深緑の火星の物語   作:子無しししゃも

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コラボのプロローグです。詳細は後書きにて!


Mind Game:プロローグ 二局の理

――2618年

 

「そんな感じで酷いものでまったく、もう! ……聞いてるっすかオリヴィエ様?」

 

「ふむ? これはこの盤面で打つのが強いのかな?」

 

 

――私の渾身の愚痴が何一つ聞かれていない! 

 

 地の底に築かれた施設、『神殿』と称されるその最深部で、玉座に座る青年とその傍らに控える女性は言葉を交わしていた。

 

 王とその側近。玉座に座る人間と傍らを許された従者というこの立ち位置からそのような場面を想像するかもしれない。事実、表現としては八割がた正しい。だが、今現在ここに集っている人間とその様相は厳粛なイメージを与えるそれからは大きく外れていた。

 

「……希维、何か言ったかい?」

 

「……何でもないっす」

 

 先ほどから己の主に対してひたすら親戚の愚痴を吐き続けていた女性、希维は己の主、オリヴィエが完全に話を聞いていなかった事にまあそうだよね、と内心で納得しながら怒りの感情を引っ込めた。聞かれていなくとも吐き出すだけでもすっきりする部分はあるのである。

 

 その興味は、自身の事からオリヴィエが己の膝の上に乗せああでもないこうでもないと弄っているゲーム盤と駒に移っていた。

 

「どこで拾ってきたんすか? 随分と凝った作りみたいっすけど……」

 

「『おしゃべりロドリゲス君』と一緒に入っていたんだよ。プレイ人口を増やしたいそうだ」

 

 そんなオリヴィエの傍には、紙の皺一つない美しい包装が可愛らしいリボンで飾られたプレゼント箱が置かれている。

 オリヴィエの部下の一人、太った修道士を模した人形(しかも喋る)。恐らく確実に失敗するであろうプレゼントだが、今日の業務に疲れた彼女にはそれについて言及する事は無い。

 

「へぇ……今は世界で何人くらいなんすか?」

 

「地球外に二人、だってさ」

 

 いやその時点でダメっすよねこのゲーム。希维のツッコミは喉まで出かかって霧散する。

 何というか、色々と疲れてツッコミをする元気が無いのだ。

 

 それは、希维の今日の仕事量が多かった事もあり、オリヴィエが話をする為に呼んだ人間のせいでもあり。

 

「……希维様。今日はもう一人、客の予定が」

 

 まあ疲れはしたけど今日の面倒な部分がようやく終わった、と大きく伸びをしていた希维に、眼下から凛とした、だがどこか暗い調子の声がかけられる。

 

「忘れていたかった事を思い出させないで欲しいっす」

 

 渋い顔をした希维は声の主へと露骨にげんなりした様子で返答する。声の主はそれに対しいやしかし、と言葉を作るが、そこで希维の心境をくみ取ったのか、口を閉じた。

 

 そこには、まだ10歳に満たない年齢ほどの外見の少女が一人、片膝を付き顔を上げ希维を、正確にはその横に座すオリヴィエを仰ぎ見ていた。

 

 身に纏う和装と腰に差した刀、艶やかな黒髪から古い和の雰囲気を感じさせる少女。だが、その目は世界に対する失望を映した薄暗い光を宿し、華美な和装は元の模様よりも乾いた赤黒い色が目立つほどの返り血に染まっている。

 そして、頭と細い手足に巻かれた赤の滲んだ包帯から、重傷を負っている事が伺える。

 

「君は大切な客人だし、怪我も治ってないんだ……ミルチャ君がうるさいから元気になったら帰ってもらわないといけないけど、それまではゆっくりとしてくれていいんだよ?」

 

 まあまあ、と希维を手で遮り、オリヴィエは心配した様子で少女を見る。

 

「勿体無いお言葉です。しかし、貴方様に救われ(掬われ)捧げたこの命、この矮躯の一片が擦り切れるまで精一杯の奉仕をさせていただく所存」

 

「……オリヴィエ様、いいんす、いいんすよ。次のお客も厄介者っすから、警備としていてもらいましょう」

 

 うーん無理しなくてもいいんだけどな、と悩む様子のオリヴィエ、熱の籠った視線と静かな熱弁という字を見れば矛盾していそうな言葉をオリヴィエにすらすらと向ける少女と交互に見て、希维は生暖かい視線で少女を見て、オリヴィエに進言する。

『この子、怪我を押してでもオリヴィエ様の傍にいたいだけなんすよ』という答えは語らず。

 

 私の気付かない所によく目が利く君がそう言うなら、とオリヴィエは納得し、それ以上少女に対して言葉を続ける事はしなかった。

 

「……ところで、オリヴィエ様、希维様。そこの汚物を処刑しても?」

 

 場は纏まったものの、静かな調子で恐ろしい事を言いだした少女。腰の太刀に手をかけ、ちらりと刃を覗かせる。

 それにびくりと反応した、先ほどから言葉を発していないこの場にいるもう一人、中年の男性を、少女はオリヴィエに向けていたものとは一転、冷酷な目で睨み付ける。

 

「ダメっす」

 

「だめだよ」

 

「御意に」

 

 小さい子を叱る調子の二人に負け、目を伏せ素直に太刀を鞘に戻す少女。ほっと息を付く男性。

 わずかな微笑ましさと物騒な空気のアクセント、そんな和やかな空気。

 

 

 

「やあやあこんばんは、皆さま!」

 

 

 その空気は、この場所、オリヴィエの玉座たる『生命樹の間』に唐突に響いた声により、剣呑な雰囲気を纏う事となった。

 

「……」

 

「おやおや、希维ちゃん様ったら冷たい目で俺の事を睨んでおられる! おお怖い怖い~」

 

 開いた自動扉。そこを潜って中に入ってきたのは、袖の長い、虹の七色で染められた道服を身に着けた白人の青年だった。

 

「……はて、皆様の反応が冷たい……ああ、成程、自己紹介をしていないからか!」

 

 青年は額に皺を寄せ、考え込むように左手を頭、その上に乗っている開花しかけの蓮の花を模した形状の黒色の帽子を触る。孔雀の羽のように無数の目玉模様が覗くそれを何度か撫でた後、青年は気付いた、とポンと手を打ち、にこりと笑う。

 

「では、改めて。アポリエール家が枢機卿、アヴァターラ・コギト・アポリエール。オリヴィエ様に忠を献ぐべく参上いたしました」

 

 片膝を突く形で跪き、厳かな様子でオリヴィエに挨拶をする青年、アヴァターラ。だが、その真摯に忠誠を示しているはずの姿は、どこか軽薄に映る。別に、先の態度がどうという訳では無い。

 この男は最初から今に至るまで、周囲に酷く空虚な印象を与えていた。

 

 

「よく来たね、アヴァターラ。術後の調子はどうかな? それとも、外の世界の空気は美味しかったか、と聞くべきかな?」

 

「オリヴィエ様もご壮健で何より。ジャパニーズザシキローとかいうアレはあまり快適では無かったですね、久方ぶりの外はそれはもう! アメリカにフランスと、ゲガルド家の予算でたっぷりと堪能しましたとも!」

 

 嬉しそうなアヴァターラとうんうんと満足そうに頷くオリヴィエ。楽しそうな両者に、今ここにいる人間で割って入れる者はいなかった。

 

「――して、俺に何をお申し付けで?」

 

「君は私が今ささやかな遊びに参加してるのを知っているかな?」

 

「寡聞にして存じませんね」

 

 しょぼんと申し訳なさそうにアヴァターラは頭を下げるが、オリヴィエはそれに何も反応せず話を進める。

 

「まあ、ボードゲームみたいなものなのだけど、君にはそれに参加して欲しいんだ」

 

「ほう、それは心躍る! 将棋ですか、チェスですか! もしかしてリバーシとか? 良いですね、歩兵からキングまで何なりとご指名を!」

 

 

 この食わせ者が。表情にこそ出さないが、希维はアヴァターラに冷徹な分析の目を向ける。

 オリヴィエ様はささやかな遊び、ボードゲームみたいなもの、としか言っていない。それだけで、自身をどのコマにでも、と。それは、己がコマとして戦場に送られるゲームであるという事を即座に把握した、もしくは事前に把握していたという事に他ならない。どちらにせよ油断ならない、と警戒を強める。

 

「いいや、君は()()じゃない」

 

「ほう?」

 

「おや?」

 

 次いだオリヴィエの言葉に、アヴァターラと希维は同時に驚きの声を出す。

 実際に目にした事は無いが、希维はアヴァターラの受けた手術とそれによってその身に宿した生物を把握している。

 対戦開始後に駒が減り(死に)はすれど増やす事(増派)はできない、チェスの如く使用できる戦力が制限された戦争。そう表現できる今オリヴィエが興じているゲームのルールに、アヴァターラの能力はこの上無く適している。

 

 だと言うのに、彼を参戦させないと。槍の一族、ゲガルド家と共生と言える関係にあるアポリエール家。その中でも特級の危険因子である彼は、しかし本人の目的からオリヴィエを裏切る事はしないだろう。当のオリヴィエも、それはよく知っているはず。だから、コマとして彼を選ぶ事に不安などないはずだ。そう思っていたのだが。

 

「詳しく聞かせていただきましょう」

 

「勿論だとも」

 

 その後に語られたオリヴィエの言葉、アヴァターラが果たすべき役割に、希维はなるほどと納得し、アヴァターラは左様ですか、とぱあっと笑みを満面に浮かべる。

 

「……ではでは、私の『救済』も自由に?」

 

「ああ、君の好きにするといい」

 

 いょし! とガッツポーズをするアヴァターラ。もし君が死んでも身元を誤魔化せるレベルでね、とオリヴィエは付け加えるが、それを聞いているのか聞いていないのかは不明である。

 

「では早速準備を! ……時に、オリヴィエ様」

 

「何かな?」

 

「貴方の求める世界は、新たなる神として築く世界の図にお変わりは無く?」

 

 空気が、再び変わった。オリヴィエとアヴァターラ、両者の間に漂う空気こそ先ほどと変わり無いが、その周囲がまるで温度が下がったかのように冷たいものを纏う。

 

「……うん。もうすぐ叶うだろう」

 

「そうですか。では、我が忠義は揺るぎないでしょう」

 

 ああ、大丈夫か。希维がほっと息をついた、瞬間。

 

「君は、この戦い、誰が勝つと思う?」

 

「ふむ、オリヴィエ様、エドガー様、白か黒、いずれ神に至らんとする人類の極点、ニュートンの強者……」

 

 

 もはや、先ほどオリヴィエの参加しているゲームについて知らない、という嘘を突く事すら止めたらしい。

 オリヴィエと対戦相手の名を出し、さてどうしようかと思案する。

 

 

「悩ましい。では、俺はこう予想させていただきましょう」

 

 

 顎に手を当て、悩むように。しかし一方で、答えなど最初から決まっている、そのような態度で。

 アヴァターラは、答えを口にする。

 

 

「"ただの、人間に(Grey)"」

 

 

 

 

 

「――」

 

「……!」

 

 

 

 目を見開く希维。一瞬唖然とし、即座に殺気を滾らせる少女。

 ただ、薄く笑うオリヴィエ。

 

 オリヴィエに忠を誓う二人の感情をどこ吹く風と、オリヴィエにだけ注目し、アヴァターラは言葉を紡ぐ。

 

 

「オリヴィエ様。貴方の目指す世界は、素晴らしいものだ。全てが賢く、争いも無い。それが永劫続くなど、まさに楽園と呼べる。だが、酷く()()()()()

 

 

「オリヴィエ様を侮辱するか、下郎!」

 

 瞬間、アヴァターラの右腕が切り飛ばされ、それだけで止まらない威力は無防備となった脇腹を引き裂き深く内部に達し、臓腑と血液を散らせる。

 

 一般の人間の反応速度を遥かに上回る剣閃。それを振るったのは、興奮した様子で荒く息を付く少女だった。しかし身に受けた傷が重いのかそれ以上の追撃を繰り出す事はできず、憎しみを込めた瞳を向けながら太刀を杖替わりに何とか立っている、という状態だが。

 

 

 

「根拠などありませんよ。ただ、俺は信じたいのです。愛おしいのです。可能性がいくら低くとも、輝く星のごとく在って欲しいのです。愚かで、鈍間で、学ばなくて、でも、天使なんかよりずっと慈悲深くて、神なんかよりずっと全能で、悪魔なんかよりずっと狡猾な彼らの可能性が」

 

 

 間違いない致命傷。だが、それを意にも介さない様子で、アヴァターラは熱の籠った口調と目でオリヴィエに訴えかける。

 

 

「ああ、楽しみだ。不老でも無ければ不死でも無い、しかして不滅の槍の王よ。貴方が、ニュートンの一族が、愚かな旧世代と見下す人間に敗れ去り、全能感を、妄執を、その全てを砕かれ滅びる、その瞬間が」

 

 

 何も言わずただ微笑むだけのオリヴィエに背を向け、アヴァターラは部屋の外に向けて歩き出す。

 

 

「オリヴィエ様。『第四研究所』に、二十数名の武装した兵士が」

 

 しかし、彼がそのままスムーズに部屋を出る事は無かった。

 片眼鏡に白衣といういで立ちの科学者然とした男が、かつかつ足音を響かせながら玉座の間へと入って来る。

 

 

「……では早速、力を見せてもらうっす。アヴァターラ、博士。大口を叩いた分、オリヴィエ様を失望させないよう励む事っすね」

 

 オリヴィエの名代として静かに告げる希维の声に、勿論、と答えるアヴァターラと、これまで無言を貫いていた博士と呼ばれた男性。

 彼らは、来客を出迎えるため、それぞれの『薬』を持ち上層へと向かって歩いていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

「貴方様の忠実なる僕、共和国親衛隊第一連隊長、オリアンヌ・ド・ヴァリエ! 罷り越しましてございますッ!」

 

「貴様、何度煩いと言っても聞かんのだな?」

 

 道のど真ん中であるというのに武器を傍に置き跪く女性を見下し、車から降りた高級スーツを身に着けた男は顔をしかめる。

 女性の声が余りにも大きく、耳に障ったからである。

 

 彼を一言で表すのならば、燃え盛る(たてがみ)を持った獅子。60歳程の、しかし老人と呼ぶには余りにも強い覇気が、場を包み込んでいた。

 

 フランス大統領『エドガー・ド・デカルト』。フランスという一国を総べる長にして、『ニュートンの一族』の一翼を担う者。

 一族の中でもジョセフに並び立つ程の優秀な男であるが、一方で一族全体からは敵意の目を向けられ時に命すら狙われるという特異な立ち位置でもある。

 

 世界を裏から操るとまで言われているニュートンの一族。彼らに命を狙われ、何故エドガーは未だ健在なのか?

 ……その事実そのものが、この男の絶対的な強さを偽る事などできようもなく示していた。

 

 

「今日も私が、私の家族が、平穏に幸せを噛みしめる事ができているのは、全てエドガー様のご威光があっての事! 学も無い、貴方様を讃え感謝をお伝えする詩を紡ぐ才も無い! なれば、私に示せる貴方様への感謝はこの身と気合で張り上げられる声だけでありますれば!!」

 

 

 180cmを超える長身に、筋肉の塊、と呼ぶのは少しオーバーな表現だが、体中にくまなくついた厚い肉。そして、儀礼用の軍服では無い、プレートアーマー、西洋甲冑という明らかに目立つ外見。

 大統領および大統領府を護衛する役割を担う警察組織にして軍の一つ、フランス共和国親衛隊第一歩兵連隊。その長を務めるのがエドガーの眼前で大声を張り上げるこの女性、オリアンヌであった。

 

「黙れと言ったのが聞こえんのかッッ!」

 

 それに対し、エドガーも大声を上げる。

 凄まじい怒気が場を支配し、エドガーを送った公用車の運転手が、付近の護衛の兵士が、口から泡を吐いて倒れる勢いで青ざめる。

 

「はッ! ご無礼をお許しください!」

 

 それに対し、オリアンヌは跪いた姿勢からもう一度深く頭を下げた後、素早く頭を上げ口を噤み、エドガーを見上げる。

 

「……貴様に、任を与える。受け取れ」

 

「……」

 

 まるで、下々に下賜するかのように、エドガーは跪いたままのオリアンヌに向けて紙の束を落とす。

 それをキャッチし損ねて地面に散らばったのをあわあわしながらかき集めるオリアンヌに舌打ちをしながら、エドガーは待つ。

 本来彼は相手に合わせて待つ、というような慈悲を見せる人間では無い。こうして貴重な己の時間をただ待つ事のみに使うというのは、それだけの利用価値をオリアンヌに見出している、という理由からだった。

 

「受けるか受けないかは、貴様の自由意思に任せるとしよう」

 

 断られても構わない。フランスの、エドガーの個人的な人脈で、代替となる人間はあっさりと用意できる。喧しく己を讃えようと毎度毎度必死に騒ぐこの女の忠誠心がその程度だったと確認できる、というだけだ。

 

「返事を聞こうか」

 

「……」

 

 最後まで目を通した事を確認した後に少しだけ待ち、エドガーは回答を求める。時間にして、五秒程。この時間で即断できないような人間に、己が庭の守りを任せる価値は見いだせない。

 

「ほう、流石の貴様も命は惜しいか」

 

 

 無言を貫くオリアンヌに、エドガーは侮蔑の笑みを向けながら声をかける。

 まあ仕方がない、と内心で次の人材を探しながら。

 

「……! ……!」

 

「……」

 

 しかし、そこで様子がおかしい事に気付いた。オリアンヌが何やら慌てている。無言のまま。……無言。

 それに気づいたエドガーは一つ舌打ちをし、そして。

 

「その喧しい声を上げる許可をくれてやる」

 

「ありがとうございます! わが身に溢れんばかりの大任、感激の至り! どうかエドガー様、座して結果を御覧じていただきたい! 貴方様の敵は、全て私が踏み砕いてみせましょう!!」

 

 滂沱と涙を流しながら、感動で声を詰まらせなお周囲に響き渡る声量で早口でまくしたてるオリアンヌ。

 先ほどの黙れ、という命令を忠実に聞いていたのである。

 

 

 

「ッ! エドガー様!」

 

「……ほう」

 

 その、傍から見れば何が何やらよくわからない主従。この後にある人物を迎え入れるべく厳重な警戒態勢が敷かれているため、蟻の侵入も見逃さない……はずだったのだが。

 

 オリアンヌが立ち上がるのと、エドガーが傍に控えていた兵士の腕を掴むのは、同時だった。

 次いで、オリアンヌが駆けだすと同時に、エドガーに、正確にはエドガーが盾としたお付きの兵士に、銃弾が突き刺さる。

 

 下手人は四人だった。いずれもが腕に黒色の湾曲した鎌のような武器を生やし、額には六つの目が形成されている。

 

「……見るに、一族の者では無いな。デモンストレーションだ、せいぜい余に存在価値をアピールしろ、近衛長」

 

 

「仰せの通りにッ!」

 

 

 声を張り上げ、オリアンヌは自身の『薬』を己に打ち込む。

 

 筋肉が内から肉体を突き破らんとでも言う程に肥大化し、そのただでさえ大柄な体が鎧の内に隙間なく詰まる。

 

 本人のイメージと違わず、見るからに肉弾戦に適したその姿。

 

 四人の襲撃者は、それを見て。

 

 

 

「がっ……!?」

 

 

 迷わず、銃弾をオリアンヌに打ち込んだ。

 それは全身を守るプレートアーマーをあっさりと貫通し、その身へと突き刺さる。

 

 

 鎧の時代は、終わったのだ。現実の戦場での武具の移り変わり、それを証明するかのような一幕。

 だが当たり所は絶命が狙える程では無い。襲撃者はそのまま、己の鎌を振るい、三人が同時にオリアンヌを、最後の一人はエドガーを狙い、

 

 

 

「エドガー様に触れようなどという不遜、断じて許すものかァ!」

 

「!?」

 

 瞬間、エドガーに襲い掛かった一人の頭が、弾け飛んだ。

 がくがくと痙攣しながら、赤とピンクを撒き散らし、よろよろと数歩進んだ後、その体は糸を切られたマリオネットのように崩れ落ちる。

 

 

 簡単な事だった。鎧を捨てる勢いで脱ぎ捨てたオリアンヌが一瞬で間合いを詰め、頭にその拳を横殴りに繰り出したのだ。

 自身に向けた三人への対処では無く、エドガーを狙った一人の始末。

 

 死にかけとはいえまだ息はある、エドガーを確実に仕留めるために動きを止める。そのための三人での攻撃だったが、その目論見は根底から崩れる。

 

 しかし、エドガーを守りに行った事により、オリアンヌは三人に背を向けた形となる。仲間の仇と相手が隙を見せた絶好の機会。即座に銃弾を無防備な背に放ち、同時に鎌を振り上げ、無防備な背と首へと突き立てる。

 

 

―――ガッ

 

 だが、その鎌は、オリアンヌの内部に達する事無く止まった。

 その表皮が、正確には、着込んでいた鎧の内にあった鎧が、いとも容易く銃弾を、その鎌を防いだ。

 

 何が、終わったと? そうとでも言いたげに、残酷にその一撃は振るわれる。

 

「ぃぴっ!?」

 

 その滑稽な声が、もう一人の遺言となった。振り向きざまの薙ぎ払うかのような腕の一振りが、左から脇腹に直撃し、骨を粉々に砕き、臓腑を修復不可能な程にぐちゃぐちゃに破壊する。

 

 

 そこで初めて、生き残った二人は認識した。オリアンヌの左手が、人間のそれから変質している事に。

 変態前から肥大化し、分厚い皮膚とその下に隠された装甲。全身に見られる特徴であるが、左手の甲から肘のまでの中ほどにかけて形成された、鈍器としか形容のしようが無い巨大な塊。二人分の血を吸い真っ赤に染まる凶器が、原始的な恐怖を思い起こさせる。

 

 

「……っ、あぁ……クソがぁっ!」

 

「くっ……!」

 

 生き残った二人の行動は対照的だった。

 一人はヤケとなり、彼らの目的であるエドガーの暗殺すら忘れたのか、オリアンヌに跳びかかる。

 たかが二人、短期決戦で邪魔も入れず始末する。そう聞いていたのに。どうしてこうなった? 

 

 

 もう一人は、もはや任務の遂行は不可能と判断したのか、背を向け一直線に逃亡を図る。

 エドガーとは距離がある。オリアンヌは同僚に対処するだろう。大丈夫だ、逃げられる。

 

 

「……エドガー様に牙を剥いた大罪、その命を以て償いとするがいい」

 

「……クハハ。余を誰と心得る?」

 

 取った行動は違えど、二人の最期は同時に訪れた。

 

 オリアンヌに飛びかかった男の体が、瞬間、真下から振り上げられた長柄の斧によって真っ二つに両断される。

 

 フランス大統領に噛みつき、あまつさえ謝罪の言葉すら無く帰ろうとした不調法者は、無数の銃弾を受け踊るように体を痙攣させた後、地に伏せ二度と動く事は無かった。

 

 

 そこには、武装した兵士達が、フランスの軍人がエドガーに敬礼をし立っていた。

 

「わざわざ余が貴様如きに暇を裂いてやるとでも思ったのか?」

 

 

 エドガー・ド・デカルト。彼の強さは、ニュートンの一族としての肉体だけでは無い。

 彼に敵対するという事は即ち、フランスという国家そのものに戦いを挑む事に等しい。

 彼が手ずから処断を行う、というような事は、よほどの事が無い限り起こりえないのだ。

 

 

「お怪我はありませんか!」

 

「当然だ」

 

 血まみれで駆け寄るオリアンヌ。右手には先ほどまで地面に置いていた彼女の得物、長斧の先端に槍が付けられた武器、ハルバードと呼ばれるものが握られている。

 

「一人を仕損じたが……まあいいだろう、貴様を()()()()の騎士として認めてやろう」

 

「……っ! エドガー様、ご無礼を承知の上で……!」

 

 再び武器を地面に置き跪いたオリアンヌは、エドガーに対し、どこか絞り出すように声を出す。

 それは、どのような形であれエドガーに認められた、という状況であれば本来なら感謝感激雨あられという反応を見せる彼女にしては珍しく、どこか暗い色が混じる。

 

 

 

「私は、()()()の騎士にはなれないのですか!! 何故!?」

 

 オリアンヌが、嘆きの籠った、縋りつくような大声でエドガーに問う。

 エドガーが現在興じている、一種の戦争。ゲームと呼んでもいい。フランスという国家として、それ以上に、エドガーという主君の剣として不遜にもエドガーに挑まんという大敵と戦う。アメリカという大国の征服を行う。これ以上は無いのではないか、という栄誉だ。

 

 だが、その聖戦を担う戦士に、彼女は選ばれなかった。

 それが、何より彼女の心を波立たせる。

 

「思い上がるな。貴様よりも余の騎士に相応しい者は他にいる。貴様は貴様の責を果たせばそれでいい」

 

「っ……御意に、我が主よ」

 

 

―せいぜい、余を失望させるなよ?

 

 

 そう言い残し、執務室へと向かうため専用車に乗り込んだエドガーを、それ以上何も言う事ができず、オリアンヌは見送る。

 その内心は、エドガーへの不満……などあろうはずも無く、ただ己自身の無力に苛まれていた。

  

 

――――――――――――

 

「B班は第三通路を封鎖! 我々はそのまま制圧を続ける!」

 

 銃声に、また一人白衣を着た研究員が倒れる。

 それを放ったのは、11人の武装した人間だ。『槍の一族』のお抱えの施設に対する襲撃。

 彼らはただの傭兵である。

 

 依頼主は、いくつもの中継を行っているため大元が誰なのかはわからないが、どうも一国が関わっているという噂を上司から聞いていた。

 

 この研究所で国家転覆を目論むテロの準備が行われている。それを制圧し、証拠を持ち帰る事。これが、彼らに与えられた依頼だ。

 

 答えから言えば、彼らはフランスという国家に、より正確に言えばエドガーに雇われオリヴィエのお抱えである施設の襲撃を依頼されここにいる。

 

 『神殿』、その本拠地の場所は不明であるが、しかしどこの国にそれがあるのか、までは判明しているし、いくつかの研究施設と地下で繋がっている、という事もわかっている。

 そして不穏な資金の流れがスパイにより発覚し、その後の調査によって完全なクロであると判明した。

 

「……戦闘員が見えないな」

 

 構成員の一人が、『薬』を手で弄びながら呟く。奇妙な程に作戦はつつがなく進行している。このまま行けば、死者も負傷者もゼロのまま作戦は完遂されるだろう。

 最近会社に導入された、MO手術の技術。太っ腹にも大元の依頼主はそれに関する費用負担をしてくれるらしい、というのも今回の依頼を受けた理由の一つだ。

 しかし、それを実戦で運用するまでも無く終わってしまいそうだ。

 

 

 

 ……それで終わるわけが、無かった。

 

 

 

「うん?」

 

「何だアレ」

 

 かさかさ。何かが動く音と共に、通路の曲がり角から、何かが姿を現す。

 部隊の全員がそれを認識するが、全員の認識も合わせても、それは『何か』としか言いようが無い。

 

 

 ……強いて言うならば、それは、蟹みたいな足が生えたヒトデのような。体高は1m弱ほど。

 ヒトデと違うのは、その足ではっきりと立ち上がり、よろよろとしながら歩行している事であるが。

 

 八本の足と、一本だけ地面に付いていない短い足のような何か。

 謎の怪生物。唐突に現れたそれに、部隊の皆はあっけにとられる。

 

 

「……斉射」

 

 だが、部隊長は冷静に指示を出す。アレが何はわからない。皆に見えている以上、幻覚の類では無いだろう。

 この状況だ、味方では無いだろう。考えれる可能性は、敵の生体兵―

 

 

 ここで、部隊長の思考は停止した。腹が、熱い。急にどうした、と目線を己の腹に向ける。

 

 

 

 

 

 そこには、破裂しておびただしい量の血と臓物を垂れ流す己の腹部と、そこに突き刺さる蟹の足、その先端に形成された蹄があった。

 

 そのまま、言葉を発する事もできず部隊長は地に伏せる。

 

「うわああぁぁ!」

 

「何だよコレ!? 何なんだよ!?」

 

 一瞬で間合いを詰めた怪生物が、部隊長の命を奪った。先まで一方的な殺戮を行っていた彼らは、突然の襲来に動揺し、その手に持った銃を連射する。

 

 複数が怪生物に命中し、当たり処が良かった数発が脚の一本を根本からもぎ取るが、しかし。

 

 

 

 ズルリ

 

 

 

 その脚は、即座に生えてきた。瞬間、再び怪生物の姿が消え、一人の命もまた消える。

 

 動きを捉える事が困難な高速移動と、受ければ即死は免れない蹴り。

 さらには、再生能力。

 熱を出した時の悪夢に出てきそうなフォルムのこの生命体は、暴虐の限りを尽くし暴れまわる。

 

 

 

 ……結局、それを制圧するまでに部隊の半数弱、五人が犠牲となった。

 最後には一人が胸を抉られながらも羽交い絞めにして抑え込み、残りがありったけの銃弾を脚の中央にある盤に打ち込み続けてようやく怪生物は沈黙した。

 

「……っ、B班、気を付けろ、敵性生物の襲撃を受け死者五人、負傷三人……B班?」

 

 状況を方向するため無線機に向けて報告する隊員。だが、B班との通信は繋がらない。電波が悪いのだろうか。

 何度も言葉を繰り返すが、沈黙が返事として返ってくる。

 

 彼の不幸は、いいや幸運は、それに夢中で必死で肩を叩いてくる同僚に気付かなかった事だろう。

 どの道助からなかったのだ、こうやって死んだ方が、幾分か救いがある。

 

 

 

 

 かさ。かさかさ。かさかさ。かさかさ。かささかさ。かさ。かさかさ。かさかさ。かさかさ。かささかさ。かさ。かさかさ。かさかさ。かさかさ。かささかさ。かさ。かさかさ。かさかさ。かさかさ。かささかさ。かさ。かさかさ。かさかさ。かさかさ。かささかさ。

 

 

 

 悪夢のようなこの光景を、見ずに済んだのだから。

 

 

------

 

 

「……来る、な」

 

「そんなつれない事を言わないでくれよ」

 

 地面に転がった通信機から聞こえる声に返事を返す余裕は無かった。

 目の前の男と、自分の周囲を覆い尽くす地獄のような光景に、もはやまともな言葉は出なかった。

 

 

 部隊は壊滅した。たった一人の人間によって。

 

 

「君の事もちゃんと救ってあげよう。もはや神に至る可能性の無い、ヒトの子よ」

 

 

 一縷の救いも無く、一時の安堵も無く、彼らは悪辣に虐殺された。

 

 

 壁に、床に、天井に広がった、この異形によって。

 

 

 

 それは人で有りながら人ならざる境界の外側に在る者、地の底の七圏より這い出でし亡者の群れという他に無い存在だった。

 深き永劫の奥底で罪過を償い幸福な来世を案じ続ける夢見人たちが(ともがら)を求めるように青白い海の底を揺蕩う生命のような手を伸ばし、哀れな犠牲者、まだ命の灯を保ち続けている最後の一人を誘う。これまで正気の世界での命の掛け合いすら平穏であったと思える生者たる彼はその命というものの根源に訴えかけれる恐怖にこれがかつての自身の友が手招きしているのではなく自身の友とは付近に転がっている亡骸の群でありこの祭具とでも呼ぶべき剣と盾を持って各々が踊る、暗闇の中での魔物の合奏が如き狂宴に興じる深き場所よりの使徒は己の仲間達とは全く関係の無いそれを騙るだけの存在であると彼は叫び――

 

 

 

 ……彼に、無数の手が、幼子程の小さな腕が伸びる。

 

 

 

 

 

――――――人間の胴体が無数に連なった構造体が、彼の視界という視界を埋め尽くしていた。

 

腰から肩。肩からは次の腰が生え、それが繰り返される。この構造が、途中から分岐し枝分かれし、みるみる内に伸びていく。

 

 それぞれの体から人間の構造通りに一つの体に一対二本生えた腕には、まるで後から付け足されたかのような若干の違和感を伴い、片腕に牙が、もう片腕には貝殻のような盾が形成される。

 

 

 斬撃、打撃、そのいずれもが防がれ。手榴弾、銃弾、大火力の近代兵器、損耗こそ与えるものの瞬く間にそれは再生し、元の姿を取り戻す。そして、破壊した肉から零れ出す体液が、武器を持つ手を震えさせる。

 

 

 

 恐怖と絶望は人をどのように支配するのか。

 

 その悪夢の中で、果たして世界の中で何人がその信念を、意思を誇り高く保つ事ができるだろうか?

 

 

「さあ、もう眠るといい。皆、そう言っているよ」

 

 

 

 ああ、皆そう言っている。そうだ、自分は頑張った。もういいじゃないか。

 目の前の、穏やかな微笑みを浮かべる青年が、手を伸ばしてくる。

 

 摩耗しぼやける精神の中、彼はその手を取り、ああ自分は幸福だ、と笑った。

 

 

 

 暗転。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

――――ボードゲームとは、駒を操る技能だけで勝敗が決するものでは無い。

 

 

 そこには、盤上で繰り広げられる戦いだけでは無く、その外部で行われる戦いも合わせて含まれるのだ。

   

 

 言葉で、音で相手の集中をかき乱し、動揺を誘い、相手を戦いの前に連れ回し休息の隙を与えない。

 

 あらゆる手を尽くし、相手の失敗を、失策を引きずり出す。

 

 『盤外戦』と呼ばれるものだ。

 

 無論、それを卑怯だ、という人間も言うだろう。だが、考えてみて欲しい。

 

 

 彼らが行っているのは、ボードゲームであると同時に、戦争である。

 

 

 互いが互いにそれぞれの理由からこのゲームに乗り指し手であると同時に王としてその身を置いている。

 己の野望を叶えるまでの暇つぶし。種まき。彼らが何を思っているかは常人には計り知れない部分も多いが、参加した理由がある。

 

 そして、互いに相手をそれぞれの理由で嫌悪している。

 

 そんな彼らが、ただ盤の上だけで争うものだろうか?

 

 

 

「もし悲しい事故でプレイヤーが指せなくなったら、キングが落ちたら、その時点で不戦勝だろう?」

 

 槍の一族の王は、神の代替品たる泥人形は、そう嘯く。

 

 

「貴様のコマが盤の上で見つからなければ、それを欠いた状態で始めるしかあるまい?」

 

 神への挑戦者は、一国を総べる、老いてなお壮健たる獅子はそう傲岸に言い放つ。

 

 

  

 全面戦争をするつもりは無い。お互いがお互い、相手に知られていない秘密兵器を抱えている。それを持ちだして全てを懸ければ、容易く相手を捻り潰す事ができる。そう、互いに絶対の自信を持っている。

 

 しかしである。対戦相手が気に入らないからといってせっかく用意してくれたゲーム盤と戯れとはいえわざわざ労力を割いて用意したその上の駒をそっちのけで机から立ち殴り合いを始めるのは、互いの最終目的を前に疲弊するのは無益な事だろう? 

 

 何より、一族当主のバックアップ程度に、神の座を得んと必死に喰らいついてくる挑戦者程度に、大人げないだろう? と。

 

 

 世界の天秤は、この両者が気まぐれを起こさない事で、そして彼らを引き合わせてしまった狂人の手で揺らされている。

 

 だが、それは世界が滅亡しない、というだけだ。

 

 

 彼らがただ、普通にゲームに興じているだけで。駒を動かした衝撃で、相手の一手にはっと息を飲む、それだけで。万単位の微生物が死を迎える。

 彼らにとって、人間というのはそれくらいの存在でしかない。

 

 

 

 ……しかし、だ。

 一国を盤として遊び、その外で策謀を巡らす彼らに、ただただ動きのついでというだけで最期を迎える事を許す程、人間は甘くは無い。

 

 

 

 

 青き命の星、地球。世界を救わんと深緑の星に旅立たんとする二年前。

 それは、世界の裏側の、ニュートン一族の上位者たる二人の間で起こった、表向きには記されない戦争。

 

 

 しかし、さらにその裏側で、しかして裏の裏だから表、というわけでは無い裏側で、知る者のごく限られた戦いが起こっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 これは、誰が呼んだか、『盤外戦(マインドゲーム)』と呼ばれたその戦いの序曲である。




 観覧ありがとうございました!

 この話の前の回として置かれている『■■■ とある世界』でも少し書きましたが、テラフォーマーズ二次創作『インペリアルマーズ』『贖罪のゼロ』2作とのコラボとなります!
 両作の作者様、逸環様、KEROTA様には改めましてお礼を申し上げます。

・いずれの作品からこちらに来ていただいた読者さんにも楽しんでいただけるよう、できる限りの解説はさせていただきます。
 これだけでも楽しめる、でもコラボ先を読めばもっと楽しい、そんな話を目指させていただきます。


・現在他2作でも合同コラボ回が連載されており、こちらのコラボは時系列を同じくしたその裏の話、といった具合であります。

 もしかしたら今後の各作品の話の進み方によっては登場人物の考え方が異なってきたり同一人物が同時に別の所に! となる可能性もありますが、その場合は近いパラレルワールドといった感じで考えていただければと思います。

・コラボとは言うものの、新キャラ新ベースがあれこれと出てきます。
 それぞれの独自要素の世界観コラボみたいな感じでしょうか。勿論各作品のキャラクターも登場します!

・私の実力不足により、他作出身のキャラクターの魅力を表現しきれないかもしれませんがどうかお許しを……


・次回以降は後書きで各作品の登場したキャラクターの紹介や他おまけなど書ければと思っております。


――――――おまけ

オリヴィエ「マインドゲームなんてカッコつけて言ってるけどね、実際は私とエドガー君がおこたに入ってにこやかにボードゲームやってるけどおこたの中では激しい蹴り合いが勃発してるとかそんなもんだよ」

希维「オリヴィエ様色々と台無しなんでやめてほしいっす」

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