンブルドアのまえに立つ。
「では校長。この娘たちは、そろそろ寮に帰してもよいのでは」
「そうじゃの」
「わたしが、寮まで連れて行きましょう。3人とも、グリフィンドールの生徒ですから」
もしかすると、スネイブにはなにか別のおもわくがあったのかもしれない。だがマクゴナガルは、そんなことはおかまいなしとばかりに、3人を連れてロックハートの部屋を出た。