家のメイドが人外過ぎて地球がヤバイ   作:ちゅーに菌

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やあ、皆さん。ちゅーに菌or病魔です。

地味に投稿が遅れたのは理由があるんですよ。

実は1ヶ月ぐらい前にもう全部書き上がり、投稿しようかなーと考えながらおニューのスマホを弄っていると突如……。

"スマホの画面が指の力で割れました"

な、なにを言っているかわからねぇと思うが私もry)

画面が割れたせいでタッチが反応しなくなり開けなくなったので7000文字ほどの本文がおじゃんになったわけですよ。

私程度の力で割れるなんて……やっぱり携帯は耐久度で選ばないとダメですね。鉄製ツールはダメだやっぱりダイヤツールでないと…。

話は変わりますが最近、PCでminecraftを始めました。

初めて作ったダイヤツールはダイヤ鍬でしたね。

マルチに呼んでくれてもいいのよ?(チラッ…チラッ…)

結月 ゆかり実況がもっと広がりますように。

まあ、作者の愚痴はこれぐらいにしておいて本編をどうぞ。















破壊と円卓の13騎士

「目が醒めたか」

 

目が醒めて一番に見たのは頬を染めて膝枕している黒のワルツ3号とそれを上から除き込む、エクスデス先生だった。

 

むくりと上半身を起こし、さっきの事を思い返す。

 

夢? だとしたら随分、宇宙的な夢を見たものだ。

 

とか、思いたかったがこちらに向かってニヤニヤと笑みを浮かべているジェノバさんを見る限り現実のようだ。

 

「わしが引導を渡してやるべきだったが…まあよい」

 

次の瞬間、エクスデス先生の背後の空間にポッカリと穴が開いた。

 

「グレイフィアらと募る話もあるだろう。明日、また来る」

 

それだけ言うとエクスデス先生は踵を返し、次元の狭間へと消えた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「大丈夫?」

 

エクスデス先生が居なくなると、母さんとオーフィスちゃんが駆け寄ってきた。

 

とりあえず立ち上がると身体を少し動かした。

 

するといつもより身体が軽い気さえしたので、とりあえず大丈夫だと伝えておいた。

 

『いやー、素晴らしい魔力ですね』

 

ジェノバさんが片手を触手に変え、蠢かせながら私の元へ移動してきた。

 

『これはプレゼントです』

 

触手が苗木のような形を取ると、いくつかの淡い緑色のマテリアが生り、それをプチトマトでも収穫するようにプチプチと取り、私の掌に置いてきた。

 

うわぁ…SAN値チェック入りそうなマテリアとの初対面ですね…。

 

ちなみに私は少し前に母さんと"下等生物でもわかる!"と大きく書かれ、デフォルメのジェノバさんがプリントされているマテリアの教本を用いた講義を受けたのでマテリアの使用法は一通り知っている。

 

問題はマテリアスロット付の物を私が持っていないことだろう。

 

ジェノバさんから貰ったザイドリッツはあるが、スロットが無いので話しにならない。

 

どうでもいいがなぜか奉先もザイドリッツを持っており強制ペアルックとなっている。

 

『使ってみて下さいよ』

 

仕方なく1つ適当にマテリアを摘まみ、残りを机の上に置くとカーテンと窓を開け、マテリアを片腕ごと空に掲げた。

 

まず心臓から指先の毛細血管まで伝うように魔力を流し、マテリアを持つ腕を魔力で満たす。

 

次に腕の魔力を指先に集中させ、マテリアに浸透するように送ることで最速かつ威力を落とさずに発動が可能となるのだ。

 

この間、約0.1秒。

 

現在、私の腕を白色の魔力が覆い、マテリアを常時放てる状態にある。

 

うーん………まだ遅い気がするな。

 

だが、呪文を唱える過程も、術式を作る過程も必要ないのなら色々と融通が聞きそうだ。

 

まあ、昔の私なら普通に魔法を撃つぐらい更に速く………まあ、いいか。

 

それよりこれは何のマテリ…。

 

 

 

次の瞬間、曇り空を緑色の煌めきながらも淡い光が埋め尽くし、空の色を変えた。

 

光の波動とも風とも言えるそれは空を駆け巡り、雲を払い、太陽の光すら塗り替えたようにさえ感じるほどに眩かった。

 

光が晴れた先にはただ、青天だけがそこにあった。

 

あ…あ…あ…。

 

『あ?』

 

アルテマじゃねぇか!?

 

『流石シンラさん物識りですね。伊達に元世界を滅ぼし掛けた人は違います』

 

まさか他のマテリアも物騒な奴なんじゃ…。

 

『まあ、暇な時にでも使ってみるといいですよ』

 

使うのが怖ェ………。

 

『後、これは私の気持ちです』

 

そう言いながらニコニコと笑うジェノバさんは………。

 

 

 

 

 

 

 

可愛らしいラッピングがされた"拳程の黒いマテリア"を渡してきた。

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………。

………………………………。

………………………。

………………。

………。

 

ファ"…!?

 

いやいやいやいやいや、まさか…ただのマテリアのハズだ。

 

なんかドス黒いというか、触れてるだけで手がチリチリしたような感覚がするというか、明らかに破壊的な魔力がひしひしと伝わってくる気がするけどきっと気のせいだ。

 

憎らしいほど可愛らしいラッピングが施されたそれから目を移し、一縷の望みを込めてジェノバさんを見た。

 

『それは"黒マテリア"あるいはメテオのマテリアと言い、込めた魔力分の大きさの隕石を上空に形成し、落とすことができます。さらに出力を全開まで上げると対象を完全に破壊出来る程度で、その地点より最も近い隕石を引き寄せて衝突させることが出来ます。こっちは多少時間が掛かりますけどね』

 

ちょ、ジェノバさん!? ジェノバさん!?

 

『大丈夫です。今の私はマテリア無しでも普通に出来ますから。それに………』

 

そこまで言うとジェノバさんは言葉を区切り、私の両手と中にある黒マテリアをを包むように優しく握り締めた。

 

『シンラさんはオーフィスちゃんを怖いと感じますか?』

 

いや…それは無いが…。

 

『それと同じです』

 

………えぇ…?

 

『モノの見方は個人と立ち位置によって違うということですよ』

 

そう言うとジェノバさんはニコリと笑みを浮かべた。

 

『確かにこれは破壊そのもののようなマテリアですが、セトラはこれを宇宙からの侵略者を撃破するために生み出しました。言わば護るための破壊です。本当は白マテリアと併用してこそ真価を発揮しますが…まあ、それはいいでしょう。更にこれはモノです。この星を無に還す事さえも可能ですがそれは持ち主次第なんですよ。シンラさんが望むのならばこのマテリアは世界最強の力とも、星を壊しうる力とも、化しましょう』

 

……………そうか…。

 

私は黒マテリアを見た。

 

漆黒というのはこういうモノを言うのだろう。見続けるだけで吸い込まれてしまいそうだ。

 

まあ、いいか。とりあえずしまっておくとしよう。

 

………………あれ? そもそもセトラの遺産の黒マテリアで星をブッ壊そうとしたのはあなたの息子さんとジェノバさんなんじゃ…いや、この話は止めよう。なにかされそうだ。

 

ジェノバさんとの会話が終ると母さんが私の前に出てきた。

 

「では……」

 

母さんは言葉を区切ってから目蓋を瞑ると、決心を終えたようで目と口を開き、言葉を紡いだ。

 

 

 

 

 

「冥界の"サーゼクス様(あなたの父親

)"の元に行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

私は人生初の父親に会うと言うことで、母さん、私、ジェノバさん、奉先、オーフィスちゃん、ヤズさん、オメガちゃん、黒のワルツ3号で謎の列車に乗っていた。

 

オメガちゃんの姿は見えないがまあ、多分どこかにいるのであろう。乗車した時はいた……と思うし。

 

そんなことより、列車の中で私の正面に座る母さんが私の隣に座っている黒のワルツ3号を凝視している事が気になる。

 

「何か…?」

 

黒のワルツ3号が顔を若干しかめながら母さんに尋ねた。

 

黒のワルツ3号は私とジェノバさんの言うことは聞くがそれ以外は基本的に態度が悪い、というかデカイ。コミュ障かお前は。

 

「いえ…ただ…」

 

母さんはヤズさんとVitaでソルサクデルタをやっているジェノバさんに目を向けた。

 

「本当に造ったのですね………」

 

母さんの表情は物凄く影が射しているように見えた。

 

一体、何があったというのだ…?

 

「私、あんまり嘘つきませんから…あ、グリフォンそっち行きました」

 

「なぬ? 余はクラーケンと……あ」

 

「あーあ、やられましたよ」

 

「魔は死にやすいのだ………」

 

「大人しく均等にしておけばいいものを…死に過ぎると生け贄にしちゃいますよ?」

 

「善処する…」

 

………………楽しそうで何よりです。

 

「しかし………」

 

母さんは私の膝に座っているオーフィスちゃんを見た。

 

「本当に封印されているのですね…」

 

首輪とそれに付く黒い宝石のようなものを見ているのだろう。

 

確かに今ならそれから伝わってくる黒々とした大河の如く莫大なオーラが読み取れる。

 

まあ、宇宙の如く莫大なジェノバさんに比べれば雀の涙程度に感じるが…。

 

「ん…」

 

「あなたも大変ですね…」

 

「そんなことない。我、今、楽しい」

 

さいですか。

 

とりあえず撫でておこう。

 

撫でるとオーフィスちゃんは目を細めて気持ち良さそうにしていた。

 

母さんはそれをなんとも言えないような表情で見ていた。

 

うーん…オーフィスちゃんはしんりゅうだけどこんなに温和なんだがなあ。

 

菓子パンに紐付けて二階からオーフィスちゃんの眼下に垂らしたら、リアル釣られたクマー状態になったりするぐらい温和なんだぞ。

 

いや、釣られたドラーか。

 

しかし………。

 

私はさっきから隣で卯なり声を上げながら眉間に指を置いている奉先を見た。

 

「うーん…」

 

ぶっちゃけ、うるさい。

 

「私の扱いヒドくない!?」

 

なんだよ…悩みごとでもあるのか?

 

「クロノちゃんの事よ」

 

クロノちゃん? ああ、黒のワルツ3号の事か。

 

「勝手に妙なアダ名を付けるな!」

 

「ならワルちゃん? サンちゃんでもいいわよ?」

 

「貴様…やはり肉体に刻み込まなければはうんっ…」

 

はいはい、こんなところで魔法撃とうとしない。

 

しかし、なぜ家の連中は頭を撫でると静かになるのだろうか?

 

私なら母さんか、ジェノバさんか、ヤズさん以外なら確実に止める。奉先ならアホ毛引っ張る。

 

「どうも見覚えがある気がするのよねぇ…」

 

何がだ?

 

「クロノちゃんの顔よ」

 

顔?

 

私は隣の黒のワルツ3号の顔を見た。

 

「あっ…はう…ああん…気持ち…」

 

……………………。

 

撫でてるせいかなんだかよくわからないのだが…。

 

それにしても……。

 

私は黒のワルツ3号のアホ毛(?)らしきものを掴んだ。

 

うむ、中々、いいアホ毛だ。奉先といい勝負だな。

 

「多分…ううん、絶対、見たことあるのよー」

 

他人の空似じゃないか?

 

「確かシンラと一緒に見た気がするわ!」

 

さいですか…。

 

私は話を切り上げるとオーフィスちゃんを持ち上げ、母さんの膝に置くとトイレに立った。

 

置いた瞬間の母さんの鳩が豆鉄砲喰らったような表情に爆笑しそうになったのは内緒である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと思う。

 

私はこれまで様々な事態に直面し、その全てをヌルヌルと切り抜けてきた。

 

まあ、今のところ私が何もしていないと言えばそれまでだろう。

 

基本、ジェノバさんやジェノバさんやジェノバさんが関連する事なので仕方のないと思うが。

 

こんなことを考えている時点で解るだろう。

 

そして、今回は………。

 

 

 

 

"絶賛、紙テープの波に埋もれている最中である"

 

 

 

 

 

紙テープの波からオメガちゃんにサツマイモの如く、引き出された私は母さんの前に3人の男女が正座させられ並べられているのを目にした。

 

どうやら前衛的なお話の時間のようだ…。

 

目を移すと、ここはかなり広めのホールのようで飾り付けも済んでおり、料理も並んでいることからパーティー会場だということがわかる。

 

ん? あそこの席で明らかに寝てるときに付けられたっぽいピエロ帽に付け鼻を付けながら爆睡している男性はなんだろうか…。

 

そんなことを考えていると私の視界にジェノバさんが生えて来て、私に状況を説明してくれた。

 

ふむ………。

 

どうやら並べられている方々は右からサーゼクス・ルシファー、アジュカ・ベルゼブブ、セラフォルー・レヴィアタンというらしい。

 

んで、奥で寝ているのがファルビウム・アスモデウスだとか。

 

あ? 母さんがいつまでも寝ているアスモデウスさんにハリセン(ジェノバさん作:神羅社印入り)を投げ付けて起こした。

 

まあ、それよりも目につくのは…。

 

私は視線を向けなかったそれを見た。

 

そこには15m程の特大のクラッカー(発射済み)が凄まじい異彩を放っていた。

 

………………………。

 

ジェノバさんの話を要約するとこうだ。

 

 

 

息子を迎えるためにサプライズパーティーの準備だ!

どうせならでっかいドッキリを仕掛けよう。何かドッキリはないかな?

無難にクラッ☆カーなんてどう?

それだ!

なら設計は任せろ。

サプライズを込めて扉が開いた瞬間に発射だ!

最前列の母さんと、その後ろにいた私が紙テープの波に飲まれる。

母さんがカム着火インフェルノォォォオウ。←今ココ

 

 

あ、こらオーフィスちゃんまだ食べちゃダメだ。戻って来なさい。マイ箸もしまいなさい。

 

よしよし、いい子いい子。

 

「ところでグレイフィア。なぜ今日はメイ…グフッ」

 

「あなた…? いつ発言を許可したかしら?」

 

………………どこの世界+いつの時代も女性は最強だな。

 

『ところでシンラさん』

 

なんですかジェノバさん?

 

ジェノバさんはニヤニヤしながら私に近づくと耳打ちした。

 

 

 

 

 

『記憶、あるんですよね?』

 

 

 

 

 

………………………。

………………。

………。

 

ナ、ナンノコトデショウカ?

 

『生前の記憶ですよ。エヌオーとしてのね』

 

………はあ…。

 

ジェノバさんには勝てませんね…。

 

『当たり前ですよ』

 

ジェノバさんの言う通りだ。

 

私には生前の"暗黒魔導士エヌオー"の記憶がある。

 

いや、"無"を受け入れた瞬間に忘れていた記憶が呼び覚まされたといった方が正しいだろう。

 

だが、"無"の化神と化してからの記憶は焼け落ちたように消えていた。

 

つまりはエクスデス先生の呪いによる記憶の消去とはこのことだったのだろう。

 

だが、違和感はない。

 

何せ忘れていたことを思い出しただけなのだからそれは当然だろう。

 

『その割には性格も言動も大差無いのは少々驚きですよ』

 

まあ、なんというか…私は昔からこんな感じだったということだ。

 

けして、研究気質で、ボッチで、周りから頭がおかしいとか言われていたという事実無根のことは一切ない。

 

『だったらなんで、ああなったんですか? 私気になります』

 

………………………。

………………。

………。

 

ほらジェノバさん。

 

人にはね。抉られたくない過去の1つや2つや108つぐらいあるじゃないですか。

 

悪魔ですけど。

 

『ならその内、本気の魔法見せてくださいよ。マテリア使った時、相当セーブしてましたよね?』

 

バレた………?

 

『フフッ、私の慧眼を誤魔化すことなんて出来ませんよ』

 

うーん、いつか。

 

『楽しみにしています』

 

そんなことを話していると母さんと魔王の方々が寄ってきた。

 

折角なので名前を当ててみると目を丸くされたので、隣のジェノバさんから聞いたと言っておいた。

 

ふむ………。

 

私はサーゼクス・ルシファーもとい自分の父さんに近付いた。

 

「な、なんだい?」

 

まあ、想定外であろう初対面の私の行動にたじろぐ父さん。

 

暫く、じっと眺めてから目を瞑った。

 

そして目を見開くと一言呟いた。

 

 

 

 

"イケメン!"

 

 

 

 

母さんにハリセンでブッ叩かれた。解せぬ。

 

それを見てかグレイフィアみたいだけどサーゼクスの子だと、母さんと父さん以外の方々がゲラゲラと笑い出した。更に解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ま、ここから先は真面目に行きましょうか』

 

 

 

 

 

 

次の瞬間、ジェノバさんが鳴らした軽い音が酷く響いた。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

『どうも、巷で話題のジェノバです』

 

息子(エヌオー)のメイドだという、私がこれまで見てきたありとあらゆる生物の形状と異なる姿をしたその存在はスカートの橋を掴むと恭しくお辞儀をしました。

 

しかし、そんなことはどうでもいい。

 

問題は………。

 

"全ての時が止まっている事です"

 

空、地、目に写る万物全てが灰色になっていました。

 

ただ、ここにいる者たちだけを除いて。

 

「グレイフィアから話は聞いてるよ。それより、なにをしたんだい………?」

 

サーゼクス様が明らかに元凶であるジェノバの前へ出ました。

 

それに続いてアジュカ様、セラフォルー、ファルビウム様も臨戦態勢を取ります。

 

『そんなに大した事じゃないですよ。ただ………』

 

ジェノバは口の両端をつり上げると三日月のような笑みを作りました。

 

 

 

 

 

 

『この星の表面上の全時間を停止させただけです』

 

 

 

 

 

私はその言葉を理解することが出来ませんでした…いえ、したくありませんでした。

 

ですが、目の前の存在ならそれを平然とやって退ける気がしました。

 

普通時間停止とは敵単体や、自分の周囲を止める程度で、最高でも時の神が国そのものを止めるのが限界でしょう。

 

そもそも大規模な時間停止には大概の場合、かなり大規模な術式や、それに見合う代償が必要です。

 

それを術式も、詠唱も必要とせず、指を鳴らすだけで星を停止させる存在。

 

そんなモノが………居て良いハズがありません。

 

しかし、私の目の前には確かにそこに………。

 

「それは事実のようだ…」

 

「なんだって?」

 

アジュカ様の顔は苦悶の表情を浮かべ、携帯端末の画面を眺めていました。

 

「世界の至るところにある観測機が全て動いていない…そしてこれを見ろ…」

 

アジュカ様が見せた携帯端末の画面に私たちは驚愕しました。

 

そこには灰色になったこの星が映っていました。

 

「これは宇宙からのリアルタイム映像だ…」

 

「………化け物…」

 

「おいおい……」

 

セラフォルーが呟いた言葉はそれまで私たちが相対してきた相手に言われてきた言葉でした。

 

ええ………本物の化け物とはこういうモノを指すのでしょう。

 

『嫌ですねー。取って喰う訳じゃあるまいし、そんなに構えないで下さいよ』

 

「えっ?」

 

手をパタパタとさせ、無害だと言わんばかりの行動をとるジェノバに対して、なぜかエヌオーがオーフィスの両肩に手を置くとジェノバは露骨に目を逸らしました。

 

『それに私は一戦、交える気なんて無いのでそんなに構えないで下さいよ」

 

そうは言いますが到底それを信じることは出来ないでしょう。

 

現にサーゼクス様らは警戒をより強め、いつでも全力の一撃が撃てる一歩手前の状態です。

 

それを見たジェノバは大袈裟に呆れるような動作をすると"こちらへ手招きをしました"

 

…………………………………。

…………………………。

……………………。

………………。

…………。

 

ええ……わかっています…わかっていますよ。

 

「グレイフィア!?」

 

私はサーゼクス様の動揺を無視し、無言でジェノバの前に出ました。

 

『それで良いんですよ。あなたは優秀です』

 

ジェノバの明らかな皮肉を聞き流しながら私は、サーゼクス様らの方へ振り向きました。

 

「皆様、お止めください」

 

私は魔力を解放するとサーゼクス様らの周囲全てを取り囲むように無数の魔力の刃を形成し、片手に魔力を溜め、いつでも魔法を放てる状態になりました。

 

「それ以上、この方に愚行を働くのであれば……」

 

さらにスカートから"拳程の大きさの赤いマテリア"を取り出すと、もう片方の手に握り、手を突き出しました。

 

「容赦はしません」

 

この特殊なマテリアを構えていることでこのマテリアの中のモノの名が伝わってきます。

 

 

 

 

 

 

"ナイツオブラウンド"……と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やったね! グレイフィアさんがチート化したよ!(白目)

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